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高血中コレステロールについて知っておくべき5つのこと
5 Tips: What You Should Know About High Blood Cholesterol

本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版最終アクセス確認日:2022年11月21日

米国では成人の約13%で総コレステロール値が高くなっています。コレステロール値を低下させると、動脈壁へのプラークの蓄積を遅らせたり、減少させたり、阻止することさえでき、また心臓発作が起こる確率を下げる可能性があります。高コレステロールの主な治療法は、食事の改善、減量、運動、そして必要に応じた薬物治療です。

米国の国民健康調査のデータによると、高血中コレステロールは、人々がダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)(eJIM内:一般向け医療関係者向け)などの補完療法を用いる上位10の病態の1つです。

ここでは、高血中コレステロールについて知っておくべき5つのことを紹介しています。

  1. 今かかっている医療機関※と一緒に取り組みましょう。血中コレステロール値を下げるための確立された方法について今かかっている医療機関に相談しましょう。また、 ダイエタリーサプリメントなど、検討中の補完療法があれば必ず相談しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。
  2. 食事 [英語サイト]の改善。飽和脂肪酸は、あなたの日々の食事の中で最もLDLコレステロール(通常「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、動脈にコレステロールを蓄積し閉塞させる主な原因)値を上昇させるものです。飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を過剰に含んだ食事は、高血中コレステロールの主な原因です。
  3. 体重管理。過剰な体重を減らすことは、LDLやトリグリセリド(血中や食物に含まれる脂肪の一種)を減少させる一方、HDL(通常「善玉コレステロール」とも呼ばれ、動脈にコレステロールが蓄積するのを防ぐ)を増加させる可能性があります。
  4. 運動。定期的な運動(毎日30分間の早歩きなど)は、HDLを増加させ、トリグリセリドを減少させる可能性があります。また、減量につながるため、LDLの減少にも役立つ可能性があります。1週間で少なくとも合計150分間の運動を目標としましょう。
  5. コレステロール値の改善を目的として市販されているダイエタリーサプリメントのエビデンス(科学的根拠)を知りましょう。紅麹、亜麻仁、ニンニクといったダイエタリーサプリメントは、コレステロール値の減少について試験が行われている多くの研究対象のひとつです。サプリメントです。残念なことに、これらのサプリメントがコレステロール値の減少に有効という確定的なエビデンスはありません。
    • 紅麹[英語サイト]紅麹製品の中には、酵母によって作られるモナコリンという物質が含まれているものがあります。モナコリンKは、コレステロールを減少させる薬のロバスタチンの有効成分と化学的に同一で、ロバスタチンと同じタイプの副作用や薬剤相互作用を引き起こす可能性があります。その他の紅麹の製品には、モナコリンKはほとんどまたは全く含まれておらず、これらの製品がコレステロール値に何らかの影響を与えるかどうかは不明です。残念なことに、紅麹の大半の製品にどの程度モナコリンKが含まれているかを知る方法はありません。また、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)は、モナコリンKを少しでも含む紅麹製品をダイエタリーサプリメントとして法律上売ることはできないと定めています。
    • 亜麻仁コレステロール値を減少させるための 亜麻仁製剤に関する研究では、さまざまな結果が報告されています。コレステロール値減少を検討する 亜麻仁に関する科学的研究の2009年のレビューによると、コレステロール値をいくらか改善させ、それは閉経後の女性やコレステロール濃度の初期値が高い人でより多く確認されました。
    • ニンニクニンニクサプリメントを摂取すると血中コレステロール値がわずかに減少する可能性があるというエビデンスがいくつかありますが、3種のニンニク製品(生ニンニク、ニンニクの乾燥粉末錠剤、熟成ニンニクの抽出物錠剤)の安全性と有効性を検証した国立補完統合衛生センター[米国]の資金提供による試験では、効果は認められませんでした。ニンニクサプリメントは、ほとんどの成人で安全と思われますが、アスピリンと同様の作用機序で血液を希釈する可能性があるため、手術や歯の治療を受ける予定がある場合は注意が必要です。

(※補足:原文では、healthcare provider。米国では主に医療サービス等のヘルスケアを提供している病院/医師を指す。また、健康保険会社や医療プログラムを提供する施設等も含む。)

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更新日:2023年2月7日

監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください

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