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海外の情報

ビタミンC
Vitamin C

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版最終改訂年月(翻訳時):2013年6月5日

はじめに

ビタミンCについての簡単な説明は、一般向けファクトシートを参照のこと。

一般向けファクトシートの翻訳サイトは以下を参照してください

L-アスコルビン酸としても知られるビタミンCは、一部の食品に天然に含まれるほか、他の食品に添加されたり、サプリメントとして入手することも可能な水溶性ビタミンである。ヒトでは多くの動物とは異なり、ビタミンCを内因的に合成することができないため、ビタミンCが必須の食物成分となっている[1]。

ビタミンCは、コラーゲン、L-カルニチンおよび特定の神経伝達物質の生合成に必要である。また、ビタミンCはタンパク質代謝に関与する[1,2]。コラーゲンは結合組織の必須成分であり、創傷治癒の上で重要な役割を果たす。ビタミンCはまた重要な生理的抗酸化物質であり[3]、体内でα-トコフェロール(ビタミンE)などの他の抗酸化物質を再生することが示されている[4]。現在行われている研究では、ビタミンCがその抗酸化活性を通じてフリーラジカルの損傷作用を制限することにより、特定のがん、心血管疾患およびその他の酸化ストレスが原因で生じる疾患の発症を予防したり、遅らせたりすることが可能かどうかを検討している。ビタミンCは、生合成および抗酸化機能に加え、免疫機能の上でも重要な役割を果たしており[4]、植物性食品に存在する鉄の形態である非ヘム鉄の吸収を高める[5]。ビタミンCの摂取量が不足すると、疲労感または倦怠感、広範な結合組織の弱化、毛細血管脆弱症を特徴とする壊血病を発症する[1,2,4,6-9]。

ビタミンCの腸管吸収は、1種類以上の特異的な用量依存性の能動輸送担体によって調節されている[4]。細胞は二次特異輸送タンパク質を介してビタミンCを蓄える。In vitro試験では、酸化ビタミンC(あるいはデヒドロアスコルビン酸)がいくつかの促進性グルコース輸送体を介して細胞に入り、その後細胞内でアスコルビン酸に還元されることが判明した。デヒドロアスコルビン酸の取り込みの生理学的な重要性やビタミンCの収支全体への関与については明らかになっていません。

ビタミンCを経口摂取すると、その組織中濃度および血漿中濃度は体内で厳密にコントロールされる。ビタミンCは、30~180 mg/日の適度な摂取量では、その約70%~90%が吸収される。しかし、1 g/日 を上回る摂取量では、吸収率が50%未満に低下し、吸収されて代謝されなかったアスコルビン酸は尿中に排泄される[4]。薬物動態試験の結果、アスコルビン酸を1.25 g/日の用量で経口投与した場合、最高血漿中ビタミンC濃度の平均値は135 micromol/Lとなり、ビタミンCを豊富に含む食品から200~300 mg/日のアスコルビン酸を摂取した場合の約2倍の値を示した[10]。薬物動態モデリングでは、3 gのアスコルビン酸を4時間ごとに投与したとしても、最高血漿中濃度は220 micromol/Lに過ぎないことが予想されている[10]。

ビタミンCの体内総量には300 mg(壊血病に近い状態)から約2 gまでの幅がある[4]。高濃度のビタミンC(ミリモル濃度)が細胞および組織内で維持されており、その濃度が最も高いのは白血球、眼、副腎、脳下垂体および脳内で、比較的低い(マイクロモル濃度)のは、血漿、赤血球および唾液のような細胞外液である[4]。

推奨摂取量

ビタミンCおよびその他の栄養素の所要量は、ナショナルアカデミーズ(旧全米科学アカデミー)医学研究所(IOM)の食品栄養委員会(FNB)が作成した食事摂取基準(DRI)に記載されている[8]。DRIとは、健康な人々の栄養摂取量の計画や評価に用いる一連の基準値の総称である。これらの基準値は年齢や性別によって異なり[8]、以下の値が含まれる。

  • 推奨栄養所要量(RDA):ほとんどすべての(97~98%)健常人が栄養所要量を満たすのに十分な平均1日摂取量。
  • 適正摂取量(AI): RDAを設定するためのエビデンスが不十分である場合に示され、十分な栄養が確保できると推定される値に設定されている。
  • 許容上限摂取量(UL):健康上の有害作用を引き起こすとは考えにくい最大1日摂取量。

表1は現行のビタミンCのRDAを示したものである[8]。ビタミンCのRDAは、白血球におけるビタミンCの既知の生理学的機能および抗酸化機能に基づいており、欠乏症の予防に必要とされる量をはるかに上回るものである[4,8,11]。 FNBは、出生直後から生後12カ月までの乳児のAIを、健康な母乳栄養乳児のビタミンC平均摂取量と同等の量に設定した。

表1:ビタミンCの推奨栄養所要量(RDA)[8]
年齢 男性 女性 妊婦 授乳婦
0~6カ月 40 mg* 40 mg*
7~12カ月 50 mg* 50 mg*
1~3歳 15 mg 15 mg
4~8歳 25 mg 25 mg
9~13歳 45 mg 45 mg
14~18歳 75 mg 65 mg 80 mg 115 mg
19歳以上 90 mg 75 mg 85 mg 120 mg
喫煙者 喫煙者は非喫煙者よりもビタミンCを1日につき35 mg多く摂取する必要がある。

*適正摂取量(AI)

ビタミンCの摂取源

食品

果物と野菜は最もすぐれたビタミンCの供給源である(表2を参照)[12]。柑橘類、トマトおよびトマトジュース、じゃがいもは、米国人の食生活におけるビタミンCの主な供給源である[8]。その他のすぐれた食物源として、赤ピーマンおよび緑ピーマン、キウイフルーツ、ブロッコリー、イチゴ、芽キャベツ、カンタロープ(マスクメロン)・メロンが挙げられる(表2を参照)[8,12]。ビタミンCは穀類には天然に存在しないが、一部の朝食用強化シリアルに添加されている。アスコルビン酸は水溶性で熱によって破壊されるため、食品のビタミンC含有量は長期保存や調理によって減少することがある[6,8]。蒸し加熱や電子レンジの使用によって、調理損失を減らせる可能性がある。幸い、果物や野菜のようなビタミンCの最良の食物源の多くは、通常生で摂取される。1日に5品の異なる果物や野菜を食べることで、200 mgを超えるビタミンCが摂取できる。

表2:ビタミンC源となる食品群 [12]
食品 1品当たりの摂取量
(mg)
%DV*
赤ピーマン、甘味種、生、1/2カップ 95 158
オレンジジュース、3/4カップ 93 155
オレンジ、中1個 70 117
グレープフルーツジュース、3/4カップ 70 117
キウイフルーツ、中1個 64 107
緑ピーマン、甘味種、生、1/2カップ 60 100
ブロッコリー、 加熱済、1/2カップ 51 85
イチゴ、生、薄切り、1/2カップ 49 82
芽キャベツ、加熱済、1/2カップ 48 80
グレープフルーツ、中1/2個 39 65
ブロッコリー、生、1/2カップ 39 65
トマトジュース、3/4カップ 33 55
カンタロープ・メロン、1/2カップ 29 48
キャベツ、加熱済、1/2カップ 28 47
カリフラワー、生、1/2カップ 26 43
じゃがいも、焼いたもの、中1個 17 28
トマト、生、中1個 17 28
ホウレンソウ、加熱済、1/2カップ 9 15
グリーンピース、冷凍、加熱済、1/2カップ 8 13

*DV = 1日摂取量。FDAは、消費者が食事全体における製品の栄養素含有量を比較するのに役立つようDVを設定した。ビタミンCに対するDVは成人および4歳以上の小児で60 mgである。FDAはすべての食品ラベルにビタミンCのDV(%)を記載するよう義務づけている。Vが20%以上となる食品は高栄養源と考えられる

米国農務省(USDA)の栄養素データベースウェブサイトでは、数多くの食品の栄養素含有量を表示しており、カルシウムを含む食品を網羅している。

サプリメント

サプリメントは、通常ビタミンCをアスコルビン酸の形で含む。このアスコルビン酸は、オレンジジュースやブロッコリーのような食品に天然に存在するアスコルビン酸と同等の生物学的利用能を持つものである[13-15]。ビタミンCサプリメントのその他の形態として、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウムおよびその他のアスコルビン酸無機塩、バイオフラボノイド配合アスコルビン酸、およびEster-C®(アスコルビン酸カルシウム、デヒドロアスコルビン酸、トレオニン酸カルシウム、キシロン酸およびリキソン酸を含有)のような配合品が挙げられる[16]。

ヒトを対象としたいくつかの研究で、ビタミンCの形態によって生物学的利用能が異なるかどうかが検討されてきた。ある研究では、 Ester-C®とアスコルビン酸の血漿中ビタミンC濃度は同じであったが、摂取から24時間後の白血球中のビタミンC濃度は、Ester-C®の方が有意に高い値を示した[17]。別の研究では、アスコルビン酸、 Ester-C®、アスコルビン酸とバイオフラボノイドの混合物の3種類の異なるビタミンCで血漿中濃度および尿中排泄率に差はみられなかった[16]。これらの知見から、著者らは、アスコルビン酸が比較的低コストであることを考え合わせると、サプリメントとしてのビタミンCの好ましい供給源は単一のアスコルビン酸であるという結論に達した[16]。

ビタミンCの摂取状況

2001年~2002年にかけて実施された米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey ;NHANES)の結果によると、ビタミンCの平均摂取量は成人男性で105.2 mg/日、成人女性で83.6 mg/日であり、現在ほぼすべての非喫煙成人に対して設定されているRDAを満たしている[18]。1歳から18歳までの小児およびティーンエイジャーでも、平均摂取量は75.6~100 mg/日の範囲であり、これらの年齢でのRDAを満たしている[18]。2001年~2002年のNHANESの分析に母乳栄養乳児および幼児は含まれなかったが、母乳はビタミンCの適切な供給源であると考えられている[8,13]。また、食品や飲料からのビタミンC総摂取量を補うビタミンC含有サプリメントの使用は、比較的一般的なものとなっている。1999年~2000年のNHANESのデータによると、成人の約35%がマルチビタミン・サプリメント(通常はビタミンCを含む)を、12%がビタミンC単独のサプリメントを摂取していた[19]。また、1999年~2002年のNHANESデータでは、小児の約29%がビタミンCを含有する何らかの形のサプリメントを摂取していた[20]。

ビタミンCの摂取状態は、通常血漿中のビタミンC濃度を測定することによって評価する[4,13]。白血球中のビタミンC濃度など、他の尺度の方が組織中のビタミンC濃度の指標として適切とも考えられるが、より評価が難しく、その結果も常に信頼できるとは限らない[4,9,13]。

ビタミンC欠乏症

急性のビタミンC欠乏症は壊血病を引き起こす[7,8,11]。壊血病の発症の時期は体内のビタミンC貯蔵量によってさまざまであるが、ビタミンCをほとんどまたは全く摂取しなかった場合(10 mg/日未満)、1カ月以内にその兆候が現れる[6,7,21,22]。初期症状として、疲労感(おそらくはカルニチン生合成が損なわれた結果による)、倦怠感、歯肉の炎症が挙げられる[4,11]。ビタミンC欠乏症が進行するにつれて、コラーゲンの合成が障害されるとともに結合組織が弱化し、点状出血、斑状出血、紫斑、関節痛、創傷治癒の不良、過角化症および捻転毛が生じる[1,2,4,6-8]。壊血病の兆候には、さらに、うつ状態、組織や毛細血管の脆弱化による歯肉の腫れや出血、歯のぐらつきや脱落がある[6,8,9]。鉄欠乏性貧血は、ビタミンCの低摂取に伴って生じる出血の増加や非ヘム鉄の吸収低下によっても発症する[6,11]。また、小児では、骨疾患がみられることがある[6]。壊血病を治療せずに放置した場合、死に至る[6,9]。

18世紀の終わりまで、長期にわたる航海に乗り出す船員たちの多くは、ビタミンCをほとんど、または全く摂取することがなかったため、壊血病に罹患したり、それによって死亡したりしていた。1700年半ばに、英国の海軍軍医であったジェームズ・リンド卿が実験を行い、柑橘系の果物やジュースを摂ることで壊血病の治癒が可能であることを発見した。しかし、科学者らによってアスコルビン酸が活性成分であることが証明されたのは、1932年になってからであった[23-25]。

今日、ビタミンC欠乏症および壊血病は、先進国では稀なものとなっている[8]。明らかな欠乏症状は、ビタミンCの摂取量が何週間にもわたり約10 mg/日を下回ったときに初めて発現する[5-8,21,22]。ビタミンC欠乏症は先進国では稀であるが、食事に偏りがある人々には、いまだに発症がみられる。

ビタミンC欠乏のリスク群

ビタミンC不足は、摂取量がRDAを下回るが明らかな欠乏症を防ぐのに必要な量(約10 mg/日)を上回る場合に生じる。以下のグループでは、他のグループに比べてビタミンC不足になるリスクが高い傾向にある。

喫煙者および受動喫煙者

喫煙者では酸化ストレスが増加することから、非喫煙者に比べて血漿中および白血球中のビタミンC濃度が低いことが、複数の研究で一貫して示されている[8]。このため、米国医学研究所(IOM)は、喫煙者ではビタミンCを非喫煙者よりも1日あたり35 mg多く摂取する必要があるという結論に達した[8]。また、副流煙への曝露によってもビタミンC濃度は減少する。IOMは日常的に副流煙に曝される非喫煙者のビタミンC必要量を具体的に設定することはできなかったが、これに該当する非喫煙者は、自分のビタミンC摂取量がRDAを満たしていることを確認するべきである[4,8]。

濃縮乳または煮沸乳を与えられている乳児

先進国の乳児のほとんどは、母乳または調製粉乳のいずれか、または両方によって育てられており、そのどちらも適切な量のビタミンCを含んでいる[8,13]。多くの理由から、乳児に濃縮または煮沸した牛乳を与えることは勧められない。牛乳に天然に含まれるビタミンCは極めて少ない上、ビタミンCは熱によって破壊されることから、ビタミンC欠乏症を発症するおそれがある[6,12]。

食事に偏りがある人

果物や野菜はビタミンCの最良の供給源であるが、その他の食品の多くでは、ビタミンCの含有量は多くない。したがって、ほとんどの人々は、変化に富んだ食生活によってビタミンCのRDAを満たすか、または少なくとも壊血病を防ぐのに十分な量のビタミンCを摂取できるはずである。しかし、一部の高齢者、自炊している貧困者、アルコールやドラッグの乱用者、食べ物の好き嫌いが激しい人、精神疾患患者、そして時には小児など、食事に偏りがある人々は、十分なビタミンCを摂取できない可能性がある[4,6-9,11]。

吸収障害および特定の慢性疾患患者

一部の疾患では、ビタミンCの吸収が低下したり、身体が必要とする量が増加したりすることがある。重度の腸管吸収障害または悪液質の患者および一部のがん患者では、ビタミンC不足のリスクが増加する可能性がある[26]。ビタミンC濃度の低下は、慢性血液透析中の末期腎疾患患者でも生じることがある[27]。

ビタミンCと健康

抗酸化物質としての機能と免疫機能において果たす役割から、ビタミンCは数多くの疾患の予防または治療を助ける手段として奨励されてきた。このセクションでは、ビタミンCが関与すると考えられるがん(予防および治療を含む)、心血管疾患、加齢性黄斑変性(AMD)と白内障、風邪の四つの疾患および障害に着目する。

がん予防

疫学的エビデンスは、果物や野菜を多く摂ることによりほとんどのタイプのがんのリスクが低下することを示唆しており、その理由の一つとして、これらの食品のビタミンC含有量が高いことが考えられている[1,2]。ビタミンCはin vivoでニトロソアミンなどの発がん物質の形成を制限し[2,28]、免疫反応を調節することができる上[2,4]、その抗酸化機能によってがんの原因となる酸化的損傷を減弱する[1]。

多くの症例対照研究では、食事によるビタミンC摂取と肺癌、乳癌、結腸直腸癌、胃癌、口腔癌、咽頭または喉頭癌、食道癌との間に逆相関があることが判明している[2,4]。また、ビタミンCの血漿中濃度は、がん患者の方が対照群に比べて低値となっている[2]。

しかし、前向きコホート研究から得られたエビデンスは、おそらくは各研究でビタミンCの摂取量が異なることが原因で矛盾している。Nurses’ Health Studyに参加した33~60歳の女性82,234人から成るコホートでは、食品からのビタミンC摂取量が平均205 mg/日の群(最大5分位摂取群)では、平均70 mg/日の群(最小5分位摂取群)に比べて、乳癌の家族歴がある閉経前女性の乳癌リスクが63%低下した[29]。一方、Kushiらの研究では、食品からのビタミンC摂取量が198 mg/日以上(最大5分位摂取群)の閉経前女性では、摂取量が87 mg/日未満(最小5分位摂取群)の閉経前女性と比べて乳癌リスクの有意な低下はみられなかった[30]。CarrおよびFreiによるレビューでは、がんリスクの有意な低下を報告していない前向きコホート研究の大多数において、ほとんどの参加者のビタミンC摂取量が比較的高く、最小5分位群でも86 mg/日を上回るという結論に達した[2]。有意ながんリスク低下を報告している研究では、ビタミンCの組織飽和量に近い範囲である80~110 mg/日以上を摂取している人に、摂取量とリスク低下との間の有意な関連性がみられた[2,21,31]。

ほとんどのランダム化臨床試験のエビデンスは、ビタミンC補給(通常は他の微量栄養素を併用)ががんリスクに影響を及ぼさないことを示唆している。ランダム化二重盲検プラセボ対照試験である Supplémentation en Vitamines et Minéraux Antioxydants (SU.VI.MAX)試験では、フランスの健康成人13,017人に、アスコルビン酸120 mg、ビタミンE 30 mg、βカロテン6 mg、セレン100 μg、亜鉛20 mgの抗酸化物質を補給するか、またはプラセボを投与した[32]。追跡期間中央値7.5年の時点では、抗酸化物質の補給によってがんの全発生率は男性で低下したものの、女性では低下しなかった。さらに、ベースラインの抗酸化状態は、男性ではがんリスクと関連していたが、女性では関連がみとめられなかった[33]。Physicians’ Health Study IIに参加した中年および高齢の男性では、ビタミンC 500 mg/日+ビタミンE 400IUのサプリメントを1日おきに投与し、平均8年間の追跡調査を行ったところ、プラセボと比較して前立腺癌および全がん発症リスクを減少させることはできなかった[34]。同様の結果はWomen’s Antioxidant Cardiovascular Studyに参加した女性でも報告されている[35]。ビタミンC(500 mg/日)を平均9.4年間補給したところ、プラセボと比較して全がん発症率およびがん死亡率に有意な効果はみられなかった。また、中国のLinxianで実施された大規模介入試験では、ビタミンC(120 mg)+ モリブデン(30 μg)のサプリメントを5~6年間にわたり毎日摂取したところ、食道がんまたは胃癌の発症リスクに有意な影響はなかった[36]。さらに、10年間の追跡期間中、この補給レジメンによる食道癌、胃癌、その他のがんの総罹患率および総死亡率への有意な影響はみられなかった[37]。2008年に実施された消化器がんの予防に関するビタミンCやその他の抗酸化サプリメントのレビューでは、ビタミンC(あるいはβカロテン、ビタミンAまたはビタミンE)が消化器癌を予防するという確実なエビデンスは得られなかった[38]。Coulterらによる同様のレビューでは、ビタミンEと組み合わせたビタミンC補給は、健康人のがんによる死亡リスクに有意な効果を及ぼさないことが判明している[39]。

現時点では、食事によるビタミンC摂取量ががんリスクに影響を及ぼすかどうかのエビデンスは一致していない。ほとんどの臨床試験の結果は、ビタミンCを単独または他の栄養素と組み合わせて適度に補給しても、がんを予防する上での利点が得られないことを示唆している。

これらの試験の多くを解釈する上での実質的な限界は、研究者が補給前後にビタミンC濃度を測定していないことにある。ヒトの血漿中および組織中ビタミンC濃度は厳密にコントロールされている。1日100 mg以上を摂取すると細胞が飽和状態になり、200 mg以上の摂取では、血漿中濃度はわずかに上昇するにすぎない[2,10,21,30,36]。被験者のビタミンC濃度が試験への登録時点である飽和状態に近かった場合、ビタミンCを補給しても測定結果に違いがほとんどないか、または全くみられないと考えられる[21,22,40,41]。

がん治療

1970年代、Cameron、Campbellおよびポーリング(Pauling)による研究では、高用量のビタミンCが末期がん患者のQOLと生存期間に有益な効果をもたらすことが示唆された[42,43]。しかし、メイヨークリニックのMoertelらによるランダム化二重盲検プラセボ対照試験[44]を含むその後のいくつかの試験では、これらの知見を支持する結果は得られていない。Moertel試験では、10 g/日のビタミンC投与を受けた進行結腸直腸癌患者とプラセボを投与した患者で結果に違いはみられなかった。2003年に進行がん患者におけるビタミンCの効果を評価するレビューを実施した著者らは、ビタミンCは死亡率に対する有意な利点をもたらさないという結論に達した[39]。

新たに発表された研究は、ビタミンCの投与経路(静脈内または経口)の違いによって結果の矛盾が説明されることを示唆している[1,45,46]。Moertelらによる試験を含むほとんどの介入試験では、経口投与のみが用いられているのに対し、Cameronらは経口投与と静脈内(IV)投与の両方を用いた。ビタミンCを経口投与した場合、たとえそれが極めて大量であっても、血漿中ビタミンC濃度は最大で220 micromol/Lまでしか上昇しないのに対し、IV投与では血漿中濃度が26,000 micromol/Lまで上昇する[46,47]。このレベルの濃度は、in vitroでがん細胞に対し選択的に細胞傷害性を示す[1,66]。マウスを用いた研究では、薬理学的用量のビタミンCをIV投与すると、他の方法では治療が困難な腫瘍に対する治療効果が得られることが示唆された[48]。高濃度のビタミンCはプロオキシダントとして働き、がん細胞に対する選択的毒性を持つ過酸化水素を産生する可能性がある[48-50]。これらの知見や、高用量ビタミンCのIV投与後に著しく長い生存期間を示した進行がん患者に関するいくつかの症例報告に基づき、一部の研究者は、IV投与による高用量ビタミンCをがん治療薬として使用することの再評価を支持している [3,46,48,51]。

以下に述べるとおり、サプリメントとしてのビタミンCおよびその他の抗酸化物質が化学療法や放射線療法と相互作用するかどうかは明らかになっていない[52]。したがって、これらの治療を受けている患者は、ビタミンCやその他の抗酸化物質のサプリメントを摂取する前に(高用量の場合は特に)、かかりつけの腫瘍医に相談する必要がある[53]。

心血管疾患

多くの疫学研究から得られたエビデンスは、果物や野菜の高摂取が心血管疾患のリスク減少と関連することを示唆している[1,54,55]。低密度リポタンパク質の酸化修飾などの酸化的損傷は心血管疾患の主な原因であるため、こうした関連は部分的にはこれらの食品に含まれる抗酸化物質の量に起因すると思われる[1,4,55]。ビタミンCはその抗酸化作用に加え、単核球の血管内皮への付着性を低下させ、内皮依存的な一酸化窒素の産生および血管拡張を促し、血管平滑筋細胞のアポトーシスを減少させることで、アテローム性動脈硬化症におけるプラークの不安定化を防ぐことが示されている[2,56]。

ビタミンCの摂取と心血管疾患リスクとの関連を検討した前向き研究の結果は矛盾している[55]。85,118人の女性看護師を対象とした16年間にわたる前向き研究、Nurses’ Health Studyでは、食事およびサプリメントの両方からのビタミンCの総摂取量は、冠動脈心疾患のリスクとの間に逆相関を示した[57]。しかし、ビタミンCを食事のみから摂取した場合、有意な関連性はみとめられず、ビタミンCサプリメントの使用者では冠動脈心疾患のリスクが低い可能性があることが示唆された。これよりはるかに小規模の試験では、300 mg/日以上のビタミンCサプリメントを摂取した糖尿病の閉経後女性で、心血管疾患による死亡率が増加した[58]。

英国の成人20,649人を対象とした前向き研究では、ベースラインの血漿中ビタミンC濃度の最大4分位群で、最小4分位群と比較して脳卒中のリスクが42%低下した[59]。Physicians’ Health Studyに参加した男性医師では、ビタミンCサプリメントを平均5.5年間使用しても、心血管障害の全死亡率や冠動脈心疾患による全死亡率に有意な減少はみられなかった[60]。ベースライン時に冠動脈疾患がみられなかった293,172人の被験者を対象とした9件の前向き研究の統合解析では、700 mg/日以上のビタミンCサプリメントを摂取した人では、摂取しなかった人と比べて冠動脈心疾患の発現リスクが25%低下した[61]。2008年に前向きコホート研究(追跡期間の中央値10年間のビタミンC摂取に関する14件の研究を含む)のメタアナリシスを実施した著者らは、サプリメントではなく食事によるビタミンC摂取が冠動脈心疾患リスクと逆の相関にあるという結論に達した[54]。

ほとんどの臨床介入試験の結果は、心血管疾患の一次予防および二次予防に対するビタミンC補給の有益な効果を示すことができていない。心血管疾患の既往を持つ40歳以上の女性8,171人を対象とした二次予防試験、 Women’s Antioxidant Cardiovascular Studyでは、500 mg/日のビタミンCを平均9.4年間補給したところ、心血管イベントに対する全般的な効果はみとめられなかった[62]。同様に、Physicians’ Health Study IIに参加した男性医師では、500 mg/日のビタミンCを補給し、平均8年間追跡調査したところ、主要心血管イベントに対する効果はみられなかった[63]。

その他の臨床試験では、ほとんどの場合、ビタミンCとビタミンEやβカロテンのような他の抗酸化物質とを組み合わせたサプリメントが心血管疾患に及ぼす効果を検討しており、ビタミンCの関与の可能性を特定することがいっそう難しくなっている。SU.VI.MAX試験では、一般集団からのフランス人の成人13,017人を対象に、ビタミンC(120 mg/日)、ビタミンE(30 mg/日)、βカロテン(6 mg/日)、セレン(100 µg/日)および亜鉛(20 mg/日)を組み合わせたときの効果を検討した[32]。追跡期間の中央値7.5年の時点で、男性および女性のいずれにも、混合サプリメントの虚血性心血管疾患に対する効果はみられなかった。15%~75%の冠動脈狭窄を少なくとも1箇所持つ閉経後女性423人を対象としたWomen’s Angiographic Vitamin and Estrogen(WAVE)試験では、500 mgのビタミンCと400 IUのビタミンEのサプリメントを1日2回補給したところ、心血管疾患に対する有益な効果が得られなかっただけでなく、プラセボと比較して全死因死亡率が有意に増加した[64]。

2006年にランダム化対照試験のメタアナリシスを実施した著者らは、抗酸化サプリメント(ビタミンC、ビタミンEおよびβカロテンまたはセレン)はアテローム動脈硬化症の進行に影響を及ぼさないという結論に達した[65]。同様に、ビタミンCが心血管疾患の予防および治療に及ぼす効果のシステマティック・レビューでは、ビタミンCによって心血管疾患の予防に好ましい効果が得られないことが判明した[66]。その後、研究者らは中国で実施された一般集団栄養介入試験、Linxian試験の追跡データを発表した[37]。この試験では、1日120 mgのビタミンC と30 µgのモリブデンを5~6年間補給したところ、積極的介入終了後10年間の追跡期間中に脳血管疾患による死亡リスクが有意に(8%)低下した。

Linxian試験のデータは効果の可能性を示唆しているものの、全体としてほとんどの介入試験の結果は、ビタミンCサプリメントが心血管疾患を予防したり、その罹患率や死亡率を減少させたりするという確実なエビデンスを示してはいない。しかし、がん予防のセクションで述べたとおり、ビタミンCの臨床試験データは、ヒトの体内でビタミンCの血漿中および組織中濃度が厳密にコントロールされているという事実によって制限されている。被験者のビタミンC濃度が試験への登録時にすでに飽和状態に近かった場合、ビタミンCを補給しても測定結果に違いはほとんどないか、または全くみられないと考えられる[21,22,40,41]。

加齢黄斑変性(AMD)と白内障

AMDと白内障は高齢者における視力喪失の主な原因のうちの二つである。どちらの病因にも酸化ストレスが関与している可能性がある。そこで研究者らは、ビタミンCおよびその他の抗酸化物質がこれらの疾患の発症または治療、もしくはその両方に関わっているという説を仮説として取り上げてきた。

オランダで実施された集団ベースコホート研究では、ビタミンCとβカロテン、亜鉛、ビタミンEを食事から高摂取することにより、55歳以上の成人でAMDのリスクが減少した[67]。しかし、ほとんどの前向き研究はこの知見を支持していない[68]。2007年に前向きコホート研究およびランダム化臨床試験のシステマティック・レビューおよびメタアナリシスを実施した著者らは、現在得られているエビデンスは、抗酸化サプリメントを含むビタミンCおよびその他の抗酸化物質が早期AMDの一次予防の上で果たす役割を支持するものではないという結論に達した[69]。

抗酸化物質がAMDの発症に関与することは研究で示されていないが、いくつかのエビデンスによって、抗酸化物質がAMDの進行を遅らせることが示唆されている[70]。大規模ランダム化プラセボ対照臨床試験であるAge-Related Eye Disease Study(AREDS)では、さまざまな程度のAMDを有する高齢者3,597人を対象に、特定の高用量抗酸化物質(ビタミンC 500 mg、ビタミンE 400 IU、βカロテン 15 mg、亜鉛 80 mg、銅 2 mg)が進行性AMDの発症に及ぼす影響を評価した[71]。平均追跡期間6.3年の時点で、抗酸化サプリメントを摂取した中等度AMDの参加者では、プラセボを摂取した参加者に比べ、進行性AMDへの悪化のリスクが28%低下した。AREDS2試験の追跡調査では、この有用性が確認されるとともに、同様の処方のサプリメントによって、追跡期間の中央値5年間にわたりAMDの進行が抑制された[72]。

一部の研究では、ビタミンCの食事からの高摂取と血漿中アスコルビン酸の高濃度が、白内障形成のリスク低下と関連することが示された[2,4]。日本で実施された5年間の前向きコホート研究では、45~64歳までの成人30,000人以上から成るコホートにおいて、食事からのビタミンCの高摂取が白内障の発症リスク低下と関連していた[73]。2件の症例対照研究の結果は、300 mg/日を超えるビタミンCの摂取によって白内障形成リスクが70%~75%低下することを示している[2,4]。一方、49~83歳のスウェーデン人女性24,593人のコホートでは、ビタミンCサプリメントの使用が加齢による白内障発症リスクの25%上昇と関連していた[74]。これらの知見は比較的高用量のビタミンCサプリメント(約1,000 mg/日)を摂取した参加者にあてはまるものであり、これより著しく低用量のビタミンC(約60 mg/日)を含むマルチビタミン剤を摂取した参加者にはあてはまらなかった。

臨床試験データは限られている。ある試験では、1日120 mgのビタミンCおよび30 µgのモリブデンのサプリメントを5年間摂取した中国人の成人において、白内障リスクの有意な低下はみられなかった[75]。しかし、180 mgのビタミンCと30 µgのモリブデンに他の栄養素を組み合わせたマルチビタミン/ミネラルサプリメントを摂取した65~74歳の成人では、プラセボを摂取した成人と比べ、核性白内障の発症リスクが43%有意に低下した[75]。AREDS試験で500 mgのビタミンC、400 IUのビタミンEおよび15 mgのβカロテンのサプリメントを平均6.3年間にわたり摂取した高齢者では、プラセボを摂取した高齢者と比較して、白内障の発症および進行リスクに有意な低下はみられなかった[76]。これらの知見は、500 mgのビタミンCを含む処方で試験を実施した AREDS2試験でも確認された[77]。

全体として、AREDS試験で用いられた処方によってAMDの進行が遅延する可能性があることを一部のエビデンスが示唆しているものの、現在入手されているエビデンスは、ビタミンCの単独での摂取または他の抗酸化物質との併用がAMDの発症リスクに影響を及ぼすことは示していない。

風邪

1970年代、ライナス・ポーリングはビタミンCが風邪の治療や予防に有用である可能性を示唆した[78]。このテーマに対する一般市民の関心は依然として高いものの、その後実施された対照研究の結果は矛盾しており、混乱と論争を引き起こしてきた[79,80]。

2007年のコクラン・レビューでは、200 mg/日以上のビタミンCを予防的治療として継続して、または風邪症状が発現した後に使用したプラセボ対照試験について検討した[80]。ビタミンCの予防的使用によって、一般集団における風邪の発症リスクの有意な減少はみとめられなかった。しかし、マラソンランナー、スキーヤーおよび兵士を極度の運動および寒冷環境、またはそのいずれかに曝露した試験では、用量250 mg/日~1 g/日のビタミンCの予防的使用によって、風邪の発症率が50%低下した。また、一般集団では、ビタミンCの予防的使用によって、風邪の罹病期間が成人で8%、小児で14%短縮した。風邪症状の発現後に摂取した場合、ビタミンCは風邪の罹病期間や症状の重症度に影響を及ぼさなかった。

全体として、これまでのエビデンスからは、200 mg/日以上のビタミンCの定期的な摂取によって一般集団における風邪の発症率が減少することは示唆されていない。しかし、こうしたビタミンC摂取は、極度の運動や寒冷環境に曝される人々や、高齢者や喫煙常習者のようにビタミンCの摂取状況が最低限である人々にとっては助けになるかもしれない[80-82]。また、ビタミンCサプリメントの使用は、おそらくは高用量ビタミンCの抗ヒスタミン作用により[83]、一般集団における風邪の罹病期間を短縮し、症状の重症度を改善する可能性がある[79,82]。しかし、風邪症状の発現後にビタミンCを摂取しても、効果はないようである[80]。

ビタミンC過剰摂取による健康上のリスク

ビタミンCの毒性は低く、高用量を摂取しても重篤な副作用は生じないと考えられる[8]。最も多く訴えられる症状は、消化管内における未吸収のビタミンCの浸透圧に起因する下痢、悪心、腹部仙痛およびその他の胃腸障害である[4,8]。

Iowa Women’s Health Studyに参加した糖尿病の閉経後女性では、(食事ではなく)サプリメントによるビタミンC摂取(300 mg/日以上)が心血管疾患による死亡リスクの増加と有意に関連していた[58]。これが正しいとしても、その作用メカニズムは明らかではない。また、この知見は疫学研究に参加した患者のサブグループから得られたものである。他の疫学研究ではこのような関連性がみとめられていないことから、この知見の重要性は明らかではない。また、ビタミンCの高摂取は、特に腎障害患者において、腎結石の原因と考えられる尿中シュウ酸や尿酸排泄量を増加させる可能性がある[8]。しかし、30 mg~10 g/日のビタミンC摂取が尿中シュウ酸排泄量に及ぼす影響を評価した研究の結果は矛盾しており、ビタミンCが実際に腎結石の発症に関与しているかどうかは明らかではない[8,84-86]。ビタミンCの腎結石形成への関与に関する最も有力なエビデンスは、高シュウ酸尿症を基礎疾患に持つ患者で得られたものである[22]。

ビタミンCが非ヘム鉄の吸収を増強することから、ビタミンCの高摂取が過剰な鉄吸収を引き起こすのではないかという理論的な懸念がある。これについては、健康人では懸念の必要がないと思われる[8]。しかし、遺伝性ヘモクロマトーシス患者では、ビタミンCの慢性的な高摂取によって鉄過剰症が悪化し、組織損傷を引き起こす可能性がある[4,8]。

特定の条件下では、ビタミンCは酸化的損傷に関与する可能性を持つプロオキシダントとしての役割を果たす[8]。いくつかのin vitro試験では、経口サプリメントから摂取されたビタミンCがプロオキシダントとして働き染色体やDNAの損傷を引き起こし、おそらくはがんの発症の原因となることが示唆されている[8,87,88]。しかし、他の研究では、ビタミンCの高摂取による酸化的損傷の増加やがんリスクの上昇は示されていない[8,89]。

ビタミンC大量摂取の影響としてその他に報告されているのは、ビタミンB12および銅の濃度低下、アスコルビン酸の代謝または排泄の加速、歯エナメル質の浸食およびアレルギー反応である[8]。しかし、これらの結論のうちの少なくともいくつかは、測定時の人為的結果によるものであり、その後さらに実施された研究では、これらの知見は確認されなかった[8]。

FNBは食品とサプリメントの両方からの摂取に適用されるビタミンCの許容上限量(UL)を設定している(表3)[8]。ULを上回るビタミンCの長期摂取は、健康への悪影響のリスクを増大させる可能性がある。ULは治療のためにビタミンCを摂取している人には適用されないが、この場合、医師の監督下での摂取が必要となる[8]。

表3:ビタミンCの許容上限量(UL)[8]
年齢 男性 女性 妊婦 授乳婦
0-12カ月 設定不可* 設定不可*
1-3歳 400 mg 400 mg
4-8歳 650 mg 650 mg
9-13歳 1,200 mg 1,200 mg
14-18歳 1,800 mg 1,800 mg 1,800 mg 1,800 mg
19歳以上 2,000 mg 2,000 mg 2,000 mg 2,000 mg

*乳児のビタミンC供給源は調製粉乳および食品のみとすべきである。

医薬品との相互作用

ビタミンCサプリメントはいくつかの種類の薬物と相互作用する可能性がある。以下に数例を示す。これらの薬物を定期的に使用している人は、ビタミンCの摂取について医療スタッフと話し合う必要がある。

化学療法および放射線療法

がん治療中にビタミンCおよびその他の抗酸化物質を使用することの安全性および有用性については、議論の余地がある[52,90,91]。データの中には、抗酸化物質が腫瘍細胞を放射線療法やシクロホスファミド、クロラムブシル、カルムスチン、ブスルファン、チオテパおよびドキソルビシンなどの化学療法薬の作用から守ることを示唆するものがある[53,90,92,93]。しかし、これらのデータのうちの少なくとも一部は、試験デザインが不十分なために批判されている[51]。他のデータは、抗酸化物質が正常細胞を化学療法や放射線によって誘発される損傷から保護することや[90,92]、既存のがん治療の効果を強めること[94]を示唆している。しかし、ビタミンCは生理学的に厳密にコントロールされることから、経口サプリメントがビタミンC濃度をこうした効果が生じるのに十分なレベルに変化させることができるかどうかは明らかではない。化学療法や放射線療法を受けている人は、ビタミンCやその他の抗酸化物質のサプリメントを摂取する前に(高用量の場合は特に)、かかりつけの腫瘍医に相談する必要がある[53]。

3-ヒドロキシ-3-メチルグリタリルCoA還元酵素阻害剤(スタチン)

ビタミンCは他の抗酸化物質と併用することで、ナイアシン・シンバスタチン合剤(Zocor®)を用いた治療による高密度リポタンパク質レベルの上昇を減弱させることがある[95,96]。この相互作用が他の脂質改善療法のレジメンによって生じるかどうかは知られていない[53]。医療スタッフはスタチンと抗酸化サプリメントの両方を併用する患者の脂質レベルをモニタリングする必要がある[53]。

ビタミンCと健康的な食事

米連邦政府が発行する「アメリカ人のための食生活の指針2010」では、「栄養は主として食事から摂取すべきである。栄養分を豊富に含む食品(多くは未加工品)には、サプリメントに含まれることの多い必須ビタミンやミネラルだけでなく、食物繊維や体によい天然成分も含有している。・・サプリメントは・・特定の状況下で特定のビタミンやミネラルの摂取量を増加させるには有益と考えられる」と述べている。

健康的な食事に関する詳細はDietary Guidelines for Americans(アメリカ人のための食生活指針)と米国農務省の食事の指針システム、MyPlate(私の食事)を確認すること。

「アメリカ人のための食生活指針」では健康的な食事を次のように述べている。

  • さまざまな果物、野菜、全粒穀物、無脂肪もしくは低脂肪ミルクおよび乳製品の積極的な摂取が重要。
    果物(特に柑橘類)、フルーツジュースおよび多くの野菜はビタミンCのすぐれた供給源である。朝食用のインスタントシリアルには、ビタミンCが強化されたものもある。
  • 赤身の肉、鶏肉、魚介類、豆類、卵、ナッツ類も摂取すること。
  • 飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロール、塩分(ナトリウム)および添加糖質の摂取を少なくする。
  • 1日に必要なカロリー摂取量を超えないこと。

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監訳:伊藤壽記(大阪大学)、大野智(帝京大学) 翻訳公開日:2014年3月28日

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