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海外の情報

関節リウマチ
Rheumatoid Arthritis

本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。

関節リウマチの詳細
最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版改訂年月(翻訳時):2019年1月

要点は?

  • 関節リウマチの医学的治療は、関節の損傷を遅らせるか、または防ぐことができ、症状を治療するだけではありません。治療が始まるのが早ければ早いほど良いです。関節リウマチになってしまった場合は、かかりつけの医療スタッフの指示に従って治療を行いましょう。リウマチ性関節炎が原因かもしれない関節の症状があるなら、速やかにかかりつけの医療スタッフを受診しましょう。
  • 最良の結果を得るためには、かかりつけの医療スタッフが処方または推奨する治療を他の療法で代用しないでください。あなたの治療プログラムに補完療法や関連製品を追加する際には、かかりつけの医療スタッフに相談してください。

関節リウマチに対する補完療法の有効性についてわかっていることは?

  • 心身療法に関する研究量は少なすぎて、関節リウマチの症状を緩和するのに有用かどうか結論は得られていません。
  • オメガ3脂肪酸、γ-リノレン酸(gamma-linolenic acid:GLA)、またはハーブのライコウトウを含むサプリメントは、関節リウマチの症状を緩和するのに役立つ可能性があります。

関節リウマチに対する補完療法の安全性についてわかっていることは?

  • このファクトシートに記載されている心身療法は、一般的に安全性に優れています。しかし、関節リウマチの人にとって安全で快適なものにするためには、一部適応させる必要があるかもしれません。
  • ライコウトウは、男性不妊や骨密度の低下などの重篤な副作用を引き起こす可能性があります。
  • 米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)は、関節炎の痛みに対して宣伝されている処方薬の混入した違法なサプリメントについて消費者に警告しています。

関節リウマチとは?

関節リウマチ(Rheumatoid arthritis:RA)とは、関節に痛みや腫れ、こわばりが生じる病気です。免疫系が関節を覆う膜を攻撃することで発症します。RAは男性よりも女性に多く、しばしば中年期から発症しますが、若年者でも発症することがあります

関節リウマチと治療方法についてのさらなる情報

  • RAは自己免疫疾患で、免疫系が原因不明の理由で関節を攻撃する病気です。RAは、変形性関節症のような他のタイプの関節炎とは異なり、年齢を重ねるにつれて最も一般的に起こる消耗性の疾患です。
  • 永久的な関節の損傷を避けるための早期治療は、RAの障害と進行を防ぐための鍵となります。RAの治療はさまざまな療法を組み合わせ、痛みを和らげ、炎症を抑え、関節の損傷を遅らせたり止めたりして、患者の健康感と機能能力を向上させることを目的としています。RAに使用される医薬品には、疾患の進行を遅らせるための疾患修飾性抗リウマチ薬(disease-modifying antirheumatic drugs:DMARDs)、炎症を抑えるための非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)やコルチコステロイドなどがあります。

RAについてのさらなる情報は、国立関節炎、骨格筋、皮膚疾患研究所(NIAMS; National Institute of Arthritis and Musculoskeletal and Skin Diseases)のウェブサイトを参照してください。

科学的観点からみた関節リウマチに対する補完療法

心身療法

鍼治療

  • RAに対する鍼治療の研究は少なくとも11件終了しており、総参加者は1,300例を超えています。これらの研究では、有益な効果を示す明確なエビデンスは示されていません。
  • 鍼治療は、経験豊富な施術者が滅菌した鍼を使用して行う場合は、一般的に安全と考えられています。鍼治療が不適切に行われると、潜在的に重篤な副作用を引き起こす可能性があります。
  • さらなる情報は、NCCIHのウェブサイトの鍼治療に関するページを参照してください。

マッサージ療法

  • 2013年に実施された参加者42例を対象とした単一研究では、腕や肩に影響を及ぼすRAがある人には、適度な圧迫感のあるマッサージ療法が痛みを軽減し、握力を高める可能性があることが示されています。
  • マッサージ療法による有害な影響のリスクは低いようです。しかし、まれに重篤な健康被害を負ったという報告もあります。報告されている症例の中には、深部組織マッサージのような激しいタイプのマッサージや、高齢者のような外傷のリスクが高まる可能性のある患者が含まれています。
  • さらなる情報は、NCCIHのウェブサイトのマッサージ療法に関するページを参照してください。

マインドフルネス瞑想

  • 4件の研究(総参加者401例)では、RA患者におけるマインドフルネスに基づく介入の効果が検討されており、いずれの研究でも痛みなどの自覚症状や病気に対処する能力に何らかの改善が見られたというエビデンスが得られています。
  • マインドフルネス瞑想では、長時間一つの姿勢のままでいることがあります。これは、関節炎のある人にとっては難しい、または痛みを伴う場合があります。マインドフルネス瞑想を試してみたいと思っている場合は、身体的な制限をインストラクターに伝え、インストラクターがあなたにとって快適になるように療法を変更できるようにましょう。
  • さらなる情報は、NCCIHのウェブサイトの瞑想に関するページを参照してください。

リラクゼーション法

  • RA患者には、自律訓練法、バイオフィードバック(行動療法)、その他のリラクゼーション法が研究されていますが、それぞれの療法についての研究はごくわずかです。期待できる結果が出ているものもありますが、研究が非常にごくわずかなため明確な結論は得られていません。
  • リラクゼーション法は、一般的に副作用はありません。しかし、重篤な身体的または精神的症状・疾患がある人に、まれに有害な影響が報告されています。
  • さらなる情報は、NCCIHのウェブサイトのリラクゼーション法に関するページをご覧ください。

太極拳

  • 複数の研究では、太極拳を行うことがRAの人に与える影響を調べています。参加者の身体機能の改善が認められた研究もあれば、そうでない研究もあります。これらの研究のほとんどは10年より前のものであり(さらに古いものもあります)、そのため研究参加者は現在RA治療に使用されている医薬品の種類を服用していなかったでしょう。一貫性のない知見と長年にわたるRA治療の変化のため、太極拳がRAに効果があるかどうかは明らかにされていません。
  • RAに対する太極拳の研究では、太極拳は症状を悪化させないことが示されています。しかし、伝統的な太極拳は、RAの人が安全で快適に参加できるように適応させる必要があるかもしれません。
  • さらなる情報は、NCCIHのウェブサイトの太極拳に関するページをご覧ください。

ヨガ

  • ヨガは関節炎に有益と思われるエクササイズのいくつかの要素を取り入れており、その中には筋力や柔軟性の向上に役立つ運動も含まれています。しかし、RAに対するヨガを調べた研究はごくわずかで、質の高いものではありませんでした。これらの研究では、ヨガが有用であるかどうか明確に示されていません。
  • ヨガのエクササイズは、運動性が制限されるRAの人や脊椎に問題のある人は注意して行うべきです。RAの人は、関節へのストレスを最小限に抑えるために、ヨガの一部のポーズを部分的に変更する際の補助や、バランスを整えるために支えが必要となる可能性があります。
  • さらなる情報は、NCCIHのウェブサイトのヨガに関するページを参照してください。

サプリメント

オメガ3脂肪酸

  • オメガ3脂肪酸は、食物や人体に含まれる脂肪の一種です。サプリメントとしても販売されています。オメガ3系の種類は食物によって異なります。多くの研究では、海産食品(魚介類)に含まれる長鎖オメガ3系に注目しています。
  • 長鎖オメガ3系のサプリメントを検査した22件の研究(総参加者956例)を対象とした2017年のレビューでは、RA患者の痛みに対する良好な効果が認められました。
  • オメガ3サプリメントは、通常、副作用があるとしても軽度のものでしかありません。オメガ3サプリメントが前立腺がんのリスクに影響を与えるかどうかについては、相反するエビデンスがあります。血液凝固に影響を与える薬を服用している場合や、魚介類にアレルギーがある場合は、オメガ3サプリメントを摂取する前に、かかりつけ医療スタッフに相談してください。
  • さらなる情報は、NCCIHのウェブサイトのオメガ3系に関するページをご覧ください。

ガンマリノレン酸(Gamma-Linolenic Acid:GLA)

  • GLAは、月見草(Oenothera biennis)、ボラージ(Borago officinalis)、クロフサスグリ(Ribes nigrum)など、いくつかの植物のオイルに含まれるオメガ6脂肪酸ですGLAを含むオイルはRAの症状を緩和する効果がある可能性がありますが、それぞれのオイルについての研究はごくわずかしか行われていません。
  • 短期的な研究では、GLAを含むオイルは胃の不調や頭痛などの軽度の副作用しか出ませんでした。GLAサプリメントの長期的な安全性は明らかにされていません。ボラージ製品の中には、肝臓に害を及ぼす可能性のあるピロリジジンアルカロイドと呼ばれる物質が含まれている場合があります。

プロバイオティクス

  • 少数の予備的研究では、RA患者を対象にさまざまなプロバイオティクスを検証していますが、使用するプロバイオティクスの種類は研究によって異なり、結果も異なっていました。プロバイオティクスの効果については、現時点でのエビデンスに基づく結論は得られていません。
  • 一般的に健康な人であれば、プロバイオティクスは安全性に優れています。副作用は、発生としても、通常はガスのような軽度の消化器症状だけです。しかし、プロバイオティクスの長期的な安全性に関する情報は限定的で、プロバイオティクスの種類によって安全性が異なる可能性があります。プロバイオティクスは、重篤な内科的基礎疾患がある人には、危険な感染症などの重度の副作用との関連性が指摘されています。
  • さらなる情報は、NCCIHのウェブサイトのプロバイオティクスに関するページをご覧ください。

ライコウトウ

  • ライコウトウ(Tripterygium wilfordii)は、中国伝統医学で使用される薬草です。RAに対するライコウトウの経口摂取については、質の高い研究がわずかしかありません。これらの研究は、ライコウトウが一部のRA症状を改善する可能性があることを示しています。2件の研究では、ライコウトウは少なくとも通常の医薬品と同様に有用でした。また、中国での研究では、通常の医薬品と併用した場合にも有望な結果が得られています。
  • ライコウトウには、骨密度の低下や男性不妊などの重大な副作用があります。適切に調整されていないライコウトウの抽出物(エキス)は、猛毒になることがあります。この薬草を使用した場合のリスクは、その効果を上回る可能性があります。
  • さらなる情報は、NCCIHのウェブサイトのライコウトウに関するページをご覧ください。

他のサプリメント

  • RAに対して研究されている他のサプリメントには、キャッツクロー、鹿茸、ナツシロギク、亜麻仁油、緑イ貝、ローズヒップ、ヤナギ樹皮抽出物(エキス)などがあります。これらのサプリメントはどれも、人を対象にごくわずかな研究しかが行われておらず、効果について結論は得られていません。

違法な関節炎のサプリメント

FDAは、関節炎や痛みに対し宣伝されている処方薬の混入したいくつかの違法なサプリメントについて、一般の人々に警告を発しています。これらの製品に含まれているラベル表示されていない成分が、副作用を引き起こしたり、薬物と有害な相互作用を起こしたりする可能性があります。

FDAのウェブサイトでは、違法な関節炎・疼痛の製品(英語サイト)の一覧や、不正なサプリメント(英語サイト)の一般的な情報が掲載されています。また、摂取しているサプリメントや検討しているサプリメントについて、かかりつけの医療スタッフに相談してみるのも良いでしょう。

補完療法について

アーユルヴェーダ療法

  • アーユルヴェーダ療法は、インドで発祥した医療体系の一つです。2件の予備的研究(参加者161例)では、アーユルヴェーダの薬用植物とRAの治療に用いられる通常の医薬品を比較しています。どちらも、アーユルヴェーダの薬用植物の中には、医薬品と同等の効果を持つものもあることを示しています。しかし、この2件の研究では、異なるアーユルヴェーダの薬用植物を使用し、異なる医薬品と比較しています。
  • アーユルヴェーダ療法では、さまざまな製品や療法を使用しています。中には、特に誤った使い方や、熟練した施術者の指導なく使用された場合、有害となるものもあります。
  • さらなる情報は、NCCIHのウェブサイトのアーユルヴェーダ療法に関するページを参照してください。

温泉療法

  • 温泉療法とは、健康目的で水道水やミネラルウォーターを使って入浴する療法で、泥パックなどの関連する施術も含まれていますRAに対する温泉療法に関する8件の研究(総参加者496例)を対象とした2016年のレビューでは、研究によって使用された温泉療法の種類にばらつきがあり、また研究デザインにもばらつきがあったため、明確な結論は得られていません。
  • 温泉療法は安全性に優れています。

特別な食事療法

  • ベジタリアン、地中海式、除去食などの特別な食事療法がRAに及ぼす影響は、ほとんど研究が行われていないため明らかにされていません。
  • RAのために特別な食事療法を検査した研究では、意図していないにもかかわらず体重が減少した人がいましたが、これはすでに正常体重以下の人にとっては好ましくない効果です。特別な食事療法の中には、特に1つ以上の主要な食物群を排除しているものでは、あまりにも制限が多いため栄養不足に陥る危険性があります。

さらに考慮しなければならないこと

  • サプリメントの利用を検討している場合、使い方を誤ると健康に害を及ぼすこと、服用中の処方薬や市販薬あるいは摂取中の他のサプリメントと相互作用する可能性があることを忘れないでください。かかりつけの医療スタッフがあなたにアドバイスしてくれます。妊娠中、授乳中、あるいは子供にサプリメントを与えることを検討している人は、医療スタッフに相談しましょう。さらに詳しくお知りになりたい方は、NCCIHのウェブサイトのサプリメントのページをご覧ください。
  • 自分の健康に責任を持ちましょう。利用している補完療法のすべてをかかりつけの医療スタッフに伝えてください。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

消費者向け情報

医療者向け情報

関連するファクトシート

さらなる情報

■ NCCIH 情報センター

米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)の情報センターは、NCCIHに関する情報、ならびに連邦政府が管理運営する科学・医学論文データベースから関連する文献や検索・調査などを含む補完・統合医療に関する情報を提供しています。情報センターでは、医学的なアドバイス、治療の推奨、施術者の紹介はおこなっていません。

米国内の無料通話:1-888-644-6226
テレタイプライター(TTY、聴覚障害者や難聴の方用):1-866-464-3615
ウェブサイト:https://nccih.nih.gov/(英語サイト)
Email:info@nccih.nih.gov

■ 国立関節炎、骨格筋、皮膚疾患研究所 (NIAMS; National Institute of Arthritis and Musculoskeletal and Skin Diseases)

NIAMSの使命は、関節炎、骨格筋、皮膚疾患の原因、治療、および予防に関する研究の支援、この研究を行うための基礎および臨床科学者の訓練、これらの疾患の研究の進捗に関する情報の普及です。

米国内の無料通話:1-877-22-NIAMS
ウェブサイト: https://www.niams.nih.gov(英語サイト)

■ PubMed®

米国国立医学図書館(National Library of Medicine, PubMed®:NLM)のサービスであるPubMed®には、科学・医学雑誌に掲載された論文の情報(掲載号、出版年月日など)および(ほとんどの場合)その論文の要約が掲載されています。NCCIHによるPubMed使用のガイダンスは、How To Find Information About Complementary Health Approaches on PubMed(PubMedで補完療法の情報を探す)(英語サイト)をご覧ください。

ウェブサイト:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/(英語サイト)

■ MedlinePlus

健康に関する質問に答えるのに役立つリソースを提供するために、MedlinePlus(米国国立医学図書館のサービス)では、国立衛生研究所をはじめ、他の政府機関や健康関連組織からの信頼できる情報をまとめています。

ウェブサイト:https://www.medlineplus.gov/(英語サイト)

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謝辞

NCCIHは、この出版物の2013年の更新に貢献した以下の方に感謝しています:D. Craig Hopp, Ph.D., and David Shurtleff, Ph.D., NCCIH

米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)は、個人の参考情報として、この資料を提供しています。この資料は、あなたが今かかっている医療機関の医療従事者の医学専門知識やアドバイスに代わるものではありません。NCCIHは、治療やケアについてあらゆる意思決定をする際、今かかっている医療機関に相談することをお勧めします。この資料に記載されている特定の製品、サービス、治療法のいずれも、NCCIHが推奨するものではありません。
筋骨格系の炎症に対する天然物:概要
最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版改訂年月(翻訳時):2016年7月

多くの天然物は抗炎症作用があるとされており、そのなかには、変形性関節症関節リウマチ、腱炎などの筋骨格系の炎症に関連する炎症や痛みの治療に使用されてきた長い歴史を持っているものもあります。いくつかの天然物がわずかなベネフィット(有益性)をもたらす可能性があるという一部の限られた科学的根拠(エビデンス)がありますが、一般に、炎症状態に対してこれら多くの天然物の利用を支持するにはエビデンスは不十分です

筋骨格系の炎症に対する天然物:科学的根拠
最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版改訂年月(翻訳時):2016年7月

天然物

ウコン(Curcuma longa)

ウコンは、アーユルヴェーダ医学において炎症性疾患の治療に使用されてきた長い歴史があります。ウコンから抽出した化学物質のクルクミンは、炎症性疾患の治療および予防のための薬としてよく使用されます。実験室での研究から得られた予備的な治験によると、ウコンに含まれている化学物質のクルクミンには抗炎症特性がある可能性がありますが、炎症性疾患に対して使われてきた長い歴史にもかかわらず、このような疾患に対してウコンの補充を行うことを裏づける科学的根拠(エビデンス)は不十分です。

  • エビデンスベース
    • 炎症に対するウコンの有効性に関するエビデンスベースは、複数の実験室研究と数件の臨床試験で構成されています。
  • 有効性
    • 筋骨格症状に対するクルクミンについて行われた実験室での研究、橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)、臨床研究のデータに関する2015年のレビュー(英語サイト)において、クルクミンが変形性関節症に有効な治療薬であることが明らかになりました。
    • 原発性変形性膝関節症患者120名を対象とした2013年のランダム化比較試験(英語サイト)では、クルクミン抽出物はプラセボと比較して疼痛症状と機能低下を有意に緩和することが示されました。
    • 抗炎症特性のある植物性食物サプリメントに関する2013年のシステマティックレビュー(英語サイト)では、ウコンは、長期間伝統的に炎症性疾患に対して使用されてきたにもかかわらず、さらなる調査が必要であることが明らかになりました。
  • 安全性
    • ウコンは、ほとんどの成人には安全であると考えられていますが、高用量または長期間使用すると、消化不良、悪心、または下痢を引き起こす可能性があります。

ブロメライン(パイナップル植物)

ブロメラインはパイナップルに含まれる酵素混合物です。ブロメラインは、多くの場合、鼻の腫れや炎症、変形性関節症、がん、消化不良および筋肉痛に対するサプリメントとして使われています。そのように使用されているにもかかわらず、正確な作用機序はほとんど解明されていません。ブロメラインが急性鼻炎や急性副鼻腔炎を改善するための補助療法として有用な場合があるというエビデンスはありますが、そのほかの炎症性の症状に有益な効果があるかどうかについてのエビデンスは不十分です。

  • エビデンスベース
    • 炎症性の症状に対するブロメラインの有効性に関するエビデンスベースは、複数の研究と1件のシステマティックレビューで構成されています。
  • 有効性
    • 34名の患者を対象とした2014年の前向き、プラセボ対照比較試験(英語サイト)では、埋伏した下顎大臼歯の抜糸後におけるブロメラインの抗炎症および鎮痛効果について評価しました。この研究では、ブロメライン群とプラセボ群との間に統計学的に有意な差は認められませんでしたが、ブロメライン群ではプラセボ群と比較して、炎症が軽減し、口の開きの改善が認められる傾向がありました。
    • 3件のランダム化比較試験に関する2006年のシステマティックレビュー(英語サイト)で得られた知見により、ブロメラインは、抗ヒスタミン剤、鎮痛剤および/または抗菌薬などの標準的な医薬品と併用し補助療法として使用する場合、急性鼻炎や急性副鼻腔炎の症状の緩和に役立つことが示唆されています。
    • 2004年のレビュー(英語サイト)では、現在のデータから、変形性関節症の治療におけるブロメラインの可能性が示唆されていますが、確定的な結論を出すにはさらなる研究が必要であると結論づけられました。
  • 安全性
    • ブロメラインを経口(口から)摂取した人において、胃腸障害、心拍数増加および月経の問題が報告されています。
    • パイナップルに敏感な人やパイナップルアレルギーがある人、あるいはほかのアレルギーがある人は、ブロメラインのアレルギー反応がおきる可能性があります。

柳の樹皮(セイヨウシロヤナギ)

柳の樹皮は、何世紀にもわたって、疼痛、頭痛、滑液包炎や腱炎などの炎症性疾患の治療に使われてきました。セイヨウシロヤナギの樹皮には、アスピリンを開発するために使用された化学薬品のサリシンが含まれています。古くから使用されてきたにもかかわらず、慢性腰痛症や変形性関節症に対する柳の樹皮抽出物(エキス)の使用を裏づけるために実施された臨床試験は、数件の小規模なものだけです。

  • エビデンスベース
    • 炎症性疾患に対する柳の樹皮抽出物(エキス)の有効性に関するエビデンスベースは、数件の小規模臨床試験と2、3件のレビューのみで構成されています。
  • 有効性
    • 柳の樹皮抽出物(エキス)に関する2015年のレビュー(英語サイト)では、数百年もの間の逸話的な使用と併せて利用可能なエビデンスに基づき、柳の樹皮抽出物(エキス)が鎮痛剤や抗炎症剤として有効であることが知見により示唆されていると結論づけられました。
    • 261名の参加者を対象とした2件の臨床試験に関する2014年のコクランレビュー(英語サイト)では、腰痛症の短期的な改善にはプラセボよりもセイヨウシロヤナギの樹皮を毎日摂取する方が有効な可能性が高く、レスキュー薬(頓服薬)の使用を減らす可能性があるという中等度の質のエビデンスが認められました。
    • 合計415名の参加者を対象とした3件のランダム化比較試験に関する2009年のシステマティックレビュー(英語サイト)では、筋骨格痛に対する柳の樹皮エキスの有効性について検討し、腰痛症の治療に対する柳の樹皮エキスの使用の有効性に関する中等度のエビデンスが認められると結論づけられました。
  • 安全性
    • 一般的に、柳の樹皮の副作用は軽度であると考えられています。しかし、アレルギーのある人やサリチル酸塩に敏感な人は、柳樹の皮を使用してはいけません。

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸が関節リウマチの症状に対してわずかに効果がある可能性があるというエビデンスがいくつかあります。

  • エビデンスベース
    • 関節リウマチなどの炎症性の症状に対するオメガ3脂肪酸の有効性に関するエビデンスベースは、多くのランダム化比較試験といくつかのレビューで構成されています。
  • 有効性
    • 23件の研究に関する2012年のシステマティックレビュー(英語サイト)では、関節の腫脹や疼痛、朝のこわばりの持続時間、疼痛や疾患活動性、症状をコントロールするための抗炎症薬の必要性の低下など、関節リウマチに対する海洋オメガ3脂肪酸の有益性(ベネフィット)について、極めて一貫した、しかしわずかな効果を示すエビデンスが認められたと結論づけられました。
    • 10~16週目から出産予定日まで、DHA+EPAまたはプラセボを1日2回摂取した肥満予備軍/肥満の妊婦を対象に行われた2015年のランダム化比較試験(英語サイト)では、25週間を超える期間オメガ3脂肪酸を補充したことで、母体の脂肪の炎症および胎盤組織の炎症が緩和したことが明らかになりました。
  • 安全性
    • オメガ3脂肪酸サプリメントは一般に安全で忍容性が高いです。副作用が発生する場合には、通常は軽度の消化器症状と魚臭い後味です。
    • オメガ3脂肪酸サプリメントは出血時間を延長する可能性があるという懸念があります。そのリスク(危険)はわずかであると考えられていますが、血小板機能に影響を及ぼす医薬品を服用している患者は絶対に使用してはいけません。オメガ3脂肪酸の摂取を検討している場合は、あらゆるハーブ・薬物相互作用の可能性について患者と話し合うことが重要です。
    • 魚や甲殻類にアレルギーのある患者が魚油のサプリメントを安全に摂取できるかどうかは不明であり、このような患者には使用してはいけません。

デビルズクロー(ハルパゴフィツム属)

デビルズクローはアフリカ原産のハーブです。デビルズクローは、関節炎、痛風、筋肉痛、腱炎、およびそのほかの疾患に使用されることがあります。デビルズクローにより、腰痛症が短期的にわずかに改善する可能性があるという限定的なエビデンスがあります。デビルズクローは、脊椎、股関節、膝関節の変形性関節症に有益であるという中等度のエビデンスがあります。

  • エビデンスベース
    • 非特異的腰痛症に対するデビルズクローの有効性に関するエビデンスベースは、少数の質の低い臨床試験に関するわずかなレビューで構成されています。変形性関節症に対するデビルズクローの有効性に関するエビデンスベースは、複数のランダム化比較試験に関する少数のレビューで構成されています。
  • 有効性
    • 315名の参加者を対象とした2件の臨床試験に関する2014年のコクランレビュー(英語サイト)では、腰痛症の短期的な改善にはプラセボよりもデビルズクローを毎日摂取する方が有効な可能性があり、レスキュー薬(頓服薬)の使用を減らす可能性があるという質の低いエビデンスが認められました。
    • 変形性関節症に対するサプリメントに関する2008年のレビュー(英語サイト)では、この症状に対するデビルズクローの長期的な安全性または有効性に関する信頼性のあるエビデンスは不十分であると結論づけられました。
    • 12件の臨床試験に関する2004年のシステマティックレビュー(英語サイト)では、特定の製剤および用量のデビルズクローは、変形性関節症を含むいくつかのタイプの筋骨格痛症状に有効な可能性があることが示唆されています。122名の参加者を対象とした初期の研究(英語サイト)では、デビルズクローは、股関節と膝関節の変形性関節症の痛みを改善するために、ジアセレインと同等の効果を示すことが明らかになりました。
  • 安全性
    • 変形性関節症および腰痛症に対するデビルズクローの安全性に関する28件の臨床試験についての2008年のシステマティックレビュー(英語サイト)では、デビルズクローを用いた治療の間の有害事象の発生率は低いものの、より長期的な安全性データが必要であると結論づけられました。
    • デビルズクローは心拍数や血圧に影響を与える可能性があり、心疾患や循環器系障害の患者に害を及ぼす場合があります。
    • デビルズクローは血糖値を下げる可能性があるため、糖尿病患者は血糖値を注意深く監視する必要があります。
    • 胆石または消化性潰瘍の患者は、デビルズクローの使用を避けるべきです。

ショウガ(ジンジャー)

従来、ショウガは東洋医学で腹痛、悪心、下痢を治療するために使用されてきました。現在では、ショウガは手術後の悪心、運動、化学療法、妊娠による悪心、関節リウマチ、変形性関節症、および関節痛や筋肉痛に対する民間療法あるいは伝統療法として使用されています。入手可能なエビデンスによると、ショウガの補充が関節リウマチ、変形性関節症、または関節痛および筋肉痛の治療に有益かどうかは不明です。

  • エビデンスベース
    • 筋肉痛や変形性関節症などの炎症性疾患に対するショウガの有効性に関するエビデンスベースは、わずか数件の研究とレビューで構成されています。
  • 有効性
    • 合計74名の参加者を対象とした2010年の研究(英語サイト)では、偏心運動(エキセントリック運動)による筋肉痛や炎症に対するショウガの効果について検討しました。この研究では、生のショウガおよび加熱処理したショウガを毎日摂取することで、運動誘発性の筋損傷によって生じる筋肉痛が中等度から大幅に減少したことが明らかになりました。
    • 変形性関節症に対するサプリメントに関する2008年のレビュー(英語サイト)では、この状態に対するショウガの長期的な安全性または有効性に関する信頼性のあるエビデンスは不十分であると結論づけられました。
  • 安全性
    • ショウガは、少量摂取した場合には有害反応はほとんどありません。最も多く報告されている軽度の副作用は、ガス、腹部膨満、胸やけ、悪心ですが、これらの副作用はほとんどの場合粉末のショウガに関連しています。

ライコウトウ(タイワンクロヅル)

ライコウトウは、中国、日本、韓国が原産の多年生のつる植物です。中国では、400年以上前から健康目的で使用されてきました。伝統的な中国医学では、炎症や免疫系の活動過剰に関連する疾患に対して使用されてきました。ライコウトウによって関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の症状の一部が緩和する可能性があるというエビデンスがありますが、ライコウトウは、一部の重篤で有害な副作用と関連する可能性があります。

  • エビデンスベース
    • 炎症に対するライコウトウの有効性に関するエビデンスベースは、複数の実験室研究と数件の質の高い臨床試験に関するシステマティックレビューで構成されています。
  • 有効性
    • 関節リウマチに対するライコウトウとスルファサラジンとを比較した3件の研究に関する2011年のコクランレビュー(英語サイト)では、ライコウトウは、RA症状の一部を緩和する可能性があるが、一部の重篤で有害な副作用と関連する可能性があると結論づけられました。
    • RAの管理に対する補完療法に関する2011年の別のシステマティックレビュー(英語サイト)では、ライコウトウに関する3件の研究について検討し、肯定的な効果があることが明らかになりました。しかし、レビューされたいずれの成分・物質についても、それらが有効であることを示唆する一貫したエビデンスは認められませんでした。
  • 安全性
    • ライコウトウは、重度の有害な副作用を引き起こす可能性があり、皮を剥いた根から慎重に抽出しなければ有毒になる場合もあります。この植物のそのほかの部分(葉、花、根の皮など)は非常に有毒で、死亡する可能性があります。
    • 1件の研究では、多くの参加者が、上気道感染症だけでなく消化管の有害作用も経験しました。(ライコウトウ群とスルファサラジン群の有害作用の発生率は同等でした)。
    • ライコウトウは、脱毛症、頭痛、月経の変化および発疹を引き起こす可能性もあります。
    • アメリカで製造されているライコウトウ製品で一貫して高品質なものはありません。アメリカ国外で作られたライコウトウ製品を入手できる場合もありますが、それらが安全で有効かどうかを確認することは不可能です。
    • ライコウトウは、このハーブを5年以上摂取している女性の骨密度を低下させることがわかっています。
    • ライコウトウには、精子を変化させて男性の生殖能力を低下させる可能性のある化学物質が含まれています。

参考文献

NCCIHクリニカルダイジェストは、国立補完統合衛生センター、NIH、DHHSのサービスです。NCCIHクリニカルダイジェストは、月刊の電子ニュースレターで、科学文献検索、NCCIHが出資する試験の要約、患者のためのファクトシートなど、補完療法に関するエビデンスに基づいた情報を提供します。

国立補完統合衛生センターは、厳密な科学に照らし補完療法および関連製品について調査すること、補完療法の研究者をトレーニングすること、一般市民や専門家に信頼できる情報を発信することに力を注いでいます。詳細については、NCCIH情報センター(1-888-644-6226)に無料でお電話いただくか、NCCIHのWebサイト(nccih.nih.gov)(英語サイト)をご覧ください。NCCIHは、米国の医学研究に関する連邦政府の中心である米国国立衛生研究所の27の研究所および研究センターのうちの1つです。

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監訳:大野智、富塚啓貴(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
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