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旅行中の病気と補完療法について知っておくべき7つのこと
7 Things To Know About Travel-Related Ailments and Complementary Health Approaches

本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版最終アクセス確認日:2022年11月21日

旅行中の体調不良により、旅行が中断したり、台無しになったりします。旅行に関連した健康問題を予防・管理するために、補完療法を利用する人もいます。ここでは、旅行に伴う体調不良や障害に対する補完療法について知っておくべき7つのことを紹介しています。

  1. マラリアの予防と治療。多くの消費者向けウェブサイトでは、マラリアの予防や治療として、食生活の改善やハーブ製品など「自然な」方法を紹介しています。しかし、旅行者は公式の勧告に従うべきであり、このような深刻な病気の予防や治療のために、証明されていない「自然な」アプローチに頼るべきではありません。
  2. 時差ボケ(時差症候群)と睡眠障害。メラトニンのサプリメントが、東西どちらかに旅行する人の時差ボケによる睡眠障害に役立つ可能性を示唆するエビデンス(科学的根拠)がいくつかあります。プログレッシブリラクゼーション(漸進的弛緩法)やマインドフルネス・ストレス軽減法のようなリラクゼーション法は、不眠症に役立つ可能性がありますが、これらが時差ボケに役立つかどうかは証明されていません。
  3. 旅行者下痢症。プロバイオティクスが旅行者下痢症のリスク(危険)を減らすことができるかどうかは不明です。このテーマに関する研究では、相反する結果が得られています。ゴールデンシール(ヒドラスチス)、活性炭、グレープフルーツ種子抽出物(エキス)は有用性が示されていません。
  4. 防虫。合成物質ではなく、植物性の虫除けを使いたいという方には、米国疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)が環境保護庁(Environmental Protection Agency:EPA)に登録したレモンユーカリ油(oil of lemon eucalyptus:OLE)を含む製品を推奨しています。エビデンスでは、ニームオイルを蚊よけとして、また天然物をトコジラミの忌避剤として使用することは、支持されていません。
  5. 日焼け防止。多くの「自然派」日焼け止め製品や自分で作る日焼け止めレシピがネット上で宣伝されています。しかし、どのようなハーブ製品やダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)(eJIM内:一般向け医療関係者向け)も、皮膚がんや日焼けのリスクを低減させるということは、研究によって証明されてはいません。
  6. 乗り物酔い。乗り物酔いに対する有用性が認められた補完療法はありません。
  7. 自分の健康を守るために、自分が行っている補完療法について今かかっている医療機関※に相談しましょう。そうすることで、十分な情報を得た上で意思決定をすることができます。

(※補足:原文では、healthcare provider。米国では主に医療サービス等のヘルスケアを提供している病院/医師を指す。また、健康保険会社や医療プログラムを提供する施設等も含む。)

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更新日:2023年2月7日

監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください

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