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海外の情報

セイヨウサンザシ
Hawthorn

本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版改訂年月(翻訳時):2020年8月
一般名(英名):
hawthorn, English hawthorn, oneseed hawthorn, harthorne, haw, hawthorne
学術名:
Crataegus monogyna, Crataegus laevigata (類義語 Crataegus oxyacantha)

背景

  • セイヨウサンザシは、バラ科で棘があり、花をつける低木です。セイヨウサンザシは世界中の温帯地方で自生しています。
  • 歴史的に、セイヨウサンザシは心疾患、消化器および腎臓の問題に使用されてきました。現在では、これらの用途だけでなく、不安症、高血圧、低血圧などさまざまな症状・疾患にも使用されています。

これまでに解明されていること

  • 人を対象として、心不全に対するセイヨウサンザシの効果が研究されてきました。心不全とは、心臓が十分な量の血液を送り出すことができない状態を指します。
  • そのほかの健康上の問題に対するセイヨウサンザシの効果については、科学的根拠(エビデンス)が得られていないか非常に乏しいため、詳しいことはわかっていません。

研究で明らかになったこと

  • 心不全の患者に対するサンザシの効果については、相反するエビデンスがあります。過去に実施された短期的な研究では、セイヨウサンザシが心不全の患者に有益である可能性が示唆されましたが、最近の別の研究では、これらの有効性を確認することができませんでした。これらの研究では、それより前に実施された研究とは異なり、心不全に対して推奨されている従来の治療法に追加する形で患者にセイヨウサンザシを摂取させました。このうち1件の研究では、セイヨウサンザシを摂取した人では、心不全の初期における進行リスク(危険)が高いように思われ、セイヨウサンザシが有害である可能性が示唆されました。

安全性について

  • 心不全に対するセイヨウサンザシに関するほとんどの研究では、重篤な安全上の問題は報告されていません。しかし、1件の研究では、セイヨウサンザシを摂取した群はプラセボ(薬効がない不活性物質)を摂取した群と比べて、研究開始直後に心不全が悪化しやすいことがわかりました。この理由は不明ですが、可能性の一つとして、患者が服用していた薬剤とセイヨウサンザシが相互作用をおこした可能性が考えられます。
  • セイヨウサンザシの副作用にはめまい、吐き気、消化器症状などがあります。
  • セイヨウサンザシは、一部の心疾患薬を含む薬剤との間に、有害な相互作用をおこす可能性があります。薬を服用している人は、セイヨウサンザシを使用する前に、かかりつけの医療スタッフに相談してください。
  • 妊娠中または授乳中にセイヨウサンザシを摂取しても安全であるかどうかは、ほとんどわかっていません。

注意事項

  • 自分の健康に責任を持ちましょう。利用している補完療法のすべてをかかりつけの医療スタッフに伝えてください。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

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参考文献

詳細情報

■ NCCIH 情報センター

NCCIH情報センターは、NCCIHに関する情報、および科学論文・医学論文の連邦データベースの公開や検索などの補完療法に関する情報を提供しています。情報センターでは医学的なアドバイス、治療の推奨や施術者の紹介は行いません。情報センターでは、医学的なアドバイス、治療の推奨、施術者の紹介はおこなっていません。

米国内の無料通話:1-888-644-6226
tty (聴覚障害者や難聴者向け):
1-866-464-3615
Website:https://nccih.nih.gov/(英語サイト)
Email:info@nccih.nih.gov

■ PubMed®

国立医学図書館(NLM)[米国]のサービスであるPubMed®には、科学・医学雑誌に掲載された論文の情報(掲載号、出版年月日など)および(ほとんどの場合)その論文の要約が掲載されています。NCCIHによるPubMed使用のガイダンスは、「How To Find Information About Complementary Health Approaches on PubMed」(英語サイト)をご覧ください。

ウェブサイト:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/(英語サイト)

■ ODS(ダイエタリーサプリメント室)、NIH(米国国立衛生研究所)

ダイエタリーサプリメント室(Office of Dietary Supplements :ODS)は、科学情報の評価、研究支援、研究結果の共有、および啓蒙活動を通して、国民のサプリメントに関する知識や理解が深まるよう努めています。この情報は(「知っておきたいこと:サプリメント」など)、さまざまなサプリメント製品や具体的な成分(ビタミンDやマルチビタミン/ミネラルサプリメントなど)に関するファクトシート、PubMed Dietary Supplement Subset(PubMedでダイエタリーサプリメントに関する論文を自動検索する機能)(英語サイト)などを提供しています。

ウェブサイト:https://ods.od.nih.gov/(英語サイト)
Email:ods@nih.gov

米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)は、個人の参考情報として、この資料を提供しています。この資料は、あなたが今かかっている医療機関の医療従事者の医学専門知識やアドバイスに代わるものではありません。NCCIHは、治療やケアについてあらゆる意思決定をする際、今かかっている医療機関に相談することをお勧めします。この資料に記載されている特定の製品、サービス、治療法のいずれも、NCCIHが推奨するものではありません。

監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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