文字サイズ変更
  • 標準
  • 特大
インフォグラフィックでわかる統合医療
医療関係者の方へ ホーム  >  コミュニケーション  >  線維筋痛症に対する補完療法について知っておくべき7つのこと

コミュニケーション

線維筋痛症に対する補完療法について知っておくべき7つのこと
7 Things To Know About Complementary Approaches for Fibromyalgia

本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版最終アクセス確認日:2022年11月21日

線維筋痛症は、広範囲の疼痛や圧痛、倦怠感などの症状を伴う慢性疾患で、日常活動を送るのに支障をきたすこともあります。線維筋痛症は、米国の成人400万人が罹患していると推定されています線維筋痛症は、小児を含むすべての年齢層で罹患する可能性があります。しかし、ほとんどの人は、中年期に診断されています。女性は男性の2倍、線維筋痛症をなりやすいと言われています。

線維筋痛症の治療には、薬物療法と非薬物療法の両方が含まれる場合があり、しばしば個別のアプローチが必要となります。

ここでは、線維筋痛症に対する補完医療に関して科学的が示す、知っておくべき7つのことを紹介しています。

  1. 一般的に、線維筋痛症に対する補完療法に関する研究は、予備的なものです。しかし、一部のアプローチについては有望なエビデンス(科学的証拠)があります。
  2. 1つの可能性のある例外を除いて、いかなるダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)(eJIM内:一般向け医療関係者向け)も線維筋痛症の痛みを和らげるというにはエビデンスは不十分です。その例外として考えられるのは、ビタミンD(eJIM内:一般向け医療関係者向け)のサプリメントで、ビタミンDが欠乏している線維筋痛症患者の痛みを軽減する可能性があります。
  3. 太極拳などの瞑想運動療法は、線維筋痛症の一部の症状をいくらか緩和する可能性があります。いくつかのランダム化比較試験で有望な結果が得られています。
  4. マッサージが有用であるというエビデンスは限られています。マッサージ療法や筋膜リリースと呼ばれる結合組織(筋膜)をターゲットにした手技療法の一種は、線維筋痛症の症状をわずかに改善する可能性があります。
  5. マインドフルネス瞑想は、線維筋痛症の人の痛みや生活の質を短期的に改善する可能性があります。しかし、少数の研究しか行われておらず、その質も低いものです。
  6. バイオフィードバック(行動療法)は、線維筋痛症患者の身体機能、痛み、気分に有用な可能性があります。しかし、エビデンスの質は低いものです。
  7. 太極拳、マインドフルネス、マッサージ、バイオフィードバックなどの心理的・身体的アプローチは、訓練を受けた専門家が適切に行うか、十分な資格を持ったインストラクターが指導すれば、一般的に安全性が高いと考えられます。あなたの医学的状態(既往症、併存疾患等)が療法の安全性に影響を与える可能性があります。個々のニーズについては、今かかっている医療機関※や施術者・インストラクターと相談してください。

(※補足:原文では、healthcare provider。米国では主に医療サービス等のヘルスケアを提供している病院/医師を指す。また、健康保険会社や医療プログラムを提供する施設等も含む。)

このページの情報は役に立ちましたか?

更新日:2023年2月7日

監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください

「統合医療」情報発信サイト
医療関係者の方へ 関連コンテンツ

統合医療とは?
情報の見極め方クイズ
eJIM利用マニュアル
ここくら【こころとくらし】
e-ヘルスネット
インフォグラフィックでわかる統合医療
ページトップ
ページトップ