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不安
Anxiety

憂鬱で無気力になっている女性の画像「なにも考える気力がでない…」例えば、診察を受ける前や仕事の面接を受ける前など、時々不安を感じることは普通のことです。しかし、人によっては、不安が消えず、時間とともに悪化する場合もあります。それによって、日常生活に支障をきたすこともあります。このような問題に該当する場合、不安障害かもしれません。不安障害とは、心理療法や薬物療法によって治療可能な健康問題です。

研究者らは、さまざまな補完的健康アプローチを研究し、時折の不安や不安障害に役立つかどうか検討しています。

特集

補完的健康アプローチは、米国の成人19%が抱えるという不安障害に役立つのでしょうか?
こちらをご覧ください。

一目でわかる:不安

不安とは、ある出来事や状況について心配、緊張感や恐怖を感じることです。ストレスに対して不安を感じることは、ふつうのことです。しかし、不安がコントロール困難で日常生活に支障をきたす深刻かつ継続的な問題になる場合があります。このような問題を抱えているならば、不安障害と言えるでしょう。米国では毎年、成人の約19%が不安障害にかかっており、推定31%が生涯のいずれかの期間で不安障害にかかっているとされています。不安障害は、心理療法、薬物療法、または双方によって一般的に治療します。不安障害にかかっていると思うのであれば、かかりつけの医療スタッフに相談してください。
研究者らは、補完的アプローチや統合的アプローチが不安を軽減し、不安に対処する上で役立つような方法を検証しています。日常生活やストレスのある状況で経験する不安に注目した試験や、不安障害に注目した試験があります。

科学的根拠

いくつかの補完的健康アプローチには、医療行為などストレスのある状況での不安を軽減するのに有用である可能性があります。補完的健康アプローチが不安障害に対応するのに有用であるかどうかは、あまり知られていません。

心身療法
  • リラクゼーション(英語サイト)によって、慢性疾患患者や医療行為を受ける患者で不安が軽減する可能性があります。しかし、認知行動療法(心理療法の一種)の方が、不安障害の少なくとも数種類を治療する上でリラクゼーションよりも有用であると考えられています。
  • 鍼治療(英語サイト)が不安を軽減することを示唆する試験もありますが、その研究は限定的なものであるため、確信的な結論には至っていません。
  • 催眠術(英語サイト)は、医療行為や歯科行為に伴う不安について検証されてきました。期待できる結果が得られた試験もありますが、全般的なエビデンスは決定的なものではありません。
  • 癌やその他の疾患の患者を対象とした試験の中には、マッサージ療法(英語サイト)が不安軽減に有用であるとするものもありますが、その他の試験では有益な効果は認められませんでした。不安障害に対するマッサージに関する研究はほとんどなく、実施済みの試験の結果は矛盾するものでした。
  • 癌患者、その他の慢性疾患患者、患者家族、妊婦、医療従事者、雇用者、学生など、さまざまな集団を対象に、不安に対するマインドフルネス瞑想(英語サイト)を用いた介入の効果が、試験で検証されました。これらの試験のすべてではありませんが多くで、マインドフルネスの不安に対する有用性が示されました。超越瞑想には不安に対する有益な効果があることを示すエビデンスがいくつかあります。研究が不十分であるため、マインドフルネスやその他の種類の瞑想が不安障害に有用であるかどうかは不明です。
  • 音楽を聴くことで罹患中や治療中の不安が軽減することを示すエビデンスがあります。
  • 瞑想運動療法(太極拳(英語サイト)気功(英語サイト)ヨガ(英語サイト))によって不安が軽減することを示唆する試験もありますが、その研究は限定的なものであるため、決定的な結論に至っていません。
  • レイキ(英語サイト)手当て療法については、不安に対する有用性は認められていません。
天然物
  • 国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health :NCCIH(旧NCCAM))による支援で行われた2件の試験では、カモミール(英語サイト)抽出物が全般性不安障害の管理に有用である可能性が示唆されていますが、この試験は暫定的なもので、所見は決定的なものではありません。
  • カバ(英語サイト)には不安に対する有益な効果があると考えられています。しかし、カバサプリメントの使用は、重度の肝障害のリスクを伴います。
  • メラトニン(英語サイト)は、手術予定の患者に対する従来の不安軽減薬の代替候補として検証されており、その結果は期待できるものです。
  • 不安に対するパッションフラワー(英語サイト)バレリアン(英語サイト)のエビデンスは不十分であるため、結論に至っていません。
他の補完的アプローチ

副作用とリスク

  • 心身療法は、資格のある施術者が適切に実施したり、十分に訓練を積んだインストラクターが適切に教えたりすれば、健康な人にとっては全般的に安全です。 身体活動を伴う場合、ヨガなど動きを伴う鍛錬には、怪我のリスクが伴います。疾患を伴う患者や妊婦は、検討中の心身療法について医療従事者に相談し、ものによっては変更または回避する必要があるかもしれません。
  • サプリメントには副作用や医薬品との相互作用(英語サイト)を伴う可能性があります。
カバ

このファクトシートには、カバに関する基本的情報(一般名、効能と安全性、詳しい情報の入手先)が記載されています。

一般名(英名):  kava, kava kava, ava pepper, ava root, kawa

学術名:  Piper methysticum

背景

  • カバは、南太平洋諸島原産で、コショウ科に属します。
  • 何世紀もの間、カバは南太平洋地域で儀式でのやすらぎをもたらすものとして使われてきました。
  • 今日では、カバは不安感に対するサプリメントとして利用されています。
  • カバ飲料の原料として、根や地下茎(生または乾燥)が使用されます。このほかに、抽出エキスやカプセル、錠剤もあります。

これまでに解明されていること

  • カバに関する臨床研究が多数実施されています。

研究で明らかになったこと

  • カバサプリメントは不安を軽くする効果が小さく、重い肝障害を引き起こすおそれがあることが指摘されています。
  • 試験によって、カバの使用量、調剤方法、試験デザインが異なるため、カバの有用性に関して、はっきりとした結論は出ていません。

安全性について

  • 2002年3月に、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration :FDA)が医療関係者と一般市民に対し、カバが肝障害を引き起こす危険性があることを警告しました。
  • カバをアルコールと一緒に摂取すると、肝障害のリスクがさらに高くなります。
  • 大量のカバを長期間使用すると、肌が乾燥して鱗状になる、肌が黄色に変色することなどがあります。
  • カバの大量摂取は、心臓病や目の刺激感と関連していることが明らかにされています。

注意事項

  • あなたが行っている補完・統合療法をすべてのかかりつけの医療スタッフに伝えてください。健康管理のためにあなたがどんなことをしているのか、すべて話しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。
健康のために行う瞑想について知っておくべき8つのこと

瞑想とは、歴史のある心身療法で、平穏感や身体のリラックス感を高め、心身のバランスをよくするため病気にうまく対処するため、また全体的な健康や幸福の増進のために利用されてきました。高血圧、特定の精神疾患、疼痛などのさまざまな症状に対する瞑想の有効性を調べるために、多くの研究が行われています。数々の研究により、瞑想がどう作用するか、また脳にどう影響を及ぼすかが明らかになりました。

健康のために行う瞑想について科学が示す8つのこと

  • 瞑想などの心身療法は、癌の諸症状や治療の副作用に苦しむ人々の不安感、ストレス、疲労、一般的な気分障害や睡眠障害を和らげることで、生活の質を向上させることが示されています。統合腫瘍学会(Society for Integrative Oncology)のエビデンスに基づく臨床診療ガイドラインは、不安感、気分障害、慢性疼痛の軽減、生活の質の改善における学際的アプローチの一環として、瞑想やその他の心身療法を推奨しています。
  • 瞑想が血圧を下げる可能性を示すいくつかのエビデンスがあります。米国心臓協会(American Heart Association)の文献レビューおよび科学的声明は、標準治療と併用し、補助療法または補完療法として超越瞑想を行うと血圧が低下するというエビデンスを示唆しています。
  • ますます多くのエビデンスにより、瞑想ベースのプログラムが一般的な更年期の諸症状を軽減するのに有効である可能性が示唆されています。2010年の科学文献レビューは、ヨガ、太極拳、瞑想ベースのプログラムが、ホットフラッシュの頻度や程度、睡眠障害や気分障害、ストレス、筋肉痛や関節痛などの、一般的な更年期の諸症状を軽減するのに有効である可能性を示しました。
  • 瞑想が不安感の症状を改善する中等度のエビデンスがあります。2014年の文献レビューは、マインドフルネス瞑想プログラムが、不安感、うつ、疼痛を改善する中等度のエビデンス、またストレス/苦痛、メンタルヘルスに関連する生活の質を改善する低いエビデンスを示しました。
  • マインドフルネス瞑想が、過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome :IBS)の人に対する有効性を示唆する研究もありますが、確固たる結論を導く十分なエビデンスはありません。2013年の文献レビューは、マインドフルネス瞑想トレーニングがIBS患者のうつまたは不安感は改善しなかったものの、疼痛や生活の質を改善したと結論付けました。 しかし、改善の程度は低いものでした。
  • 全体的にみると、心身療法が他の治療法と同様に、禁煙に対して有効かどうかを知るに足るエビデンスはありません。今日までに、禁煙支援におけるマインドフルネスをベースとした療法に関する研究はわずかしかありません。
  • 注意欠陥多動性障害(attention deficit hyperactivity disorder :ADHD)に対し瞑想を用いることを支持するに足るエビデンスはありません。2010年の文献レビューによると、ADHDに対する瞑想に関して行われた研究は少ないため、ADHDに対する有効性について結論を導くことはできませんでした。
  • 瞑想は一般的に、健康的な人には安全であるとされています。しかし身体的制約のある人は、動きを伴う特定の瞑想に参加できない可能性があります。

さらなる情報―瞑想:詳細(英語サイト)

最終更新日は、2018年1月30日です。

小児に対する補完的健康アプローチの使用

肝心なことは?

  • 私たちは、小児向けの補完的健康アプローチについて、どのくらい知っているでしょうか。私たちは、小児向けの補完的健康アプローチの使用率については多くの情報を持っているが、その効果と安全性についてはほとんど知りません。1
  • 小児に対する補完的健康アプローチの効果に関してわかっていること研究では、さまざまな健康状態の小児に対して、多くの補完的健康アプローチを検討していますが、強固なエビデンスはなく、何が有効で、何が有効でないかを示すには不十分です。
  • 小児に対する補完的健康アプローチの安全性に関してわかっていること多くの補完的健康アプローチは小児に対して安全性が研究されていませんでした。

1 これまで、小児は特別な保護により調査研究からしばしば除外され、成人を対象とした研究の知見が小児に適用されました。現在では、米国国立衛生研究所は、除外する科学的および倫理的な理由がある場合を除いて、小児を全ての研究対象に含めることを要請しています。

小児に対する補完的健康アプローチの使用様式

2012年の 国民健康聞き取り調査(National Health Interview Survey :NHIS) において、4 歳から17歳以下の10,000人を超える小児を含めたアメリカ人約45,000人の、補完的健康アプローチの使用に関する包括的な調査を行いました。
この調査から、過去1年間に、その小児のうちの11.6%がサプリメントやヨガのような、補完的健康医療品を与えられたり療法を施されていました。2017年のNHISデータによると(英語サイト)2012年から2017年までの期間を見ると、ここ12か月間でヨガや瞑想の利用がアメリカの子供たち(4歳から17歳)の間で著しく増加しています。ヨガを行ってる子供の割合は2倍以上になり、瞑想を行っている子供の割合はほぼ10倍の増加を示しました。

小児に対して最も頻繁に用いられたアプローチは、自然製品2(魚脂、メラトニン、プロバイオティクス)、カイロプラクティックまたはオステオパシー手技でした。

小児に対して補完的健康アプローチが最も頻繁に用いられたのが、背部痛または頸部痛、他の筋骨格疾患、鼻風邪またはせき風邪、不安またはストレス、注意欠陥・多動性障害(attention-deficit hyperactivity disorder:ADHD)または注意欠陥障害(attention-deficit disorder:ADD)、不眠症または睡眠障害に対してでした。

小児による自然製品や心身療法を含む補完的健康アプローチの使用に関するNHISの研究から得られた追加情報を知りたい方は、米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health’s:NCCIH(旧NCCAM)) のウェブのNHIS統計ページnccih.nih.gov/research/statistics/NHIS/2012(英語サイト))をご覧ください。

2 これには、ビタミンやミネラルは含まれません。

小児の間で、最も一般的な補完的健康10のアプローチ(2012年)

自然製品(自然製品は、ビタミンやミネラル以外のサプリメントをさす) 4.9%
カイロプラクティックまたはオステオパシ―手技 3.3%
ヨガ、太極拳、気功 3.2%
深呼吸をすること 2.7%
ホメオパシー 1.8%
瞑想 1.6%
特別な食事療法 0.7%
マッサージ療法 0.7%
イメージ療法 0.4%
運動療法 0.4%

*ビタミン、ミネラルを除くサプリメント

引用::
Black LI, Clarke TC, Barnes PM, Stussman BJ, Nahin RL. 『米国内の4-17 歳の小児の間での補完的健康アプローチの使用』 (国民健康聞き取り調査 2007-2012年)『米国国立保健医療統計報告書( no 78)』
Hyattsville, MD(米国国立保健医療統計センター. 2015年)

小児の間で、補完的健康アプローチが最も頻繁に使用される対象疾病または健康状態( 2012年)(英語サイト)

背部痛または頸部痛 8.9%
他の筋骨格疾患 6.0%
鼻風邪またはせき風邪 5.1%
不安またはストレス 3.4%
ADHD(注意欠陥・多動性障害) 2.2%
不眠症1.7%

*ビタミン、ミネラルを除くサプリメント

引用::
Black LI, Clarke TC, Barnes PM, Stussman BJ, Nahin RL. 『米国内の4-17歳の小児の間での補完的健康アプローチの使用 』 (国民健康聞き取り調査 2007-2012年)『米国国立保健医療統計報告書( no 78)』
Hyattsville, MD: (米国国立保健医療統計センター. 2015年)

その他の研究で、補完的健康アプローチを使用したり、施されたりした米国内の小児は、年齢や健康状態がさまざまであることが示されました。

  • お茶や植物性サプリメントを、小児の約10%が与えられています。大抵はぐずり泣きやお腹が痛い場合です。
  • ビタミンやミネラルの入ったサプリメントを、2~ 8歳の小児の約40 %が与えられています。しかし、その年齢群は概して食事で十分な栄養が摂れます。
  • 特に10代の若者は、スポーツ能力が向上したり、エネルギー水準が増進したり、減量を助長すると謳っている医療品を使う傾向があります。
  • 不安、筋骨格疾患、再発性頭痛を含む慢性の病状のある小児は、そうでない小児よりも、補完的健康アプローチを使う傾向があり、大抵は既存の治療と併用しています。

小児に対する補完的健康アプローチの安全性と科学的根拠

  • サプリメントが原因で、毎年、約23,000件の救急受診があります。その患者の多くは、減量または精力補助食品を使用したことから心臓の不調をきたした若者です。救急外来受診者の5分の1は小児で、その大半は、監視下に置かれていなかったときに、ビタミンまたはミネラルを摂取していました。(サプリメントは、小児用安全包装が義務付けられていません。)
  • サプリメントには、薬物、化学物質、鉱物などの混入物が含まれていることがあります。
  • 小児は、体が小さく、発達中の臓器、未熟な免疫システムのために、大人よりもサプリメントに対してアレルギーやその他の有害反応が起きやすいのです。
  • いくつかの製品の中には使用して健康状態が悪化することもあります。例えば、エキナセアは、ブタクサの一種であるので、ブタクサに感受性のある人は、エキナセアにも反応することがあります。
  • 米国食品医薬品局(FDA)は、市販薬のうち、ホメオパシーとして分類されている喘息医療品を、信頼しないようにと警告しています。ホメオパシー療法やサプリメントの安全性または有効性はFADによって評価されていません。さらに詳しく知りたい方は、NCCIH のウエブサイトの、ホメオパシーのページNCCIH’s Web page on homeopathy(英語サイト)をご覧ください。
  • 生体バイオフィードバック(行動療法)、誘導イメージ療法、催眠術、マインドフルネス、ヨガは、多様な健康状態(不安やストレスなど)の小児に効果のある、 最上のエビデンスをもつ心身療法であり、低リスクです。しかし、一般的な補完的アプローチである脊椎の徒手整復術は、稀に起こる深刻な合併症との関連があります。

さらに考慮しなければならないこと

  • 子供が免許を持つ医療スタッフから的確な診断を受けたことを、確認して下さい。
  • 補完的健康アプローチの潜在的なリスクや効果についての知識を養っておきましょう。
    • 子供のかかりつけの医療スタッフに、使用を検討している、またはすでに使用しているアプローチの潜在的なリスクや効果について聞いてみましょう。
  • 10代の子供には、使用してもさしつかえのない補完的アプローチについて、医療スタッフと話すように助言しましょう。
  • 既存の医療や処方薬を、安全で有効だと立証されていない健康医療品や療法に置き換えたり、使用を遅らせたりしてはいけません。
  • 医療スタッフが、補完的アプローチの使用を勧めるのであれば、その治療薬を奨励された用量や期間を超えて、増やしてはいけません(必ずしも多いほど効くというわけではありません)。
  • 補完的アプローチの効果について、心配なことがある場合は、些細なことでも子供のかかりつけ医療スタッフと連絡を取りましょう。
  • あらゆる薬物やその他の潜在的に危険な製品と同じように、 サプリメントを小児の目に留まらない、そして手の届かないところにしまっておきましょう。
  • NCCIH(旧NCCAM)のウェブサイトでは、小児や10代の若者向けのサプリメントや心身療法においての安全情報を提供しています。
  • 子供のかかりつけの医療スタッフに、子供の使用している補完療法あるいは統合医療的健康アプローチについて話しておきましょう。自分が子供の健康を維持するためにしていることの全体像を彼らに伝えましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

補完的療法の施術者を選ぶ

子供のために補完的療法の施術者を探している場合は、従来の治療を探すのと同じくらい注意深く、考えて探しましょう。施術者について以下のことを確認しましょう。

  • 従来の医療スタッフとの連携治療の経験
  • 小児に対する施術の経験
  • 教育、訓練、免許の有無credentialing(英語サイト)(資格認定)の詳細についてはNCCIHウェブサイトをご覧ください。

NCCIH(旧NCCAM)のウェブサイトでは、補完的療法の施術者についての更なる情報を掲載しています。

エナジードリンク

エナジードリンクは活力を増進し、脳の覚醒状態および身体能力を高める商品として広く宣伝されています。エナジードリンクはマルチビタミンの次に米国の十代や青少年が利用する最も人気がある栄養補助食品です。最もエナジードリンクを利用するのは、18歳~34歳の男性であり、 12歳~17歳の十代の若者のほぼ3分の1がエナジードリンクを定期的に飲用しています。

エナジードリンクの商品には2種類あります。1つは16 オンス(1オンス=28.35g).ボトルなど通常のソフトドリンクに似たサイズで販売されています。もう1つはいわゆる「エナジーショット」と呼ばれる種類で、2~2½ オンスの濃縮液を入れた小さい容器で販売されています。いずれのエナジードリンク商品でも主な成分は、カフェインで、16 オンス ボトルに70~240 mg、エナジーショットに113~200 mg程度含まれています。(比較として、コーラの12 オンス缶には約35 mgのカフェイン、コーヒーの8 オンスカップには約100 mg。)エナジードリンクはカフェイン以外に、ガラナ(ブラジルのココアと呼ばれる別のカフェインのもと)、砂糖、タウリン、朝鮮人参(英語サイト)ビタミンB群(英語サイト) 、グルクロノラクトン 、ヨヒンベ(英語サイト) 、カルニチン(英語サイト) 、そしてダイダイ(英語サイト)などの他の成分を含む場合があります。

エナジードリンクの利用は、重要な安全上の懸念があります。

  • 2007~2011年の間、エナジードリンクに関連した救急外来受診数は倍増しました。2011年では、このような受診の10件中1件は入院となりました。
  • 約25%の大学生がアルコールをエナジードリンクと一緒に消費しており、混ぜていない学生と比べ、かなり多くの頻度で一気飲みをしています。
  • 米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)(英語サイト)は、アルコールをエナジードリンクと混ぜた15~23歳の飲用者は、混ぜてない飲用者と比べ、かなり激しい一気飲み(一回の一気飲みにつき6杯以上飲むなど)をする可能性が4倍多いと報告しています。
  • アルコールをエナジードリンクと混ぜた飲用者は、混ぜていない飲用者よりも、意図しないまたは無防備なセックス、飲酒運転、酔った運転手とのドライブ、もしくはアルコール関連の怪我をより多く報告する傾向にあります。
  • 2011年、エナジードリンクに関連した救急外来全受診の内、42%はアルコールか薬物(マリファナ、市販薬、処方薬など)を飲み物に混ぜたことに関係した受診でした。

肝心なことは?

  • 増えつつある一連のエビデンスが示すように、エナジードリンクは重大な健康への影響があり、特に子供、10代、青年で深刻です。
  • いくつかの研究では、エナジードリンクが身体持久力を向上させることが判明していますが、筋肉の強度、筋力における影響についてはそれほどエビデンスがありません。エナジードリンクは注意力を高め、反応時間を改善しますが、手の動作の安定性を低下させる可能性があります。
  • エナジードリンクのカフェイン含有量はかなりばらつきがあり、実際のカフェインの成分はわかりにくいことがあります。飲料として販売されているエナジードリンクもあれば、サプリメントとして販売されているものもあります。いずれの商品のタイプにも、ラベルにカフェイン含有量を表示する義務はありません。

安全性

  • 多量のカフェインは、心拍の乱れ、脈拍や血圧の上昇などの重度の心臓・血管障害を引き起こす場合があります。また、カフェインは小児の発達中の心血管系および神経系に有害な場合があります。
  • カフェインの使用はまた、不安、睡眠障害、消化不良、脱水などと関連している場合もあります。
  • エナジードリンクによく含まれているガラナは、カフェインを含んでいます。そのため、ガラナの追加によりそのドリンクの総カフェイン含有量が増加します。
  • カフェイン入りの飲料をアルコールと一緒に混ぜ飲んだ場合は、どの程度自分が酔っているのかわからないかもしれません。カフェインを一緒に摂取していない場合よりも酔っぱらっていないと感じると同時に、運動神経や反応時間が低下している可能性があります。
  • 多量にエナジードリンクを飲用することは、10代の睡眠パターンを乱し、危険な行為に繋がる可能性があります。
  • 容量16 オンスのエナジードリンク1本には、54~62 gの砂糖が加えられている場合がありますが、これは1日分に推奨される添加砂糖の最大摂取量を上回ります。
マッサージ療法

マッサージ療法は、さまざまな技術を含みます。一般的に施術者は、圧をかけたり、さすったり、あるいは体の筋肉や他の軟組織に働きかけます。施術者は、多くの場合手や指を用いますが、前腕、肘、足を使うこともあります。

ストレス

ストレスとは、人生の変化に直面したときに経験する身体的、情緒的反応です。ストレスは正常な感情です。しかし、長期にわたるストレスは、消化器障害、頭痛、睡眠障害、その他の症状などのさまざまな健康問題を発症または悪化させる可能性があります。ストレスは喘息を悪化させる可能性があり、うつ病、不安,その他の精神的な病気に関連付けられています。

緊張を解き、ストレスの悪影響を打ち消すために、リラクゼーション法(またはリラクゼーション反応法)を使う人もいます。リラクゼーション法では、呼吸と楽しい考えやイメージに焦点を合わせることを組み合わせ、精神や身体を穏やかにします。リラクゼーション反応法の例には、自律訓練、生体フィードバック(行動療法)、深呼吸、誘導イメージ療法、プログレッシブ・リラクゼーション(漸進的弛緩法)、自己催眠などがあります。また、瞑想やヨガなどの心身療法もリラクゼーション法と考えられています。

心の健康

心の健康問題はよく起こる厄介な問題です。米国では、どの年でも4分の1の成人、そして半数近くの成人に人生のいずれかの時点で影響を与えています。世界保健機関(World Health Organization :WHO)によると、先進国における障害は、他のどの疾患群よりも精神疾患の占める割合が多くなります。不安障害や気分障害(うつ病、双極性障害など)は、最もよく起きる心の健康問題です。

研究者らが、不安、うつ病、心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder :PTSD)などの様々な心の健康問題に対する補完療法・統合医療アプローチを調査中です。最新の調査結果については、このページに記載のリソースから知ることができます。

不安障害

概要

時々感じる不安は日常生活でよくあることです。職場で問題に直面したとき、試験を受ける前、または重要な決心をする前、不安を感じることがあります。しかし、不安障害は一時的な心配や恐怖を超えています。不安障害をかかえる人は、不安が消えることはなく、時間がたつにつれて強くなります。この症状は、仕事の成果や学校の成績、人間関係など、日常の活動の障害になることもあります。

不安障害にはいくつかの種類があります。全般性不安障害、パニック障害、および各種の恐怖症関連障害などです。

兆候および症状

■全般性不安障害

全般性不安障害(generalized anxiety disorder :GAD)の人は、個人的な健康、仕事、社会的交流、日常的な生活環境など数多くのことについて、過剰な不安や心配を、少なくとも6カ月間ほぼ毎日示します。恐怖や不安は社会的交流、学校、職場など、生活の場で重大な問題を生じることがあります。

全般性不安障害には、以下のような症状が認められます。

  • そわそわ感、緊張感、危機感
  • 疲れやすい
  • 集中できない、頭が真っ白になる
  • イライラ感
  • 筋肉の緊張
  • 不安感をコントロールできない
  • 寝つきが悪い、目が覚めやすい、安眠できない、熟睡できないなどの睡眠障害
■パニック障害

パニック障害の人は、予期できないパニック発作を繰り返し起こします。パニック発作が生じると、強い恐怖が突然やってきて数分でピークに達します。発作は、不意に生じることもありますが、恐れている物や状況などがきっかけになって生じることもあります。

パニック発作の間、以下のような症状が現れます。

  • 動悸、激しい鼓動、または頻脈
  • 発汗
  • 振戦またはふるえ
  • 息切れ、息苦しさ、または息詰まり感
  • 差し迫った破滅感
  • 自制がきかない感覚

パニック障害の人は、次の発作がいつ来るのかを心配していることが多く、パニック発作に関連する場所、状況、行動を避けることで、発作を予防しようと積極的に努力しています。パニック発作の心配や、発作を避けようとするために行う努力が、広場恐怖症(後述)など、日常生活のさまざまな場面で重大な問題を生じます。

■恐怖症関連障害

恐怖症は、特定の物や状況に対する強い恐怖または嫌悪です。不安に思うことが現実的な状況もありますが、恐怖症の人が感じる恐怖は、その状況や物によって生じる実際の危機以上のものです。

恐怖症の人は以下のような症状を呈することがあります。

  • 恐怖の対象である物や状況との遭遇に対して、不合理な、または過剰な不安を感じることがある。
  • 恐怖の対象である物や状況を避けるために積極的な手段を取る。
  • 恐怖の対象である物や状況と遭遇するとすぐに強い不安を感じる。
  • 避けられない物や状況に対して強い不安をかかえながら耐える。

恐怖症および恐怖症関連障害にはいくつかのタイプがあります。

特定恐怖症 (単一恐怖症ともいう)
名称のとおり、特定恐怖症の人は特定の物や状況に対して強い恐怖を抱いていたり、強い不安を感じたりします。特定恐怖症の一部の例を以下にあげます。

  • 飛行恐怖症
  • 高所恐怖症
  • クモやイヌ、ヘビなど特定の動物に対する恐怖症
  • 注射恐怖症
  • 血液恐怖症

社交不安症 (旧名称:社会恐怖症)
社交不安症の人は、社交的または人前に出る状況に対する全般的な強い恐怖または不安をかかえています。自分の不安に関連した行動やふるまいが他者からマイナスに評価され、その結果、恥をかくと心配しています。この心配が、しばしば、社交不安をかかえる人が人付き合いを避ける原因になります。社交不安症は、職場や学校などさまざまな状況で現れる可能性があります。

広場恐怖症
広場恐怖症の人は、以下にあげる状況のうち2つ以上に対して強い恐怖を抱いています。

  • 公共交通機関を使う
  • 広い空間にいる
  • 閉鎖された空間にいる
  • 列に並ぶ、または大勢の人たちの中にいる
  • 家以外のところに一人でいる

広場恐怖症の人は、パニックのような反応やその他の恥をかく症状が生じるとその場を立ち去ることが難しくなる、または不可能になるかもしれないと考え、しばしば、こうした状況を避けようとします。広場恐怖症が最も重度になると、外出できなくなります。

分離不安障害
分離不安は小児のみの問題だと考えられがちですが、成人も分離不安障害と診断されることがあります。分離不安障害の人は、愛着のある人から引き離される恐怖をかかえています。愛着のある人が自分から離れている間に、その人に危害や厄介事が起きているのではないかとしばしば心配します。この恐怖のために、愛着のある人から離れたり一人きりになったりすることを避けようとします。分離不安をかかえる人は、愛着のある人から離れる悪夢を見たり、実際に離れたり離れることが予期されたりする場合に身体症状を経験することもあります。

場面緘黙症
不安に関連する障害の中でも比較的珍しいのが、場面緘黙症です。場面緘黙症は、言語技能が正常であるにもかかわらず、特定の社交的状況で話せなくなるときに生じます。場面緘黙症は通常、5歳になる前に発症し、しばしば、極端な内気、人前で恥をかくことに対する恐怖、強迫的な性格、引きこもり、依存的なふるまい、およびかんしゃくと関連します。場面緘黙症と診断された人は、他の不安障害とともに診断されることも多いです。

リスク因子

遺伝因子と環境因子の両方が不安障害の発症リスクに寄与することが、研究から明らかになってきています。不安障害のリスク因子はタイプごとに異なりますが、すべてのタイプの不安障害に共通するリスク因子は以下のとおりです。

  • 幼少期に、内気な性格や行動抑制などの気質の特徴がみられる
  • 幼児期または成人になってから、ストレスが大きく悲観的な人生または環境イベントを経験
  • 血縁者に不安などの精神疾患の既往歴がある
  • 甲状腺疾患や不整脈などの健康状態やカフェインなどの薬物/医薬品は、不安症状を引き起こしたり悪化させたりします。不安障害かどうかを評価する場合、全身状態の検査が有用です。

治療および療法

不安障害の治療は、一般に心理療法、薬物療法、またはその両方で行います。不安を治療する方法は数多くあり、自分に最適な治療を選択するには医師と相談すべきです。

■心理療法

心理療法、または「トークセラピー」は、不安障害をかかえる人を助けることができます。効果を得るために、心理療法は患者の個別の不安に対応し、患者のニーズに合わせて変えなければなりません。

認知行動療法

認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy :CBT)は、不安障害をかかえる人を助けることができる心理療法の一つです。不安を生じさせる恐ろしい物や状況に対して異なる考え方や行動の仕方、反応の仕方を指導します。さらに、CBTは社会不安障害の治療に不可欠なソーシャルスキル(社会的技能)の学習、実践を支援します。

認知療法および曝露療法はよく用いられるCBTの中の2つの方法であり、併用または単独で社会不安障害を治療します。認知療法は、不安障害の根底にある、役に立たない、または歪んだ思考を発見し、疑い、無力化することに焦点を当てます。曝露療法は、患者が避けてきた行動に携わらせることによって、不安障害の根底にある恐怖と向き合うことに焦点を当てます。曝露療法は、リラクゼーション療法やリラクゼーションイメージとともに行われることがあります。

CBTは、個別、または同じような障害をかかえる人たちのグループで行うことができます。しばしば、セッションとセッションの間に「宿題」が参加者に割り当てられます。

■薬物療法

薬物療法は、不安障害を治癒することはできませんが、症状緩和に役立つことがあります。不安に対する薬物の処方は、精神科医やかかりつけ医など、医師によって行われます。一部の州では、特別な訓練を受けた心理学者に、向精神薬の処方を許可しています。不安障害の治療に用いられる最も一般的な医薬品は、抗不安薬(ベンゾジアゼピン系など)、抗うつ薬、およびベータ遮断薬です。

抗不安薬

抗不安薬は、不安、パニック発作、または極端な恐怖や心配といった症状の軽減に役立ちます。最も一般的な抗不安薬は、ベンゾジアゼピン系とよばれます。ベンゾジアゼピン系は、全般性不安障害の第一選択治療薬として用いられることがありますが、長所と短所があります。

ベンゾジアゼピン系の長所は、不安緩和効果が高く、不安に対して処方されることが多い抗うつ薬よりも短時間で効果が現れることです。ベンゾジアゼピン系の短所は、長期間服用を続けると耐性が生じるので、同じ効果を得るために用量を次第に増やさなければならない場合があることです。薬への依存が生じる場合もあります。

こうした問題を回避するために、ベンゾジアゼピン系は通常、短期的に処方されます。特に高齢者、薬物乱用問題がある人、および医薬品に依存しやすい人に有効な方法です。

ベンゾジアゼピン系の服用を突然やめると、離脱症状が生じたり、不安が再発したりすることがあります。したがって、ベンゾジアゼピン系は徐々に減らす必要があります。患者と医師が薬の服用をやめる時期だと判断したら、医師は服用量をゆっくり安全に減らせるように補助します。

長期間使用する場合、ベンゾジアゼピン系は不安に対する第二次選択(第一次選択である抗うつ薬と併用)、および症状の再発に対する「屯用」薬として、しばしば考慮されます。

別のタイプの抗不安薬がブスピロンです。ブスピロンは非ベンゾジアゼピン系薬で、特に慢性不安の治療が適応です。しかし、誰にでも効果があるというわけではありません。

抗うつ剤

抗うつ薬はうつの治療に用いられますが、不安障害にも効果があることがあります。脳による気分やストレスを司る化学物質の使い方を改善することがあります。いくつかの抗うつ薬を試して、症状を改善でき副作用をコントロールできるものをみつける必要があります。過去に自分や近親者に効果があった医薬品を考慮することが多いです。

抗うつ薬は効果が出るまでに時間がかかることがあるので、有効性の有無を判断するまで、しばらくその薬を継続することが重要です。抗うつ薬の服用を始める場合、医師に相談せずに服用をやめないでください。患者と医師が薬の服用をやめる時期だと判断したら、医師は服用量をゆっくり安全に減らせるように補助します。突然服用をやめると離脱症状が現れる可能性があります。

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitor: SSRI)およびセロトニン-ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(serotonin-norepinephrine reuptake inhibitor: SNRI)とよばれる抗うつ薬が、不安に対する第一選択として一般に用いられます。三環系抗うつ薬およびモノアミン酸化酵素阻害薬(monoamine oxidase inhibitor:MAOI)などの古いタイプの抗うつ薬は、不安障害に対する治療薬として一般的ではないものの有効です。

注意:小児、10代の若者、および25歳未満の青年が抗うつ薬を服用する場合、特に服用開始から数週間、または服用量を変更したときに、希死念慮または希死行動が増えることがあります。このため、抗うつ剤を服用する全ての年齢の患者に対して、特に治療開始から数週間は慎重な観察が必要となります。

ベータ遮断薬

ベータ遮断薬はふつう、高血圧の治療に使われるものですが、頻脈やふるえ、振戦、紅潮など、不安の身体症状を緩和するためにも用いることができます。このような薬剤は、服用が短期間であれば、身体症状をうまくコントロールすることができます。また、急性不安を緩和するために「屯用」として用い、予測可能行動に対する不安に対して予防的に介入することもできます。

適切な薬の選択

不安障害のタイプによって効果がより高いタイプの薬があるので、患者は自分に最適の薬を見つけるために医師によく相談すべきです。カフェイン、市販の感冒薬、違法薬物、ハーブ系サプリメントなどの薬物は、不安障害の症状を悪化させたり、処方薬と相互作用したりすることがあります。患者は、どの薬物が安全でどれを避けるべきかを知るために、医師と相談すべきです。

適切な医薬品、服用量、および治療計画の選択は、専門家のケアのもとで、患者のニーズと医療環境に基づいて行われるべきです。医師は、数種類の薬を試して適切なものを見つけることもあります。

患者と医師は、以下の点について相談すべきです。

  • 薬の効き具合や症状の改善はどうか
  • 各薬剤の効用と副作用
  • 患者の病歴に基づく重篤な副作用のリスク
  • 薬剤がライフスタイルを変化させる可能性
  • 各薬剤の費用
  • 患者が受けている他の代替的な治療、薬剤、ビタミンやサプリメント、およびそれらが治療に与える影響。薬物療法と心理療法の併用が、不安障害を抱える多くの患者に最適な方法であること。
  • 薬剤服用のやめ方(突然やめることができない薬や、医師の監督のもとゆっくりと徐々に減らさなければならない薬もあります)。

詳細は、Mental Health Medications Health Topicのウェブサイト(英語サイト)を参照してください。このウェブサイトに掲載されている医薬品に関する情報はすべて教育上の目的で提供されており、最新情報ではない可能性があります。診断および治療法の決定は、医師と相談の上、行ってください。医薬品についての情報は頻繁に変わります。警告、患者向け医薬品ガイド、または新規承認薬についての最新情報は米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)のウェブサイト(英語サイト)まで

■支援グループ

不安障害の人は、自助グループまたは支援グループに参加して、問題や成果を他の人たちと共有することによってメリットが得られることがあります。インターネットのチャットルームも役に立つことがありますが、ネット上で受けるアドバイスには慎重になるべきです。ネット上の知り合いはふつう、お互いに会ったことがなく、ある人に役立ったアドバイスが他の人にもよいとは限らないからです。ネット上で見つけた治療のアドバイスに従う前に、必ず主治医に確認してください。信頼できる友人や聖職者との会話も役に立つことがありますが、医師や医療従事者によるケアの代わりになるとは限りません。

■ストレスの管理方法

ストレスの管理方法や瞑想は、不安障害の人が自分を落ち着かせるのに役立ち、治療の効果を促進する可能性があります。有酸素運動が不安の管理に役立つ可能性を示唆する研究もありますが、運動は標準治療にとって代わるものではなく、さらに研究が必要です。

ストレスと健康

ストレスとは、感情的または身体的な緊張を感じることです。苛立ちや怒り、ひやひやさせる出来事や考えから起こります。

ストレスは、挑戦や要求に対する身体の反応です。短期間であればストレスは有益となる場合があり、危険を回避したり、締め切りに間に合うように行動するのに役立ちます。しかし、ストレスが長期間続くと、健康にとって有害となるかもしれません。

ストレスは、ストレス誘発因子、すなわち、「ストレッサー」によって引き起こされます。

不安は、ストレッサーがなくなった後に持続するストレスです。

考察

ストレスは正常な感情です。主に2種類のストレスがあります:

  • 急性ストレス
    これは短期間のストレスで、すぐになくなります。ブレーキを思い切り踏んだり、パートナーと喧嘩をしたり、急斜面をスキーで降りたりする際などに急性ストレスを感じます。危険な状況を乗り切るのに役立ちます。また、ストレスは、新しいことや興奮することを行うときにも起きます。すべての人が1度や2度は急性ストレスを感じたことがあるはずです。
  • 慢性ストレス
    これは長期間続くストレスです。金銭トラブル、不幸せな結婚、仕事上のトラブルなどを抱えていると、慢性ストレスを感じているかもしれません。数週間から数カ月続くストレスを慢性ストレスといいます。慢性ストレスに慣れてしまい、それを問題として認識しなくなることもあります。ストレスを乗り切る手段を見出だせないと、健康問題につながる可能性があります。
■ストレスと身体

ホルモンを放出することによって、身体はストレスに反応します。これらのホルモンは、脳を警戒させ、筋肉を緊張させ、心拍数を増加させます。短期間であれば、これらの反応は、ストレスの原因となる状況に対応する上で役立つため、有益となります。これは、身体が自分自身を保護しようとする手段です。

慢性ストレスの場合、危険がなくても、身体が緊張し続けます。時間とともに、このことが以下のような健康問題のリスクを引き起こします。

  • 高血圧
  • 心疾患
  • 糖尿病
  • 肥満
  • うつ状態や不安
  • にきびや湿疹などの皮膚疾患
  • 生理不順

何らかの疾患がある場合、慢性ストレスによって悪化する可能性があります。

■過剰ストレスの徴候

ストレスはさまざまな身体的および感情的な症状を引き起こします。これらの症状がストレスによって引き起こされるとは考えないかもしれません。ストレスが影響を与えているいくつかの徴候を以下に示します:

  • 下痢や便秘
  • 物忘れ
  • 頻繁な疼痛
  • 頭痛
  • 気力や集中力の欠如
  • 性機能障害
  • 顎や首のこわばり
  • 疲労感
  • 睡眠障害や過剰睡眠
  • 胃のむかつき
  • リラックスするための飲酒や薬物摂取
  • 体重減少または体重増加
軍人や退役軍人が直面する健康問題を対処する心身へのアプローチについて知っておくべき8つのこと

多くの軍人や退役軍人は、慢性疼痛を経験しますが、それは身体を衰弱させることもあり、治療が難しい場合も多くあります。任務中の軍人は、他に心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder :PTSD)、不安感、うつ、不眠症、および物質使用障害などの、やはり治療が困難な症状を抱えている場合があります。多くの軍人、退役軍人、そして彼らの家族は、痛みやそれに関連する症状に対処する選択肢を増やすために、マインドフルネス瞑想やその他の補完的・統合的アプローチに目を向けます。

軍関係者集団の慢性疼痛に対する補完的健康アプローチについての研究は現在進行中ですが、軍関係者集団の慢性疼痛に対するこれらのアプローチの有効性について発表された情報はほとんどありません。しかし、軍人や退役軍人におけるPTSD、ストレス/不安感、不眠症に対する補完的健康アプローチに関する情報が、軍関係者ではない集団における慢性疼痛に関する情報と同様に公表されています。

軍人と退役軍人が直面する健康問題を対処する心身へのアプローチについて知っておくべき8つのこと

  • 慢性腰痛に対する鍼治療、マッサージ、脊椎マニピュレーション、ヨガに関する研究レビューでは、非軍人の集団において、これらの治療が有益である可能性のエビデンスが示されました。マインドフルネス・ストレス低減法および認知行動療法は、通常のケアと比較して、疼痛と機能を改善するという、いくつかのエビデンスもあります。
    • 脊椎マニピュレーション. 米国内科学会(American College of Physicians)の最新のガイドラインは、脊椎マニピュレーションがわずかな機能改善に関連する可能性があるという、いくつかのエビデンスがあると結論付けていますが、脊椎マニピュレーションと他の積極的治療に差はないでしょう。
    • 鍼治療.同様のガイドラインでは、慢性腰痛の患者の疼痛管理において、最初に鍼治療のような非薬物療法を選択することを推奨しています。多くの研究で、鍼治療は従来の治療法と比較して、腰痛に対してある程度の利益を示していますが、偽鍼(プラセボ)治療も同様の利益を示しており、鍼治療からの利益の一部は患者の期待、または施術者の思いやりによるものであることを示唆しています。
    • マッサージ. 複数の研究は、通常のケアと比較して、マッサージが慢性腰痛の人の疼痛を軽減し、機能を改善するという短期間の有益な効果に関連していることを示唆しています。
    • ヨガ. 2017年の研究レビューでは、ヨガと運動しない場合(例:治療なし、ヨガ開始の遅れ、または患者教育など)とを比較して、3カ月と6カ月の時点で背部に関わる機能が軽度~中等度、改善するというエビデンスがあることがわかりました。また疼痛に対しても効果的である可能性がありますが、効果の大きさはは非常に小さいです。
    • マインドフルネス・ストレス低減法 慢性腰痛の成人を対象とした新しい研究では、マインドフルネス・ストレス低減法と認知行動療法は、通常のケアと比較して、疼痛と機能制限が大幅に改善されることがわかりました。
  • 現在得られているエビデンスは、首の痛みに対する鍼治療は、無治療と比較して、より痛みを軽減する可能性を示しています。脊椎マニピュレーションは、首の痛み緩和に有効である可能性を示すエビデンスがいくつかありますが、研究の多くは低品質でした。
  • 補完的療法と線維筋痛症に関する研究を評価したレビューアによると、研究の多くは未だ予備的なものであり、用いられたさまざまな治療法における有効性のエビデンスは限定的ということです。しかし、研究は太極拳が線維筋痛症の患者に有益である可能性を示しました。
  • 漸進的弛緩法、催眠術、イメージ療法、バイオフィードバック、鏡療法などの心身療法が、肢切断者の幻肢痛と感覚の軽減に有効である可能性があるという、いくつかの限定的なエビデンスがありますが、ほとんどの研究が小規模で質が低いものでした。
  • 2010年に発行された退役軍人局(Department of Veterans Affairs)と国防総省(Department of Defense)によるPTSDの管理に関する臨床ガイドラインは、リラクゼーション法が、生理的な過剰反応性に関連する諸症状を軽減する点から、急性ストレス障害またはPTSDの治療アプローチの構成要素として考慮されると示しています。
  • ヨガ、瞑想、リラクセーション法などの心身のアプローチの中には、軍関係者のストレスと不安感に対して若干の有益な効果がある可能性があるという限定的なエビデンスがあります。しかし、多くの研究は小規模のサンプルサイズでした。
  • 行動療法に加えて、リラクゼーション法は、睡眠を改善する有効な治療法となり得ることを示唆するいくつかのエビデンスがありますが、軍関係者集団で行われたごく小規模な研究しかありません。イメージ・リハーサル療法が、非退役軍人集団の不眠症を改善するという、いくつかの限定的なエビデンスもありますが、戦闘経験者または現役軍人を対象に行われたイメージ・リハーサル療法の研究は、ごく小規模な研究でした。
  • あなたが行っている補完・統合療法をすべてのかかりつけの医療スタッフに伝えてください。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

最終更新日は、2017年4月13日です。

不安に対する補完的健康アプローチについて知っておきたい7つのこと

時々不安(英語サイト)を感じることは、生活上よくあることです。仕事中、試験前や重要な決断をするとき、問題に直面すると不安を感じることがあります。しかし、人によっては、不安は深刻で持続的な問題となり、コントロールすることが難しく、日常生活に支障をきたす場合があります。これを不安障害と呼びます。心理療法や薬物療法など、不安障害に対する効果的な従来の治療法があります。

補完的健康アプローチが適する場合もあり、不安を軽減したり、医療行為などの緊張感を伴う状況に対応する場合に役立ちます。この種の不安を軽減するのに役立つ補完的健康アプローチもありますが、補完的アプローチは不安障害を治療する上での効果が証明されていません。不安に対する補完的健康アプローチについて知っておきたい7つのこと

  • 鍼治療(英語サイト)が不安を軽減することを示唆する試験もありますが、そのような研究には限界があり、決定的な結論を導き出すことはできません。
  • 癌やその他の疾患を伴う患者を対象としたいくつかの試験で、マッサージ療法(英語サイト)が不安を軽減するのに役立つことが示されましたが、その他の試験では有意かつ有益な効果は認められませんでした。マッサージ療法は、全般的な不安障害の治療に有効であるとは示されていません。
  • マインドフルネス瞑想(英語サイト)は、不安関連の症状に対して軽度から中等度の有益な効果がある可能性があります。しかし、瞑想は、全般的な不安障害の治療に有効であるとは示されていません。
  • リラクセーション法(英語サイト)は、慢性的な医学的問題を持つ患者や医療行為を受ける患者の不安を軽減する場合があります。しかし、従来の心理療法(認知行動療法)の方が、不安障害を治療する上でリラクゼーション法よりも効果的と考えられます。
  • カバ(英語サイト)抽出物は、不安の症状に対して中等度の有益な効果があると考えられていますが、カバサプリメントは重度の肝障害のリスクを伴います。
  • メラトニン(英語サイト)は手術予定の患者の不安を軽減する上で役立つ可能性があることを示唆するエビデンスがいくつかあります。
  • あなたが行っている補完・統合療法をすべてのかかりつけの医療スタッフに伝えてください。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

最終更新日は、2017年4月13日です。

5つのヒント:太極拳について

太極拳は数百年の歴史を持つ、心身療法です。精神を集中させ、呼吸やリラクゼーションをしながら特別な姿勢をとったりゆっくりとした動作をしたりします。その動作は歩いたり、立ったり、座ったりしている時に取り入れて、実施することができます。さまざまな健康状態の人における太極拳の効果を評価した臨床試験が数件あります。健康のために知っておくとよい、太極拳の5つのヒントをあげます。

  • 太極拳は高齢者の平衡感覚や安定性を向上させ、転倒のリスクを減らすことが研究によって明らかにされています。太極拳が軽〜中等度のパーキンソン病患者の平衡感覚障害を改善する可能性があるというエビデンスも得られています。
  • 太極拳が変形性膝関節症(英語サイト)に関連した慢性的な痛み(英語サイト)のコントロールに効果的である可能性があるというエビデンスが得られています。また、筋線維痛患者の睡眠障害、痛み、疲労感、落ち込んだ気分を改善することも明らかにされています。
  • 関節リウマチ(英語サイト)の病勢(関節の痛みや腫れ、日常生活動作への影響など)に対する太極拳の効果は証明されていませんが、太極拳が関節リウマチ患者の下肢(足首)の動きにくさを改善する可能性があるというエビデンスが得られています。太極拳が関節リウマチによる痛みを和らげ、生活の質(Quality of Life:QOL)を向上させるかどうかは不明です。
  • 太極拳は心不全患者や癌患者のQOL改善や気分の安定に役立つ可能性があります。また、太極拳には、不安(英語サイト)を軽くするなど、心理的な効果があるかもしれません。しかし、不安に関する研究は実施方法が統一されていないため、確固たる結論を導くことはできません。
  • あなたが行っている補完的健康アプローチをすべてのかかりつけの医療スタッフに伝えてください。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

最終更新日は、2015年9月24日です。

オメガ-3脂肪酸は健康な若年成人の炎症と不安を軽減

新しい研究で、魚油に含まれるオメガ3脂肪酸が、不安障害との診断を受けていない健康な人の不安を軽減する可能性を示すエビデンスが、初めて示されました。また、オメガ3脂肪酸は試験参加者の炎症を軽減しましたが、うつ症状には影響を与えませんでした。

この二重盲検試験は、米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH、旧NCCAM)によって一部の資金提供を受けて行われ、オハイオ州立大学の研究者らが、健康な68名の若年医学生(男性38名、女性30名)に対し、オメガ3脂肪酸を含む魚油サプリメントまたは有効性のないプラセボを12週間投与しました。重要な試験の前日またはストレスのあまりない時期のいずれかで数回、試験参加者は血液検体を提出し、不安やうつ状態の症状を評価する標準的な質問表に回答しました。血液検査を行い、炎症を示す物質の値を調べました。

プラセボを摂取した学生と比較して、魚油を摂取した学生では不安症状は20%低下し、炎症の血液マーカーの値(リポ多糖によるインターロイキン6産生)は14%低下しましたが、うつ症状については2群間で差はみられませんでした。その他の時期と比較して、試験前に不安、うつ状態や炎症に関する有意に高い値が学生にみられなかったため、試験関連のストレスの影響を評価できませんでした。

この研究の結果から、オメガ3脂肪酸の摂取量を増やすと、不安症状や炎症(多くの疾患で重要な役割を担う過程)を軽減することにより若年の健康な人にとって有益であることが示唆されています。うつ状態に対する効果が認められなかったことは、以前行われた試験の最新併合分析の結果と一致しています。それらの試験では、オメガ3脂肪酸は、臨床的なうつ状態の患者でうつ症状を軽減しますが、軽度なうつ状態の患者では軽減しないという結論に至りました。

超越瞑想が若年成人のストレスへの対処に有効

最近の研究で、超越瞑想(Transcendental Meditation :TM)が大学生の心理的苦痛を低減し、対処能力を向上させることに有効であることがわかりました。高血圧発症リスクの高い学生のグループでは、これらの変化が血圧低下と関連しています。これは、心理的苦痛につながる可能性のある学術的、経済的、社会的プレッシャーを経験している多くの学生にとって、特に大学に通う年齢で血圧がわずかに高いと30年以内に高血圧を発症する可能性が3倍高いというエビデンスと照らし合わせると、朗報かもしれません。

米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH(旧NCCAM))の一部支援により、マハリシ経営大学(Maharishi University of Management)とアメリカ大学(American University)が、アメリカ大学とワシントンD.C.地域の他校の学生298名を対象に研究を行いました。研究者らは、学生をTM群または対照群(待機リスト)に無作為に割り付けました。また、血圧測定値、家族歴、体重を基にハイリスク・サブグループを作成しました。TM群は、再訓練コースへの招待付きでTMテクニックの7段階コースを受け、TMを行う頻度を記録しました。研究の開始時と3ヶ月後に、全参加者の血圧と心理尺度を検査しました。研究者らは、30%の参加者が研究終了前に脱落したことに言及しました。

血圧がTM群において低下し、対照群において上昇しましたが、全体的に有意な差はありませんでした(ハイリスクのサブグループ内では、TM群と対照群の血圧に有意な差がありました)。しかし、対照群と比較して、TM群は総合的に心理的苦痛、不安感、うつ、怒り/敵対心、対処能力において有意な改善がみられました。心理的苦痛や対処能力の変化は、血圧の変化と同等でした。

研究者らによると、これらの知見は、高血圧を発症するリスクのある若年成人はTMを行うことでリスクを低減できる可能性を示唆するということです。研究者らは、学生におけるTMの今後の研究では、血圧や心理的苦痛に関して長期効果を評価することを推奨しています。

カモミール・カプセルによる不安症状軽減が試験にて明らかになっています。

全般性不安障害(Generalized anxiety disorder :GAD)では、多様な精神的および身体的な症状が現れます。処方薬が有用な場合もありますが、望ましくない副作用を伴うことがあります。不安症状を経験している多くの人は、医学的な治療を求めておらず、代わりに代替法に注目しています。広く用いられている伝統的な治療の1つに、カモミールがあります。しかし、不安に対するカモミールの使用を支持する科学的エビデンスはありません。

ペンシルベニア大学の研究者らが、米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH、旧NCCAM)に資金提供を受けてランダム化二重盲検プラセボ対照試験を実施し、軽度から中等度のGADと診断された患者を対象にカモミール抽出物の効果を検証しました。8週間、参加者57例に対し、成分アピゲニンを1.2%に統一したカミツレ(ジャーマンカモミール)の医薬品グレード抽出物を220 mg含有するカモミール・カプセル、またはカモミールの香りのするラクトース含有プラセボのいずれかを投与しました。初回用量は1日1カプセルとし、2週目に1日2カプセルに増量しました。その後、1日用量は数名の参加者で漸増しました(最大5カプセル)。研究者らはハミルトン不安評価尺度(Hamilton Anxiety Rating :HAM-A)とその他の検査を使用し、試験期間中の不安症状の変化を評価しました。用量調整はHAM-Aスコアに基づいて行われました。

プラセボ群と比較して、カモミール摂取により、試験の主要アウトカムであるHAM-Aスコアの平均値が大幅に減少しました。その差は、臨床的に意義のあるもので、統計学的に有意でした。また、カモミールはその他のアウトカムについてもプラセボと比較して良好であり(ただし、有意差は認められませんでした)、参加者の忍容性も良好でした。

これらの結果は、軽度から中等度のGAD患者の中にはカモミールによって若干の有益性を得られる患者もいる可能性を示唆しています。これは不安に対するカモミール抽出物の最初の対照試験であるため、より大規模な被験者を対象とし、より長期間の効果を評価する追加試験が有用であると、研究者らは述べています。また、カモミールのその他の種類、製剤(アピゲニン以外に統一された抽出物)、剤形(オイルや茶)によって異なる結果が得られる可能性が指摘されています。

鍼治療が心的外傷後ストレス障害の諸症状に有効である可能性

パイロット研究で、鍼治療が心的外傷後ストレス障害の人に有効である可能性が示唆されました心的外傷後ストレス障害(Posttraumatic stress disorder :PTSD)は、恐ろしい出来事に遭遇した、または身体的危害を被ったり、脅かされたりした試練にさらされた後に発症し得る不安障害です。PTSDを引き起こす可能性のある衝撃的な出来事は、暴力的な個人的攻撃、自然災害または人的災害、事故、または軍事戦闘などがあります。

Michael Hollifield医師と同僚は、PTSDの諸症状に対する鍼治療の効果を調査する臨床試験を行いました。研究者らは、PTSDと診断された、うつ、不安感、障害のある73例を分析しました。参加者を、12週間の鍼治療群、グループ認知行動療法群、または対照群の一部として待機リストに割り付けました。対照群の参加者は、試験終了時に治療、または治療の紹介を受けました。

研究者らは、鍼治療がグループ認知行動療法群と同様の治療効果があるとし、両介入群は対照群よりも優れていました。また、鍼治療およびグループ療法の治療効果は、治療後3か月継続しました。

研究の限界点は、予備調査のものと一貫性がみられました。例えば、本試験の参加者は少数であったため、多様性に欠けており、結果は、治療結果に影響しうる外的要因を考慮していません。

カバと肝障害の関連性

2010年9月10日

2002年3月、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration :FDA)は、カバ(別名kava kavaまたはPiper methysticum)を含有するサプリメントに重度肝障害のリスクがあるかもしれないという勧告を消費者に向けて発表しました。ドイツ、スイス、フランス、カナダおよびイギリスの保健機関によると、カバの使用で少なくとも25件の肝毒性(肝炎、肝硬変、肝不全など)を報告しており、一部の国ではカバの販売を禁止することになりました。

肝障害の発生はまれですが、このようなリスクがあることを消費者に知らせるべきだとFDAは考えています。カバはコショウ科に属するハーブサプリメントです。米国では、カバを含有する製品が、不眠症、ストレスや不安の一時的解消など、様々な用途で販売されています。カバ製品は男性、女性、小児および高齢者を対象に販売されています。

消費者へのアドバイス

カバを使用する場合は、その安全性に不安が残ります。肝疾患や肝障害がある人、または肝臓に影響する薬剤を服用している人は特に、カバを使用する前に、かかりつけの医療スタッフに相談してください。

不安と補完的健康アプローチ

2018年8月

研究者は、さまざまな補完的健康アプローチを研究し、時々感じる不安や不安障害に役立つかどうか検討しています。マインドフルネスやその他の瞑想法、音楽、リラクゼーション法、メラトニンが不安、特に医療行為や慢性疾患に関連する不安に対して有効である可能性を示すエビデンスがいくつかあります。しかし、不安に対するその他の補完的健康アプローチに関するエビデンスは十分ではないため、それらの有効性について決定的な結論を導き出すことはできません。

今回のダイジェスト版では、心身療法や天然製品など、不安に対するいくつかの補完的健康アプローチに関する最新研究の要約を提示します。

最新研究の方法と要約

鍼治療
鍼治療(英語サイト)

不安に対する鍼治療の試験の中には、良好なアウトカムが示されたものもありますが、全般的に、方法論的な質が低い試験や、統計学的有意性が認められない試験が多くありました。また、研究内容が非常に多様であったため(鍼治療を行う箇所の数や種類、セッションの頻度、治療期間など)、有益性の可能性について確信的な結論を導き出すことは困難です。

マッサージ療法
マッサージ療法(英語サイト)

いくつかの試験では、マッサージ療法が癌やその他の合併症を伴う患者の不安を軽減するのに役立つことが示されていますが、その他の試験では統計学的に有意な有益性は認められていません。不安障害に対するマッサージについての研究はほとんどなく、結果は相反するものです。

マインドフルネス瞑想
マインドフルネス瞑想(英語サイト)

瞑想療法は、よく行われており、不安関連の症状を呈する患者で軽度から中等度の有益性が認められています。不安に対する超越瞑想の有益性を示すエビデンスがいくつかあります。しかし、臨床的に不安障害と診断された患者における、十分な統計学的検出力のある試験は欠如しているため、不安障害に対する超越瞑想の有効性について確信的な結論を導き出すことは困難です。

リラクゼーション法
リラクゼーション法(英語サイト)

リラクゼーション法は、慢性疾患のある患者や医療行為を受ける患者における不安を軽減させると考えられています。しかし、全般性不安障害患者においては、従来の心理療法の方がリラクゼーション法よりも効果的である可能性が、研究から明らかになっています。

カモミール
カモミール(英語サイト)

カモミールの抽出物は、全般性不安障害に役立つ可能性があることを示唆する研究もありますが、予備的なものであり、研究結果は暫定的で結論に至っていません。

カバ
カバ(英語サイト)

カバの抽出物には、不安症状に対して中等度の有益性があると考えられていますが、カバのサプリメントは重度の肝障害のリスクと関連しています。

メラトニン
メラトニン(英語サイト)

いくつかの研究で、メラトニンが手術予定の患者の不安を軽減するのに役立つ可能性、またミダゾラムを使用する従来治療と同程度に有効である可能性が示唆されています。

ラベンダー
ラベンダー(英語サイト)

不安に対するラベンダー製剤の試験の中には、治療効果を示すものもありますが、全般的に、これらの試験の多くでは方法論的な質が低いものでした。

太極拳

太極拳と気功は非常に古くからある心身に関連した運動です。精神を集中させ、呼吸やリラクセーションをしながら特別な姿勢をとったりゆっくりとした動作をしたりします。太極拳は安全な運動であると思われます。太極拳の健康上の有効性に関する科学的研究は進行中ですが、以前行われた高齢者対象のいくつかの研究では、転倒防止、心血管機能の改善、リウマチ性疾患(線維筋痛症、変形性関節症、慢性関節リウマチなど)に伴う疼痛症状の改善、健康全般の改善など太極拳の有効性について、焦点が当てられていました。2007年の水痘・帯状疱疹ウイルスの免疫反応に関する研究は、太極拳が免疫力を向上し、高齢者の健康全般を改善する可能性を示唆しました。乳癌患者の機能的能力改善やHIV)感染者の生活の質改善における太極拳の研究も行われました。

一般的に、太極拳の研究は小規模で、デザインが限定的であるため、結論も限定的である可能性があります。累積したエビデンスは、太極拳が効果的な療法として広く推奨されるにはその後追加の研究が必要であると示唆しています。今回のダイジェスト版は、太極拳が用いられるいくつかの症状における現在のエビデンスを要約したものです。

最新のエビデンスの様式と要約

転倒防止
転倒防止(英語サイト)

太極拳が、高齢者の転倒リスクを低下する可能性を示すエビデンスがあります。太極拳が、一般的な老化におけるバランスと安定性を改善し、軽度~中等度のパーキンソン病や脳卒中などの神経変性疾患患者のバランスと安定性も改善するといういくつかのエビデンスもあります。

慢性疼痛
慢性疼痛(英語サイト)

研究の中には、太極拳を行うと膝変形性関節症、および線維筋痛症に関連する慢性疼痛管理に有効である可能性があることを示唆するものもあります。

関節リウマチ
関節リウマチ(英語サイト)

太極拳は、関節リウマチの人の下肢可動域を改善させる可能性を示したいくつかのエビデンスがあります。研究結果は、太極拳が症状悪化を引き起こさないことを示唆しています。太極拳が、関節リウマチの疼痛、または生活の質を改善するかどうかはわかっていません。

睡眠障害
睡眠障害(英語サイト)

限定的なエビデンスは、太極拳が、睡眠の質向上において非薬物的アプローチとして有用である可能性を示唆しています。

メンタルヘルス
メンタルヘルス(英語サイト)

一連の研究は、運動とうつの関係を検討しています。より小規模な組織で行われた研究結果は、運動も不安感の諸症状に影響を与える可能性を示唆しています。これらの研究と他の心理的要因についても、太極拳の役割は明確ではありませんでした。

認知機能
認知機能(英語サイト)

太極拳が、認知機能障害のない高齢者における軽微な認知機能改善の可能性があることを示唆するいくつかのエビデンスがあります。

心血管の健康
心血管の健康(英語サイト)

心血管系の健康のために行う太極拳の有効性については、限定的で一貫性のないエビデンスしか存在しません。少数の研究は、心血管系のリスク因子に対する太極拳の有益性を示唆していますが、ほとんどは、結論を導くには小規模かつ短期の研究で、質が低いものでした。

ストレスおよびリラクセーション法

2014年12月

リラクセーション法は、病気や医療処置に伴う不安、不眠症、陣痛、化学療法による悪心、顎関節症など、さまざまな健康状態の管理に有効である可能性があります。リラクセーション法は、他治療法の補助として、上記の症状の治療に用いられています。リラクセーション法についてそれ以外にも研究は行われましたが、有効性が示されなかったり、研究結果に一貫性がなかったり、エビデンスが限定的でした。

科学的根拠
ストレスおよびリラクセーション法(英語サイト)

症状および現在あるエビデンスの症状別まとめ

不安
不安(英語サイト)

複数の研究は、リラクセーション法が心臓病や炎症性腸疾患など、進行中の健康問題を抱えている人々、および乳房生検や歯科治療などの医療処置を受けている人々の不安感を軽減する可能性を示しています。リラクセーション法は、高齢者の不安感に有効であることが示されています。

うつ病
うつ病(英語サイト)

複数の研究は、リラクセーション法が、うつ症状に軽度の効果がある可能性があるが、認知行動療法ほど効果的ではないことを示唆しています。

線維筋痛症
線維筋痛症(英語サイト)

一般的に、線維筋痛症に対する補完的健康アプローチの研究は、予備的なものと考えなければなりません。線維筋痛症に対する誘導イメージ療法の複数の研究は、一貫性のない結果でした。一方、他のリラクセーション法に関する複数の研究は、疼痛の軽微な改善がみられましたが、短期間に限られていました。

頭痛
頭痛(英語サイト)

頭痛に対するリラクセーション・トレーニングとバイオフィードバックの研究結果は、これらのアプローチが頭痛軽減に有効である可能性を示唆しました。また片頭痛にも有効である可能性が示唆されています。

高血圧
高血圧(英語サイト)

リラクセーション法により血圧は適度に短期間の間降下することが示されているが、これらの試験の多くは質が低いものでした。

睡眠障害
睡眠障害(英語サイト)

エビデンスは、就寝前のリラクセーション法が、睡眠習慣の改善に有効な方法となりうることを示唆しています。他の要素は、一貫性のある睡眠計画、カフェインやアルコール、重い食事、激しい運動を就寝直前に避けること、静かで、涼しく、暗い部屋で就寝すること、などがあります。

過敏性腸症候群
過敏性腸症候群(英語サイト)

補完的な健康アプローチが過敏性腸症候群に有用であると決定的に示されていませんが、催眠療法に関する研究に有望なものもあります。

心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)
心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)(英語サイト)

リラクセーション法は、睡眠障害、怒り、疼痛、および覚醒亢進などの心的外傷後ストレス障害の症状に、いくらか利益をもたらす可能性があります。

2010年に発行された退役軍人局(Department of Veterans Affairs)と国防総省(Department of Defense)によるPTSDの管理に関する臨床診療ガイドラインは、リラクセーション法が、生理的な過敏反応の諸症状を軽減する点において、急性ストレス障害またはPTSDの治療アプローチに取り入れることを考慮するとしています。

健康のための瞑想療法

2014年11月

ここでは、癌の諸症状や治療の副作用、高血圧、更年期諸症状、不安症、禁煙、注意欠陥多動性障害(Attention deficit hyperactivity disorder:ADHD)などの健康問題に対する瞑想療法について現在の科学的エビデンスを要約しています。

瞑想が注意制御の習得、感情のコントロール、自己認識の向上のための強力な方法となり得ることが研究で示唆されています。新たな科学的データは、瞑想中に数々の測定可能な生理学的変化があることを示し、そのデータは瞑想が精神的健康や身体的健康に影響を与える可能性を示唆しています。例えば、脳イメージングにより、瞑想が脳機能に影響を与え、また瞑想していなくてもその効果が持続する可能性が示唆されています。他の研究では、炎症やヒストンに関連する特定の遺伝子に変化が起きることがわかりました。

これまでのエビデンスは、マインドフルネス瞑想(焦点が絞られ研ぎ澄まされた注意を維持し、、現在に対する意識を高める能力を養う心身療法)が、更年期の諸症状や癌や治療の副作用に関連した症状、また不安やうつの諸症状を軽減するのに有効である可能性があることを示唆しています 。

科学的根拠
健康のための瞑想療法(英語サイト)

症状および現在あるエビデンスのまとめ

癌の症状と治療の副作用
癌の症状と治療の副作用(英語サイト)

統合腫瘍学会(Society for Integrative Oncology)及び米国胸部専門医学会(American College of Chest Physicians)のエビデンスに基づく臨床診療ガイドラインは、不安、気分障害、慢性疼痛の軽減、生活の質の改善における学際的アプローチの一環として、瞑想やその他の心身療法を推奨しています。

これらのガイドラインは、瞑想が癌患者の不安感、ストレス、疲労、一般的な気分障害、睡眠障害を緩和することで、生活の質を改善するのに有効である可能性のエビデンスを基にしています。

高血圧症
高血圧症(英語サイト)

2013年、米国心臓協会は、血圧を下げる代替アプローチに対するレビューおよび科学的声明を発表し、高血圧に対する瞑想について以下のように述べました。「総体的なエビデンスにより、超越瞑想は血圧を多少下げると支持されている。」しかし、レビューは詳細に比較した試験がほとんどないことからTMが他の瞑想より血圧低下に関して本当に優れているかどうかは不明であると示しています。

更年期障害
更年期障害(英語サイト)

ますます多くのエビデンスにより、瞑想ベースのプログラムが、ホットフラッシュの頻度と程度、睡眠障害や気分障害、ストレス、筋肉痛や関節痛などの一般的な更年期の症状を軽減するのに有効である可能性が示唆されています。

不安障害
不安障害(英語サイト)

瞑想が、成人の不安感やうつの症状に有効である中等度のエビデンスがあります。

禁煙
禁煙(英語サイト)

今日までに、禁煙に対するマインドフルネスをベースとした介入に関する研究はわずかしかありませんが、全体的に、心身療法が、より確立した禁煙に対する治療法と同様に、有効かどうかを知るに足るエビデンスはありません。

ADHD
ADHD(英語サイト)

ADHDに対する瞑想療法の効果を検証した研究が数少ないため、この疾患に対して瞑想を用いることを支持するに足るエビデンスはありません。

国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]は、個人の参考情報として、この資料を提供しています。この資料は、あなたのプライマリーヘルスケア提供者(かかりつけ医等)の医学専門知識やアドバイスに代わるものではありません。NCCIHは、治療やケアについて意思決定をする場合は、必ずかかりつけの医療スタッフと相談することをお勧めします。この資料に記載されている特定の製品、サービス、治療法のいずれも、NCCIHが推奨するものではありません。

翻訳公開日:2019年3月29日

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