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コミュニケーション

インフルエンザや風邪に対する自然製品について話そう:科学的根拠は?
Time To Talk About Natural Products for the Flu and Colds: What Does the Science Say?

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版最終改訂年月(翻訳時):2013年6月25日

またあの季節がやってきました-風邪とインフルエンザの季節です。毎年、米国人の約5~20%がインフルエンザにかかります。大部分の人は特に問題もなく治りますが、毎年インフルエンザの合併症で20万人以上が入院し、3,000~49,000人が死亡します。一般的に風邪から重篤な合併症は生じませんが、病院を受診したり、学校や仕事を休む最大の理由の一つとなっています。

これらの病気を予防したり治療したりするためにハーブあるいはビタミンやミネラルなどの天然物を試す人がいます。しかし本当に効くのでしょうか。科学ではどれぐらいわかっているのでしょうか。

インフルエンザ

  • インフルエンザに対しては、ワクチンが最も良い予防策です。2010年以降、疾病予防管理センター(CDC)では、生後6カ月以上のすべての人に毎年インフルエンザの予防接種を受けるように推奨しています。
    今現在、いかなる天然物もインフルエンザに効くという確固たる科学的根拠はありません。

風邪

亜鉛

亜鉛は経口摂取(口から服用)することで、風邪の治療に役立ちますが、副作用を起こしたり薬剤と相互作用を起こしたりすることがあります。亜鉛には2種類の剤形があります。経口用亜鉛(トローチ剤、錠剤、シロップなど)と経鼻投与用亜鉛(ぬぐい液、ジェルなど)です。2011年の臨床試験の分析によると、症状が発現してから24時間以内に経口用亜鉛を取ると、風邪の症状を緩和したり期間を短くしたりするのに有効であることがわかりました。またその分析では、低用量の亜鉛を5カ月以上取ると、小児において風邪をひく回数が減少したと結論づけています。経鼻投与用亜鉛は重度の副作用(不可逆的臭覚の損失)との関連があるので使用するべきではありません。

安全性に関する注意:経口用亜鉛は、悪心やその他の胃腸症状を引き起こすことがあります。長期間の亜鉛使用、特に高用量での使用は、銅欠乏症などの問題を引き起こす可能性があります。亜鉛は抗生物質やペニシラミン(関節リウマチ治療薬)などの薬剤と相互作用する可能性があります。

ビタミンC

ビタミンCは風邪の予防にはなりませんが、わずかに風邪の症状を和らげたりその期間を短くしたりします。2010年の科学論文のレビューによると、ビタミンCを定期的に(少なくとも一日に0.2g)摂っても風邪をひいてしまうが、風邪の症状をわずかにではあるが改善することが明らかになりました。風邪をひいた後にビタミンCを摂取した人を対象とした研究では、ビタミンCが症状を改善することはありませんでした。

安全性に関する注意:ビタミンCは一般的に安全であると考えられています。しかし、高用量摂ると下痢や悪心などの消化障害を起こすことがあります。

エキナセア

エキナセアは風邪の予防や治療に役立つとは証明されていません。エキナセアは、風邪の治療や予防として一部の人に使われているハーブ製品です。エキナセアの製品は多岐にわたっており、さまざまな種や部位、異なる調合によるものなどがあります。研究報告はわずかしかなく、成人の風邪治療に有益な可能性のあるエキナセア製剤もあれば、有効性のないものもあります。さらに、エキナセアを使用しても、成人の風邪をひく回数が減少したという報告はありません。小児においてはエキナセアに関する研究はわずかしかなされておらず、その研究の結果も一貫性がありません。

安全性に関する注意:エキナセアの臨床試験では副作用はほとんど報告されていませんが、中にはアレルギー反応を示す人もいます。小児を対象としたある大規模な臨床試験では、エキナセアを摂取した小児では発疹の発現リスクが高くなりました。

プロバイオティクス

プロバイオティクスが風邪の予防に役立つ可能性があるという証拠はあまりありません。またその長期安全性についてもあまり知られていません。プロバイオティクスは「善玉菌」の一種で、体内に存在する微生物に類似しており、健康に良いとされています。プロバイオティクスは、サプリメントやヨーグルト、坐薬やクリームなどの製品に使われています。2011年の研究分析では、プロバイオティクスは風邪などの上気道感染症を予防するのに役立つ可能性があることが示されましたが、その証拠は十分ではなく、結果には限界があります。

安全性に関する注意:長期間にわたってプロバイオティクスを取った場合の効果についてはほとんど知られていません。大抵の人は、副作用を発現することなく、あるいは発現したとしても腸管ガス貯留などの軽度の胃腸の副作用のみでプロバイオティクスを使うことが可能です。しかし重篤な副作用の症例報告も数例あります。重篤な健康上の問題がある人は、医療スタッフによる緊密なモニタリングなしにプロバイオティクスを使うべきではありません。

監訳:伊藤壽記(大阪大学)、大野智(帝京大学) 翻訳公開日:2014年3月28日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
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