• 一般の方へ
  • 医療関係者の方へ
  • 統合医療エビデンス
  • 「統合医療」とは?
  • 情報の見極め方
  • 冊子・資料
  • 海外の情報
ホーム  >  海外の情報  >  ホメオパシー

海外の情報

ホメオパシー
Homeopathy

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版最終改訂年月(翻訳時):2015年4月

ホメオパシー医療としても知られるホメオパシーは200年以上前にドイツで確立された代替医療体系です。このファクトシートではホメオパシーの総括とさらなる情報源を提供しています。

キーポイント

  • 特定の症状の効果的な治療法として、ホメオパシーを支持する証拠はほとんどありません。
  • すべてのホメオパシー治療薬は高度希釈されており、害はないとされていますが、一部のホメオパシーとラベル表示されている製品で、相当量の活性成分を含んでいる場合があり、それにより副作用や薬物相互作用を引き起こす可能性があります。
  • ホメオパシー治療薬は食品医薬品局(FDA)[米国]により管理対象に指定されていますが、FDAはホメオパシー治療薬の安全性と有効性の評価を行っていません。
  • ホメオパシーのいくつかの主要な概念は、科学と物理の基本概念に反する部分があります。ホメオパシー治療薬の厳密な臨床研究を実施するには、いくつかの重要な課題があります。
  • あなたが行っている補完療法をすべてのかかりつけの医療スタッフに伝えてください。健康管理のためにあなたがどんなことをしているのか、すべて話しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

はじめに

ホメオパシーの代替医療体系は18世紀の終わりにドイツで確立されました。ホメオパシー支持者は、従来とは異なる2つの理論を強調しています。一つは「類似したものは類似したものを治す(同種の法則)」で、ある物質を健康な人に投与すると起こる症状を、その症状がある人にその物質を投与すると治るという考えです。もう一つは「超微量の法則」という考えで、薬剤が微量であるほど、その有効性が高くなるという考えです。多くのホメオパシー治療薬は元の物質の分子がなくなるほど高度に希釈されています。
ホメオパシー用の治療薬は赤たまねぎ、アルニカ(高山に生えるキク科の多年草)、蜂を丸ごとつぶしたもの、亜ヒ酸、ツタウルシ、ベラドンナ、イラクサなどの植物やミネラル、生物に由来します。ホメオパシー治療薬は多くの場合、砂糖玉として製剤化され、舌下より服用しますが、軟膏、ゼリー状、ドロップ、クリーム、錠剤など他の剤形を用いる場合もあります。治療は個人に合わせて(オーダメイド)で行われます。同じ症状でも人が異なれば、治療も異なるのは珍しいことではありません。

米国での使用状況

2007年に米国で行われた、アメリカ人による補完療法の利用に関する広範囲な調査を含む、国民健康調査によると、推定390万人の成人と91万人の子供が前年にホメオパシーを利用しています。これらの推定には「ホメオパシー」とラベル表示されている市販薬の使用およびホメオパシー医の受診も含まれています。ホメオパシー治療薬の成人の総自己負担費は29億ドルで、ホメオパシー医の総受診費は1億7千万ドルです。

ホメオパシー研究の進展状況

ホメオパシー研究についての厳密な臨床試験と系統的解析の大部分は、ホメオパシーが特異的な症状を効果的に治療することを支持する根拠がほとんどないことを結論づけています。

オーストラリア政府の国立保健医療研究委員会による2015年の包括的エビデンス評価では、ホメオパシーが有効であるという信頼できるエビデンスのある健康状態はないと結論づけています。

補完医療の研究において、ホメオパシーは議論を呼んでいます。ホメオパシーの多くの主要概念は化学や物理の基本概念に反する部分があります。例えば、有効成分がわずかもしくは全く含まれていないホメオパシー治療薬がいかにして有効性を発揮するのかを科学用語で説明するのは不可能です。このことがホメオパシー治療薬の厳密な臨床研究への大きな課題を次々に生み出しています。例えば高度希釈されたホメオパシー治療薬のラベルに成分表示されている物質を確認することができないことや、高度希釈された治療薬が人体に示す有効性を客観的に測定する方法を見つけられないことなどです。

研究における他の問題は、ホメオパシー療法はきわめて個別化されており、ホメオパシー医が参考にできる統一処方基準がないことです。何百種類もの異なるホメオパシー治療薬が存在し、何千もの症状に合わせてさまざまな異なる希釈で処方されます。

副作用とリスク

  • ある種のホメオパシー製品(「同毒薬」もしくは「ホメオパシーワクチン」と呼ばれている)が従来の予防接種の代用品として一部から推進されてきましたが、そのような主張を支持する十分なデータはありません。国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]は、疾病予防管理センター(CDC)[米国]が推奨する予防接種を支持します。ワクチンの詳細はwww.vaccines.gov をご確認ください。
  • 多くのホメオパシー治療薬が高度希釈されている一方で、ホメオパシーとして販売されているもの、もしくはホメオパシーとラベル表示されているものが、高度希釈されていない場合があり、それらは相当量の活性成分を含んでいる可能性があります。いかなる薬物やサプリメントも化学成分を含んでいるように、これらのホメオパシー製品も副作用や薬物相互作用を起こす可能性があります。この種のホメオパシー製品による健康への悪影響が報告されています。
  • 2007年の系統的レビューによると、高度希釈されたホメオパシー治療薬は、研修を受けた専門家の監督下で摂取した場合は通常安全であり、重篤な有害作用を起こす可能性は低いとされていますが、いかなる薬物やサプリメントと同様に、適切に製造されなければ危険をもたらす可能性があります。(例、微生物に汚染されている、もしくは誤った希釈法など)
  • 2012年の症例報告やケースシリーズの系統的レビューでは、ある種のホメオパシー療法(高度希釈されていない水銀や鉄などの重金属を含むもの)の利用、もしくは効果的な通常治療から効果のないホメオパシー療法に切り替えることは、重篤にもなりうる有害作用を引き起こす可能性があると結論づけています。
  • 液状のホメオパシー治療薬にはアルコールが含まれている可能性があります。食品医薬品局(FDA)[米国]は、従来の薬物で許可しているアルコールレベルよりも高いレベルの使用をこれらの治療薬で認めています。
  • ホメオパシー施術者は一部の患者が「ホメオパシー的悪化」(ホメオパシー処方薬を摂取後に一時的に現存の症状が悪化すること)を起こすことを想定しています。研究者は臨床研究においてこの反応のエビデンスを多くは見つけていませんが、ホメオパシー的悪化に関する研究もほとんどありません。あなたの症状の変化を常に医療スタッフと話し合ってください。
  • FDAは消費者に、ホメオパシーというラベルのある治療薬に関して注意をするように促しています。例えば2015年にFDAは、店頭で販売されているホメオパシーとラベルの貼ってある喘息薬を信用しないようにと消費者に警告しました。これらの治療薬はFDAによる安全性と有効性の評価を受けていません。

ホメオパシー療法の規制

ホメオパシー治療薬は連邦食品・医薬品・化粧品法(FDCA)に医薬品として管理対象に指定されていますが、現在の方針ではFDAはホメオパシー治療薬の安全性と有効性を評価していません。ホメオパシー薬のFDAの実施方針はFDAのコンプライアンス・ポリシー・ガイドの論文「Conditions Under Which Homeopathic Drugs May be Marketed」(CPG 7132.15)で述べられています。
一定の条件を満たしているホメオパシー治療薬はFDAの事前承認がなくても販売することができます。例えば、ホメオパシー治療薬に含まれる活性成分は、米国ホメオパシー薬局方(HPUS)に記載されているものでなければいけません。HPUSにはホメオパシー製品に合法的に含まれている可能性のある活性成分とその成分の力価基準、品質基準、純度基準が記載されています。さらに少なくとも一つの適応症(当該医薬品の有効性が確かめられた疾患)、成分一覧、活性成分の希釈回数、用法が、製品のラベル、外装、添付文書に明記されている必要があることをFDAは要求しています。がんのような重度の疾患治療を目的とする場合は、処方箋が必要になります。風邪や頭痛などの自然治癒可能な軽度の体調不良の治療を目的としたものに限り、処方箋なしで販売することができます。

資格・許可

アメリカにおけるホメオパシーの実施を規制する法律は州ごとに異なります。医師開業免許もしくはその他の医療専門的職業の免許を有する個人は通常ホメオパシー療法を合法的に実施することができます。一部の州では、免許をもたない専門家がホメオパシー療法を実施することもあります。
アリゾナ州、コネチカット州、ネバダ州にのみ医師(医学博士)と整骨医(整骨医学博士)のためのホメオパシーライセンス委員会があります。アリゾナ州とネバダ州はまた、ホメオパシーアシスタントにライセンスを発行し、ホメオパシー専門医の監督下でホメオパシー療法を実施する許可を与えています。一部の州ではカイロプラクティック、自然療法、理学療法にホメオパシー療法が含まれています。

ホメオパシー療法の利用をお考えの方に

  • 通常医療の治療の代わりにホメオパシーを利用する、または、病的疾患について医療機関を受診することを先送りにするために、ホメオパシーを利用しないでください。
  • ホメオパシー治療薬の使用を考え中の場合は、医療機関を受診する際にその治療薬をお持ちください。医療スタッフはその製品が副作用や薬物相互作用を起こす危険性があるかどうかを見極める手助けすることができるかもしれません。
  • 子供も大人も推奨されている従来の予防接種スケジュールに従いましょう。ホメオパシー製品を従来の予防接種の代用にするのはやめましょう。
  • 妊娠中あるいは授乳中の女性、または、小児へのホメオパシーの利用を考えている人は、あなたもしくはあなたの子供の医療スタッフに相談すべきです。
  • あなたが行っている補完療法をすべてのかかりつけの医療スタッフに伝えてください。健康管理のためにあなたがどんなことをしているのか、すべて話しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。
    医療スタッフに補完療法について話す際のポイントについては、NCCIH’s Time to Talk campaignをご覧ください。

【補足】

NCCIH’s Time to Talk campaignの翻訳サイトは以下を参照してください

さらなる情報

■ NCCIH 情報センター

NCCIH情報センターは、NCCIHに関する情報、および科学論文・医学論文の連邦データベースの公開や検索などの補完療法に関する情報を提供しています。情報センターでは医学的なアドバイス、治療の推奨や施術者の紹介は行いません。

Toll-free in the U.S.: 1-888-644-6226
TTY (for deaf and hard-of-hearing callers): 1-866-464-3615
Web site: nccih.nih.gov
E-mail: info@nccih.nih.gov

■ PubMed®

国立医学図書館(NLM)[米国]のサービスであるPubMed®には、公表文献の情報および(ほとんどの場合)科学・医学雑誌の論文からの短い要約が掲載されています。

Web site: www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed

■ U.S. Food and Drug Administration (FDA)(米国食品医薬品局)

FDAは、食品、医薬品、栄養補助食品、医療機器、化粧品などの多くの製品の安全性を監督しています。

米国内の無料通話:1-888-463-6332
Web site: www.fda.gov

■ NIH Clinical Research Trials and You(NIHクリニカル・リサーチ・トライアル・アンド・ユー)

国立衛生研究所(NIH)[米国]が開設したウェブサイトです。一般の人々に、臨床試験の重要性や、どうすれば臨床試験に参加できるのかを知ってもらうために開設されました。サイトには、臨床試験に関する質問と回答、臨床試験の情報を探す方法(ClinicalTrials.govなどの情報検索サイトやその他の情報源)、臨床試験に参加した人の体験談などが掲載されています。臨床試験は、病気を予防、診断、治療するうえで、よりよい方法を見つけ出すために必要な試験です。

Web site: www.nih.gov/health/clinicaltrials/

■ Research Portfolio Online Reporting Tools Expenditures & Results (RePORTER)

RePORTERは、研究機関において、政府が助成し現在実施されている科学・医学研究プロジェクトに関する情報のデータベースです。

Web site: projectreporter.nih.gov/reporter.cfm

■ NIH National Library of Medicine's MedlinePlus

MedlinePlus(国立医学図書館[米国]が行っているサービス)は、健康に関する疑問を解決する資料提供のために、国立衛生研究所[米国]および他の政府機関、健康関連組織からの信頼できる情報をまとめています。

Web site: www.medlineplus.gov

主な参考文献

謝辞

NCCIHは、このサイトの情報の更新における技術的な専門知識とレビューに対して次の人に感謝します。
Elisabeth Walther, Pharm.D., J.D. and colleagues, Office of Compliance, Center for Drug Evaluation and Research, U.S. Food and Drug Administration, and John (Jack) Killen, Jr., M.D., NCCIH.

このサイトの情報は著作権で保護されておらず公開されています。複製も奨励されています。

NCCIHは、個人の参考情報として、この資料を提供しています。この資料は、あなたのプライマリーヘルスケア提供者(かかりつけ医等)の医学専門知識やアドバイスに代わるものではありません。NCCIHは、治療やケアについて意思決定をする場合は、必ずかかりつけの医療スタッフと相談することをお勧めします。この資料に記載されている特定の製品、サービス、治療法のいずれも、NCCIHが推奨するものではありません。

監訳:大野智、安枝明日香(大阪大学) 翻訳公開日:2017年3月29日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
ページトップ