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海外の情報

セイヨウオトギリソウ
St. John's Wort

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版最終改訂年月(翻訳時):2012年4月
一般名(英名):
St. John’s wort, hypericum, Klamath weed, goatweed
学術名:
Hypericum perforatum

はじめに

このファクトシートには、セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)に関する基本的情報(一般名、科学的根拠、起こりうる副作用と注意事項、詳しい情報の入手先)が記載されています。

セイヨウオトギリソウは、黄色い花をつける植物で、古代ギリシアで最初に医薬品として利用した記録があります。セイヨウオトギリソウ(St.John's wort)は6月下旬の洗礼者ヨハネ(St.John)の祝日前後に開花するため、洗礼者ヨハネにちなんで命名されたと考えられています。歴史的に、セイヨウオトギリソウは、精神疾患や神経痛の治療に用いられてきました。また、セイヨウオトギリソウは、マラリアの治療、鎮痛剤、創傷や火傷、虫刺され用の軟膏としても用いられてきました。今日では、民間療法または伝統療法として、うつ病、不安神経症、睡眠障害に用いられています。

セイヨウオトギリソウの花はハーブティーとして用いられるほか、濃縮抽出物の錠剤やカプセルとして市販されています。流エキス剤や局所用製剤も市販されています。

科学的根拠

うつ病に対するセイヨウオトギリソウの有効性を報告する研究は複数ありますが、逆に有効性を認めなかった研究もあります。例えばNCCIHが助成した大規模試験では、中等度の大うつ病に対する治療効果について、セイヨウオトギリソウとプラセボでの違いは認められませんでした。また、NCCIHが国立精神衛生研究所[米国]と共同で助成した試験では、セイヨウオトギリソウと標準的な抗うつ剤のいずれも、小うつ病の症状に対してプラセボと同等の効果しか得られませんでした。

副作用と注意事項

  • セイヨウオトギリソウは多くの薬剤との相互作用を有し、薬剤の意図する効果を阻害することが研究で示されています。セイヨウオトギリソウの影響を受ける可能性がある薬剤例は以下のとおりです。
    • 抗うつ剤
    • 経口避妊薬
    • シクロスポリン(移植臓器に対する身体の拒絶反応を防ぐ)
    • ジゴキシン(心臓病薬)
    • インジナビルおよび、可能性としてその他のHIV感染症治療薬
    • イリノテカンおよび、可能性としてその他の抗がん剤
    • 抗てんかん薬(フェニトイン、フェノバルビタールなど)
    • ワルファリンおよび類縁の抗凝固剤
  • セイヨウオトギリソウは、日光に対する感受性を高める可能性があります。その他の副作用には、不安感、口渇感、めまい、消化管症状、倦怠感、頭痛または性的機能障害などがあります。
  • セイヨウオトギリソウを、ある種の抗うつ剤と併用した場合、セロトニンに関連した副作用の発現率が高まり、重篤化する可能性があります。
  • セイヨウオトギリソウは、うつ病薬として認可されていません。適切なうつ病の治療を行わないと、重症化するおそれがあります。うつ病の人は医療機関を受診してください。有効性が証明された治療法があります。
  • あなたが行っている補完療法をすべてのかかりつけの医療スタッフに伝えてください。健康管理のためにあなたがどんなことをしているのか、すべて話しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。
    医療スタッフに補完療法について話す際のポイントについては、NCCIH’s Time to Talk campaignをご覧ください。

【補足】

NCCIH’s Time to Talk campaignの翻訳サイトは以下を参照してください

薬用植物と医薬品の相互作用の可能性に関する学術文献を検索

参考文献

詳細情報

■ Using Dietary Supplements Wisely

nccih.nih.gov/health/supplements/wiseuse.htm

■ NCCIH 情報センター

国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]の情報センターは、NCCIHに関する情報、ならびに連邦政府が管理運営する科学・医学論文データベースから関連する文献や検索・調査などを含む補完療法に関する情報を提供しています。情報センターでは、医学的なアドバイス、治療の推奨、施術者の紹介はおこなっていません。

米国内の無料通話:1-888-644-6226
テレタイプライター(TTY、聴覚障害者や難聴の方用):1-866-464-3615
ウェブサイト: nccih.nih.gov
E-mail:info@nccih.nih.gov

■ PubMed®

国立医学図書館(NLM)[米国]のサービスであるPubMed®には、科学・医学雑誌に掲載された論文の情報(掲載号、出版年月日など)および(ほとんどの場合)その論文の要約が掲載されています。

ウェブサイト:www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed

■ ODS(ダイエタリーサプリメント室)

国立衛生研究所(NIH)[米国]内に設置されたダイエタリーサプリメント室(Office of Dietary Supplements:ODS)は、科学情報の評価、研究支援、研究結果の共有、啓発活動を通して、国民のサプリメントの知識と理解が深まるよう努めています。出版物(例えば「サプリメント:知っておきたいこと」など)、さまざまなサプリメント成分や製品に関する個別のファクトシート(例えば「ビタミンD、マルチビタミン・ミネラルサプリメント」など)、および「PubMed Dietary Supplement Subset(PubMedで検索する際、サプリメントに関する論文を自動的に限定検索可能)」等を提供しています。

PubMed Dietary Supplement Subset(パブメッド・ダイエタリーサプリメント・サブセット)
ウェブサイト: ods.od.nih.gov
E-mail: ods@nih.gov

■ NIH National Library of Medicine's MedlinePlus

St. John’s Wort Listing: www.nlm.nih.gov/medlineplus/druginfo/natural/329.html

国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]は、個人の参考情報として、この資料を提供しています。この資料は、あなたのプライマリーヘルスケア提供者(かかりつけ医等)の医学専門知識やアドバイスに代わるものではありません。NCCIHは、治療やケアについて意思決定をする場合は、必ずかかりつけの医療スタッフと相談することをお勧めします。この資料に記載されている特定の製品、サービス、治療法のいずれも、NCCIHが推奨するものではありません。

監訳:伊藤壽記(大阪大学)、大野智(帝京大学) 翻訳公開日:2014年3月28日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
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