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海外の情報

マオウ
Ephedra

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版最終改訂年月(翻訳時):2013年6月
一般名(英名):
ephedra, Chinese ephedra, ma huang
学術名:
Ephedra sinica

はじめに

このファクトシートには、マオウに関する基本的情報(一般名、科学的根拠、起こりうる副作用と注意事項、詳しい情報の入手先)が記載されています。

マオウは、中央アジアおよびモンゴル原産の低木の常緑樹です。主な有効成分であるエフェドリンは、神経系および心臓に激しい刺激を与えることのある化合物です。マオウは、5,000年以上も前から中国およびインドで、風邪、発熱、インフルエンザ、頭痛、喘息、喘鳴および鼻づまり等の症状の治療に使われてきました。より近年では、減量、精力増強および運動能力の向上のためのサプリメントの成分として使われていました。

マオウの茎や葉は、乾燥させて、カプセル、錠剤、チンキ剤およびお茶に使われています。

科学的根拠

  • NCCIHが助成した中毒事故管理センターの電話分析調査では、マオウの副作用率が他のハーブ製品より高いことが明らかとなっています。
  • その他の研究やシステマティックレビューでも、マオウの使用で、心臓障害、精神障害、胃腸障害、高血圧、脳卒中のリスクが高くなることが明らかになっています。
  • 食品医薬品局(FDA)[米国]によると、一時的な体重減少の効果以外は、マオウの有効性を示す根拠はほとんどありません。しかし、いかなる効能よりも、心臓障害や脳卒中のリスクが高まることの方が問題です。

副作用と注意事項

  • 2004年にFDAは、マオウを含有するサプリメントの米国内における販売を禁止しました。FDAは、これらのサプリメントには、健康被害や病気(特に心血管系の合併症)、死亡など不当なリスクがあるとしています。しかし、昔からある漢方薬や、通常の食品としての規制を受けるハーブティー等の製品は、禁止されていません。[1]
  • 1995年から1997年までに、FDAは、マオウによる中毒症状と考えられる報告を900件以上受けました。脳卒中や心臓麻痺、突然死など37件の重篤な副作用が報告されています。
  • マオウの使用は、心疾患、腎疾患、糖尿病等の多くの疾患を悪化させる可能性があります。
  • マオウは、発作性疾患を持つ人だけでなく、健康な人にも、けいれん発作を起こす可能性があります。
  • マオウの摂取により、不安感、排尿困難、口渇、頭痛、心臓障害、高血圧、心調律異常、胃のむかつき、腎臓結石、吐気、精神病、情動不安、睡眠障害、振戦(震え)がおきる可能性があります。
  • 妊婦、授乳中の女性や小児は、マオウの摂取を避けるべきです。
  • マオウは他のサプリメントや薬と併用すると、重大な健康障害をひきおこす可能性があります。
  • マオウをカフェインと一緒に摂取すると、重篤となる可能性のある副作用のリスクが高まります。
  • あなたが行っている補完療法をすべてのかかりつけの医療スタッフに伝えてください。健康管理のためにあなたがどんなことをしているのか、すべて話しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。
    医療スタッフに補完療法について話す際のポイントについては、NCCIH’s Time to Talk campaignをご覧ください。

[1]:化学的に合成したエフェドリンを含む薬剤と規定されている製品は、サプリメントではなく、通常の食品に対する規制は該当しません。こうした製品には、喘息や気管支炎、アレルギー反応の短期治療に使用される医薬品が含まれます。

【補足】

NCCIH’s Time to Talk campaignの翻訳サイトは以下を参照してください

薬用植物と医薬品の相互作用の可能性に関する学術文献を検索

参考文献

詳細情報

■ Using Dietary Supplements Wisely

nccih.nih.gov/health/supplements/wiseuse.htm

■ NCCIH 情報センター

国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]の情報センターは、NCCIHに関する情報、ならびに連邦政府が管理運営する科学・医学論文データベースから関連する文献や検索・調査などを含む補完療法に関する情報を提供しています。情報センターでは、医学的なアドバイス、治療の推奨、施術者の紹介はおこなっていません。

米国内の無料通話:1-888-644-6226
テレタイプライター(TTY:聴覚障害者や難聴の方用):1-866-464-3615
ウェブサイト: nccih.nih.gov
E-mail:info@nccih.nih.gov

■ PubMed®

国立医学図書館(NLM)[米国]のサービスであるPubMed®には、科学・医学雑誌に掲載された論文の情報(掲載号、出版年月日など)および(ほとんどの場合)その論文の要約が掲載されています。

ウェブサイト:www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed

■ ODS(ダイエタリーサプリメント室)

国立衛生研究所(NIH)[米国]内に設置されたダイエタリーサプリメント室(Office of Dietary Supplements:ODS)は、科学情報の評価、研究支援、研究結果の共有、啓発活動を通して、国民のサプリメントの知識と理解が深まるよう努めています。出版物(例えば「サプリメント:知っておきたいこと」など)、さまざまなサプリメント成分や製品に関する個別のファクトシート(例えば「ビタミンD、マルチビタミン・ミネラルサプリメント」など)、および「PubMed Dietary Supplement Subset(PubMedで検索する際、サプリメントに関する論文を自動的に限定検索可能)」等を提供しています。

PubMed Dietary Supplement Subset(パブメッド・ダイエタリーサプリメント・サブセット)
ウェブサイト: ods.od.nih.gov
E-mail: ods@nih.gov

国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]は、個人の参考情報として、この資料を提供しています。この資料は、あなたのプライマリーヘルスケア提供者(かかりつけ医等)の医学専門知識やアドバイスに代わるものではありません。NCCIHは、治療やケアについて意思決定をする場合は、必ずかかりつけの医療スタッフと相談することをお勧めします。この資料に記載されている特定の製品、サービス、治療法のいずれも、NCCIHが推奨するものではありません。

監訳:伊藤壽記(大阪大学)、大野智(帝京大学) 翻訳公開日:2014年3月28日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
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