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海外の情報

ヨガ
Yoga

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版最終改訂年月(翻訳時):2013年6月

ヨガは古代インド哲学に歴史的起源を持つ心身の訓練法です。健康改善目的で用いられる他の瞑想運動訓練法と同様に、通常、ヨガのさまざまな様式では、体の姿勢、呼吸法と瞑想やリラクゼーションが組み合わされています。本ファクトシートでは、ヨガについての基本的な情報を提供し、有効性や安全性についての科学的研究をまとめ、追加的な情報源を示しています。

キーポイント

  • 慢性的な腰痛をもつ人を対象とした最近の研究では、入念に改変したヨガのポーズにより痛みが緩和され、機能(歩行能力や運動能力)が改善することが示されています。また、ヨガは(他の通常のエクササイズと同様に)心拍数や血圧を低下させるなど他にも健康上の有益性があり、不安やうつ症状を緩和させる一助ともなります。別の研究では、ヨガは喘息には有用ではないことが示されており、ヨガと関節炎との関連を調べる研究では結論がさまざまで一致していません。
  • 高血圧、緑内障、坐骨神経痛の人や妊娠中の女性は、ヨガのポーズに修正を加えるか、一部のポーズは避けたほうがよいでしょう。
  • 信頼できる情報機関(医療スタッフや地域の医療機関)からヨガ実践者を紹介してもらいましょう。適切なトレーニングプログラムを修了したヨガ実践者を専門機関に問い合わせましょう。
  • あなたが行っている補完療法をすべてのかかりつけの医療スタッフに伝えてください。健康管理のためにあなたがどんなことをしているのか、すべて話しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

ヨガについて

完全なヨガは、体の姿勢、呼吸法、瞑想、独特な哲学が組み合わされています。ヨガには多くの様式があります。ハタヨガは米国や欧州でよく行われており、姿勢、呼吸法、瞑想を重視しています。ハタヨガのスタイルには、アナンダ、アヌサラ、アシュタンガ、ビクラム、アイアンガー、クリパル、クンダリーニ、ヴィニヨガなどがあります。

副作用とリスク

  • 一般的にヨガは、十分に訓練を積んだインストラクターの指導の下で適切に行えば、健康な人には負担が少なく安全です。
  • 全体的に、ヨガを実践する人において、副作用の頻度は低く、ヨガで重傷を負うリスクは非常に低いです。しかし、まれに起こりうる副作用として、ある種の脳梗塞や神経損傷による疼痛があります。
  • 妊娠中の女性や高血圧、緑内障(眼圧が徐々に上昇し、視神経に損傷を与える疾患)、坐骨神経痛(腰部からふくらはぎ、足やつま先に至ることもある痛みや脱力、麻痺、刺痛)などの疾患がある人は、一部のヨガのポーズに修正を加えるか、避ける方がよいでしょう。

米国における健康のためのヨガの現状

2007年の国民健康調査(NHIS)でのアメリカ人の補完療法使用状況の包括的調査によれば、ヨガは成人で6番目によく用いられている補完療法です。過去一年間に、1300万人以上の成人がヨガを行い、2002年から2007年のNHISの間に、成人のヨガの使用は1%(約300万人)増加しました。また、2007年の調査で150万人以上の小児がその前年にヨガを行っていたこともわかりました。

多くの人々は、健康維持、体力向上、ストレス解消、生活の質の改善のためにヨガを行っています。また、背部痛、首の痛み、関節痛、不安など特定の健康障害の改善に取り組んでいる場合もあります。

ヨガの科学的根拠

現在の研究で、入念に改変したヨガのポーズにより腰痛が緩和され、機能を改善することが示されています。他の研究でもヨガは(他の通常のエクササイズと同様に)生活の質を改善し、ストレスを緩和し、心拍数や血圧を下げ、不安やうつ症状、不眠を和らげ、全体的な体調、体力、柔軟性を向上させることが示されています。しかし、一部の研究によると、ヨガで喘息は改善しない可能性があることが示され、ヨガと関節炎の関連を調査する研究では結論が分かれています。

  • NCCIHが助成した、慢性腰痛をもつ90人を対象としたある研究では、アイアンガーヨガを行った参加者は、身体障害、痛み、うつ症状が6カ月後に統計学的有意差をもって緩和されたことが分かりました。
  • 同じくNCCIHが助成した2011年の研究では、慢性腰痛のある成人228人を対象に、ヨガと、通常のストレッチ・エクササイズまたはセルフケア本による治療とが比較検討されました。ヨガとストレッチはともに、機能改善と慢性的な腰痛の緩和において、セルフケア本より有効であるという結果が示されました。
  • 慢性または再発性腰痛の成人313人を対象とした別の2011年の研究では、12週間のヨガクラスを受けた人の方が、通常の治療を受けた人よりも機能が改善したという結論が示されました。

しかし、特定の健康障害は、ヨガでは改善しないことを示す研究があります。

  • 2011年に行われた臨床試験の系統的レビューでは、ヨガが喘息を改善するという根拠はないであろうということが示唆されました。
  • 2011年に行われた文献レビューでは、ヨガと関節炎の関連についての調査発表はわずかであり、その中でも結論は出ていないと報告されています。関節炎の主な2つの病型である変形性関節症および関節リウマチは異なる疾患のため、ヨガの効果はそれぞれ同一ではない可能性があります。また、評論家らは、研究でヨガが変形性関節炎の手指関節に対し有用であることが示されても、膝関節には有用でない場合もあると示唆しました。

健康のためのヨガの科学的結果の動画 (16分37秒:3つの別チャプターとしても表示可能)

NCCIHの動画には以下のものがあります:

  • 高齢者が特定のヨガのポーズでどのように筋肉や関節を使うかを調べる革新的技術の様子(George Salem, Ph.D.、南カリフォルニア大学)
  • 慢性腰痛(一般的にみられ治療困難な障害)をもつ人にヨガが有益であることを示すため、厳正に計画され行われた研究の概要(Karen Sherman, Ph.D., M.P.H., Group Health Research Institute)
  • ヨガを検討されている方に対する「推奨事項と禁止事項」

教育訓練、免許および資格

米国にはヨガインストラクターのためのプログラムがたくさんあります。これらのプログラムは数日間から2年以上のものまでさまざまです。インストラクターの養成や認定の基準は、ヨガの様式によって異なります。

一定のカリキュラムと教育水準に応じたヨガ指導員および訓練プログラムが登録される機関があります。たとえば、ある非営利団体(ヨガ連盟)では、技法、指導法、解剖学、生理学、哲学などの分野での所定の時間を含め、最低でも200時間以上のトレーニングが必要とされます。ほとんどのヨガセラピスト訓練プログラムでは500時間以上のトレーニングが必要です。国際ヨガセラピスト協会(International Association of Yoga Therapists)ではヨガセラピー訓練の基準を策定中です。

ヨガをお考えの方に

  • ヨガ療法は、通常医療の代わりとして、または医学的問題について医療機関受診を後回しにする理由として用いてはいけません。
  • 疾患がある方は、事前に医療機関に相談してください。
  • 信頼できる情報機関(かかりつけの医療スタッフやお近くの病院など)にヨガ実践者を紹介してもらいましょう。 あなたが検討しているヨガ実践者の訓練歴や経験について調べましょう。さらに詳しく知りたい場合は「補完代替医療の施術者を選ぶ」をご覧ください。
  • 人の体はそれぞれ違うため、ヨガのポーズも個人の能力に合わせて変更しなくてはいけません。経験があり、あなたのニーズに気を配ってくれるインストラクターを慎重に選ぶことは、ヨガを安全に行う上で重要な一歩です。あなたが関心を持っているヨガの種類が及ぼす体への負荷について尋ね、インストラクターにあなたの健康上の問題について全て伝えてください。
  • 関心のあるヨガの様式について慎重に考えましょう。たとえば、ホットヨガ(ビクラムヨガなど)では、約40度もの高温多湿な環境で立ったり動いたりします。そのような設定では肉体的に大きな負荷がかかることがあるため、ホットヨガを行う人は、安全策を取らなくてはいけません。ホットヨガを始める前後や行っている間に水を飲む、適切な服装にするなどすることが大切です。心臓疾患や肺疾患など、過度の熱により悪影響を受ける可能性のある人や、熱中症の既往歴がある人は、このタイプのヨガは避けたほうがいいでしょう。妊娠中の女性はホットヨガを始める前に医療機関に相談してください。
  • あなたが行っている補完療法をすべてのかかりつけの医療スタッフに伝えてください。健康管理のためにあなたがどんなことをしているのか、すべて話しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。
    医療スタッフに補完療法について話す際のポイントについては、NCCIH’s Time to Talk campaignをご覧ください。

【補足】

「補完代替医療の施術者を選ぶ」の翻訳サイトは以下を参照してください
NCCIH’s Time to Talk campaignの翻訳サイトは以下を参照してください

NCCIHによる研究助成

本ファクトシートでは腰痛、うつ症状、ストレス、血圧、不眠などの症状に対するヨガの研究について説明してきました。NCCIHでは、現在、ヨガの実践がどのように作用するかということについて調べる研究を支援しています。

  • 糖尿病リスク
  • ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
  • 免疫機能
  • さまざまな関節炎
  • 更年期症状
  • 多発性硬化症
  • 心的外傷後ストレス障害
  • 禁煙

さらなる情報

■ NCCIH 情報センター

NCCIH情報センターは、NCCIHに関する情報、および科学論文・医学論文の連邦データベースの公開や検索などの補完療法に関する情報を提供しています。情報センターでは医学的なアドバイス、治療の推奨や施術者の紹介は行いません。

米国内の無料通話:1-888-644-6226
テレタイプライター(TTY、聴覚障害者や難聴の方用):1-866-464-3615
ウェブサイト: nccih.nih.gov
E-mail:info@nccih.nih.gov

■ PubMed®

国立医学図書館(NLM)[米国]のサービスであるPubMed®には、公表文献の情報および(ほとんどの場合)科学・医学雑誌の論文からの短い要約が掲載されています。

ウェブサイト:www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed

■ NIH Clinical Research Trials and You(NIHクリニカル・リサーチ・トライアル・アンド・ユー)

国立衛生研究所(NIH)[米国]が開設したウェブサイトです。一般の人々に、臨床試験の重要性や、どうすれば臨床試験に参加できるのかを知ってもらうために開設されました。サイトには、臨床試験に関する質問と回答、臨床試験の情報を探す方法(ClinicalTrials.govなどの情報検索サイトやその他の情報源)、臨床試験に参加した人の体験談などが掲載されています。臨床試験は、病気を予防、診断、治療するうえで、よりよい方法を見つけ出すために必要な試験です。

ウェブサイト:www.nih.gov/health/clinicaltrials/

■ NIH National Library of Medicine's MedlinePlus

MedlinePlus(国立医学図書館[米国]が行っているサービス)は、健康に関する疑問を解決する資料提供のために、国立衛生研究所[米国]および他の政府機関、健康関連組織からの信頼できる情報をまとめています。

ウェブサイト:www.medlineplus.gov

主な参考文献

国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]は、個人の参考情報として、この資料を提供しています。この資料は、あなたのプライマリーヘルスケア提供者(かかりつけ医等)の医学専門知識やアドバイスに代わるものではありません。NCCIHは、治療やケアについて意思決定をする場合は、必ずかかりつけの医療スタッフと相談することをお勧めします。この資料に記載されている特定の製品、サービス、治療法のいずれも、NCCIHが推奨するものではありません。

監訳:伊藤壽記(大阪大学)、大野智(帝京大学) 翻訳公開日:2014年3月28日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
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