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ビタミンB12
Vitamin B12
- 写真に掲載している食材の成分表一覧
[補足]
本文中の必要摂取量、推奨摂取量、上限値・下限値等はアメリカ人を対象としたデータです。日本人に関するデータについては「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」などをご覧ください。
日本人の食事摂取基準(厚生労働省)
本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。
英語版改訂年月(翻訳時):2020年3月30日
このファクトシートは医療関係者向けです。平易なビタミンB12の概要については、「一般向け:ビタミンB12」をご覧ください。
はじめに
ビタミンB12は水溶性のビタミンで、一部の食物に含まれ自然界に存在するが、それ以外の食物では添加され、また、サプリメントや処方薬として使用される。ビタミンB12は数種類の形で存在し、鉱物のコバルトを含有するため、活性ビタミンB12化合物は総称して「コバラミン」と呼ばれる。メチルコバラミンと5-デオキシアデノコバラミンが、人体の代謝における活性型ビタミンB12である。
ビタミンB12は、正常な赤血球細胞の形成、神経機能、DNA合成に必須である。ビタミンB12は、メチオニン合成酵素およびL-メチルマロニル-CoAムターゼの補助因子として機能する。メチオニン合成酵素は、ホモシステインからメチオニンへの転換を触媒する。メチオニンは、DNA、RNA、ホルモン、タンパク質、脂質といった100種類近くのさまざまな基質に対し万能なメチル基供与体となるS-アデノシルメチオニンの形成に必須である。L-メチルマロニル-CoAムターゼは、脂質およびタンパク質の代謝において不可欠な生化学反応であるプロピオン酸分解の際に、L-メチルマロニル-CoAをスクシニル‐CoAへ変換する。また、スクシニル-CoAはヘモグロビン合成にも必要である。
ビタミンB12は、食物中ではタンパク質と結合しており、胃内で胃酸およびタンパク分解酵素の活性により遊離する。栄養強化食物やサプリメントに添加される場合の合成ビタミンB12は既に遊離型のため、この分離過程は不要である。遊離型ビタミンB12は、内因子(胃の壁細胞から分泌される糖タンパク質)と結合して複合体となり、受容体を介したエンドサイトーシスにより遠位回腸で吸収される。ビタミンB12の経口投与量1µg中の約56%が吸収されるが、(ビタミンB12投与量1~2µgで)内因子の量が上回るとビタミンB12の吸収量は大幅に減少する)。
悪性貧血は、胃粘膜が冒されることにより胃の萎縮を引き起こす自己免疫疾患である。悪性貧血は壁細胞の破壊、胃酸欠乏、内因子の産生不良を引き起こし、ビタミンB12の吸収不全が生じる。悪性貧血を治療せずに放置すると、例えビタミンB12を食事から適切に摂取していてもビタミンB12欠乏症となり、巨赤芽球性貧血や神経疾患の原因となる。
ビタミンB12の状態は、通常、血清または血漿中のビタミンB12値で評価される。成人では、ビタミンB12値が約170-250 pg/mL (120-180 picomol/L)を下回る場合、ビタミンB12欠乏症を示している。しかし、研究により、血清ビタミンB12濃度は細胞内濃度を正確に示さない場合があることが示唆されている。また、血清ホモシステイン値の増加(値>13 micromol/L)もビタミンB12欠乏症を示唆する可能性がある。しかし、この指標はビタミンB6値や葉酸値の低下など別の因子により影響を受けるため、特異度が低い。ビタミンB12の状態をみるには、メチルマロン酸値の上昇(値>0.4 micromol/L)の方がビタミンB12欠乏症にきわめて特異的な代謝変化を示すため、信頼性が高い指標となる可能性がある。
推奨摂取量
米国科学アカデミー医学研究所の食品栄養委員会(Food and Nutrition Board:FNB)が設定した食事摂取基準(Dietary Reference Intakes:DRI)には、ビタミンB12や他の栄養素の推奨摂取量が提示されている。DRIは、健常人の栄養摂取の計画と評価に関する一連の基準値に対する総称である。これらの基準値は年齢や性別ごとに異なり、次のような項目がある [5] 。
- 推奨栄養所要量(Recommended Dietary Allowance:RDA):ほとんどすべての(97~98%)健常人が栄養所要量を満たすのに十分な平均1日摂取量。
- 適正摂取量(Adequate Intake:AI):RDAを設定するためのエビデンスが不十分である場合に示され、十分な栄養が確保できると推定される値に設定されている。
- 推定平均必要量(Estimated Average Requirement:EAR):健常者の50%において所要量を満たすと推定される平均1日摂取量。通常、母集団の栄養摂取量の妥当性を評価し、栄養学的に適切な食事を計画するために使用される。また、個人の栄養摂取量の評価にも利用できる。
- 許容上限摂取量(Tolerable Upper Intake Level:UL):健康上の有害作用を引き起こすとは考えにくい最大1日摂取量。
表1に、最新のビタミンB12のRDAをµgで示す [5]。FNBは、健康な母乳栄養児の平均ビタミンB12摂取量を、生後0〜12カ月齢の乳児におけるビタミンB12のAIに設定している。
表1: ビタミンB12の推奨栄養所要量(RDA)
年齢 | 男性 | 女性 | 妊婦 | 授乳婦 |
---|---|---|---|---|
生後0~6カ月 | 0.4µg | 0.4µg | ||
生後7~12カ月* | 0.5 µg | 0.5 µg | ||
1~3歳 | 0.9 µg | 0.9 µg | ||
4~8歳 | 1.2 µg | 1.2 µg | ||
9~13歳 | 1.8 µg | 1.8 µg | ||
14歳以上 | 2.4 µg | 2.4 µg | 2.6 µg | 2.8 µg |
*適正摂取量(AI)
ビタミンB12の摂取源
食物(1オンスは約28g、1カップは240ml)食物
ビタミンB12は魚、肉、鳥肉、卵、牛乳、乳製品などの動物性食物中にみられる。ビタミンB12は植物性食物には一般的にみられず、ベジタリアンにとって、栄養強化シリアル類が体内でのバイオアベイラビリティー(生物学的利用能)が高く手軽に利用できるビタミンB12供給源となる。また、一部のニュートリショナルイースト(乾燥酵母食物)にもビタミンB12が含まれる。栄養強化食物は製法に違いがあるため、製品に含まれる添加栄養素を確認するには製品ラベルを読むことが大事である。
ビタミンB12の供給源となる食物を表2に記載している。
表2:ビタミンB12源となる食物群
食物(1オンスは約28g、1カップは240ml) | 1食あたりのマイクログラム(µg) (1オンスは約28g、1カップは240ml) | %DV* |
---|---|---|
ハマグリ類、加熱、3オンス(90g) | 84.1 | 3,504 |
レバー、牛肉、加熱、3オンス(90g) | 70.7 | 2,946 |
ニジマス、天然、加熱、3オンス(90g) | 5.4 | 225 |
紅鮭、調理済み、3オンス(240g) | 4.8 | 200 |
ニジマス、養殖、加熱、3オンス(90g) | 3.5 | 146 |
マグロ、低カロリー、水煮缶、3オンス(90g) | 2.5 | 104 |
朝食用シリアル類、ビタミンB12の1日摂取量100%添加、1食分 | 2.4 | 100 |
チーズバーガー、パン・パティ各2枚、1個分 | 2.1 | 88 |
コダラ、加熱、3オンス(90g) | 1.8 | 75 |
牛肉、最高級サーロイン、グリル焼き、3オンス(90g) | 1.4 | 58 |
牛乳、低脂肪、1カップ(240ml) | 1.2 | 50 |
ヨーグルト、果物、低脂肪、8オンス(240g) | 1.1 | 46 |
チーズ、スイス産、1オンス(28g) | 0.9 | 38 |
ビーフ・タコス、ソフトタコス1個 | 0.9 | 38 |
朝食用シリアル類、ビタミンB12の1日摂取量25%添加、1食分 | 0.6 | 25 |
ハム、塩漬け、焼、3オンス(90g) | 0.6 | 25 |
卵、全卵、固ゆで、L1個 | 0.6 | 25 |
鶏、胸肉、炙り、3オンス(90g) | 0.3 | 13 |
*DV = 1日摂取量。FDAは、消費者が食事全体における食物およびサプリメントの栄養素含有量を比較するのに役立つようDVを設定した。最新の栄養成分表示および表2に記載のセレニウムに対するDVは成人および4歳以上の小児で55µgである[17].FDAは、製造業者に2020年1月より最新の栄養成分表示 を使用するよう義務付けているが、年間売上1千万ドル以下の業者に関しては、2021年1月まではビタミンB12 DV 6.0µgの古い表示の継続使用を許可している[16,18]。 FDAは、ビタミンB12が食物に追加されていない限り、ビタミンB12含有量を食品ラベルに表記することを要求していない。DVが20%以上となる食品は高栄養源と考えられるが、DVのパーセンテージが低い食物でも健康的な食事をとることができる。
米国農務省(USDA)のFoodData Centralでは、多くの食物の栄養素含有量をリストアップし、栄養素含有量別および食物別に整理された、ビタミンB12を含む食物の総合リストを提供している。
サプリメント
通常、サプリメントの成分として含まれるビタミンB12はシアノコバラミンであり、体内で速やかに活性型のメチルコバラミンや5-デオキシアデノシルコバラミンに変換される。また、サプリメントには、メチルコバラミンや別の型のビタミンB12が含まれる場合がある。
現存する科学的根拠(エビデンス)では、吸収やバイオアベイラビリティ(生物学的利用能)に関して分子構造間での相違点は何も示唆されていない。しかし、人体がサプリメントからビタミンB12を吸収できる能力は、大半が内因子の産生量により制限される。例えば、健康な人では、実際には経口サプリメント500µgのうち約10µgしか吸収されない。
経口サプリメントに関して捕足すると、ビタミンB12は舌下錠あるいはトローチ剤など、口腔粘膜から吸収される製剤としても利用可能である。これらの剤型は優れたバイオアベイラビリティがあるとして販売されることが多いが、内服剤と舌下錠との間で有効性の違いを示唆するエビデンスはない。
処方医薬品
ビタミンB12(シアノコバラミン、場合によりヒドロキソコバラミン)は、処方薬として非経口投与(通常は筋肉内注射)されることがある。非経口投与は、主として悪性貧血の他、ビタミンB12の吸収不全や深刻なビタミンB12不足を引き起こす病態によるビタミンB12欠乏症の治療に使われる。
また、ビタミンB12は鼻腔内用スプレー式ゲル剤の処方医薬品としても有用で、ビタミンB12 注射に代わるものとして販売されることにより、一部の人の選択肢を広げられる可能性がある[21]。鼻腔内用ゲル剤は、小児、成人においてビタミンB12の血中濃度を上げるのに効果的とみられているが[22,23]、臨床的にはまだ十分に研究されていない。
ビタミンB12の摂取状況
1988~1994年に行われた全米健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey : NHANESⅢ)[5,24] と1994~1996年に行われた個人別食物摂取継続調査(Continuing Survey of Food Intakes by Individuals)からのデータ解析によれば、アメリカ国内の小児および成人の大半はビタミンB12の推奨量を摂取している[5]。1999~2000年に行われたNHANESからのデータでは、アメリカ国民全体のビタミンB12の1日摂取量中央値は3.4µgであったことが示されている[25]。
一部の人(特に悪性貧血をもつ高齢者、低酸症あるいは無酸症で胃の酸性度が低下した高齢者、腸に疾患を持つ高齢者など)では、食物や、場合によっては内服サプリメントからのビタミンB12の摂取が困難となる[26,27]。結果的に、ビタミンB12欠乏症は一般的にみられ、全体人口の1.5~15%に及ぶ[28,29]。これらの場合の多くでは、ビタミンB12欠乏症の原因は不明である[8]。
Framingham Heart Study (FHS)の第二世代コホート研究からのエビデンスにより、若年者のビタミンB12欠乏症の有病率は以前推定されたよりも上回る可能性があることが示唆されている[15]。本研究では、3つの年齢別集団(26~49歳、50~64歳、65歳以上)で、ビタミンB12の血中濃度が不足している参加者の割合は類似していることが判明した。また、この研究により、ビタミンB12含有サプリメントを摂取、あるいは、栄養強化シリアルを週4回以上摂取している人は、ビタミンB12欠乏症を引き起こす可能性がきわめて低いことがわかった。
食物からビタミンB12を摂取するのが困難な人や、動物性食物を摂取しないベジタリアンでは、ビタミンB12強化食物、ビタミンB12サプリメントの摂取あるいは注射剤による有益性(ベネフィット)がある可能性がある[30]。
ビタミンB12欠乏症
ビタミンB12欠乏症は、巨赤芽球貧血、疲労感、衰弱、便秘、食欲不振、体重減少が現れることを特徴とする[1,3,31]。また、手足のしびれや刺痛といった神経系の変化も引き起こす場合がある[5,32]。ビタミンB12欠乏症の別の症状には、平衡機能障害、うつ、錯乱、認知症、記憶力低下、口や舌の痛みなどがある[33]。ビタミンB12欠乏症の神経症状は貧血を伴わないことがあるため、不可逆的な障害を回避するには早期診断と治療介入が大切である [6]。乳児期のビタミンB12欠乏症の徴候には、発育不全、運動障害、成長遅延、巨赤芽球貧血などがあげられます[34]。これらの症状の多くはよくみられ、ビタミンB12欠乏症以外のさまざまな病態により起こる可能性がある。
通常、ビタミンB12欠乏症は、吸収障害を回避するためビタミンB12注射剤の投与により治療される。しかし、ビタミンB12内服薬の高用量投与も有効とみられている。ビタミンB12の内服と筋注を比較したランダム化比較試験のレビュー著者らは、ビタミンB12を1日2,000µg連日経口投与後、1日1,000µgに減量し、さらに1週間1,000µg、最終的に1カ月1,000µgまで減らすことにより、筋肉内注射と同等な有効性を示す可能性があると結論づけた[28,29]。ビタミンB12を経口または注射のどちらで投与するかを総合的に判定するには、患者個人のビタミンB12吸収能力が最も重要な要素となる[8]。ほとんどの国で、ビタミンB12欠乏症の治療としてビタミンB12筋肉内投与を行う療法は変わっていない[3,5] 。
葉酸とビタミンB12
葉酸の大量摂取により、ビタミンB12欠乏で併発した神経障害を修復しないまま[1,35]巨赤芽球貧血は改善されるためビタミンB12欠乏症による障害の影響がわかりにくくなる可能性がある[3,5] 。さらに、予備検証により、高濃度の血清葉酸値はビタミンB12欠乏症をわかりづらくさせるだけではなく、ビタミンB12欠乏症に関連する貧血を増悪させたり認知症状も悪化させたりする可能性もあることが示唆されている[6,11]。ビタミンB12欠乏症が治療されない場合、永久的な神経障害が生じることがある。したがって、健康な成人は、栄養強化食物やサプリメントから1日1,000µgを超える葉酸を摂取すべきではない[5]。
ビタミンB12欠乏のリスク群
ビタミンB12欠乏症の主な原因には、食事からの吸収不全、悪性貧血、術後の吸収不良、食事からの摂取不足などがある[12]。しかし、多くの場合、ビタミンB12欠乏症の原因は不明である。以下に該当する人は、ビタミンB12欠乏症になる可能性がきわめて高くなる
高齢者
萎縮性胃炎は高齢者の10~30%にみられる疾患で、胃内での胃酸分泌が減少することによりビタミンB12の吸収低下を引き起こす[5,11,36-40]。また、胃酸量が減少すると、ビタミンB12を利用する常在腸内細菌の増殖が亢進し、人体が利用できるビタミンB12量がさらに減少する[41]。
萎縮性胃炎を患う人は、食物中に自然に含まれるビタミンB12の吸収ができない。しかし、そのうちほとんどの人は栄養強化食物やサプリメントに添加された合成ビタミンB12を吸収することができる。結果的に、米国医学研究所(Institute of Medicine:IOM)は、50歳以上の成人はビタミンのサプリメントあるいは栄養強化食物からビタミンB12の大半を摂取することを推奨している [5]。しかし、萎縮性胃炎の高齢者の中には、無症候性欠乏症を避けるため、推奨栄養所要量(RDA)よりさらに高用量のビタミンB12が必要な人もいる[42]。
悪性貧血の人
悪性貧血は、高齢者のうち1~2%でみられ、内因子の欠乏が特徴である[11]。悪性貧血の人は、消化管内でビタミンB12が正常に吸収されない[3,5,9,10]。通常、悪性貧血はビタミンB12の筋肉内投与により治療される。しかし、内因子が不足していても[11]、経口投与されたビタミンB12の約1%は受動的に吸収されるため、ビタミンB12の高用量経口投与による治療も有効とされることが示唆されている。
胃腸症状を有する人
セリアック病やクローン病など、胃および小腸の疾患を有する人は、健康を維持するために十分なビタミンB12を食物から吸収することができない場合がある[12,27]。初期のビタミンB12欠乏症により生じる認知機能のわずかな減少は、こうした腸疾患の唯一の初期症状であると考えられ、巨赤芽球貧血や認知症がそれに続く。
胃腸の手術を受けたことがある人
減量手術や胃の全摘または部分切除などの胃腸の外科手術では、しばしば胃酸や内因子を分泌する細胞の欠損が生じる[5,43,44]。それにより、特に、食物中に含まれ、体内で遊離し吸収されるビタミンB12量が減少する[45]。また、遠位回腸の切除手術でもビタミンB12の吸収不能が生じる場合がある。こういった外科手術を受ける人は、術前および術後に、ビタミンB12欠乏症を含めた複数の栄養素に欠乏がないか検査を受けるべきである [46]。
ベジタリアン
天然のビタミンB12供給源は動物性食物に限られるため、厳格なベジタリアンやビーガン(完全菜食主義者)では、乳卵ベジタリアンや非ベジタリアンに比べビタミンB12欠乏症の発現リスクがきわめて高くなる[5]。栄養を強化した朝食用シリアルやしたニュートリショナルイースト(乾燥酵母)は植物由来の数少ないビタミンB12摂取源の一部で、厳格なベジタリアンやビーガンにとってのビタミンB12供給源として有用である。栄養強化食物は製法に違いがあるため、製品に含まれる添加栄養素を確認するには製品ラベルを読むことが大事である。
厳格な菜食主義を守る妊婦および授乳中の女性とその乳児
ビタミンB12は、妊娠中胎盤を通過し、母乳中に移行する。動物性食物を全く摂取しない母親から母乳のみで育てられる乳児は、ビタミンB12の確保がきわめて制限される可能性があり、生後数カ月以内にビタミンB12欠乏症を発症することがある [5,47]。乳児のビタミンB12欠乏症が発見されずに治療を受けないでいると、重篤で永続的な神経障害が生じる可能性がある。
米国栄養士会(Academy of Nutrition and Dietetics)では、妊娠中および授乳中のいずれの期間も、胎児や乳児へ十分なビタミンB12が確実にいきわたるよう、ビーガンや乳卵ベジタリアンに対し、ビタミンB12サプリメントの摂取を推奨している。厳格なベジタリアンあるいはビーガンを守る妊婦や授乳中の女性は、乳幼児や小児のために、ビタミンB12サプリメントについて小児科医に相談すること。
ビタミンB12と健康
心血管系疾患
心血管疾患は、アメリカなどの先進国で最もよくみられる死因であり、発展途上国においても増加している。心血管疾患のリスク因子には、低比重リポタンパク(low-density lipoprotein:LDL)値の上昇、高血圧、高比重リポタンパク(high-density lipoprotein:HDL)値の低下、肥満、糖尿病などがある[49]。
また、ホモシステイン値の上昇も、独立した心血管疾患のリスク因子として確認されている[50-52]。ホモシステインはメチオニン由来の含硫アミノ酸で、通常は血液中に存在している。ホモシステイン値の上昇は血栓の形成を亢進し、血管内皮による血管運動調整機能を損ない、脂質の過酸化を促進させ、血管平滑筋の増殖を引き起こすと考えられている[50,51,53]。後ろ向き横断的研究ならびに前向き研究からの科学的根拠(エビデンス)は、冠動脈心疾患および脳卒中とホモシステイン値の上昇とを関連付けている [50,53-62]。
ビタミンB12、葉酸、ビタミンB6は、ホモシステインの代謝に関与している。ビタミンB12が不足した状態では、メチオニン合成酵素の機能が不十分となり、ホモシステイン値は上昇する可能性がある[6]。複数のランダム化比較試験の結果から、ビタミンB12サプリメントと葉酸サプリメントを併用すると、ビタミンB6の併用・非併用に関係なく血管疾患あるいは糖尿病の患者、および若年成人女性で、ホモシステイン値が減少することが示されている[63-71]。別の研究では、マルチビタミン・ミネラルのサプリメントを8週間摂取した高齢者に、ホモシステイン値の有意な低下がみられた[72]。
ある研究のエビデンスとして、葉酸およびビタミンB12サプリメントにホモシステイン値を低下させる役割があることが示されているが、複数の大規模前向き研究からのエビデンスでは、それらのサプリメントが心血管疾患のリスクを低下させるということは示されていない[52,66-71]。心血管疾患の発現リスクが高く、ビタミンB12 1mg、葉酸2.5mg、ビタミンB6 50mgを含有するサプリメントを7.3年間連日摂取している女性を対象としたWomen's Antioxidant and Folic Acid Cardiovascular研究では、ホモシステイン値が低下したにも関わらず、主要な心血管イベントのリスクの減少はみられなかった[69]。Heart Outcomes Prevention Evaluation(HOPE)2試験では、54歳以上の血管疾患あるいは糖尿病の患者5,522例が対象となり、葉酸2.5mg、ビタミンB6 50mg、ビタミンB12 1mgによる平均5年間の連日治療で、ホモシステイン値および脳卒中リスクが低下したことが判明したが、主要な心血管イベントのリスクは減少しなかった[67]。Western Norway B Vitamin Intervention試験では、冠動脈造影を受けている3,096例が対象となり、1年間にわたるビタミンB12 0.4mgと葉酸 0.8mgのサプリメントおよびビタミンB6 40mgとの併用あるいは非併用での連日摂取により、ホモシステイン値が30%低下したが、38カ月の追跡期間中の全死亡率あるいは主要な心血管疾患イベントリスクには影響を及ぼさなかった[70]。<638>Norwegian Vitamin(NORVIT)試験[66]とVitamin Intervention for Stroke Prevention試験は同様の結果であった[71]。
米国心臓協会(American Heart Association)は、現在のエビデンスでは、ビタミンB群に心血管リスクを減少させるという役割があることを裏付けるのは不十分だと結論づけている[52]。
認知症および認知機能
研究者らは、ビタミンB12欠乏症と認知症との潜在的な関連性について関心を抱いてきた[51,73]。ビタミンB12が欠乏すると血中のホモシステインが蓄積し[6] 、神経伝達物質の代謝に必要とされる物質の値が低下する可能性がある[74]。観察研究では、ホモシステイン値の上昇と、アルツハイマー病および認知症の双方との間に明白な因果関係が示されている[6,51,75]。また、低ビタミンB12も認知機能低下と明らかに関連性がみられる[76]。
ビタミンB12によりホモシステイン値が低下し、低ビタミンB12と認知機能低下に相関性がみられるというエビデンスがあったとしても、研究では認知機能に対するビタミンB12の単独効果は示されていない[77-81]。あるランダム化二重盲検プラセボ対照試験では、認知障害がない、または中等度の認知障害がみられる70歳以上の高齢者195例を対象とし、ビタミンB12 1,000µg、ビタミンB12 1,000µg+葉酸400µg、あるいはプラセボが24週間投与された [77]。ビタミンB12+葉酸投与群ではホモシステイン濃度が36%低下したが、ビタミンB12投与群とビタミンB12+葉酸治療群のいずれにおいても認知機能の改善はみられなかった。
Women's Antioxidant and Folic Acid Cardiovascular研究では、心血管疾患リスクの高い女性参加者を、ビタミンB12 1mg+葉酸 2.5mg+ビタミンB6 50mgを含有するサプリメントの連日投与群、とプラセボ群のいずれかに無作為に割り付けた[80]。平均1.2年後、ビタミンB類補充群では、プラセボ群に比べ、開始時点からの認知機能の平均的変化に影響はみられなかった。しかし、ベースライン時に食物由来のビタミンB摂取量が低かった女性の小集団では、ビタミンB補充により認知機能低下速度が有意に抑えられた。Alzheimer's Disease Cooperative 研究団体により行われた試験では、軽度~中等度のアルツハイマー病患者を対象とし、ビタミンB12 1mg、葉酸 5mg、ビタミンB6 25mgが18カ月間連日投与されたが、プラセボ群に比べ、認知機能低下の緩徐化はみられなかった[81]。認知症リスクのある142人を対象とした別の研究でも、葉酸 2mg、ビタミンB12 1mgが12週間投与され、同様の結果であった [79]。
二つのコクランレビュー、および、ビタミンB群の認知機能に対する効果に関するランダム化比較試験のシステマティックレビュー著者らは、ビタミンB12単独投与、あるいはビタミンB6か葉酸との併用投与が認知機能または認知症へ効果があるかどうかを示す科学的根拠(エビデンス)は不十分と結論づけた[82-84]。ビタミンB12が認知機能や認知症に対し直接的な効果があるかどうかを評価するためには、ビタミンB12補充療法についてのさらなる大規模臨床試験が必要である[6]。
エネルギーと持久力
エネルギー代謝での役割から、ビタミンB12はよくエネルギー増強剤、運動能力や持久力の増幅剤として宣伝された。この宣伝文句は、ビタミンB12欠乏症によって生じた巨赤芽球貧血を治療することにより、貧血による疲労感、体力低下などの症状が改善するという事実に基づいている。しかし、栄養摂取不足がない場合、ビタミンB12補充による運動能力に対する有効性はないと思われる [85]。
ビタミンB12過剰摂取による健康上のリスク
米国医学研究所(IOM)は、ビタミンB12は有毒となる可能性が低いため耐容上限量(UL)は設けていない。食事摂取基準:チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、パントテン酸、ビオチン、コリンにおいて、IOMは、「健康な人で、食物やサプリメントから過剰なビタミンB12をした場合の有害事象はみられていない」と明言している[5]。
介入試験からの結果は、その結論を裏づけている。NORVIT試験およびHOPE試験において、ビタミンB12補充(葉酸とビタミンB6との併用)で0.4 mgを40カ月間(NORVIT試験)、1.0 mgを5年間(HOPEの2試験)投与した場合、重篤な有害事象は一切起こらなかった[66,67]。
医薬品との相互作用
ビタミンB12は一部の医薬品と相互作用を起こす可能性がある。加えて、複数の医薬品によりビタミンB12値に悪影響が及ぶことがある。以下に例を記載する。該当する医薬品や他の医薬品を定期的に服用している人は、ビタミンB12の状態について担当の医療スタッフと話し合うべきである。
クロラムフェニコール
クロラムフェニコール(Chloromycetin®)は、静菌的抗菌薬である。症例報告からの限定された科学的根拠(エビデンス)によれば、クロラムフェニコールは、一部の患者で、ビタミンB12補充治療に対する赤血球の反応を妨げる可能性があることが示されている [86]。
プロトンポンプ阻害剤
オメプラゾール (Prilosec®) やランソプラゾール(Prevacid®)などのプロトンポンプ阻害薬は、胃食道逆流症や消化性潰瘍の治療に使われる。これらの医薬品は、胃内への胃酸分泌を緩徐化することにより、食物中のビタミンB12の吸収を妨げる可能性がある [87-89]。しかし、エビデンスによれば、プロトンポンプ阻害薬使用によるビタミンB12値への影響の有無について一定の見解は得られていない[90-93]。予防策として、医療スタッフは、長期間プロトンポンプ阻害薬を服用している患者では、ビタミンB12 の状態を検査すべきである[86]。
H2受容体拮抗薬
消化性潰瘍の治療に使われるヒスタミンH2受容体拮抗薬には、シメチジン(Tagamet®)、ファモチジン(Pepcid®)、ラニチジン(Zantac®)などがある。これらの薬は、胃内への胃酸分泌速度を緩徐化することにより、食物からビタミンB12が吸収されるのを妨げる可能性がある。H2受容体拮抗薬にはビタミンB12欠乏症を起こす可能性があるが[94]、長期使用後であってもビタミンB12欠乏症を促進するということを示すエビデンスはない[93]。臨床的に意味のある影響は、特に2年以上H2受容体拮抗薬を連用し、ビタミンB12の貯蔵量が不十分な患者で多くみられると思われる[94]。
メトホルミン
メトホルミンは糖尿病治療に使用される血糖降下薬で[95-97]、おそらく、腸運動の変動、腸内細菌の過剰繁殖の促進、回腸細胞でのビタミンB12-内因子複合体のカルシウム依存性取り込みの変動により ビタミンB12の吸収を低下させると考えられている[95-97]。小規模研究および症例報告により、メトホルミンを服用している患者の10~30%で、ビタミンB12の吸収が減少したことが示唆されている[96,97]。2型糖尿病患者を対象としたランダム化プラセボ対照試験では、4.3年間のメトホルミン治療によりビタミンB12値が有意に19%減少し、プラセボ群に比べ、ビタミンB12欠乏症のリスクが7.2%増加した[96,97]。一部の研究では、カルシウムの補充がメトホルミンによるビタミンB12吸収障害の改善に有用な可能性が示唆されているが、すべての研究者の意見が一致しているわけではない[99]。
ビタミンB12と健康的な食事
米連邦政府が公表している「アメリカ人のための食生活の指針2015-2020」では、「栄養は主として食事から摂取すべきである。栄養分を豊富に含む食物(多くは未加工品)には、サプリメントに含まれることの多い必須ビタミンやミネラルだけでなく、食物繊維や体によい天然成分も含有している。場合によっては、強化食品やサプリメントは、補充しなければ推奨量を下回る可能性のある1つ以上の栄養素の摂取に有用と考えられる」と指摘している。
健康的な食事に関する詳細はDietary Guidelines for Americans(アメリカ人のための食生活指針)(英語サイト)と米国農務省の食事の指針システム、MyPlate(私の食事)(英語サイト)を確認すること。
「アメリカ人のための食生活指針」では健康的な食事を次のように述べている。
- 魚や赤身肉はビタミンB12の優れた供給源である。また、鳥肉や卵類にもビタミンB12が含まれている。
- さまざまな種類の野菜、果物、全粒穀物、無脂肪もしくは低脂肪牛乳と乳製品、油を重視している
- 牛乳や乳製品はビタミンB12の良好な摂取源である。多くのインスタント朝食用シリアルは、ビタミンB12が添加され栄養価が強化されている。
- 魚介類、赤身の肉、鶏肉、卵、マメ科植物(インゲン豆、エンドウ豆)、ナッツ類、種子、大豆食品などのタンパク質食物に含む。
- 飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、添加糖質、塩分および(ナトリウム)を少なくする。
- 1日に必要なカロリー摂取量を超えない。
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監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日
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