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不安に対する補完療法について知っておくべき7つのこと
7 Things To Know About Complementary Health Approaches for Anxiety

本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。

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英語版最終アクセス確認日:2022年11月21日

時折、不安を感じることは、生活上よくあることです。 仕事で問題に直面したとき、試験を受ける前、重要な決断をするときに不安を感じることがあるかもしれません。しかし、人によっては、不安は深刻で持続的な問題となり、コントロールすることが難しく、日常生活に支障をきたす場合があります。これを不安障害と呼びます。心理療法や薬物療法などを含め、不安障害には有効な従来の治療(標準治療)があります。

不安を軽減したり、医療処置などの緊張感を伴う状況に対処したりするために、補完療法に頼る人もいます。いくつかの補完療法は、この種の不安を軽減するのに有用である可能性がありますが、補完療法が不安症・不安障害を治療する上での有用性は証明されていません。ここでは、不安に対する補完療法について知っておくべき7つのことを紹介しています。

  1. 鍼治療が不安を軽減することを示唆する研究もありますが、その研究は限定的なものであるため、明確な結論には至っていません。
  2. がん患者やさまざまな症状・疾患のある患者を対象としたいくつかの研究で、マッサージ療法が不安を軽減するのに有用であると示されましたが、その他の研究では明らかな有益な効果は認められませんでした。マッサージは、全般的な不安症・不安障害の治療に有用であるとは示されていません。
  3. マインドフルネス瞑想は、不安関連の症状に対して軽度から中等度の有益な効果がある可能性があります。しかし、瞑想は、全般的な不安症・不安障害の治療に有用であるとは示されていません。
  4. リラクゼーション法は、慢性的な医学的問題を持つ患者や医療行為を受ける患者の不安を軽減する可能性があります。しかし、不安症・不安障害の治療においては、従来の心理療法(認知行動療法)の方がリラクゼーション法よりも有用であると考えられます。
  5. カバ抽出物(エキス)は、不安の症状に対して中等度の有益な効果をもたらす可能性があると考えられていますが、カバのサプリメントは重度の肝障害のリスク(危険)を伴います。
  6. メラトニン(英語サイト)は、手術予定の患者の不安を軽減する上で役立つ可能性があることを示唆するエビデンスがいくつかあります。
  7. 自分の健康を守るために、自分が行っている補完療法について今かかっている医療機関※に相談しましょう。そうすることで、十分な情報を得た上で意思決定をすることができます。

(※補足:原文では、healthcare provider。米国では主に医療サービス等のヘルスケアを提供している病院/医師を指す。また、健康保険会社や医療プログラムを提供する施設等も含む。)

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更新日:2023年2月7日

監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください

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