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海外の情報

イチョウ
Ginkgo

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版最終改訂年月(翻訳時):2013年6月
一般名(英名):
ginkgo, Ginkgo biloba, fossil tree, maidenhair tree, Japanese silver apricot, baiguo, bai guo ye, kew tree, yinhsing (yin-hsing)
学術名:
Ginkgo biloba

はじめに

このファクトシートには、イチョウに関する基本的情報(一般名、科学的根拠、起こりうる副作用と注意事項、詳しい情報の入手先)が記載されています。

イチョウの木は、世界でも最も古い種類の木の一つです。種は漢方薬で何千年も前から使われており、調理して食べることもあります。歴史的にイチョウの葉の抽出物は、喘息、気管支炎、倦怠感、耳鳴り(耳の中でキーンと鳴ったり、ごうごうと音がする)等の多くの病気や症状を治療するのに使われてきました。今では民間療法として、葉の抽出物は、記憶力向上、アルツハイマー病やその他のタイプの認知症の治療または予防、間欠性跛行(動脈狭窄による下肢痛)の改善、性機能障害や多発性硬化症、耳鳴りやその他の健康障害の治療などに用いられています。

抽出物は、通常、イチョウの葉から採取され、錠剤、カプセルやお茶に使われます。スキンケア製品に使われることもあります。

科学的根拠

  • さまざまな疾患に対して数多くのイチョウの研究がなされています。最も幅広く研究されているものに、認知症、記憶障害、間欠性跛行、耳鳴りがあります。
  • NCCIHが助成し、標準化されたイチョウ葉エキス製品(EGb-761)を用いた研究では、高齢者における認知症やアルツハイマー病の全発生率を下げる効果はないことが明らかとなりました。データをさらに分析した結果、イチョウには、認知機能の低下を遅らせたり、血圧を下げたり、高血圧の発症を抑えたりする効果もないことが明らかになりました。イチョウの記憶への影響評価研究(Ginkgo Evaluation of Memory study)として知られるこの臨床試験では、75歳以上のボランティア3,000人以上を募り、一日に240 mgのイチョウを摂取してもらいました。被験者には、平均で約6年間の追跡調査を行いました。
  • 記憶力向上に関するイチョウの調査で、より小規模な研究の中には有望な結果を示したものもあります。しかし、国立老化研究所[米国]が助成した試験では、60歳以上の健康な成人200人以上にイチョウを6週間摂取してもらいましたが、記憶力は向上しませんでした。
  • 全体的にみて、間欠性跛行の症状に対してイチョウが非常に有効であるという根拠も、まだ示されていません。しかし、小規模調査の中には軽度の改善を示すものが若干あります。耳鳴りに対するイチョウの有効性については、矛盾する結果が示されています。
  • この他にもNCCIHが助成している研究には、多発性硬化症、間欠性跛行、認知機能の低下、抗うつ剤による性機能障害、インスリン耐性、うつ病の電気ショック療法に関連した短期記憶喪失の症状に対するイチョウの研究があります。

副作用と注意事項

  • イチョウの副作用として、頭痛、吐気、胃腸障害、下痢、目まい、アレルギー性皮膚反応等が起こる可能性があります。時折、より重度のアレルギー反応が報告されることもありました。
  • イチョウが出血のリスクを増大させる可能性を示唆するデータがあるので、抗凝固剤を服用中の人、出血性疾患がある人、手術や歯科治療を控えている人は、イチョウの摂取に注意し、医療スタッフに相談するべきです。
  • 新鮮な(生の)イチョウの種には、けいれん発作や死に至るほど重篤な副作用を起こす可能性のあるギンコトキシンと呼ばれる化学物質が多量に含まれています。煎った種も有毒な場合があります。標準化されたイチョウの葉の抽出物で作られた製品はギンコトキシンをほとんど含まないので、適量を経口摂取する限りは安全なようです。
  • 国家毒性プログラム(NTP)[米国]の研究では、特定のイチョウ抽出物を2年間与えられたラットとマウスに腫瘍ができたことがわかっています。イチョウのどの物質が、腫瘍の原因になったのか、またヒトがイチョウをサプリメントとして摂取した場合にがんのリスクに影響するかどうかについて、さらなる研究が必要とされます。
  • あなたが行っている補完療法をすべてのかかりつけの医療スタッフに伝えてください。健康管理のためにあなたがどんなことをしているのか、すべて話しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。
    医療スタッフに補完療法について話す際のポイントについては、NCCIH’s Time to Talk campaignをご覧ください。

【補足】

NCCIH’s Time to Talk campaignの翻訳サイトは以下を参照してください

薬用植物と医薬品の相互作用の可能性に関する学術文献を検索

参考文献

詳細情報

■ Using Dietary Supplements Wisely

nccih.nih.gov/health/supplements/wiseuse.htm

■ NCCIH 情報センター

国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]の情報センターは、NCCIHに関する情報、ならびに連邦政府が管理運営する科学・医学論文データベースから関連する文献や検索・調査などを含む補完療法に関する情報を提供しています。情報センターでは、医学的なアドバイス、治療の推奨、施術者の紹介はおこなっていません。

米国内の無料通話:1-888-644-6226
テレタイプライター(TTY、聴覚障害者や難聴の方用):1-866-464-3615
ウェブサイト: nccih.nih.gov
E-mail:info@nccih.nih.gov

■ PubMed®

国立医学図書館(NLM)[米国]のサービスであるPubMed®には、科学・医学雑誌に掲載された論文の情報(掲載号、出版年月日など)および(ほとんどの場合)その論文の要約が掲載されています。

ウェブサイト:www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed

■ ODS(ダイエタリーサプリメント室)

国立衛生研究所(NIH)[米国]内に設置されたダイエタリーサプリメント室(Office of Dietary Supplements:ODS)は、科学情報の評価、研究支援、研究結果の共有、啓発活動を通して、国民のサプリメントの知識と理解が深まるよう努めています。出版物(例えば「サプリメント:知っておきたいこと」など)、さまざまなサプリメント成分や製品に関する個別のファクトシート(例えば「ビタミンD、マルチビタミン・ミネラルサプリメント」など)、および「PubMed Dietary Supplement Subset(PubMedで検索する際、サプリメントに関する論文を自動的に限定検索可能)」等を提供しています。

PubMed Dietary Supplement Subset(パブメッド・ダイエタリーサプリメント・サブセット)
ウェブサイト: ods.od.nih.gov
E-mail: ods@nih.gov

■ NIH National Library of Medicine's MedlinePlus

Ginkgo Listing: www.nlm.nih.gov/medlineplus/druginfo/natural/333.html

国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]は、個人の参考情報として、この資料を提供しています。この資料は、あなたのプライマリーヘルスケア提供者(かかりつけ医等)の医学専門知識やアドバイスに代わるものではありません。NCCIHは、治療やケアについて意思決定をする場合は、必ずかかりつけの医療スタッフと相談することをお勧めします。この資料に記載されている特定の製品、サービス、治療法のいずれも、NCCIHが推奨するものではありません。

監訳:伊藤壽記(大阪大学)、大野智(帝京大学) 翻訳公開日:2014年3月28日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
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