コミュニケーション
前立腺肥大症[(良性前立腺過形成:benign prostatic hyperplasia(BPH)]に対する補完療法について知っておくべき5つのこと
5 Tips: What You Should Know About Complementary Health Approaches for BPH
本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。
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英語版最終アクセス確認日:2022年11月21日
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前立腺肥大症はBPHとも呼ばれ、男性の前立腺が肥大しているが、がん化はしていない状態のことです。50歳以上の男性に最も多い前立腺の疾患です。前立腺が肥大すると、尿道(膀胱から尿を出す管)を圧迫して挟み込みます。そのため、特に夜間に頻繁に尿意を催したり、尿の出が悪くなったりするなどの症状が現れてきます。
BPHの治療法には、一般的に生活習慣の改善、薬物療法、低侵襲的処置、または手術が含まれます。また、複数のダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)(eJIM内:一般向け・医療関係者向け)やその他の補完療法も、BPHに対して研究されています。BPHの症状に対する補完療法を検討している場合に知っておくべき5つのことを紹介しています。
- 複数の研究で、ハーブのノコギリヤシ (Saw Palmetto)がBPHに伴う泌尿器系の症状にいくらかの有用性がある可能性が示唆されており、最近のエビデンス(科学的根拠)では、その有用性はある種の薬物療法に匹敵するかもしれないとされています。しかし、他の研究では、ノコギリヤシは通常より多い量を摂取しても、プラセボ(不活性物質)より有用性が低いという結果が出ています。
- イラクサ(Urtica dioica)単独、またはノコギリヤシとの併用、アフリカ スギ(Pygeum africanum)が、BPHの一部の症状を改善する可能性があるという限定的なエビデンスがいくつかあります。
- リコピンをBPHの予防や治療に使用することを支持する十分なエビデンスはありません。
- 鍼治療が前立腺肥大症の症状に短期的に有用であるという限定的なエビデンスはありますが、明確な結論を出すには、より長期的、より厳密な研究が必要です。
- 自分の健康を守るために、自分が行っている補完療法について今かかっている医療機関※に相談しましょう。そうすることで、十分な情報を得た上で意思決定をすることができます。
(※補足:原文では、healthcare provider。米国では主に医療サービス等のヘルスケアを提供している病院/医師を指す。また、健康保険会社や医療プログラムを提供する施設等も含む。)
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更新日:2023年2月7日
監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日
ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください
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