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海外の情報

クロミウム
Chromium

写真に掲載している食材の成分表一覧
位置 食品 100gあたりの
含有量(μg)
A 調味料及び香辛料類・豆みそ 9
B 畜肉類・ぶた・ロースハム 12
C 調味料及び香辛料類・カレー粉 21
D きのこ類・きくらげ・乾 27
E 藻類・てんぐさ・粉寒天 39
F 藻類・あおさ・素干し 160
G 菓子類・ミルクチョコレート 24
H 嗜好飲料類(発酵茶類)・紅茶 18
I 梅・梅干し・塩漬け 37
J 豆類・あずき・さらしあん 13

[補足]
本文中の必要摂取量、推奨摂取量、上限値・下限値等はアメリカ人を対象としたデータです。日本人に関するデータについては「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」などをご覧ください。
日本人の食事摂取基準(厚生労働省)

本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版改訂年月(翻訳時):2004年7月1日

このファクトシートは、医療関係者向けです。平易なクロミウムの概要については、「消費者向け:クロミウム(英語サイト)」をご覧ください。

はじめに

三価(+3)クロムとしてのクロミウムは、多くの食物に自然に存在し、サプリメントとして利用できる微量元素である。六価(+6)クロムもあるが、ステンレスや他の製造工程で用いられ毒性が強い [1,2]。このファクトシートは、3価クロムに焦点を当てている。

クロミウムは、インスリンの働きを促進することで、炭水化物、脂質、タンパク質の代謝に関与しているとされる [1-5]。この作用機序は解明されていないが、クロミウムがオリゴペプチドと結合し、クロモデュリン(低分子量クロミウム結合物質)を形成、この物質がインスリン受容体と結合し、インスリン作用を増強すると研究者らは考えている [4,6-8]。クロミウムは抗酸化作用も有するとされている [1]。

2001年、米国科学アカデミー医学研究所(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)の食品栄養委員会(Food and Nutrition Board:FNB)は、インスリン作用への影響があることからクロミウムが必須栄養素であるという見解を示した [2]。しかし最近の研究では、クロミウムが一定の薬理量(例えば、何百µgの単位)において利益があるとされていても、クロミウムがないまたは欠乏している状態でも異常を来さず、クロミウムの補充と相反するため必須ミネラルではない、と示唆されている(クロミウム欠乏症の項参照) [5,9-13]。FNBは2001年以来クロミウムの評価を行っていない。しかし2014年に欧州食品安全機関( European Food Safety Authority)の栄養製品、栄養およびアレルギーに関する科学パネル( Panel on Dietetic Products, Nutrition and Allergies)では、クロミウムが必須栄養素である決定的なエビデンスはないため、クロミウム摂取の推奨は不適切であると結論付けた [5]。

血中では、ほとんどのクロミウムが血漿タンパク質、特にトランスフェリンと結合するが、非結合型はおよそ5%にすぎない [5,12]。クロミウムは主に肝臓、脾臓、軟組織、骨に蓄積する[2,5,12]。

クロミウムは主に尿中に排出される [1,12,13]。従って、尿中クロミウム排泄率がクロミウムの吸収率を示す良い指標となる。しかし、この排泄率は直近のクロミウム摂取量と密接に関連しているため、クロミウムの体内蓄積量の指標とはならない [4,14]。毛髪中には過去のクロミウム摂取を反映していると考えられ [5]、毛髪、汗、血清、足指の爪のクロミウム値を測定した研究がいくつかある[15,16]。しかし、体内のクロミウムの有効な測定方法はなく、臨床的にクロミウム欠乏症の状態も定義されていない [6,8]。

推奨摂取量

米国科学アカデミー医学研究所(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)の食品栄養委員会(Food and Nutrition Board:FNB)が設定した食事摂取基準(Dietary Reference Intake:DRI)には、クロミウムや他の栄養素の推奨摂取量が提示されている [2]。DRIは、健常人の栄養摂取の計画と評価に関する一連の基準値に対する総称である。これらの基準値は年齢や性別毎に異なり、次のような項目がある。

  • 推奨栄養所要量(Recommended Dietary Allowance:RDA)ほとんどすべての(97~98%)健常人が栄養所要量を満たすのに十分な平均1日摂取量。
  • 適正摂取量(Adequate Intake:AI)RDAを設定するためのエビデンスが不十分である場合に示され、十分な栄養が確保できると推定される値に設定されている。
  • 推定平均必要量(Estimated Average Requirement:EAR):健常者の50%において所要量を満たすと推定される平均1日摂取量。通常、母集団の栄養摂取量の妥当性を評価し、栄養学的に適切な食事を計画するために使用される。また、個人の栄養摂取量の評価にも利用できる。
  • 許容上限摂取量(Upper Intake Level:UL):健康上の有害作用を引き起こすとは考えにくい最大1日摂取量。

2001年の評価では、既存のデータはクロミウムのEARとしては不足していることが FNBにより明らかにされた。従ってFNBは、健常者の通常のクロミウム摂取量を基に、全年齢のAIを設定した [2]。表1に、最新のクロミウムのAIを示す。

表1:クロミウムの適正摂取量(AI) [2]
表1:クロミウムの適正摂取量(AI)
年齢 男性 女性 妊婦 授乳婦
誕生0~6カ月* 0.2 µg 0.2 µg
生後7~12カ月* 5.5 µg 5.5 µg
1~3 歳 11 µg 11 µg
4~8 歳 15 µg 15 µg
9~13 歳 25 µg 21 µg
14~18 歳 35 µg 24 µg 29 µg 44 µg
19~50 歳 35 µg 25 µg 30 µg 45 µg
51歳以上 30 µg 20 µg

* 出生~12カ月の乳児のAIは、乳児の摂取する主に母乳の平均クロミウム摂取量、幼児は補助食の平均クロミウム摂取量を基にした、クロミウムの摂取源

食物

クロミウムは、肉、穀物製品、果物、野菜、ナッツ類、スパイス、醸造用酵母、ビール、ワインなど多くの食物に含まれている。しかしこれらの食物のクロミウム含有量は、その土地の土壌や水質、その製品を生産する際の農業の過程および製造過程などに大きく左右される [4,7,12,17-20]。例えばオートミールでは、栽培工程および製造工程の違いにより試料のクロミウム含有量が50倍も異なる可能性がある [21]。クロミウムの中には、食物加工工程で鍋やフライパンなどのステンレスより移行する可能性がある [3,4,10,17,20,22,23]。

クロミウムの含有量は、糖類(スクロース、フルクトースなど)の高いほとんどの乳製品および食物では少ない [2,17,24]。

母乳にはおよそ0.25µg/Lのクロミウムが含まれている [2]が、報告によって値が大きく異なる。欧州の小規模研究では、クロミウム濃度が0.14~10.8 µg/Lの範囲であった[5]。

食物のクロミウム吸収率は低く、0.4~2.5%である[5,6]。アスピリンなどに含まれるアスコルビン酸およびプロスタグランジン阻害成分は、クロミウム吸収を高めるが、オキサレートおよび制酸薬はクロミウム吸収を阻害する[1,22,25]。

さまざまな食物の1食あたりのクロミウム含有量を表2に示す。食物中のクロミウム含有量の決定は、試料が測定や分析に用いる器具により容易に妨害を受けるため、困難である [2]。従って、表2が示す値は参考値にすぎない。

表2:食物のクロミウム含有量 [17,19]
表2:食物のクロミウム含有量
食物(1オンスは約28g、1カップは240ml) 1食あたりのマイクログラム(µg) %DV*
グレープジュース 1カップ(240ml) 7.5 21
ハム、3オンス(90 g) 3.6 10
イングリッシュマフィン、全粒穀物 1つ 3.6 10
醸造用酵母、大さじ1 3.3 9
オレンジジュース 1カップ(240ml) 2.2 6
牛肉、3オンス(約85g) 2.0 6
レタス、くさび型1切れ、約5オンス(約140g) 1.8 5
七面鳥の胸肉、3オンス(約85g) 1.7 5
バーベキューソース、大さじ1 1.7 5
トマトジュース、1カップ 1.5 4
皮付きリンゴ、中1個 1.4 4
インゲン豆、1/2カップ(120ml) 1.1 3
バナナ 中1本 1.0 3
全粒小麦粉のパン 1切れ 1.0 3
ケチャップ、大さじ1 1.0 3
トマト、中1 0.9 3
アメリカンチーズ、1.5オンス(約42g) 0.8 2
ピーナッツバター、大さじ1 0.6 2
白米1/2カップ(120ml) 0.6 2
コダラ、3オンス(90g) 0.6 2
鶏むね肉、3オンス(約30ml) 0.5 1
エンドウ豆、1/2カップ(120ml) 0.4 1
オレンジジュース、3/4カップ 0.4 1
スパゲッティ、1カップ(240m.l) 0.3 1
にんじん、生、中1本 0.3 1
卵、中1個 0.2 1
セロリ、1束 0.1 0
無脂肪牛乳、1カップ(240ml) 0.1未満 0

*DV = 1日摂取量。FDAは、消費者が食事全体における食物およびサプリメントの栄養素含有量を比較するのに役立つようDVを設定した。最新の栄養成分表示および表2に記載のセレニウムに対するDVは成人および4歳以上の小児で55µgである[26]。FDAは、製造業者に2020年1月より最新の栄養成分表示 を使用するよう義務付けているが、年間売上1千万ドル以下の業者に関しては、2021年1月までは葉酸塩DV400µgの古い表示の継続使用を許可している[27,28]。FDAは、クロミウムを食物に添加しない限り、クロミウムの表示を義務付けていない。DVが20%以上の食物は高栄養源と考えられるが、DVのパーセンテージが低い食物でも健康的な食事と言える。

サプリメント

ほとんどのマルチビタミン・ミネラルサプリメントは、だいたい35~120µgのクロミウムを含有する。一般的に200µg~500µgのクロミウムのみを含有するサプリメントも入手できるが、中には1,000µgものクロミウムを含有するものもある[16,29]。

サプリメントに含まれるクロミウムは、ピコリン酸クロミウム、ニコチン酸クロミウム、ポリニコチン酸クロミウム、塩化クロミウム、ヒスチジン酸クロミウムなど、さまざまな形態がある[18,29]。それぞれのクロミウムの吸収率は、同じである [6,9]。例えば研究では、ピコリン酸クロミウムの吸収率はおよそ1.2%であるのに対し、塩化クロミウムは0.4%である[1]。これらの値は、食物によるクロミウムの吸収率とほぼ同じである[5]。

クロミウム化合物には、さまざまなパーセンテージのクロミウム元素が含まれている。例えばクロミウム元素は、ピコリン酸クロミウムの12.4%を占める[18,30]。サプリメントの栄養成分表示は、サプリメント中のクロミウム元素量が記載されており、製品のクロミウム化合物全体の量ではない。

クロミウムの摂取状況

米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey :NHANES)は、さまざまな栄養素の摂取データを提供しているが、クロミウムの記載はない [31]。それゆえ、米国でのクロミウム摂取のデータは限られている。

米国における8人の男性および11人の女性を対象とした小規模研究では、クロミウムの平均摂取量は女性が約29µg/日、男性は54µg/日としている [32]。別の研究では、栄養士管理によるバランスの整った22の食事の2000kcalごとの平均クロミウム含有量は、およそ27µgでおよそ17~47µgの範囲であった [17]。これらの知見は、アメリカ人のほとんどがAIと同程度のクロミウム摂取量であることを示唆している。2018年にイタリア北部で行われた食事摂取評価では、典型的なイタリアの食事においてクロミウム摂取量の中央値は57µg/日であった [33]。

サプリメントによるクロミウム摂取量のデータも非常に限られている。NHANES III (1988~1994年)のデータ分析によると、クロミウムを含むサプリメントを摂取する人では、クロミウム摂取量の中央値がおよそ23µg/日であった[2]。

クロミウム欠乏症

クロミウム欠乏症は、健常者では報告されておらず、欠乏症の臨床症状は設定されていない [3,4]。

1970年代および1980年代に発表された3件の症例研究では、長期中心静脈栄養(TPN)を行う患者は、高血糖症、糖尿、原因不明の体重減少、末梢神経障害、耐糖能異常、錯乱などの代謝および神経の有害作用を経験した [34-36]。これらの有害作用は、薬理量のクロミウムで軽減した。これらの有害作用の原因がクロミウム欠乏症であると予想されていたものの、研究ではTPNでのクロミウム値を正確に評価できなかった [5]。研究者らは、最近の評価に基づくと、これらの研究において患者がクロミウム欠乏症であったことのエビデンスは得られないため、健常者がクロミウム欠乏症になる可能性は示されないと結論づけた [3,5,6,10,13]。

現在、クロミウムはTPN療法に慣例的に追加されており、その量は10~15µg/日で健常者のバランス食で吸収されるおよそ0.15µg/日よりもかなり多い1日摂取量である [9]。それゆえ、米国静脈経腸栄養学会(American Society for Parenteral and Enteral Nutrition)および他の専門家は、TPN療法の経静脈クロミウムの用量を下げるかどうかを決定する経静脈クロミウムに関する研究の必要性を訴えている [9,13,37,38]。

クロミウムと健康

この項は、クロミウムが有効である可能性のある5つの症状(糖耐能異常および糖尿病、メタボリック症候群、多嚢胞性卵巣症候群、脂質異常症、体重と除脂肪体重)に焦点を当てる。

糖耐能異常および糖尿病クロミウムがインスリンの作用を増強する可能性があるため、クロミウム摂取の増量で糖耐能異常のリスクが軽減するかを検証する複数の研究が行われた。

数々のランダム化比較試験では、糖尿病ではない糖耐能異常の人、または糖尿病で糖耐能異常の人を対象として、クロミウム・サプリメント(その多くが何百µg単位などの薬理量)の有効性を評価した [16]。最も多く引用された介入研究の一つが、2型糖尿病に対するクロミウム・サプリメントの有効性を検証した1997年のランダム化比較試験である [39]。その試験は35~65歳の2型糖尿病の成人180人を対象とし、クロミウム(ピコリン酸クロミウム)100µg、500µg、またはプラセボを1日2回4カ月間投与した。2カ月および4カ月の時点で、クロミウム1000µg/日を摂取した参加者は、プラセボまたはクロミウム200µg/日の患者と比較して、空腹時血糖値が有意に低下した。例えば4カ月の時点で、クロミウム1000µg/日投与群では平均血糖値が7.1mmol/L(128㎎/dL)、 プラセボ投与群では8.8 mmol/L (159 mg/dL)であった。75gグルコース・チャレンジテスト後の平均血糖値は、2カ月および4カ月の時点で、クロミウム1000µg/日投与群で有意に低下した(4カ月の時点、クロミウム1000µg群10.5 mmol/L [189 mg/dL]対プラセボ群12.3 mmol/L [222 mg/dL])。プラセボと比較して、2カ月および4カ月の時点で、クロミウム200µg/日群および1000µg/日群は空腹時インスリン値、またグルコースチャレンジ後のインスリン値も有意に低下した。ヘモグロビンA1c( HbA1c)値は、4カ月後に、プラセボ群(平均8.5%)と比較して、クロミウム200µg/日群(平均7.5%)またはクロミウム1000µg/日群(平均6.6%)で有意に低下した。HbA1cは血糖値の長期的な変化を反映するため、血糖コントロールの重要な指標である [40]。

その後、さまざまなクロミウムの用量を評価した研究がいくつか行われたが、一貫性のない知見が得られている。2019年のレビューは、クロミウムおよび血糖コントロールに関する計58件の臨床試験を評価した8件のメタアナリシスおよびシステマティックレビューを対象とした [16]。試験期間は3週間~6カ月で、クロミウム1.28~1000µg/日で行われた。ピコリン酸クロミウムの形態が最も多く、その次にクロミウムおよび塩化クロミウムを含有するイーストが多かった。全般に、補助療法として用いられた場合に、クロミウムは糖尿病の人の空腹時血糖値および HbA1c値をわずかに低下した。しかし、これらの知見の臨床的有意性は不明である。2016年の2型糖尿病に対するクロミウム・サプリメントのレビューでは、クロミウム・サプリメントが2型糖尿病に有用である根拠は十分でなく、健常者の血糖値の安定に有用ではないとするほぼ同じ結論が導かれた [41]。

クロミウム・サプリメントの反応はさまざまで、重症度の高いインスリン抵抗性のある人または血糖コントロールが不良な人に対しサプリメントが利益的である可能性を示唆する研究もいくつかある [18,42]。2型糖尿病の30~70歳の参加者137人を対象としたランダム化試験では、クロミウム(ピコリン酸クロミウム)1000µg/日の補充を24週間行ったところ、プラセボと比較して、インスリン感受性、空腹時血糖値、 HbA1c値に有意な影響はなかった [42]。しかし、参加者の中にはクロミウム補充に反応した人もおり、反応しなかった人と比較して、インスリン感受性が有意に低下し(3.98対5.91 mg/除脂肪体重kg/分)、空腹時血糖値が上昇(8.5対6.7 mmol/L [153対121 mg/dL])、 HbA1c値が上昇(7.57対6.29%)した。

米国では2型糖尿病に対するクロミウム・サプリメントが広く販売されており、サプリメントの糖尿病のリスク低下または血糖コントロールの改善に期待を寄せている [6,8,18,41]。しかし、FDAはピコリン酸クロミウムのサプリメントに対し以下の健康強調表示を規定している。

「ある小規模研究では、ピコリン酸クロミウムがインスリン抵抗性を低下することで、2型糖尿病のリスクを軽減する可能性を示唆している。しかしFDAは、ピコリン酸クロミウムおよびインスリン抵抗性または2型糖尿病との関連は不確実性が高い、と結論づける」 [43,44]。

米国糖尿病学会(American Diabetes Association)の2010年のガイドラインでは、クロミウム補充の糖尿病または肥満の人への利益が決定的に示されていないため、学会はそのようなサプリメントを推奨できないとしている [45]。この決定は、不適切な対照の研究または非対照の研究の相反するエビデンスによるものである。同様に学会は2015年の提言において、糖尿病の人の血糖コントロールに対してクロミウム含有サプリメントおよび他の微量栄養素の習慣的な使用を支持するエビデンスは十分ではない、と結論づけている [46]。クロミウム・サプリメントの研究をさらに行い、特定の集団(例えば、人種、肥満度、治療開始前のインスリン感受性、薬剤の種類)における利益を検証する必要がある [18]。

メタボリック症候群

メタボリック症候群とは、危険因子(腹部肥満、トリグリセリド高値、高比重リポ蛋白(HDL/善玉)コレステロール低値、高血圧、血糖高値)の一群で、心疾患、糖尿病、脳卒中のリスクが上昇する[47]。インスリン抵抗性は、メタボリック症候群の必須構成要素で、食事介入での治療対象になりうる [48]。20~32歳の成人3,648人を対象とした前向き研究では、23年にわたる追跡調査により治療開始前の足指クロミウム濃度がメタボリック症候群の発生率と逆相関関係を示した [49]。これらの結果から、研究者の中にはクロミウム・サプリメントがメタボリック症候群の人に利益的であると仮説を立てた者もいる。

メタボリック症候群に対するクロミウム補充を検証した臨床試験は、ほんの数件しかない [48,50-52]。その1件の試験では、メタボリック症候群の18~75歳の成人63人を対象とし、ピコリン酸クロミウム500µgまたはプラセボを1日2回、16週間摂取した[48]。プラセボと比較して、クロミウム補充は急性インスリン反応が有意に上昇したが、 HbA1c値、インスリン感受性、糖代謝に関する他の指標に影響を与えなかった。クロミウム補充は、体重または血中脂質にも影響を与えなかった。

同様に2018年の臨床試験では、メタボリック症候群および糖耐能異常の成人70人(平均年齢58歳)を対象とし、クロミウム補充300µg(クロミウム・イースト、朝食時200µg、夕食時100µg)を24週間投与したが、空腹時血糖値、 HbA1c値、胴囲、血圧、血中脂質に影響はなかった [51]。

全般に、限界点のある研究では、クロミウム・サプリメントはメタボリック症候群の人に有意な利益を与えなかった。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)PCOSは、生殖年齢の女性に高い頻度でみられる内分泌疾患である。不妊症、肥満、脂質異常症、高アンドロゲン血症、また2型糖尿病および心血管疾患のリスクの高い人によくみられる [53,54]。インスリン抵抗性はPCOSの中心的な構成要素であるため、PCOSの人に対しクロミウム・サプリメントを使用し、血糖コントロールの維持および血中脂質値の低下に有用であるかを調査する研究が行われている [16,55]。

最近行われた4件のシステマティックレビューおよびランダム化比較試験のメタアナリシスでは、PCOSの兆候や症状に対するクロミウム・サプリメントの有効性を検証した [54,56-58]。ある分析では、クロミウム(ピコリン酸クロミウム)を200µg~1,000µg/日、8~24週間投与した7件の試験(351人)を対象とした [54]。クロミウム補充は、空腹時血糖値、総テストステロン値、デヒドロエピアンドロステロン値、卵胞刺激ホルモン値、黄体形成ホルモン値に影響を与えなかった。しかし、クロミウムはプラセボと比較して、ボディマス指数(BMI)を2.37 kg/m2、遊離テストステロン値を0.52 pg/mLと有意に低下し、空腹時インスリン値も 0.33ミリIU/mL、有意に低下した。

8週間~6カ月のランダム化試験5件を対象とした別のシステマティックレビューおよびメタアナリシスでは、PCOSの女性計268人を登録し、クロミウム補充(200~1,000µg/日、多くはピコリン酸クロミウム)とプラセボまたはメトホルミンとを比較した[57]。クロミウム補充は、空腹時インスリン値またはインスリン感受性に有意な影響を与えなかったが、2件の試験のデータによるとインスリン抵抗性の指標を有意に低下したことが示された。さらにレビューが対象としたある試験では、クロミウム補充がβ細胞機能の指標を有意に改善したことが明らかになった。著者らは、クロミウムの効果は小さく、臨床的関連性は不確実であると結論付けた。同様に、別のメタアナリシスおよびシステマティックレビューでは、さまざまな知見が得られた[56,58]。

総じて、クロミウム補充によるPCOSのリスク低下のエビデンスはなく、PCOSの女性に対する利益はさまざまで、確固たる結論を導くのは困難である [16]。定義付けが徹底した集団において、十分なサンプル数、十分な期間で行う複数の研究が必要である[55]。

脂質異常症

数多くの研究では、不良なクロミウム摂取状況と血中コレステロール高値との関連が示されている[7]。従って研究者らは、クロミウム補充が血中脂質値を改善する可能性があると仮説を立てている。複数の研究では、糖耐能異常、糖尿病、PCOSの人などさまざまな集団において、その可能性を検証している。

あるランダム化臨床試験では、2型糖尿病の管理が不良( HbA1c値が少なくとも7%)の71人の参加者(平均年齢54.1歳)を対象とし、ピコリン酸クロミウム600µg/日を4カ月間投与したところ、プラセボと比較して、総コレステロール値、HDL値、低比重リポ蛋白(LDL/悪玉)コレステロール値、トリグリセリド値に有効性は認められなかった [59]。しかしある8週間の試験では、18~40歳のPCOSの女性40人を対象とし、ピコリン酸クロミウム200µg/日を投与したところ、プラセボと比較して、トリグリセリド値が有意に低下(–19.2対+8.3 mg/dL)し、総コレステロール値も有意に低下(–15.3対–0.6 mg/dL)した[60]。高用量のクロミウム補充の研究結果は、さまざまであった [39,61]。

全般に、糖尿病62-66]およびPCOS[56]の人に対するクロミウム補充を評価した複数のメタアナリシスでは、総コレステロール値およびLDLコレステロール値[16]に有意な変化は認められなかった。しかし、クロミウム補充によりHDLコレステロール値を1.73~4.64 mg/dL上昇し、トリグリセリド値を11.71~26.57 mg/dL低下したことを示した解析もあった [65,66]。

クロミウム補充が脂質異常症に対し臨床的有意な効果があるかを決定するさらなる研究が必要である。

体重と除脂肪体重

クロミウムがインスリン作用を増強するため、中にはクロミウム補充が糖から脂肪への変換量を軽減し、タンパク質合成を促進、筋量を増加できないかと考える研究者もいる [12]。予備的研究の中には、クロミウム・サプリメントが食事摂取量、空腹度、脂肪への欲を軽減する可能性を示唆している [67]。従ってクロミウム補充により体重減少を促進、体脂肪率の減少および除脂肪体重の増加による体組成の改善に有用であることが提唱され、これらの転帰に対する有効性を評価する臨床試験がいくつか行われている [12,68-71]。

2019年のあるメタアナリシスでは、18歳以上の体重過多または肥満の参加者計1,316人を登録した21件の試験を対象とし、クロミウム補充の身体計測指標への影響を評価した [72]。試験期間は9~24週間で、クロミウム用量は200~1,000µg/日であった。ほとんどの試験はピコリン酸クロミウムを使用し、他にはクロミウム増強イースト、ニコチン酸クロミウムを使用した。クロミウム・サプリメントを摂取した参加者は、プラセボ群と比較して、体重が0.75kg有意に低下し、0.40 kg/m2のBMI低下、体脂肪率が0.68%低下した。クロミウム・サプリメントは、胴囲またはウエスト/ヒップ比の有意な効果は認められなかった。

別の2件のシステマティックレビューおよびメタアナリシスの知見 [73,74]では、2013年のコクランレビューとほぼ同じ知見を示した [69]。コクランレビュー著者らは、体重におけるクロミウム補充の有効性は「臨床的関連性に議論の余地がある」とし、全体のエビデンスの質は低いと指摘した。

総じて研究は、クロミウム補充は主にピコリン酸クロミウムの形態で、体重および体脂肪率を非常にわずかに減少するが、統計的に有意な程度であることを示唆した。しかし、その効果に臨床的有意性はほとんどない。

クロミウムを過剰摂取した場合の健康上のリスク

FNBは、食事またはサプリメントによるクロミウムの多量摂取と有害作用は関連していないため、クロミウムの耐容上限量(UL)を設定しない、と結論づけた [2]。しかしFNBは、データは限定的であるため、クロミウムの多量摂取による有害作用が起きる可能性に注意する必要があると指摘した [2,3,6]。FNBは、腎疾患または肝疾患の人にクロミウムの多量摂取による有害作用が起きる可能性も指摘した [2]。

独立した症例報告によると、クロミウム・サプリメントは体重減少、貧血、血小板減少症、肝機能障害、腎不全、横紋筋融解症、皮膚炎、低血糖を引き起こす可能性がある [75,76]。

医薬品との相互作用

ある種の薬物は、クロミウムと相互作用を生じる可能性がある。以下に例を記載する。このような医薬品やそれ以外の医薬品を定期的に服用している人は、マグネシウム摂取に関して医療スタッフと相談すべきである。

インスリン

クロミウムはインスリン感受性を高める可能性がある[60,77,78]。クロミウムをインスリンと併用すると、低血糖のリスクが上昇する [79]。

メトホルミンおよび他の糖尿病治療薬

複数の研究結果の中には、クロミウム補充が血糖値を低下させる可能性を示唆している[16,39,59,60,62]。従って、クロミウム・サプリメントがメトホルミンまたは他の糖尿病治療薬と併用した場合に相加作用が働き、低血糖のリスクを上昇する可能性がある。

レボチロキシン

ある小規模研究では、ピコリン酸クロミウムのサプリメントを(甲状腺機能低下症の治療に用いられる)レボチロキシンと同時に摂取すると、レボチロキシンの吸収が6時間にわたり低下することが示されている[80]。

クロミウムと健康的な食事

米連邦政府が発行する「アメリカ人のための食生活の指針2015-2020」では、「栄養は主として食事から摂取すべきである。栄養分を豊富に含む食物(多くは未加工品)には、サプリメントに含まれることの多い必須ビタミンやミネラルだけでなく、食物繊維や体によい天然成分も含有している。場合によっては、強化食品やサプリメントは、補充しなければ推奨量を下回る可能性のある1つ以上の栄養素の摂取に有用と考えられる」と指摘している。

健康的な食事に関する詳細はDietary Guidelines for Americans(アメリカ人のための食生活指針)(英語サイト)と米国農務省の食事の指針システム、MyPlate(私の食事)(英語サイト)を確認すること。

「アメリカ人のための食生活指針」では健康的な食事を次のように述べている。

  • さまざまな種類の野菜、果物、全粒穀物、無脂肪もしくは低脂肪牛乳と乳製品、油を重視している。
  • 多くの全粒穀物、果物、野菜はクロミウムのよい栄養源である。
  • 魚介類、赤身の肉、鶏肉、卵、マメ科植物(インゲン豆、エンドウ豆)、ナッツ類、種子、大豆食品などのタンパク質食物に含む。
  • 赤身の肉、ナッツ類、鶏肉、卵はクロミウムを含む。
  • 飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、添加糖質、塩分および(ナトリウム)を少なくする。
  • 1日に必要なカロリー摂取量を超えない。
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参考文献

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監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日

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