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海外の情報

コエンザイムQ10
Coenzyme Q10

肝心なことは?

CoQ10について

ヒトを対象とした質の高い試験から、さまざまな状況におけるコエンザイムQ10の安全性および有効性に関する情報が得られています。

CoQ10の効果について

CoQ10サプリメントは一部の心血管疾患患者に有益かもしれませんが、他の疾患に関する研究では一致した結果が得られていません。

CoQ10の安全性について

CoQ10の副作用は軽度で、忍容性はおおむね良好です。しかし、CoQ10は抗凝固剤(抗凝血剤)のワルファリンの効果を減じる可能性があります。

CoQ10とその重要性

コエンザイムQ10(CoQ10)は、細胞が適切に機能するために必要な抗酸化物質です。CoQ10は植物、細菌、動物およびヒトが保有しています。細胞は成長や健康の維持に必要なエネルギーの産生にCoQ10を利用します。CoQ10含有量が最も高いのは、心臓、肝臓、腎臓および膵臓です。CoQ10濃度は加齢に伴い減少します。

さらなる情報
  • いくつかの遺伝的障害を含むさまざな疾患は、低レベルのCoQ10に関連しています。
  • 魚、肉、全粒粉には少量のCoQ10が含まれていますが、体内のレベルを大幅に高めるには十分ではありません。

CoQ10の有効性の科学的根拠

CoQ10サプリメントは一部の心血管疾患患者に有益な可能性があります。薬剤誘発性の筋力低下、生殖障害、がんなどの疾患に対するCoQ10の効果についても研究されています。しかし、これらの研究結果には限界が認められ、結論は得られませんでした。

以下の情報は、これまでに研究された疾患に対するCoQ10の研究状況を示しています。

心疾患
  • 2007年および2009年に発表されたレビューによると、心疾患患者がCoQ10を摂取した場合、心機能および気分の改善が認められました。2013年のメタアナリシスでもCoQ10摂取と心機能の改善に関連が認められました。
  • 2011年に発表された参加者117名のランダム化比較試験では、バイパス手術および心臓弁手術の後にCoQ10を他の栄養素と組み合わせて摂取した結果、術後回復が促進されました。
  • 高血圧患者がCoQ10サプリメントを摂取した結果はさまざまでした。
    • CoQ10と血圧管理の関連性を示唆する研究もありますが、2009年に発表されたシステマティック・レビューでは限られた知見しか得られていません。
    • 2012年に報告された小規模ランダム化臨床試験によると、CoQ10を摂取してもメタボリック症候群(心疾患や糖尿病のリスクが高い状態の総称)患者の血圧や心拍数は低下しませんでした。
スタチン(コレステロール降下剤)による筋力低下
  • 2010年のレビューでは、スタチン服用と関連する場合があるミオパチー(筋力低下)の軽減にCoQ10が役立つことを示した研究について述べられています。しかし、このレビューでは、決定的な知見は得られなかったと結論づけています。
  • 2012年に報告された臨床試験では、スタチン服用から60日以内に筋肉痛が認められた76名にCoQ10を投与した結果、プラセボと比較して痛みに差は認められませんでした。
生殖障害
不妊男性においてCoQ10が精液の質および精子数を改善するというエビデンスが2010年のレビューに報告されています。しかし、この改善が受胎率に影響するかどうかは不明です。
がん
CoQ10によるがんの予防または治療に関して説得力のあるエビデンスは得られていませんが、2010年および2011年に報告された2件の大規模試験によると、乳がんを発症した女性のCoQ10濃度は他の人と比べて異常値を示す確率が高く、異常な低下または上昇が認められました。
その他のCoQ10研究
筋萎縮性側索硬化症(ALS、またはルー・ゲーリック病)、ダウン症候群、糖尿病、ハンチントン病、片頭痛、パーキンソン病、神経筋疾患ならびに細胞や遺伝子の加齢性変化に対するCoQ10の研究が実施されました。これらの疾患に関するCoQ10の研究は少ないため、有効性に関する結論を導くことはできません。

CoQ10の安全性および副作用の科学的根拠

  • CoQ10の使用に関連した重篤な副作用は報告されていません。
  • 最も多く認められたCoQ10の副作用は不眠症、肝酵素上昇、発疹、悪心、上腹部痛、浮動性めまい、光線過敏症、易刺激性、頭痛、胸焼けおよび倦怠感でした。
  • CoQ10を妊婦および授乳期の女性に使用すべきではありません。
  • スタチンは血中CoQ10濃度を低下させる可能性があります。しかし、この作用が個々の健康に対しどのような影響を与えるかは不明です。
  • CoQ10は抗凝固剤(抗凝血剤)のワルファリンの作用を減じる可能性があります。

国立衛生研究所(NIH)が助成する研究

NIHは現在、スタチン服用者に認められる軽度から中等度の筋肉痛、高齢女性の不妊、および乳がん治療に対するCoQ10の効果を検討する研究を助成しています。

さらに考慮しなければならないこと

  • 健康的な食事や従来の治療の代替として、また、医学的問題に関する医療スタッフへの相談を延期する理由としてCoQ10サプリメントを使用しないでください。
  • サプリメントの使用を検討する際は、まず、信頼できる情報源から情報を入手してください。サプリメントには、薬剤や他のサプリメントと相互作用を引き起こす場合があることと、ラベルに記載されていない成分が含まれている可能性があることを忘れないようにしてください。かかりつけの医療スタッフがあなたにアドバイスしてくれます。
  • もし妊娠していたり、授乳中であったり、また子供にサプリメントを与えることを考えているなら、かかりつけの医療スタッフに相談することは特に大切です。
  • 関心がある健康状態に対してCoQ10を研究した論文を探しましょう。
  • あなたが行っている補完療法をすべてのかかりつけの医療スタッフに伝えてください。健康管理のためにあなたがどんなことをしているのか、すべて話しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

さらなる情報

■ Using Dietary Supplements Wisely

nccih.nih.gov/health/supplements/wiseuse.htm

■ NCCIH 情報センター

国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]の情報センターは、NCCIHに関する情報、ならびに連邦政府が管理運営する科学・医学論文データベースから関連する文献や検索・調査などを含む補完療法に関する情報を提供しています。情報センターでは、医学的なアドバイス、治療の推奨、施術者の紹介はおこなっていません。

米国内の無料通話:1-888-644-6226
テレタイプライター(TTY、聴覚障害者や難聴の方用):1-866-464-3615
ウェブサイト: nccih.nih.gov
E-mail:info@nccih.nih.gov

■ PubMed®

国立医学図書館(NLM)[米国]のサービスであるPubMed®には、科学・医学雑誌に掲載された論文の情報(掲載号、出版年月日など)および(ほとんどの場合)その論文の要約が掲載されています。

ウェブサイト:www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed

■ ODS(ダイエタリーサプリメント室)

国立衛生研究所(NIH)[米国]内に設置されたダイエタリーサプリメント室(Office of Dietary Supplements:ODS)は、科学情報の評価、研究支援、研究結果の共有、啓発活動を通して、国民のサプリメントの知識と理解が深まるよう努めています。出版物(例えば「サプリメント:知っておきたいこと」など)、さまざまなサプリメント成分や製品に関する個別のファクトシート(例えば「ビタミンD、マルチビタミン・ミネラルサプリメント」など)、および「PubMed Dietary Supplement Subset(PubMedで検索する際、サプリメントに関する論文を自動的に限定検索可能)」等を提供しています。

PubMed Dietary Supplement Subset(パブメッド・ダイエタリーサプリメント・サブセット)
ウェブサイト: ods.od.nih.gov
E-mail: ods@nih.gov

参考文献

その他の参考文献

謝辞

NCCIHは、このサイトの情報における技術的な専門知識とレビューに対して次の人に感謝します。
Ryan Bradley, N.D., M.P.H, Bastyr University; Paul Thompson, M.D., Hartford Hospital; Jeffrey D. White, M.D., National Cancer Institute; and John (Jack) Killen, Jr., M.D. and Wendy Weber, N.D., Ph.D., M.P.H., NCCIH.

このサイトの情報は著作権で保護されておらず公開されています。複製も奨励されています。

NCCIH Pub No.:D489
最終更新日:2015年3月

このページの最新更新日は2017年9月24日です。

【免責事項】

ダイエタリーサプリメント室が作成したこのファクトシートは、情報を提供するものであり、医師のアドバイスの代わりになるものではありません。サプリメントに関する興味・関心、疑問、利用法、何があなたの健康全般のために最善かについて尋ねたい場合は、医療スタッフ(医師、管理栄養士、薬剤師など)に相談することをお勧めします。この文書内で言及している個別の商品名は、その製品を推奨しているものではありません。

監訳:大野智、安枝明日香(大阪大学) 翻訳公開日:2018年3月22日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
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