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海外の情報

経口プロバイオティクス
Oral Probiotics

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版最終改訂年月(翻訳時):2016年10月

肝心なことは?

■ プロバイオティクスについて

プロバイオティクスについて非常に多くの研究がなされてきましたが、多くのことはまだ解明されていません。

■ プロバイオティクスの有効性に関してわかっていること

感染症や抗生物質による下痢を予防する効果があると考えられるプロバイオティクスがあります。これらのプロバイオティクスは、過敏性腸症候群の症状にも効果がある場合があります。しかしその効果は明証されてはおらず、すべてのプロバイオティクスが同じ効能を持っているわけではありません。

■ プロバイオティクスの安全性に関してわかっていること

プロバイオティクスは通常、健常者には、あったとしてもごくわずかな副作用しかありません。しかし健康上問題のある人(免疫システムが弱っているなど)にとっては、感染症などの重篤な合併症が報告されることがあります。

プロバイオティクスとは?

プロバイオティクスは、健康上有益であると考えられる生きた微生物です。プロバイオティクスとして販売されている製品には食品(ヨーグルトなど)、栄養補助食品、スキンクリームなどの経口でない製品などがあります。

バクテリアやその他の微生物はよく有害な「細菌」と考えられていますが、多くの微生物は私たちの身体の機能が適切に働くのを助ける働きをしています。例えば通常腸内にいる細菌は、食べ物を消化し病原菌を殺菌しビタミンを生成するのを助けます。非常に多くの微生物が私たちの身体に生息しています。実際、人体に生息する微生物の数は体細胞より10対1の割合で上回っています。プロバイオティクス製品に入っている微生物の多くは、私たちの体内で自然に生息している微生物と同じかまたは良く似ているものです。

プロバイオティクスの効果の科学的根拠

以下のようなさまざまな健康上の問題を予防または治療する効果がプロバイオティクスにある可能性があるのかを明らかにするために、研究調査されています。

  • 感染症による下痢などの消化管障害、抗生物質関連の下痢、過敏性腸症候群および炎症性腸疾患など消化器疾患
  • アトピー性皮膚炎(湿疹)およびアレルギー性鼻炎(花粉症)などのアレルギー疾患
  • 虫歯、歯周病、およびその他の口腔の健康上の問題
  • 幼児の仙痛
  • 肝臓病
  • 風邪
  • 超低出生体重児の壊死性腸炎の予防

感染症や抗生物質による下痢の予防や過敏性腸症候群の症状の改善に効果のあるプロバイオティクスがあるという予備的エビデンスがありますが、さらなる調査が必要です。またどのプロバイオティクスが有効で、どのプロバイオティクスがそうでないかは、まだはっきりしていません。さらに、プロバイオティクスをどの程度摂取しなければならないか、またプロバイオティクスの摂取によりその効果が最も表れるのは誰かもはっきりしていません。最も研究されている疾患についてさえも、これらの答えはいまだにわからないのです。

プロバイオティクスはすべて同じではありません。例えばある特定の乳酸桿菌属(Lactobacillus)がある疾患の予防に効果があるとしても、他の乳酸桿菌属も同じ効果があるとは限りませんし、ビフィドバクテリウム属 (Bifidobacterium)に同じ効果があるものがあるとも限りません。

プロバイオティクスの中には研究で効果が証明されるものもありますが、多くの健康状態に対するプロバイオティクスの特定の利用方法をサポートできるだけの確固たる科学的エビデンスは十分ではありません。食品医薬品局(FDA)[米国]は、健康上の問題の予防や治療のためのプロバイオティクスの承認は行っていません。プロバイオティクスの売買や利用が急速に伸びて、多くの提案されている利用法や有効性の科学的調査を上回る可能性があると懸念する専門家もいます。

プロバイオティクスの安全性と副作用の科学的根拠

プロバイオティクスがあなたにとって安全であるかどうかは、あなたの健康状態によります。

  • 一般的に健康な人にとっては、プロバイオティクスは安全です。副作用は、仮に起こるとすれば、通常ガスなどの軽度の消化管症状ぐらいです。
  • 一方重篤な医学上の問題をかかえている患者にとっては、危険な感染症などの重度の副作用とプロバイオティクスが関係あるとする報告もあります。重度の副作用の危険が最もある患者は、重病の患者、手術歴のある患者、重症の幼児、免疫システムが弱っている患者などです。重度の副作用の危険が最もある患者は、重病の患者、手術歴のある患者、重症の幼児、免疫システムが弱っている患者などです。
    健康な人でもプロバイオティクスの安全性に関しては確かではありません。プロバイオティクスの安全性に関しては詳細な研究があまりなされていないので、現在は安全性に関する疑問の答えには情報が不十分なものもあります。安全性に関する知識の多くは乳酸桿菌属(Lactobacillus)およびビフィドバクテリウム属 (Bifidobacterium)の研究によるもので、その他のプロバイオティクスについてはそれ程知られていません。プロバイオティクスの長期安全性に関する情報は限られており、安全性はプロバイオティクスのタイプにより異なる可能性があります。例えば国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]の助成する研究である種の乳酸桿菌属(Lactobacillus)が65歳以上の健康成人において安全であるようであることが認められましたが、すべてのプロバイオティクスがこの年齢層の人に安全であるとは言い切れません。

NCCIHによる研究助成

NCCIHではプロバイオティクスに関連するさまざまな研究プロジェクトを支援しています。

さらに考慮しなければならないこと

  • 科学的に立証された治療法を、未承認の製品や代替療法に置き換えないでください。プロバイオティックスのような補完療法は、通常医療の代わりとして、または医学的問題について医療機関への受診を後回しにする理由として用いてはいけません。
  • もしプロバイオティクスのサプリメントを摂ることを考えている場合には、まず医療スタッフに相談しましょう。あなたに健康上の問題がある場合は特に気をつけなければなりません。重篤な健康状態にある人はプロバイオティクスの摂取期間中、注意深く観察されるべきです。
  • もし妊娠していたり、授乳期間中であったり、また子供にプロバイオティクスなどのサプリメントを与えることを考えているなら、あなた自身(あるいはあなたの子供の)かかりつけの医療スタッフに相談することは特に大事です。
  • あなたが行っている補完・統合療法をすべてのかかりつけの医療スタッフに伝えてください。
    健康管理のためにあなたがどんなことをしているのか、すべて話しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

さらなる情報

■ NCCIH 情報センター

NCCIH情報センターは、NCCIHに関する情報、および科学論文・医学論文の連邦データベースの公開や検索などの補完・統合療法に関する情報を提供しています。情報センターでは医学的なアドバイス、治療の推奨や施術者の紹介は行いません。

米国内の無料通話:1-888-644-6226
テレタイプライター(TTY、聴覚障害者や難聴の方用):1-866-464-3615
ウェブサイト: nccih.nih.gov
E-mail:info@nccih.nih.gov

■ PubMed®

国立医学図書館(NLM)[米国]のサービスであるPubMed®には、公表文献の情報および(ほとんどの場合)科学・医学雑誌の論文からの短い要約が掲載されています。PubMedの利用に関するNCCIHのガイダンスについては、How To Find Information About Complementary Health Approaches on PubMed を参照してください。

ウェブサイト:www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed

■ NIH National Library of Medicine's MedlinePlus

MedlinePlus(国立医学図書館[米国]が行っているサービス)は、健康に関する疑問を解決する資料提供のために、国立衛生研究所[米国]および他の政府機関、健康関連組織からの信頼できる情報をまとめています。

ウェブサイト:www.medlineplus.gov

主な参考文献

謝辞

NCCIHは、このサイト情報2015年版からの更新における協力に対して次の人に感謝します。
Patricia Hibberd, M.D., Ph.D., Harvard Medical School and Linda Duffy, Ph.D., and David Shurtleff, Ph.D., NCCIH

このサイトの情報は著作権で保護されておらず公開されています。複製も奨励されています。

NCCIHは、個人の参考情報として、この資料を提供しています。この資料は、あなたのプライマリーヘルスケア提供者(かかりつけ医等)の医学専門知識やアドバイスに代わるものではありません。NCCIHは、治療やケアについて意思決定をする場合は、必ずかかりつけの医療スタッフと相談することをお勧めします。この資料に記載されている特定の製品、サービス、治療法のいずれも、NCCIHが推奨するものではありません。

監訳:大野智、安枝明日香(大阪大学) 翻訳公開日:2017年3月29日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
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