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過敏性腸症候群(IBS)および補完療法について知っておくべき6つのこと
6 Tips: IBS and Complementary Health Practices

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版最終アクセス確認日:2021年2月12日

アメリカでは5人に1人が過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome、IBS)の症状を呈しています。IBSは、大腸の正常な機能を阻害する慢性疾患で、腹痛、腹部疝痛、腹部膨満、便秘および下痢などの症状を特徴とします。IBSの患者の多くは、症状を緩和するための補完療法に取り組んでおり、これらの療法のいくつかはある程度有益であることを示す科学的根拠(エビデンス)が存在します。

IBSに対する補完療法を検討している場合、知っておくべきことを下記に示します。

  1. 催眠療法(催眠術)この方法では、十分にリラックスした状態において熟練の催眠術師や催眠療法士による暗示力を必要とし、IBSに対して最も広く使われている心身療法です。科学論文のレビューによると、催眠療法はIBSの症状を管理するために役立つ治療法と考えられます。IBSに対する催眠療法を検証した試験の中には、消化器症状のほか、不安感抑うつ、身体障害および生活の質が長期にわたってかなり改善したことを示したものもあります。
  2. プロバイオティクスビフィズス菌や乳酸菌などのプロバイオティクスは、生きた微生物で、ヒトの消化管に通常みられる微生物と類似しています。また、これらはプラセボと比較してIBS症状を改善します。試験の結果では、プロバイオティクスが患者の腹痛、膨満感および腸管ガス貯留を低減することが示唆されています。
  3. ペパーミントオイルペパーミントオイルはIBSを治療するために使用されることの多い薬草療法の一種ですが、結果はさまざまです。ペパーミントオイルの腸溶性カプセルはIBSのよくみられるいくつかの症状(特に腹痛、膨満感および腸管ガス貯留)を軽減する上である程度有効であることを示す根拠がいくつかあります。ペパーミントオイルの非腸溶性製剤は胸焼けを引き起こしたりまたは悪化させたりする場合がありますが、全般的に安全です。(腸溶コーティングによって、ペパーミントオイルが変質することなく胃を通過することで、腸で溶解することができます。しかし、ペパーミントオイルの腸溶性カプセルを制酸薬などの薬剤と同時に服用すると、このコーティングはより早く溶解するため、胸焼けや悪心のリスクが高まります。)(補足:日本では、ペパーミントのエッセンシャルオイルの経口(口から)摂取は認められていません。)
  4. 薬草療法。薬草療法はIBSに対してよく使用されていますが、これらの療法に関する研究の多くは中国で行われています。71種類の薬草療法に関する臨床試験のレビューでは、限られた根拠ですが、これらの薬草療法のいくつかが腹痛、便秘および下痢などのIBS症状を改善するのに役立つことを示唆しています。しかし、そのレビューでは、全般的に試験の質が悪かったことを問題視しています。
  5. 鍼治療いくつかの小規模な試験では、鍼治療にはIBS患者の生活の質にある程度有効であることが示されていますが、科学論文のレビューでは、IBS症状の治療として鍼治療を行うことの根拠となる確固とした根拠はないと結論づけられています。
  6. 自分の健康に責任を持ちましょう。あなたが行っている補完療法をすべてのかかりつけの医療スタッフに相談しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。
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監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください

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