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オメガ3脂肪酸について知っておくべき7つのこと
7 Things To Know About Omega-3 Fatty Acids

本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。

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英語版最終アクセス確認日:2021年2月12日

オメガ3脂肪酸は、体内のさまざまな機能にとって重要な多価不飽和脂肪酸に属しています。オメガ3脂肪酸のEPAやDHAは、脂肪が多い魚(たとえば、サケ、マグロ、マス)や甲殻類(たとえば、カニ、ムール貝、カキ)のような海産物に含まれています。オメガ3の異なる種類であるALAは、植物油(たとえば、セイヨウアブラナ、大豆)など他の食物に含まれています。オメガ3脂肪酸はサプリメントとしても摂取できます。たとえば、魚油サプリメントはEPAやDHAを含み、亜麻仁油はALAを含んでいます。海産物の摂取による健康的利点に関してわずかな根拠はありますが、オメガ3サプリメントの健康的利点は明確ではありません。

オメガ3脂肪酸について知っておくべき7つのこと

  1. 海産物(魚や甲殻類)を多く含む食事と心疾患に関する研究結果によると、週に一回以上海産物を食べる人は、極稀にしか食べないあるいは全く食べない人と比較して心疾患が原因で死亡する可能性が低いようです。Dietary Guidelines for Americans, 2010(アメリカ人のための食生活の指針、2010)」(英語PDF)は、海産物からオメガ3脂肪酸などの種々の栄養素を得られるため、成人は週に8オンス(約224g)以上の種々の海産物を取ることを新たに推奨しています。(幼児に対する推奨量はより少量であり、妊婦や母乳育児をしている女性に対しては特別の推奨量があります。ヒント4を参照してください)
  2. EPAやDHAを多く含む海産物を心臓の健康によい食事に加えて摂ることを示唆する根拠はありますが、EPAやDHAのサプリメントが心疾患を予防することは証明されていません。 2012年に2つの研究者グループが、心疾患リスクに与えるEPAおよびDHAサプリメントの効果について調査、解析をしました。一つのグループは、心疾患の既往のある人についての調査だけを解析し、もう一つのグループは心疾患の既往のある人とない人両方についての調査を解析しました。その結果、サプリメントが心疾患を予防するという確固とした根拠は得られませんでした。
  3. 2012年の科学論文のレビューでは、海産物や魚油に含まれるオメガ3脂肪酸であるEPAやDHAが関節リウマチの症状を緩和するのに、ある程度有効と考えられると結論づけています。 レビューに見られた研究では、対象者の多くが、魚油を取ると朝の体のこわばりが短時間になり、関節の腫れや痛みも減少し、そのような症状をコントロールするための抗炎症薬の必要性も低下したと報告しています。
  4. 胎児発生期間や胎児発育期間は、早期乳児期や幼児期と同様に、海産物の栄養価は特に重要です。 妊娠中や授乳中の女性は、健康な食生活の一部として必要カロリー内に収まるように留意しながら、メチル水銀の含有量が低いさまざまな種類の海産物を週に8から12オンス(約224gから336g)、摂取すべきです。妊娠中や授乳中の女性は、白マグロ(ビンナガマグロとして表示されています)の量を週に6オンス(約168g)以内に制限すべきです。また、妊娠中や授乳中の女性は、アマダイ、サメ、メカジキ、キングマッケレルはメチル水銀を多く含むため、食べるべきではありません。
  5. オメガ3脂肪酸と脳および眼の疾患に関する研究が進行中ですが、このような疾患に対するオメガ3脂肪酸の効果を結論づける根拠は十分ではありません。 DHAは脳と眼の機能に重要な役割を果たしています。そのため研究者は、DHAやその他のオメガ3脂肪酸が、脳や眼に関連したさまざまな疾患の予防と治療に有効な可能性があるのではないかとの調査を盛んにおこなっています。
  6. 海産物と魚油に含まれるオメガ3脂肪酸(EPAやDHA)と前立腺がんのリスクの増加との間に関連があるかどうかについては矛盾する根拠があります。 オメガ3脂肪酸摂取と前立腺がんのリスクとの関連についてはさらに調査が進行中です。
  7. 結論:普段の食事に海産物を取り入れることは健康によいことです。ただし、オメガ3脂肪酸サプリメントが効果的かどうかは不明です。 オメガ3脂肪酸サプリメントを利用しようと考えているなら、医療スタッフに相談しましょう。妊娠中や授乳中の場合、血液凝固に影響する薬剤を取っている場合、海産物にアレルギーがある場合、子供にオメガ3脂肪酸サプリメントを与えようと考えている場合は、自分自身または自分の子供の担当医療スタッフに相談することが特に重要です。
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監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
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