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海外の情報

大麻(マリファナ)とカンナビノイド
Cannabis-Marijuana- and Cannabinoids

[補足]
本文中の必要摂取量、推奨摂取量、上限値・下限値等は米国人を対象としたデータです。日本人に関するデータについては「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」などをご参照ください。
日本人の食事摂取基準(厚生労働省)

本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版改訂年月(翻訳時):2019年1月

マリファナは大麻と同じものですか?

「大麻」と「マリファナ」という言葉はよく同じ意味で使われますが、まったく同じ意味ではありません。

  • 「大麻」とは、植物である大麻草(学名Cannabis sativa)に由来するすべての製品を意味します。
  • 大麻の植物には約540種類の化学物質が含まれています。
  • 「マリファナ」とは、相当量のテトラヒドロカンナビノール(tetrahydrocannabinol:THC)を含有する植物(学名Cannabis sativa)の一部または製品を意味します。THCは、マリファナが人の精神状態に及ぼす影響の主な原因物質です。大麻植物の中には、THCをほとんど含まないものもあります。アメリカの法律では、これらの植物はマリファナではなく「工業用大麻」とされています。

このファクトシートで以下は、「大麻」という用語をCannabis sativaという植物を指すために使用します。

カンナビノイドとは何ですか?

カンナビノイドは大麻植物に含まれる物質群です。

主なカンナビノイドは何ですか?

主なカンナビノイドはTHCとカンナビジオール(cannabidiol:CBD)です。

カンナビノイドは何種類ありますか?

THCとCBDの他に、100を超えるカンナビノイドが確認されています。

米国食品医薬品局(FDA)は、大麻またはカンナビノイドを医療用途に承認していますか?

米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)はいかなる医療用途にも大麻植物を承認していません。しかし、FDAは個々のカンナビノイドを含むいくつかの薬を承認しています。

  • エピジオレックスは大麻から精製されたCBDを含んでおり、レノックス・ガストー症候群、ドラベ症候群という2つの希少で重篤なてんかんの治療薬として承認されています
  • マリノールとシンドロスはドロナビノール(合成THC)を含み、セサメットはナビロン(THC類似合成物質)を含むため、FDAの承認を受けています。ドロナビノールとナビロンは、がん化学療法による吐き気と嘔吐の治療に用いられています。ドロナビノールは、HIV/AIDS患者の食欲不振と体重減少の治療にも使用されています。

THCやCBDを含んだサプリメントや食物は合法ですか?

FDAは、THCまたはCBDを含む製品はサプリメントとして合法的に販売できないと判断しています。THCまたはCBDが添加された食物は、州際通商において合法的に販売することはできません。州内で合法的に販売できるかどうかは、その州の法律と規制によります。

大麻やカンナビノイドは健康状態の治療に役立ちますか?

カンナビノイドを含有する薬は、特定のまれな型のてんかん、がん化学療法に伴う吐き気と嘔吐、HIV/AIDSに伴う食欲不振と体重減少の治療に役立つ場合があります。さらに、慢性疼痛および多発性硬化症の症状に大麻またはカンナビノイドがある程度の有益性(ベネフィット)があると示唆するエビデンスもあります。大麻は、緑内障には効果がありません。大麻や他の病状に対するカンナビノイドの研究はまだ初期段階にあります。

以下の項目では、特定の健康状態に対する大麻またはカンナビノイドについての研究をまとめています。

疼痛

大麻またはカンナビノイドの、慢性疼痛、特に神経因性疼痛(神経損傷に関連する疼痛)対する効果に関する研究が行われています。

2018年のレビューでは、がん性疼痛以外のさまざま種類の慢性疼痛に対する大麻またはカンナビノイドに関する47件の研究(参加者4,743名)について調査し、有益性(ベネフィット)が小さいというエビデンスが認められました。大麻/カンナビノイドを摂取している患者の29%で疼痛が30%緩和した一方で、プラセボ(不活性物質)を摂取している患者では26%でした。差が小さすぎるため、患者にとって意味がない可能性があります。大麻/カンナビノイドを摂取している患者では、プラセボを摂取している患者よりも有害事象(副作用)が多くみられました。

神経因性疼痛に対して大麻から作られる薬に関する16件の研究についての2018年のレビューでは、そのほとんどがナビキシモルスと呼ばれるカンナビノイド製品(商品名:サティベックス。一部の国では承認されていますがアメリカでは承認されていないTHCとCBDの両方を含有するマウススプレー)について検討されましたが、これらの薬がプラセボと比較し良好な疼痛緩和を生み出したという低い~中等度の質のエビデンスが認められました。しかし、これらの研究には少数の患者しか組み入れられておらず、偏りがある可能性があるため、本データには信頼性がないと考えられました。大麻から作られる薬を服用している患者は、プラセボを服用している患者と比較し、副作用を理由に研究から脱落する傾向がみられました。

慢性疼痛について評価したカンナビノイドに関する28件の研究(参加者2,454名)についての2015年のレビューでは、全体的にカンナビノイドを摂取している患者の疼痛評価が改善したことが示されましたが、これらの研究のほとんどで統計学的有意には達しませんでした。しかし、痛みが30%以上緩和したと報告した患者の平均数は、プラセボと比較してカンナビノイドの方が多かったのです。

オピオイドの使用を減らすのに貢献

オピオイドと併用してTHCを投与することで、オピオイドの投与量を減らして疼痛をコントロールすることができる可能性があるという、動物を対象とした研究から得られたエビデンスがあります。

2017年のレビューでは、痛みを治療するためにオピオイドと併用してカンナビノイドを投与した患者を対象とした研究について検討しました。これらの研究は、カンナビノイドが少量のオピオイドとの併用で痛みをコントロールできるかどうかを評価するためにデザインされました。9件の研究(参加者合計750名)のうち3件(参加者642名)が質の高い研究デザインを用いており、参加者はカンナビノイドまたはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられました。この結果には一貫性がなく、カンナビノイドがオピオイドの使用を減少させる可能性があることを示す質の高い研究はありませんでした。

研究者らは、大麻の利用が(例えば、「医療用大麻法」(特定の疾患を有する患者が大麻を利用できるようにする州法)によって)、オピオイドの使用の変化やオピオイドに関連する有害性の変化と関連しているかどうかを調べるために、あるグループの患者の統計データを検討しました。この結果には一貫性がありませんでした。

  • 医療用大麻法のある州では、メディケアの加入者において、オピオイドと、大麻の代わりとなるすべての薬剤両方の処方率が低いことがわかりました。しかし、全国調査のデータ(メディケアの加入者に限らない)によると、医療用大麻の利用者は、非利用者よりも処方薬の服用を報告する可能性が高いことが示されました。
  • 1999年から2010年までのデータの解析により、医療用大麻法のある州では、オピオイド鎮痛薬の過剰服薬による死亡率が低いことが示されましたが、同等の解析を2017年まで延長したところ、この種の過剰服薬による死亡率が高いことが示されました。
  • 2004年から2014年までの調査データの解析により、医療用大麻法の成立は、非医療処方のオピオイドの使用の少なさには関連していないことがわかりました。したがって、医療用大麻を利用している人は、処方薬のオピオイドの代わりに医療用大麻を利用しているとは考えらえませんでした。

不安

人を対象とした研究から得られた少数のエビデンスにより、大麻またはカンナビノイドが不安を和らげるのに役立つ可能性があることが示唆されています。社交不安症患者24人を対象とした1件の研究により、CBDの摂取後はプラセボの摂取後よりも、simulated public speaking testにおいて不安が和らいだことが明らかになりました。4件の研究により、カンナビノイドは慢性疼痛患者の不安に役立つ可能性があることが示唆されています。研究の参加者は必ずしも不安症を抱えているわけではありませんでした。

てんかん

カンナビノイド、主にCBDは、他の薬ではコントロールするのが困難なてんかんに関連する痙攣の治療に対し研究されてきました。エピディオレックス(経口CBD)は、次の2つのてんかん性脳症に関連する痙攣の治療に対しFDAの承認を得ています。レノックス・ガストー症候群およびドラベ症候群。(てんかん性脳症は発作性疾患のグループで、小児期に発症し、認知発達における重度の障害を伴う頻回発作を引き起こします)。他のより一般的なてんかんにカンナビノイドが役立つかどうかについて結論づけるための研究は十分に行われていません。

緑内障

緑内障は、眼の視神経が損傷し、視力低下や失明につながる疾患のグループです。早期治療により、多くの場合、重度の視力低下を防ぐことができます。目の圧力を下げると、疾患の進行が遅くなる可能性があります。

1970年代と1980年代に実施された研究では、大麻や大麻の由来物質が目の圧力を下げる可能性はありますが、すでに使用されている治療法ほどの効果はないことが示されています。大麻から作られる製品の限界の1つは、眼の圧力に短時間しか作用しないことです。

最新の動物研究では、CBDを目に直接使用すると、好ましくない眼圧の上昇が起こる可能性があることが示されています。

HIV/AIDS症状

意図的ではない体重減少は、HIV/AIDS患者にとって問題となる可能性があります。1992年に、FDAは、HIV/AIDS患者の体重減少に関連する食欲不振の治療に対し、カンナビノイド製品のドロナビノールを承認しました。この承認は主に、食欲および体重変化に対するドロナビノールの効果を評価した139名を対象とする研究に基づいています。

HIV/AIDS患者の食欲や体重減少に対する大麻やカンナビノイドの研究は他にもいくつかありますが、それらの研究は短期間であり、少数の人しか組み入れられておらず、結果が偏っている可能性があります。全体的に、HIV/AIDS患者に対する大麻/カンナビノイドは有益であるというエビデンスは限られています。

炎症性腸疾患

炎症性腸疾患は、消化管が炎症を起こす疾患グループを指します。潰瘍性大腸炎とクローン病が最も一般的です。症状には、腹痛、下痢、食欲不振、体重減少、発熱などがあります。症状は軽度から重度までさまざまで、現れたり消えたりすることがあり、数カ月あるいは数年間消えてその後再び現れることもあります。

2018年のレビューでは、活動性クローン病患者を対象に、吸引大麻またはカナビスオイルとプラセボとを比較した3件の研究(参加者合計93名)について検討しました。この疾患の臨床的寛解において、大麻/カナビスオイル群とプラセボ群との間に差は認められませんでした。大麻やカナビスオイルを使用している人の一部で症状が改善しましたが、好ましくない副作用が出た人もいました。大麻やカナビスオイルの有益性(ベネフィット)が有害性を上回っているかどうかは不明でした。

2018年のレビューでは、活動性潰瘍性大腸炎患者を対象に、吸引大麻またはCBDカプセルとプラセボとを比較した2件の研究(参加者92名)について検討しました。CBDの研究では、臨床的寛解において2群間に差は認められませんでしたが、CBDを摂取している患者でより多くの副作用が認められました。吸引大麻の研究では、大麻群において8週間後に疾患活動性の指標が低下しました。副作用に関する情報は報告されませんでした。

炎症性腸疾患

過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome :IBS)は、腸管運動の変化(下痢、便秘、またはその両方)を伴う腹痛の繰り返しと定義されます。消化管(GI)の機能障害の1つであり、脳と腸の連携の仕方に関連しています。

IBSの症状に大麻/カンナビノイドを使用することに関心がありますが、この疾患の患者に対する大麻/カンナビノイドの使用に関する研究はほとんどありません。したがって、大麻またはカンナビノイドが有効かどうかは不明です。

トゥレット症候群による運動障害

参加者36名の2件の小規模プラセボ対照試験に関する2015年のレビューでは、合成THCカプセルが、トゥレット症候群患者におけるチック症状の重症度の有意な改善に関連する可能性があることが示唆されました。

多発性硬化症

ドロナビノール、ナビロン、大麻抽出物、ナビキシモルス(商品名:サティベックス。アメリカ以外の25カ国以上で承認されているTHCとCBDを含有するマウススプレー)、吸引大麻など、多発性硬化症の症状に対し、さまざまな大麻/カンナビノイド製品が研究されています。

  • 合計3,161名の参加者を対象としたさまざまなカンナビノイド製品に関する17件の研究のレビューでは、カンナビノイドにより多発性硬化症患者の痙攣(患者による評価)、疼痛、および膀胱障害がわずかに改善しましたが、客観テストで測定した場合、カンナビノイドにより痙攣は有意に改善しなかったことが示されました。
  • 合計1,134名の参加者を対象とした6件のプラセボ対照臨床試験のレビューでは、カンナビノイド(ナビキシモルス、ドロナビノール、およびTHC/CBD)は、プラセボと比較して、多発性硬化症患者の痙攣に対するAshworth scaleにおいて平均を上回る改善と関連していると結論づけられましたが、統計的有意には達しませんでした。
  • 2014年に米国神経学会が公表したエビデンスに基づいたガイドラインでは、ナビキシモルスは、自覚的な痙攣症状の改善に効果があり、他覚的な痙攣指標や膀胱性尿失禁を減少させるには効果がなく、多発性硬化症に関連する振戦を軽減するには効果がない可能性があると結論づけられました。このガイドラインでは、2件の小規模研究に基づいて、多発性硬化症患者における吸引大麻の効果を評価するにはデータが不十分であると結論づけられました。
  • 多発性硬化症および痙攣を有する患者におけるナビキシモルスに関する3件の研究(参加者666名)の2010年の解析では、ナビキシモルスは、通常3週間以内に自覚的な痙攣を減少させ、他の治療に加えてナビキシモルスを投与された患者の約3分の1で痙攣が30%以上改善したことが明らかになりました。ナビキシモルスはかなり安全であると考えられました。

がん化学療法に関する吐き気と嘔吐

がん化学療法に関連する吐き気や嘔吐を治療するためのカンナビノイド製品のドロナビノールまたはナビロンに関する23件の研究(参加者1,326名)の2015年のレビューでは、これらの薬はプラセボよりも有用であり、この目的に使用されるその他の薬と同等の効果が得られたことが明らかになりました。しかし、カンナビノイド製品を摂取すると、より多くの患者でめまいや眠気などの副作用が起こりました。

がん化学療法に関連する吐き気や嘔吐を治療するためのドロナビノールおよびナビロンに関する研究は、主に1980年代と1990年代に行われたもので、現在の治療薬ではなく、化学療法の種類が反映され、当時利用可能であった制吐薬が選ばれています。

心的外傷後ストレス障害(Posttraumatic Stress Disorder:PTSD)

PTSD患者の一部には、大麻や大麻から作られる製品を使って症状を緩和しようとし、効果があると考えている人もいますが、実際に有用かどうかについてはほとんど研究されていません。

  • 1件の非常に小規模な研究(10名)では、カンナビノイド製品のナビロンはプラセボと比較し、PTSDに関連した悪夢を取り除くのにより効果的でした。
  • 複数の観察研究(大麻を使用するかどうかを自分で選択したPTSD患者に関するデータを収集した研究)では、大麻がPTSD症状に有用か有害かについての明確なエビデンスは示されていません。

睡眠障害

健康問題(多発性硬化症、PTSD、慢性疼痛など)を有する人を対象とした大麻またはカンナビノイドに関する研究の多くは、睡眠に対する効果について検討してきました。大麻/カンナビノイドを摂取している人において、睡眠の質の向上、睡眠障害の減少、または眠りにつくまでの時間の短縮に関するエビデンスが多く認められています。しかし、大麻製品が睡眠に直接影響を与えたのか、あるいは疾患の症状が改善したために睡眠が向上したのかどうかは不明です。大麻/カンナビノイドが他の疾病を患っていない人の睡眠障害に与える影響については不明です。

大麻やカンナビノイドは安全ですか?

FDAは、大麻とカンナビノイドの安全性については、いくつかの懸念が提起されています。

  • 大麻の使用は自動車事故のリスク増加と関連しています。
  • 妊娠中の大麻の喫煙は、低体重児出産に関連しています。
  • 大麻を使用する人の中には、渇望、離脱症状、自制の欠如、個人的および職業的な責任への悪影響などの症状を伴う大麻使用障害を発症する人もいます。
  • 大麻を使用している青少年は、成人よりも大麻使用障害を発症する可能性が4~7倍高くなります。
  • 大麻の使用は、高齢者における損傷のリスク(危険)増加と関連しています。
  • 大麻の使用、特に頻繁な使用は、統合失調症やその他のサイコーシス(重度の精神疾患)を発症するリスクがこれらの病気にかかりやすい人々において、より高いことと関連しています。
  • マリファナは起立性低血圧(立ちくらみ)を引き起こすことがあり、失神や転倒の危険性が高まります。
  • FDAはTHCを含む電子タバコ製品を使用しないよう一般の人々に警告しています。このタイプの製品は、電子タバコの利用に関連する重篤な肺損傷の報告症例の多くに関与していています。
  • 小児が意図せずに大麻やその製品を摂取し、救急外来での治療や入院を必要とするほど重い病気にかかったという報告が多数あります。THCを含むキャンディーを偶然摂取して体調が悪くなった人々では、一般的に小児は成人よりも症状が重く、長い入院期間が必要でした。
  • 長期間大量の大麻を使用していた人の中には、再発性の激しい嘔吐を伴う症状をきたした人もいます。
  • 大麻/カンナビノイド製品が微生物、農薬、その他の物質で汚染されているという報告があります。
  • 一部の大麻/カンナビノイド製品には、ラベルの記載とは大幅に異なる量のカンナビノイドが含まれています。

CBDは有害なのでしょうか?

CBDが一部の人に有害の可能性があるというエビデンスがあります。

FDAがエピジオレックス(精製CBD製品)を薬剤として承認する前に、その有効性と安全性を評価するための研究が行われました。これらの研究の参加者の中には、副作用(下痢や眠気)や、肝機能検査で異常を示した人もいました。いくつかの場合では、肝疾患のために研究参加者はエピジオレックスを中止しなければなりませんでした。エピジオレックスはまた、これらの患者が服用していた他の薬と相互作用しました。

エピジオレックスを服用している患者は、CBDを医師の監督下で使用しているため、こうした問題を管理することができます。CBDを自分で使用する人には、このような保護はありません。どれだけのCBDを服用しているかさえ知らないかもしれません。2017年にオンラインで販売された84個のCBD製品を分析したところ、26%が表示よりもかなり少ない量のCBDを含み、43%がかなり多い量を含んでいました。

米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)による研究助成

米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)が資金を援助しているいくつかの研究では、主要ではないカンナビノイド(THC以外のもの)やテルペン(大麻に含まれる物質で、香りや味など、植物に特有の特性を与えるもの)を含む、大麻に含まれる物質の潜在的な痛みを緩和する特性や作用機序が調査されています。これらの研究の目的は、大麻の成分に関するエビデンスを強化し、痛みの管理に潜在的な役割があるかどうかを確認することです。

NCCIHは、大麻とカンナビノイドに関する以下のような他の研究も支援しています。

  • 慢性腰痛がある人を対象とした、食用大麻とその成分が疼痛、炎症、思考に及ぼす影響についての観察研究。
  • 酵母でカンナビノイドを合成する技術を開発するための研究(大麻植物から入手するよりも安価である)。
  • 大麻の喫煙と2型糖尿病との関係を評価する研究

さらに考慮しなければならないこと

  • 医療機関の受診を先延ばしにするために大麻やカンナビノイドを用いてはいけません。
  • 自分の健康に責任を持ちましょう。あなたが行っている補完療法についてかかりつけの医療スタッフに相談しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

さらなる情報

■ NCCIH 情報センター

米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)の情報センターは、NCCIHに関する情報、ならびに連邦政府が管理運営する科学・医学論文データベースから関連する文献や検索・調査などを含む補完・統合医療に関する情報を提供しています。情報センターでは、医学的なアドバイス、治療の推奨、施術者の紹介はおこなっていません。

米国内の無料通話:1-888-644-6226
テレタイプライター(TTY、聴覚障害者や難聴の方用):1-866-464-3615
ウェブサイト: https://nccih.nih.gov/(英語サイト)
E-mail:info@nccih.nih.gov

■ PubMed®

米国国立医学図書館(National Library of Medicine, PubMed®:NLM)のサービスであるPubMed®には、科学・医学雑誌に掲載された論文の情報(掲載号、出版年月日など)および(ほとんどの場合)その論文の要約が掲載されています。NCCIHによるPubMed使用のガイダンスは、How To Find Information About Complementary Health Approaches on PubMed(英語サイト)をご覧ください。

ウェブサイト:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/(英語サイト)

■ MedlinePlus

健康に関する質問に答えるリソースを提供するため、MedlinePlus(米国国立医学図書館のサービス)が国立衛生研究所および他の政府機関と健康関連団体からの信頼できる情報をまとめています。

ウェブサイト: https://www.medlineplus.gov/(英語サイト)

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参考文献

その他の参考文献

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謝辞

NCCIHは、この出版物の2016年の更新に貢献した次の人に感謝します:D. Craig Hopp, Ph.D., Inna Belfer, M.D., Ph.D., and David Shurtleff, Ph.D., NCCIH。

【免責事項】

ダイエタリーサプリメント室が作成したこのファクトシートは、情報を提供するものであり、医師のアドバイスの代わりになるものではありません。サプリメントに関する興味・関心、疑問、利用法、何があなたの健康全般のために最善かについて尋ねたい場合は、医療スタッフ(医師、管理栄養士、薬剤師など)に相談することをお勧めします。この文書内で言及している個別の商品名は、その製品を推奨しているものではありません。

監訳:大野智、富塚啓貴(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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