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代表的なハーブについて知っておくべき5つのこと
5 Tips: What You Should Know About Popular Herbs
本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。
英語版最終アクセス確認日:2022年11月21日
ハーブ系サプリメントや植物性サプリメントは、ダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)(eJIM内:一般向け・医療関係者向け)として広く市販されており、容易に入手できるようになっています。しかし、ハーブ系サプリメントの安全性や有効性に関するエビデンス(科学的根拠)は、非常にさまざまです。ある製品の使用を支持する限定的なエビデンスがある場合もあれば、安全性の懸念が明らかになったエビデンス、あるいは明確な結論を出すには不十分なエビデンスもあります。このようなばらつきがあるため、特定の製品を使用する前に、入手可能な情報を注意深く検討し、今かかっている医療機関※に相談する必要があります。
2012年に米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)のウェブサイトを閲覧した300万人以上のうち、大多数の方が特定のハーブや植物に関する情報を検索していました。NCCIHのサイトで2012年に検索されたハーブのトップ5は、月見草オイル、セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)、フェヌグリーク(コロハ)、エキナセア、アロエベラでした。ここでは、代表的なハーブ系サプリメントについて知っておくべき5つのことを紹介しています。
- 月見草オイル。月見草オイルは、湿疹、関節リウマチ、更年期障害に対して民間療法または伝統療法として用いられてきましたが、これらの症状・疾患に対して月見草オイルの使用を支持する十分なエビデンスはありません。
- セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)。うつ病に対するセントジョーンズワートの有効性を検証した研究の結果は一致していません。うつ病の治療に対するセントジョーンズワートについて、一般の人々の関心があるかもしれませんが、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)は、うつ病に対する市販薬または処方薬としての使用を承認していません。重要なのは、セントジョーンズワートは、多くの薬剤(抗ウイルス薬、抗うつ薬、経口避妊薬、抗けいれん薬)の代謝に影響を与えることが知られており、重篤な副作用を引き起こす可能性があることです。
- フェヌグリーク(コロハ)。フェヌグリークは、糖尿病や食欲不振の民間療法や伝統療法として、また授乳中の女性の乳汁分泌を促進するために使用されることがあります。しかし、これらの症状を含めたどの健康状態に対してもフェヌグリークの使用を支持する十分なエビデンスはありません。フェヌグリークは、歴史的に分娩を誘発するために使用されてきた過去を考慮すると、妊娠中の女性が摂取する際は注意が必要です。
- エキナセア。全般的にみて、風邪に対するエキナセアに関するエビデンスの結論は出ていません。エキナセア製剤の中には、成人で風邪の罹病期間短縮や重症度軽減の可能性があるという限定的なエビデンスがありますが、風邪に対するエキナセアを検証したNCCIHが資金提供した4件の臨床試験の結果によると、エキナセアは風邪の症状の罹病期間や重症度を減らさなかったことが示されています。エキナセアの臨床試験では、副作用はほとんど報告されていませんが、人によってはアレルギー反応を起こす可能性があります。
- アロエベラ。
局所使用:いくつかの小規模な研究では、アロエゲルを外用すると火傷や擦過傷の治癒に役立つ可能性があることが示唆されています。一般的に、アロエの局所使用(外用)は安全であると考えられますが、ある研究では、アロエゲルが深部の手術創の治癒を妨げる可能性が示されています。
経口使用:アロエラテックス(乳液)は強力な下剤成分を含んでおり、アロエラテックスの製造会社が必要な安全性データを提出していなかったため、2002年にFDAは、すべての市販されているアロエラテックス製品を米国市場から回収または再調製することを要請しました。
(※補足:原文では、healthcare provider。米国では主に医療サービス等のヘルスケアを提供している病院/医師を指す。また、健康保険会社や医療プログラムを提供する施設等も含む。)
更新日:2023年2月7日
監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日
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