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がん
Cancer

はじめに

がん患者さんはがんと闘うために、症状を抑えるために、そして治療の副作用に対処するためにできることなら何でもしたいと思います。多くの患者さんが植物(ハーブ)やサプリメントをはじめとする天然製品や、鍼治療、マッサージ、ヨガなど心身に働きかける療法をはじめとする補完的健康アプローチに目を向けます。

このファクトシートは、米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)と米国国立がん研究所(NCI)が共同で作成したものです。がんの予防、治療または症状の管理を目的として研究されてきた補完的健康アプローチについて、その科学的根拠や、安全性にについて概要を述べています。

キーポイント

症状の管理

補完的健康アプローチのなかにはがんの症状や治療の副作用の対処に有効であるという、十分な科学的根拠(エビデンス)を持つものががあります。それ以外の補完的健康アプローチではエビデンスが希薄です。

がんの治療

現時点では、補完的健康アプローチにがんの治癒や寛解をもたらす効果があるという有力なエビデンスはありません。

がんの予防

2012年に行われた試験では、高齢の男性がマルチビタミン・ミネラルのサプリメントを摂取することによって、がんのリスクを若干低下できる可能性があることが示されました。がんの予防については、それ以外の補完的健康アプローチが有用であることは示されていません。

注意事項

  • がんに対する従来の医学的治療法の代わりとして、もしくは治療を遅らせるために、効果の証明されていない製品や療法を使用しないでください。
  • 補完的健康アプローチのなかにはがんの標準治療に相互作用を示したり、がんと診断された人に特にリスクを与えたりするものがあります。補完的健康アプローチを使用する前に、がんと診断された人はかかりつけの医療スタッフに相談して、自分のすべての治療の連携が取れるようにしてください。
  • あなたが行っている補完療法をすべてのかかりつけの医療スタッフに伝えてください。健康管理のためにあなたがどんなことをしているのか、すべて話しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

がんについて

がんとは、異常な細胞が制御なく分裂する疾患の総称です。がん細胞は周辺組織に侵入することがあり、血流とリンパ系を介して体の別の部位に広がることもあります。米国では、がんは死因の第2位ですが、検診、発見、治療、治療後のケアの各方法が改善されており、がんサバイバー(がん治療後の生存者)の数が増えました。専門家らの予想では、今後数年間にがんサバイバー数はさらに増加します。がんに関する詳しい情報は、NCIのウェブサイト www.cancer.gov にあります。

補完的健康アプローチについて

補完的健康アプローチとは、多様な医学・医療システム、療法および各種製品の総称であり、その起源はいずれも主流の医学とは異なるものです。補完的健康アプローチには、そのような製品や療法のほか、植物(ハーブ)をはじめとするサプリメント、瞑想、脊椎マニピュレーションおよび鍼治療などがあります。

補完的健康アプローチの評価には、従来の治療法を評価するために使用される、綿密な科学的評価法と同じ方法を使用することが望ましいとされています。補完的健康アプローチのなかには、がんの治癒ではなく、がんの症状や治療の副作用を緩和して、QOL(生活の質)を向上させる追加治療の選択肢のひとつとして定着しつつあるものもあります。

補完的健康アプローチの使用

がんと診断された人の多くが補完的健康アプローチを使用しています。

  • 米国で実施された2007年全国健康問診調査(NHIS)には、米国人による補完的健康アプローチの使用に関する包括的なアンケート調査も含まれていました。その調査によれば、がんと診断されたことのある回答者の65%が補完的健康アプローチを使用したことがあり、がんと診断されたことのない回答者では53%という結果でした。
    がんと診断されたことのある人は、全般的な健康、免疫の強化および疼痛管理のために、がんと診断されていない人よりも補完的健康アプローチを使用していた確率が高いことがわかりました。
  • それ以外のアンケート調査でも、がんと診断された人が補完的健康アプローチを使用していることが多いことがわかりましたが、どの程度使用しているかという推定には大きなばらつきがあります。データのなかには、補完的健康アプローチを使用する可能性はがんの種類や性別、年齢、民族などの要素によって異なることを示すものもあります。
    18カ国で実施されたアンケート調査の結果から、がんと診断された人による補完的健康アプローチの使用率は、オーストラリア・ニュージーランドや欧州よりも北米の方が高く、1970年代以降、特に2000年以降に大きく増えたことがわかっています。
  • また、多くのがん患者さんが補完的健康アプローチを使用していることを、かかりつけの医療スタッフに話していないことも明らかになりました。NHISによれば、がんと診断された回答者のうちハーブを使用している回答者の15%程度、補完的健康アプローチ全般を使用している回答者の23%がその使用について担当の医療スタッフに話していました。
    その他の調査では、サプリメントや他の補完的健康アプローチを使用したがん患者さんおよびがんサバイバーの32~69%が、そのような補完的健康アプローチについて担当医と話し合ったと報告しています。割合の報告に差があるのは、各調査での補完的健康アプローチの定義が異なっていたためと、患者群が異なれば医師とのコミュニケーションも異なるためであると考えられます。

がんに対する補完的健康アプローチの安全性と科学的根拠

  • 従来のがん治療を遅らせれば、寛解や治癒の可能性が低くなることがあります。がんに対する従来の医学的治療法の代わりとして、あるいは後回しにするために、効果の証明されていない製品や療法を使用しないでください。
  • 補完的健康アプローチのなかには、がんの治療と相互作用を示すものや、がん患者さんにとって安全ではないものがあります。たとえば、ハーブのセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)はうつ病に使用されることが時にありますが、一部のがん治療薬の効果を減弱することがあります。
  • その他の補完的健康アプローチも適切に使用しなければ害になる可能性があります。たとえば、がん患者さんに対してマッサージ療法を安全に行うには、がんやその治療による影響を直接受けている体の部位(放射線療法後に敏感になっている皮膚領域など)を避けてマッサージすることが必要です。
  • がんと診断された人は、どのような補完的健康アプローチでもその目的にかかわらず、つまりがんに関連があろうとなかろうと、使用前にがんの治療を受けているかかりつけの医療スタッフに相談することが望ましいです。

がんに対する補完的健康アプローチの効果の科学的根拠

補完的健康アプローチに分類される製品または療法によって、がんが治癒することは証明されていません。補完的健康アプローチには、症状や治療による副作用の対処およびQOL(生活の質)の向上に役立つものもあります。

補完的健康アプローチをがん治療に組み入れる

2009年、統合腫瘍学会は、補完的健康アプローチをがん患者の治療に組み入れるときに医療従事者の参考となるように、エビデンスに基づくガイドラインを発行しました。このガイドラインは、補完的健康アプローチのなかには、従来の治療法に追加して使用すると症状の管理や患者の心身の状態を向上するのに役立つものがあることを指摘しています。
その一方で同ガイドラインは、従来のがん治療を遅らせれば、寛解や治癒の可能性が低くなることがあるため、従来の治療の代わりに実証されていない方法を使用すべきではないと警告しています。

このファクトシートでは、がんに対する補完的健康アプローチに関する研究を包括的にまとめることは割愛します。このあとのセクションに、がんの症状と治療の副作用の対処のほか、がんの予防と治療に主眼を置いた数件のレビューおよび研究の結果を紹介しながら、よく使用される補完的健康アプローチの一部に関する研究の状況をまとめてあります。

補完的健康アプローチとがんについて医療スタッフと話し合う

米国国立衛生研究所(NIH)には、あなたが補完的健康アプローチとがんについてかかりつけの医療スタッフと話し合うために役立つリソースがあります。

  • NCIのがんの補完代替医療に関する事務局(Office of Cancer Complementary and Alternative Medicine)は、がん患者と医療スタッフが患者が利用している補完的健康アプローチについて話し合い、状況を把握するために役立つワークブックを発行しています。ここからダウンロードすることができます。
  • NCCIHは患者と医療スタッグが補完的健康アプローチについて話し合うときに役立つヒントを提供しています。

がんの症状と治療の副作用に対する補完的健康アプローチ

補完的健康アプローチの一部には、鍼治療、マッサージ療法、マインドフルネスによるストレス解消法やヨガなど、患者さんががんの症状や治療の副作用に対処するために役立つかもしれないものがあります。
一方、従来のがん治療に相互作用を示したり、その他のリスクを有する可能性のある補完的健康アプローチもあります。がんと診断された人は補完的健康アプローチを使用する前に、かかりつけの医療スタッフに相談することが望ましいです。

  • 鍼治療はがん患者に対して治療による悪心・嘔吐の管理に役立つ可能性があるという有力なエビデンスがあります。鍼治療ががんによる痛みや治療によるのぼせ、ほてりなど他の症状を緩和するかどうかを判断するには十分なエビデンスがありません。
    鍼治療によって合併症が発現することは、鍼師が滅菌針を使用して適切な手順で行う限り、まれです。化学療法および放射線療法によって体の免疫系が弱くなるため、鍼灸師ががん患者さんを治療するときに滅菌作業を厳密に行うことは特に重要です。
  • 最近の研究から、ハーブである生姜(しょうが)を従来の制吐剤(吐き気止め)に加えて使用すると、悪心(吐き気)のコントロールに役立つことが示唆されています。
  • 疼痛、悪心、不安やうつなど、がん患者さんが経験する症状の緩和にはマッサージ療法が役立つことを示唆する研究もあります。ただし、この領域では厳密な研究の数が少ないため、研究者らもマッサージ療法の効果について結論に達したわけではありません。
    がん患者さんはマッサージ療法を受ける前に、かかりつけの医療スタッフに相談して、特に注意が必要なことがないかどうかを確かめてください。マッサージ療法士は、医療スタッフの承認を得ることなく、強い、深部へのマッサージをしてはいけません。腫瘍が直下にある領域や放射線療法後の皮膚が敏感になっている領域など、一定の部位を避ける必要もあるでしょう。
  • 一種の瞑想であるマインドフルネスに基づくストレス解消法が、がん患者さんの不安、ストレス、倦怠感や一般的な気分障害や睡眠障害の緩和に役立ち、それによってQOL(生活の質)を向上させることができるというエビデンスがあります。
    マインドフルネスに関する研究の参加者のほとんどが、主に乳がんの早期がん患者であったことから、マインドフルネス瞑想の肯定的なエビデンスはこの患者集団に対して最も有力です。
  • 予備的なエビデンスでは、ヨガががん患者さんの不安、うつ、苦痛やストレスを緩和するのに役立つことが示されています。乳がん患者さんやがんサバイバーの倦怠感の軽減にも役立ちます。
    一方、がん患者さんを対象にしたヨガに関する研究で完遂したものは数少なく、中には研究の質があまり高くないものもあります。ヨガでは体を動かす必要があるため、がん患者さんは事前に担当の医療スタッフと話し合って、ヨガの中でも自分にとって安全ではない側面があるかどうかを確認することが大切です。
  • 催眠療法、リラクゼーション療法およびバイオフィードバック療法が、がんの症状や治療の副作用に対処するのに有益となる可能性があることを示唆するさまざまな研究があります。
  • ハーブのサプリメントとがんに関する研究を対象にした2008年のレビューでは、ハーブのなかには悪心・嘔吐、疼痛、倦怠感や不眠症などの副作用および症状の管理に有望であることを示したものもある一方、科学的根拠(エビデンス)は乏しく、試験デザインがあまりよくない臨床試験が多かったという結論でした。症状の管理にハーブを使用することにも、従来のがん治療とよくない相互作用を起こすのではないかという懸念があります。

がんに対処する

がんがある人やがんの治療を受けた人は、がんやその治療のせいで、からだや心にさまざまな困難を抱える人もいます。そのような問題の対処に、多くの従来の方法が役立ちます。
たとえば、がんと診断されて大きな心配を抱える人にはカウンセリングが役に立つでしょう。化学療法による悪心(吐き気)は薬で抑えることができますし、治療による倦怠感なら運動によってある程度は軽くなるでしょう。補完的健康アプローチもがんの対処やQOL(生活の質)の向上に役立つという人もいます。

また、補完的健康アプローチを利用することによって、自分自身の治療に積極的にかかわっていることを実感することができます。あなたにがんがある、またはがんの治療を受けたことがあるとしたら、そのためにあなたが使っている方法すべてを、通常の方法であろうと補完的健康アプローチであろうと、かかりつけの医療スタッフに必ず伝えるようにしてください。
自分が受ける医療のすべてがきちんと連携するためには、かかりつけの医療スタッフがその情報を知っておく必要があります。がんの対処方法に関する詳細な情報がNCIのウェブサイト www.cancer.gov/cancertopics/coping にあります。

がん治療のための補完的健康アプローチ

このセクションでは、がんを直接治療するため(つまりがんを治すため、または寛解した状態にするため)の補完的健康アプローチについて説明しています。

これまでに、どの補完的健康アプローチによってもがんが治癒したことも、寛解状態になったこともありません。がんの治療になると言われてきた製品や療法のなかには従来のがん治療薬の妨げとなるなど、その他のリスクになるものもあります。がんと診断された人は補完的健康アプローチを使用する前に、かかりつけの医療スタッフに相談することが望ましいです。

  • ハーブのサプリメントやハーブ由来の物質をがん治療に利用する価値があるかどうかに関するいくつかの研究は初期の段階であり、エビデンスがあまりありません。ハーブのサプリメントには副作用があり、がん治療に使われる薬剤をはじめ、医薬品と相互作用を起こして害になるものもあります。
  • がん治療中に抗酸化サプリメントを含むビタミン類やミネラルのサプリメントを摂取することによって、どのような作用があるのかは明らかになっていません。NCIでは、サプリメントを摂取する前にかかりつけの医療スタッフに相談するようにがん患者さんに助言しています。
  • NCCIHの助成により2010年に実施された試験では、化学療法と放射線療法に加えてサメ軟骨抽出物を摂取しても、進行肺がん患者に対する有益性は示されませんでした。それ以前に実施された、進行乳がんまたは大腸がんの患者を対象としたさらに小規模な試験でも、従来の治療に追加したサメ軟骨による有益性は明らかではありませんでした。
  • レアトリル(天然の制がん剤)に関する2011年のシステマティック・レビューによれば、同剤ががんの治療薬として効果があるというエビデンスは見つかりませんでした。レアトリルにはシアン化物が含まれているため、特に経口摂取した場合、有毒になることがあります。

がん治療薬の詐欺に注意

米国食品医薬品局(FDA)および連邦取引委員会(FTC)は、一般市民に対してがん治療薬の不正品に注意するように警告を出しました。がん治療薬の詐欺は以前からありますが、近年では、インターネットの普及によって以前よりも簡単に不正品が売られやすくなっています。

がん治療薬の不正品にはそれ自体が害になるものもありますが、不正品を使用する間に医療を受けるのが遅れたり、がん治療薬の効果に相互作用したりすることによって、間接的に害になることもあります。

がん治療薬の不正品を売る人は、「科学の飛躍的進歩」、「奇跡的に治る」、「秘密の成分」、「古来の治療法」、「あらゆる種類のがんを治療できる」、または「悪性腫瘍が小さくなる」などの能書きをつけて販売していることが多いです。広告には製品を使った人の個人的な経験談が書かれていることがあります。そのような話は、事実かどうかに関係なく、製品が有効であるという信頼できるエビデンスとは言えません。また、代金払い戻しの保証があっても、製品が効くというエビデンスにはなりません。

あなたが広告で見た制がん剤の使用を考えているとしたら、まず最初にかかりつけの医療スタッフに相談してください。がんに関連する健康製品の詐欺に関する詳細な情報がFDAおよびFTCから入手できます。

がん予防のための補完的健康アプローチ

2012年に行われた大規模な臨床試験では、高齢の男性がマルチビタミンやミネラルのサプリメントを摂取することによって、がんのリスクを若干低下できる可能性があることが示されました。がんの予防において、それ以外の補完的健康アプローチが有用であることは示されておらず、なかには健康リスクの増大と関連していることがわかったものもあります。

ビタミン・ミネラルのサプリメント

2012年に終了した試験の結果から、高齢の男性がマルチビタミン・ミネラルのサプリメントを摂取することによって、がんのリスクが若干低下することが明らかになっています。Physicians’ Health Study II (数種類のサプリメントを検証した複合試験)の一部として実施されたこの試験では、米国の男性医師14000人以上がマルチビタミンとミネラルのサプリメントまたはプラセボ(ビタミンやミネラルを一切含んでいないが、外観が全く同じ製品)を11年間摂取するように無作為に割り付けられました。サプリメントを摂取した医師では、プラセボを摂取した医師よりも発がん率が計8%少ないという結果になりました。

このほかのビタミンとミネラルに関する試験では、ほとんどが栄養成分として1種類のみか数種を含むサプリメントを評価していましたが、がんに対する予防効果はありませんでした。一部の試験では、特定のビタミンまたはビタミン関連物質の高用量を補充することによりリスクが生じることが明らかになりました。研究結果には次のようなものがあります。

  • Physicians’ Health Study II の別のパート(上記のパートではない)では、ビタミンEまたはビタミンCのどちらかを比較的高用量摂取することによって、50歳以上の男性の前立腺がんを含むがん全体のリスクが低下することはありませんでした。
    ビタミンEを摂取している男性では出血性脳卒中(脳内出血によって起こる脳卒中の一種)のリスクが上昇しました。
  • 2010年に臨床試験22件のメタアナリシスを実施したところ、抗酸化サプリメント(ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチンおよびセレニウム)ががん予防に役立つというエビデンスはありませんでした。
  • 大規模試験2件から、ベータカロチンを含むサプリメントによって喫煙者の肺がんリスクが上昇するというエビデンスが明らかになりました。
  • NCI、NCCIHおよびNIHのその他部門が資金提供した、セレニウムとビタミンEのがん予防効果試験(Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial、SELECT)では、セレニウムとビタミンEのサプリメントをそれぞれ単独または一緒に摂取しても、前立腺がんを予防できなかったことが示されました。同試験ではまた、ビタミンEサプリメントを単独で摂取したところ、男性健常者の前立腺がんのリスクが上昇したことが明らかになりました。ビタミンEとセレニウムを同時に摂取した場合は前立腺がんのリスクは上昇しませんでした。
    同試験で使用されたセレニウムとビタミンEは、通常のマルチビタミン・ミネラルのサプリメントに含まれている用量よりもはるかに高用量でした。
  • カルシウムが大腸がんの予防に役立つことを示唆する有力なエビデンスがありますが、サプリメントとしてカルシウムを摂取することによる有益性のエビデンスは不十分で、一貫性がありません。このため、NCIでは、大腸がんのリスクを低下するためにカルシウムのサプリメントを摂取することを推奨していません。
その他の自然食品

2009年に発表された1600万人が参加した51試験のシステマティック・レビューによれば、緑茶を飲むこととがん予防の間の関連性には「不十分で対立する」エビデンスがありました。
イチョウ、イソフラボン、ノニ、ザクロ、ブドウ種子抽出物をはじめとする、他のいくつかの自然食品について、がん予防効果の可能性について検討されましたが、いずれもエビデンスは乏しく、結論には至っていません。

がんの予防についてもっと知りたいですか?

がんのリスクを低下できる多くの方法があります。がんの原因となるもの(たばこの煙など)を避けるようにすること、前がん状態を早期に発見できる検査(大腸内視鏡検査など)を受けること、そしてリスクが高い人は薬剤を服用してがんのリスクを低下させること(化学予防)です。がんの予防に関する詳しい情報は、NCIから入手できます。

がんに対する補完的健康アプローチのNIH研究

NCIおよびNCCIHのいずれも、がんに関連する実験研究および臨床試験の多くに資金助成をしています。現在実施されている研究の一部では次のものが検証の対象とされています。

  • 遺伝的要因およびカルシウムとマグネシウムの摂取による前がん状態の大腸ポリープ発症リスクに対する影響
  • 竹抽出物、ブドウ種子抽出物、白茶、紅参およびS-アデノシルメチオニン(SAMe)など、がんの予防または治療に価値がある可能性のある自然食品の作用機序
  • 頭頸部がん治療後の嚥下障害に対する鍼治療の利用
  • がん患者の睡眠改善のための心身鍛錬

詳しい情報はNCIおよびNCCIHから入手できます。

がんと診断され、補完的健康アプローチを検討していますか?

  • がん患者さんには補完的健康アプローチについて情報を知ったうえで意思決定を行う必要があります。NCCIH および NCI がその助けとなるように次のような冊子を作成しました。補完代替医療について考える―がん患者のためのガイド
  • あなたが興味を引かれた補完的健康アプローチの製品または療法について情報を集めましょう。そのあと、かかりつけの医療スタッフとそれについて話し合ってください。がんと診断された人は補完的健康アプローチを使用する前に、かかりつけの医療スタッフに相談することが望ましいです。
    補完的健康アプローチをすでに使用している場合、使っている理由ががんとは関係ないことであるとしても、それをかかりつけの医療スタッフに伝えてください。補完的健康アプローチのなかには、標準的ながん治療と相互作用を示すものがあり、標準治療と一緒に使うと有害になるものもあります。医療スタッフに聞く質問の例をあげておきます。
    • この製品または療法について、どのような利点やリスクがあることがわかっていますか?リスクより利点の方が大きいですか?
    • どのような副作用が考えられますか?
    • この方法は従来の治療の妨げになりますか?
    • 施術をしている人を紹介していただけますか?
  • 従来のがん治療の代わりに、あるいは健康問題についてかかりつけの医師の診察を受けるのを後回しにするために、安全性と効果が証明されていない健康製品や療法を使用してはいけません。
  • あなたが行っている補完療法をすべてのかかりつけの医療スタッフに伝えてください。健康管理のためにあなたがどんなことをしているのか、すべて話しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

さらなる情報

■ Using Dietary Supplements Wisely

nccih.nih.gov/health/supplements/wiseuse.htm

■ NCCIH 情報センター

国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]の情報センターは、NCCIHに関する情報、ならびに連邦政府が管理運営する科学・医学論文データベースから関連する文献や検索・調査などを含む補完療法に関する情報を提供しています。情報センターでは、医学的なアドバイス、治療の推奨、施術者の紹介はおこなっていません。

米国内の無料通話:1-888-644-6226
テレタイプライター(TTY、聴覚障害者や難聴の方用):1-866-464-3615
ウェブサイト: nccih.nih.gov
E-mail:info@nccih.nih.gov

■ PubMed®

国立医学図書館(NLM)[米国]のサービスであるPubMed®には、科学・医学雑誌に掲載された論文の情報(掲載号、出版年月日など)および(ほとんどの場合)その論文の要約が掲載されています。

ウェブサイト:www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed

■ ODS(ダイエタリーサプリメント室)

国立衛生研究所(NIH)[米国]内に設置されたダイエタリーサプリメント室(Office of Dietary Supplements:ODS)は、科学情報の評価、研究支援、研究結果の共有、啓発活動を通して、国民のサプリメントの知識と理解が深まるよう努めています。出版物(例えば「サプリメント:知っておきたいこと」など)、さまざまなサプリメント成分や製品に関する個別のファクトシート(例えば「ビタミンD、マルチビタミン・ミネラルサプリメント」など)、および「PubMed Dietary Supplement Subset(PubMedで検索する際、サプリメントに関する論文を自動的に限定検索可能)」等を提供しています。

PubMed Dietary Supplement Subset(パブメッド・ダイエタリーサプリメント・サブセット)
ウェブサイト: ods.od.nih.gov
E-mail: ods@nih.gov

参考文献

謝辞

NCCIHは、この出版物の2013年版からの更新における貢献に対して次の人に感謝します。
Cornelia Ulrich, Ph.D., German Cancer Research Center; Susan Folkman, Ph.D., University of California, San Francisco; Jun James Mao, M.D., University of Pennsylvania; Elizabeth Austin, M.S., Robin Baldwin, B.S.N., Barbara McMakin, M.S., and Jeffrey White, M.D., National Cancer Institute; and Carol Pontzer, Ph.D., and John (Jack) Killen, Jr., M.D., NCCAM

このサイトの情報は著作権で保護されておらず公開されています。複製も奨励されています。

NCCIH Pub No.:D453
更新日:2014年7月

国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]は、個人の参考情報として、この資料を提供しています。この資料は、あなたのプライマリーヘルスケア提供者(かかりつけ医等)の医学専門知識やアドバイスに代わるものではありません。NCCIHは、治療やケアについて意思決定をする場合は、必ずかかりつけの医療スタッフと相談することをお勧めします。この資料に記載されている特定の製品、サービス、治療法のいずれも、NCCIHが推奨するものではありません。

翻訳公開日:2018年3月22日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
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