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海外の情報

コエンザイムQ10
Coenzyme Q10

[補足]
本文中の必要摂取量、推奨摂取量、上限値・下限値等は米国人を対象としたデータです。日本人に関するデータについては「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」などをご参照ください。
日本人の食事摂取基準(厚生労働省)

本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版改訂年月(翻訳時):2019年1月

コエンザイムQ10(Coenzyme Q10:CoQ10)は、体内に自然に存在する物質で、心臓、肝臓、腎臓、膵臓に高濃度で認められます。アメリカではサプリメントとして販売されています。CoQ10は体内で重要な機能を担っており、何らかの疾患を有する患者ではこの物質の濃度が低下しているため、研究者らはCoQ10サプリメントに健康上の有益性(ベネフィット)があるかどうかを検討することに関心を持っています。

要点は?

  • Q10にはがん治療における有用性は認められていませんが、がん化学療法薬の1種によって引き起こされる心疾患のリスクを減少させると考えられています。
  • CoQ10が心疾患予防に役立つかどうかを検証したのは数件の研究のみであり、その結果は暫定的なものです。心疾患におけるCoQ10の効果に関する研究も暫定的なものです。しかし、CoQ10が心臓手術のいくつかの合併症のリスクを軽減することを示す科学的根拠(エビデンス)があります。
  • 各研究の結果はさまざまですが、全般的なエビデンスは、CoQ10が、スタチンとして知られているコレステロール降下薬による筋肉痛を軽減するという考えを支持するものではありません。
  • 現在入手可能な少数のエビデンスは、CoQ10には高血圧症対する意義のある効果は恐らく認められないということを示唆しています。
  • 米国神経学会や米国頭痛学会のガイドラインでは、CoQ10は片頭痛予防に「有効と考えられる」が、この結論は限定的なエビデンスに基づいていると記されています。
  • 国立衛生研究所が資金提供したある大規模な研究では、通常よりも高用量で投与してもCoQ10は初期のパーキンソン病(英語サイト)患者の症状を改善しないことが示されました。この研究やその他いくつかの小規模な研究に関する2017年の評価では、CoQ10はパーキンソン病に有用ではないという結論に至りました。
  • また、CoQ10は筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリッグ病)、ダウン症候群、ハンチントン病、男性の不妊症など、その他のさまざまな疾患についても検証されてきましたが、研究は限定的なものであるため、結論を導き出すことはできませんでした。

安全性

  • CoQ10の重篤な副作用は報告されていません。不眠や消化不良などの軽度な副作用が起こる可能性があります。
  • CoQ10は、抗凝固薬(抗血栓薬)ワルファリンや糖尿病薬インスリンと相互作用を起こす可能性があり、いくつかの種類のがん治療薬と適合しない可能性もあります。

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【免責事項】

ダイエタリーサプリメント室が作成したこのファクトシートは、情報を提供するものであり、医師のアドバイスの代わりになるものではありません。サプリメントに関する興味・関心、疑問、利用法、何があなたの健康全般のために最善かについて尋ねたい場合は、医療スタッフ(医師、管理栄養士、薬剤師など)に相談することをお勧めします。この文書内で言及している個別の商品名は、その製品を推奨しているものではありません。

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監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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