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海外の情報

太極拳
Tai Chi

本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。

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英語版最終アクセス確認日:2022年3月

太極拳とは?

太極拳は、ゆっくりとした穏やかな動きと身体の姿勢、瞑想的な精神状態、そして呼吸をコントロールしながら行う実践技法です。太極拳は、中国に古くから伝わる武術が起源です。年々、健康増進やリハビリテーションに重点を置くようになりました。

太極拳は転倒防止に役立ちますか?

太極拳は、高齢者やパーキンソン病患者のバランス(平衡感覚)改善や転倒防止に有益な可能性があります。太極拳が脳卒中や変形性関節症、心不全のある人の転倒を減らすのに役立つ可能性があるかどうかは不明です。

高齢者

2019年のレビューでは、地域在住の高齢者の転倒を予防するためのさまざまな種類の運動について検証しました。太極拳のセッションの期間と頻度は、研究によって異なっていました。転倒を減らすと考えられていない対照群の介入と比較して、太極拳は転倒率を19%減らす可能性があるという確実性の低いエビデンス(科学的根拠)(参加者2,655例による7件の研究に基づく)および太極拳は転倒経験者数を20%減らす可能性があるという確実性の高いエビデンス(参加者2,677例による8件の研究に基づく)がありました。また、その他の形態の運動も役立ちました。著者らは、バランス(平衡感覚)運動や機能的運動(椅子から立ち上がる、足を踏み出す、立ったまま回転するなどの日常動作に近い運動)が、転倒率を24%減少させ(参加者7,920例による39の研究に基づく)、1回以上の転倒を経験する人数を13%減少させる可能性(参加者8,288例による37件の研究に基づく)があるという確実性の高いエビデンスを得ることができました。

パーキンソン病

2021年のレビューでは、パーキンソン病患者の転倒に対する太極拳の効果に関する3件の研究が解析されています。この3件の研究では、参加者合計273例が60分の太極拳セッションを週2〜3回、12週間から6カ月間行いました。解析の結果、太極拳は介入なし、およびレジスタンストレーニング(筋肉トレーニング)やストレッチなどの異なる介入の両方と比較した場合、転倒の減少に有意に肯定的な効果があることが示されました。

一部の関連研究を含む3件のレビューの2020年の要約では、太極拳はパーキンソン病患者のバランス(平衡感覚)を改善し、転倒を減らすのに役立つ可能性があるが、エビデンスの確実性は低いと考えられました。

脳卒中

2018年のレビューでは、過去に脳卒中を経験した346例の参加者を対象とした5件のランダム化比較試験を評価しました。(ランダム化比較試験とは、参加者を介入群と対照群に無作為に割り付ける試験です)。太極拳のセッションは通常60分で、週に2〜3回、6週間または12週間行われました。レビューでは、太極拳は短期的には参加者の歩行速度の改善に役立ちますが、立ったままの固定姿勢でできるだけ前に手を伸ばすなど、重心の外で上半身を動かすときのバランス(平衡感覚)は改善しないことがわかりました。レビュー著者らは、いずれの研究もバイアスが高く、規模も小さいとし、レビューの結果の確証を得るには、大規模かつ長期のランダム化比較試験が必要であると述べています。

変形性関節症

2015年レビューでは9件(参加者合計543例)の研究を対象としました。レビューでは、太極拳が変形性関節症疼痛やこわばりを改善したと結論づけ、その改善によりバランス(平衡感覚)が改善する可能性があると指摘しました。米国リウマチ学会と関節炎財団が2019年に更新したガイドラインでは、変形性膝関節症と変形性股関節症の両方の管理に太極拳を強く推奨しています。

心不全

2020年に報告された1件のレビューの要約では、心不全患者の転倒を減らすために太極拳を実践することについては、明確な結論は出せないとしています。著者らは、より質の高い研究が必要であることを指摘しました。2016年に行われた1件のレビューでは、5件の心不全を対象とした研究(参加者合計271例)が含まれました。このレビューでは、心不全の人のバランス(平衡感覚)に対する太極拳の効果についての詳細は明らかにされませんでした。

太極拳は疼痛を軽減しますか?

わずかな研究報告ではありますが、腰痛線維筋痛症、変形性膝関節症の人の疼痛を軽減するために、太極拳が役立つ可能性があることが示唆されています。太極拳が関節リウマチの疼痛を和らげるのに有用かどうかは不明です。

腰痛

2019年のレビューでは、腰痛のある参加者959例を対象とした10件の研究を評価しました。太極拳の介入期間は2週間から28週間で、セッションは週に2回から6回行われ、多くは40分から60分でした。太極拳の介入方法や評価方法が異なるため、著者らは、太極拳単独または理学療法に追加することで、疼痛の強さが減少し、日常生活機能(食料品を運ぶ、階段昇降、歩行、入浴や着替えなどの能力)が改善する可能性があるという控えめな結論を導き出しました。著者らは、同一の太極拳の介入と頻度を用いた研究の必要性を指摘しています。

関節リウマチ

2019年に行われた7件の研究(参加者345例)のレビューでは、太極拳が関節リウマチ患者の疼痛や疾患活動性を軽減するか、機能(ひじ掛けのない椅子から立ち上がる、飲み物や食品のカートンを開ける、階段を上るなど)を改善するかについては不確実であることが示されました。太極拳のセッションは通常1時間で、週に2〜3回、8〜12週間行われました。また、太極拳の有用性を得るために、どれくらいの量、どれくらいの強さ、どれくらいの期間、実践すべきであるかということも明らかではありません。レビュー著者らは、研究デザインへの懸念、一部の研究の参加者数の少なさ、または参加を中止した人の多さから、エビデンスの質が非常に低いと評価しました。

線維筋痛症

2019年に行われた6件の研究(657例)のレビューでは、太極拳が線維筋痛症の人の疼痛スコアを減らすのに有用であることがわかりました。また、太極拳は睡眠の質の向上、倦怠感の緩和、抑うつ症状の軽減、生活の質(quality of life:QOL)の向上にも役立ちました。太極拳の介入は、通常、60分のセッションを週1〜3回、12週間にわたって行われました。しかし、レビュー著者らは、これらの知見をより強固なエビデンスするため、また、太極拳が線維筋痛症の人々にとって従来の治療用運動よりも優れているかどうかを判断するためには、より大規模で質の高い研究が必要であるとしています。

変形性膝関節症

米国リウマチ学会と関節炎財団が2019年に更新したガイドラインでは、変形性膝関節症の管理に太極拳を強く推奨しています。

2021年に行われた参加者986例を含む16件の研究のレビューでは、太極拳が変形性膝関節症の治療と管理に有用であるという質が低い~中等度のエビデンスが認められました。太極拳の介入は通常、30分から60分のセッションを週に2回から4回、10週間から52週間にわたって行われました。太極拳を実践した参加者は、疼痛だけでなく、こわばり、身体機能(歩く、立つ、ベッドから立ち上がる、車の乗り降りなど)、バランス(平衡感覚)、生理的・心理的健康の改善がみられました。しかし、レビューの著者らは、これらの知見を確認し、変形性膝関節症に最適な太極拳の種類、強度、頻度、期間を決定するために、質の高い研究が必要であると述べています。

また、11件の研究、603例の参加者を含む2021年のレビューでは、太極拳が変形性膝関節症の高齢者の歩行機能および姿勢制御を改善する肯定的な有用性があることが明らかにされました。レビューの著者らは、この知見を確認にするためには、より質の高い研究が必要であると述べています。ほとんどの研究で、太極拳のセッションは60分で、週に2〜3回、8〜24週間行われました。

太極拳は慢性疾患の人に役立ちますか?

慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:COPD)

2021年に行われた23件の研究(参加者1,663例)のレビューでは、太極拳はCOPD患者の運動能力、肺機能、QOL向上に役立つ可能性があると結論づけています。太極拳は評価されたすべての領域で無治療よりも優れており、一部の領域では呼吸法や歩行運動よりも優れていました。太極拳のセッションの期間と頻度は対象となった研究間で異なり、太極拳の介入は1カ月から12カ月間続けられました。レビュー著者らは、COPDに対する太極拳の効果を明確に理解するためには、より質の高い研究が必要であると述べています。

パーキンソン病

2021年のレビューでは、太極拳と気功に関する26件の研究(参加者1,672人)を検証しました。 太極拳のセッションは30分から90分で、5週間から24週間にわたって行われ、合計の太極拳セッション数は研究によって10回から48回と異なっています。ほとんどの研究で、太極拳は介入なしよりも役立ち、ダンス、有酸素運動、レジスタンストレーニング、ストレッチなどの他の療法と同様の肯定的な効果があることが示されました。著者らは、太極拳と気功の介入の種類と期間が異なること、他の治療法が多様であること、参加者数が少ないこと、参加者のパーキンソン病のステージが異なることなどが、全体的な結果に限界をもたらしたと述べている。

2型糖尿病

いくつかの研究では、太極拳が2型糖尿病患者の空腹時血糖値とヘモグロビンA1c(HbA1c)の値を改善し、QOLの要素を改善する可能性があることを示しています。しかし、太極拳は他の有酸素運動と比較して優れているとは言えないようです。

  • 2018年に行われた14件の研究(参加者798例)のレビューでは、2型糖尿病の成人の空腹時血糖値とHbA1cの値を管理するために、太極拳は運動しないよりも優れていることがわかりました。太極拳は、ウォーキングやダンスなどの有酸素運動と比較して、HbA1cを低下させる利点がある可能性はありますが、エビデンスは強固なものではありません。太極拳と他の有酸素運動との間に、血糖コントロールに関する違いはありませんでした。太極拳の実践実技を長く続けることで、より良い結果が得られました。太極拳の介入は、15分から60分のセッションを週に2回から7回、4週間から24週間にわたって行われました。
  • 2019年に行われた23件の研究(参加者1,235例)のレビューでは、太極拳は2型糖尿病患者の空腹時血糖値、HbA1c、インスリン抵抗性、肥満度、総コレステロールの低下に有用であることがわかりました。また、太極拳は身体機能、身体的疼痛、社会的機能などのQOLの因子を改善することがわかり、バランス (平衡感覚)には効果がありませんでした太極拳のセッションは15分から120分で、週に2回から14回、4週間から24週間行われました。著者らは、研究方法の違いや研究規模の小ささが結果の強度を弱めている可能性があると述べています。
高血圧

2020年のレビューでは、28件の研究(参加者2,937例)を検証し、太極拳は健康教育/無治療、他の運動、降圧剤よりも収縮期および拡張期血圧を下げるのに優れていることを明らかにしました。太極拳のセッションの期間、週の頻度、合計週数は、対象となった研究間で異なっていました。しかし、著者らは、これらの研究は質が低く、研究間の差異も多いため、結論を確認するためにさらなる研究が必要であると述べています。

心血管疾患

2020年のレビューでは、60歳以上で心血管疾患(心臓や血管の病気)を患っている成人の心理的ウェルビーイング(well-being)を評価しました。成人1,853例を対象とした15件の研究を含むこのレビューでは、太極拳は従来のケアや他のタイプの運動(例:ウォーキング、筋力トレーニング)よりもQOLと心理的ウェルビーイングの向上に優れていることが明らかになりました。太極拳の介入期間は6週間から52週間で、研究期間中の太極拳セッションは平均36回でした。しかし、具体的な改善効果は、心血管系疾患の種類によって異なることがわかりました。例えば、従来のケアや他の運動と比較した場合、冠動脈性心疾患の太極拳参加者は精神的健康のQOLが向上し、慢性心不全の参加者は抑うつや心理的苦痛が減少し、高血圧の参加者は身体的健康の生活の質が向上したことが示されています。著者らは、研究の質は平均して許容範囲であるものの、より厳密な研究が必要であると述べています。

2018年に行われた13件の研究(参加者972例)のレビューでは、太極拳は、能動的介入(例:ウォーキング、ストレッチ)および非能動的介入(例:通常の医療)と比較して、冠動脈心疾患の人々の有酸素能力を大きくかつ有意に改善することにつながったことが明らかになりました。太極拳の介入は、30分から90分のセッションを週に1回から7回、12週間から12カ月間行われました。著者らは、研究の質を中程度から強いと評価しましたが、研究の規模は非常に小さく、これらの知見を確認するためには、より質の高い研究が必要であると述べています。

太極拳は認知症に有用か?

2019年に行われた9件の研究(参加者656例)のレビューでは、高齢者(平均年齢78歳)の認知症の初期段階における太極拳の実践実技について検証しました。太極拳が軽度認知障害者の全体的な認知力に及ぼす短期的な効果は、他のタイプの運動で見られるものと同様であり、有益であることがわかりました。研究の結果、太極拳を週3回、1回30~60分、3カ月以上行うと、一部の認知機能に良い影響を与えることが示唆されました。レビュー著者らは、9件の研究のうち7件の研究の質は、良いまたは優れていると評価されましたが、研究の規模は小さかったと述べています。

太極拳は高齢者のQOLを改善するでしょうか?

2020年に行われた13件の研究(参加者869例)のレビューでは、太極拳はコミュニティ環境で暮らす慢性疾患を持つ高齢者のQOLと抑うつ症状に対してわずかながら肯定的な効果があることが明らかにされました。運動能力および身体的持久力については、有意な効果は認められませんでした。太極拳の介入は、40分から90分のセッションを週1回から4回、10週間から24週間にわたって行われました。著者らは、各研究には多くの相違点があり、エビデンスの質は低く、より大規模で質の高い研究が必要であると述べています。

太極拳は、がん関連症状の軽減に役立つでしょうか?

太極拳は、一部のがん関連症状を改善し、恐らくQOLを向上させる可能性があると考えられますが、研究者らは、現時点では明確な結論や推奨はできないとしています。

  • 2018年のレビューでは、異なる種類のがん患者1,283例を対象とした22件の研究が含まれています。3~12週間の太極拳または気功の実践実技は、倦怠感、睡眠障害、抑うつ、および全体的なQOLの有意な改善と関連していました。しかし、著者らは、決定的な結論を出す前に、また、特定のがんや特定の症状に対して推奨を行う前に、より大規模で質の高い研究が必要であると述べています。
  • 2020年のレビューでは、乳がん患者1,268例を対象とした16件の研究が含まれています。米国で行われた研究の多くは、60分の太極拳セッションを週2〜3回、12週間にわたって行ったものです。中国で行われた研究のほとんどは、20分の太極拳を1日2回、合計で何時間行ったか不明というものでした。その結果、太極拳は3カ月または6カ月の時点で、倦怠感、睡眠の質、抑うつ、肥満度の改善において従来の支持療法による介入と差がなかったが、3カ月の時点でQOLの改善において従来の介入より有意に優れていたことが示されました。従来の支持療法的介入と併用した場合、太極拳は倦怠感を有意に緩和することが明らかになりました。著者らは、各研究には相違点があり、今後、乳がん患者の特定のサブグループに対して標準化されたプロトコルを用いて、十分にデザインされた研究が役立つと述べています。

太極拳とCOVID-19に関する研究はあるのでしょうか?

太極拳とCOVID-19に関する研究は、まだ数件しかありません。

  • 2021年の研究では、COVID-19の大流行時に、高齢者の心身の健康増進に役立つ可能性があるとして、10週間の太極拳介入を評価しています。(参加者同士は4メートルの物理的な距離を保ったまま調査を行いました。)30例の参加者は60歳から78歳で、これまで太極拳の実践実技をしたことがなく、研究前に体系的な身体活動をしていたのは週に2日以下でした。参加者の半数は、毎週2回、60分のグループ太極拳クラスに参加するよう無作為に割り振られました。本研究の結果、太極拳は、高齢者の精神感情状態、認知、運動学習を改善するために、パンデミック状況下で使用できる有用な介入であることが示唆されました。
  • 2021年のナラティブレビューでは、太極拳がCOVID-19に対処する人々に役立つ可能性があり、COVID-19パンデミック時の一般集団における運動不足、座りがちな行動、精神障害の負の影響を打ち消す可能性が示唆されました。太極拳は家庭で、単独あるいは集団で、簡単かつ安全に実践することができ、パンデミック状態でも有用であると著者らは説明しました。この提案は、COVID-19の流行時の太極拳の研究ではなく、太極拳の一般的な効果に関する過去の研究に基づいています。著者らは、COVID-19流行時の太極拳の有用性を見極め、より有効で信頼性の高いデータを提供するために、今後の研究が必要であると述べています。

太極拳は妊娠中も安全ですか?

妊娠中の太極拳の安全性については、報告された研究はありません。しかし、太極拳のような身体的活動は、適切な予防措置がとられる限り、ほとんどの場合、妊娠中でも安全で望ましいと考えられます。妊娠中の場合は、太極拳を始める前に今かかっている医療機関に相談してください。

妊娠中の太極拳は、血液循環、バランス (平衡感覚)、筋肉の協調運動、筋力、リラクゼーション、メンタルヘルスに役立つ可能性がありますが、これらの分野での研究は必要です。

2021年のレビューによると、妊娠中の太極拳単独の効果については、査読された研究ありません。このレビューでは、妊娠の第2期と第3期を対象にデザインされた、ヨガと太極拳を組み合わせたプログラムを評価した研究が1件ありました。この2013年の研究では、抑うつの妊娠中の女性92例[うち46例は開始時ウェイティングリスト・コントロール群(待機者リスト対照群)]が、週1回20分のヨガと太極拳のクラスに12週間参加しました。対照群と比較すると、ヨガと太極拳のグループは、抑うつ、不安、睡眠障害のレベルが有意に低下していました。2021年のレビューも2013年の研究も、妊娠中の太極拳による有害作用については触れていません。

太極拳は有害なのでしょうか?

太極拳は安全であると考えられます。2019年に行われた24件の研究(参加者1,794例)のレビューでは、太極拳、別の積極的介入、介入なしのいずれを行っても、有害事象の発生頻度は同程度であることがわかりました。また、このレビューでは、心不全患者を対象とした研究において、太極拳を行ったグループでは、介入を受けなかったグループよりも重篤な有害事象の発生が少なかったことも明らかになりました。24件の研究で報告された重篤な有害事象は、太極拳と対照条件(積極的介入または介入なし)のいずれにも起因していないと考えられました。太極拳やその他の積極的な介入に関連するものとして報告された有害事象は、筋骨格系のうずきや疼痛など軽微なものであった。

太極拳の指導者は、どのようなトレーニング、ライセンス、資格などが必要ですか?

太極拳の指導者は免許を必要とせず、その実践実技は連邦政府や各州により規制されているわけではありません。太極拳の資格に国家規格はありません。多くの太極拳の団体が、トレーニングや資格認定プログラムを提供していますが、指導者の認定基準やレベルはさまざまです。

NCCIHが資金提供する研究

NCCIHは太極拳に関する研究を後援しており、以下のような研究があります。

考慮すべきヒント

  • 医療機関の受診を後回しにするために太極拳を用いてはいけません。
  • あなたが検討している太極拳の指導者の訓練歴や経験について調べましょう。
  • 自分の健康を守るために、自分が行っている補完療法について今かかっている医療機関に相談しましょう。そうすることで、十分な情報を得た上で意思決定をすることができます。

医療関係者向け情報

研究結果

関連するファクトシート

さらなる情報

■ NCCIH 情報センター

米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)の情報センターは、NCCIHに関する情報、ならびに連邦政府が管理運営する科学・医学論文データベースから関連する文献や検索・調査などを含む補完・統合医療に関する情報を提供しています。情報センターでは、医学的なアドバイス、治療の推奨、施術者の紹介はおこなっていません。

米国内の無料通話:1-888-644-6226
テレタイプライター(TTY、聴覚障害者や難聴の方用):1-866-464-3615
ウェブサイト: https://nccih.nih.gov/
E-mail:info@nccih.nih.gov(メール送信用リンク)

■ Know the Science(科学を知ろう):

米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)と米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)は、科学研究の基礎と用語を理解し、自分の健康について十分な情報を得た上で意思決定できるようにするためのツールを提供しています。「Know the Science(科学を知ろう)(英語サイト)」(eJIM内:一般向け医療関係者向け)は、インタラクティブなモジュール、クイズ、ビデオなどのさまざまな教材や、消費者が健康情報を理解できるように設計された連邦政府のリソースから有益なコンテンツへのリンクを提供しています。

Explaining How Research Works(研究のしくみを知る)(英語サイト)(NIH)
Know the Science: 9 Questions To Help You Make Sense of Health(科学を知ろう:健康に関する研究を理解するための9つの質問)(英語サイト)(eJIM内:一般向け医療関係者向け
Understanding Clinical Studies(臨床試験を理解する)(英語サイト)(NIH)

■ PubMed®

米国国立医学図書館(National Library of Medicine, PubMed®:NLM)のサービスであるPubMed®には、科学・医学雑誌に掲載された論文の情報(掲載号、出版年月日など)および(ほとんどの場合)その論文の要約が掲載されています。NCCIHによるPubMed使用のガイダンスは、「補完・統合医療に関する情報をPubMed® で検索する方法」をご覧ください。

ウェブサイト:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/(英語サイト)

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参考文献

その他の参考文献
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  • Field T, Diego M, Delgado J, et al. Tai chi/yoga reduces prenatal depression, anxiety and sleep disturbances. Complementary Therapies in Clinical Practice. 2013;19(1):6-10.
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謝辞

NCCIHは、この出版物の2022年版の更新における貢献に対して次の人に感謝します。Inna Belfer, M.D., Ph.D., Lanay Mudd, Ph.D., and David Shurtleff, Ph.D., NCCIH,

このサイトの情報は著作権で保護されておらず公開されています。複製も奨励されています。

米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)は、個人の参考情報として、この資料を提供しています。この資料は、あなたが今かかっている医療機関の医療従事者の医学専門知識やアドバイスに代わるものではありません。NCCIHは、治療やケアについてあらゆる意思決定をする際、今かかっている医療機関に相談することをお勧めします。この資料に記載されている特定の製品、サービス、治療法のいずれも、NCCIHが推奨するものではありません。

更新日:2023年2月7日

監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
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