海外の情報
喘息
Asthma
本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。
英語版改訂年月(翻訳時):2022年3月
要点は?
喘息に罹患している場合は、今かかっている医療機関※の推奨する管理方法に従いましょう。安全のために:
- 今かかっている医療機関※が推奨または処方する治療法を他のアプローチで代用しないでください。
- 補完療法および関連製品を喘息管理プログラムに加えることについては、今かかっている医療機関※に相談してください。喘息の薬を服用している場合は、ダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)(eJIM内:一般向け/医療関係者向け)の摂取を開始する前に、今かかっている医療機関※に相談してください。一部のダイエタリーサプリメントと薬の中には、有害な相互作用を起こす可能性のあるものがあります。
喘息に対する補完療法の有用性についてわかっていることは?
- 喘息に対して、実証された医学的管理の代わりに補完療法を用いることを指示するエビデンスはありません。
- 実証された医学的管理に加えて、喘息患者のストレス、不安、抑うつの管理を支援する補完療法を使用すると、気分が良くなり、喘息のコントロールが改善されるかもしれません。
喘息に対する補完療法の安全性についてわかっていることは?
- 心理的・身体的な補完療法のほとんどは、正しく行われれば重篤な副作用はほとんどありません。
- ダイエタリーサプリメントなど多くの栄養学的アプローチは一般的に安全だと考えられていますが、一部のダイエタリーサプリメントは、副作用を引き起こしたり、薬と好ましくない相互作用を起こしたりするかもしれません。喘息の人は、ダイエタリーサプリメントの使用について、今かかっている医療機関※と相談する必要があります。
- 米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)は、市販のホメオパシー喘息製品について、安全性や有効性がFDAによって評価されていないとして警告を発しています。
喘息について
喘息はあらゆる年代の人が罹患する可能性のある慢性の呼吸器疾患です。症状としては、喘鳴、咳、胸の圧迫感などがあるかもしれません。米国では、2,500万人以上の方が喘息を持っています。
喘息では、しばしば、気道(肺に空気を出し入れする管)に炎症が起き、狭くなります。喘息の症状は軽いものから重いものまであり、毎日起こることもあれば、たまにしか起こらないこともあります。喘息の重篤な増悪(喘息発作)は、生命を脅かす可能性があります。喘息は、米国で年間約160万人の救急外来受診者と3,500人以上の死亡者の原因となっています。
喘息を有効的に管理するには、今かかっている医療機関※で定期的に喘息の検査を受けること、喘息薬を適切に使用すること、喘息の誘因を避けること、健康的な生活習慣を維持することなどが挙げられます。
喘息についてのさらなる情報は、米国国立心肺血液研究所(National Heart, Lung, and Blood Institute:NHLBI)のウェブサイト[英語サイト]をご覧ください。
補完療法について
補完療法とは、主流の医学とは異なる起源を持つ、多様な医学・医療システム、施術・療法および各種製品の総称です。ハーブ系サプリメント、その他のダイエタリーサプリメント、瞑想、脊椎マニピュレーション、鍼治療などの製品や施術・療法が含まれます。
補完療法は、主要な治療介入(治療の取り込み方や提供方法)によって分類することができ、それは次のとおりです。
- 栄養学的アプローチ(例:特別な食事療法、ダイエタリーサプリメント、ハーブ、プロバイオティクス、微生物を利用した治療法など)
- 心理学的アプローチ(例:瞑想、催眠療法、音楽療法、リラクゼーション法など)
- 身体的アプローチ(例:鍼治療、マッサージ、脊椎マニピュレーションなど)
- 心理的・身体的アプローチの組み合わせ(ヨガ、太極拳、ダンス療法、一部のアートセラピー[芸術療法]など)、または心理と栄養を組み合わせたアプローチ(マインドフル・イーティング[マインドフルネスを意識した食事]など)
栄養学的アプローチには、米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)がこれまで天然物に分類していたものが含まれ、心理的・身体的アプローチには、これまで心身療法と呼ばれていたものが含まれます。
科学的観点からみた喘息に対する補完療法
心理的・身体的アプローチ
心理的、身体的アプローチを含む補完療法は、喘息の医学的治療の代用にはなりません。しかし、研究者らは、これらのアプローチの一部を、喘息の治療計画に加えることが役立ちえるかどうかを検証しています。
不安やストレスは喘息症状の悪化と関連し、不十分な喘息コントロールは不安や抑うつ症状の増加と関連します。喘息患者がストレス、不安、または抑うつを管理するのに役立つアプローチは、患者の気分を良くし、喘息のコントロールを改善するのに役立つかもしれません。
- 鍼治療および関連施術・療法
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- 2019年に報告された、成人または青年の参加者777例を含む9件の研究のレビューでは、従来の喘息治療と鍼治療の併用を従来の治療単独と比較し、鍼治療の使用は症状の改善と関連するが、肺機能の測定値の改善とは関連しないことが明らかになりました。
- 喘息の治療法として、灸(皮膚の上で薬草を燃やして経穴[ツボ]に熱を加える手法)や薬草パッチをツボに貼る方法が研究されていますが、研究の質が低いため、これらの手法が役立つかどうかについての結論は出ていません。
- 鍼治療は、経験豊富な施術者が滅菌した鍼を使用して行う場合は、一般的に安全であると考えられています。鍼治療が不適切に行われると、潜在的に重篤な副作用を引き起こす可能性があります。灸は、アレルギー反応や火傷、感染症などを引き起こす可能性があります。経穴(ツボ)に貼るハーブパッチは、貼付部位に皮膚の赤みやかゆみが生じる可能性があります。
さらなる情報については、NCCIHのウェブサイト「鍼治療[英語サイト]」をご覧ください。(eJIM内)
- 呼吸法
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喘息に対する可能性のある補完療法として、さまざまな呼吸法が研究されています。
- 2022年に報告された、成人2,880例を含む22件の研究の評価では、呼吸法は、成人の喘息患者の生活の質(Quality of Life:QOL)および過呼吸症状に対して肯定的な有用性があるかもしれないが、おそらく喘息症状に対して有用性はないことが明らかになりました。
- 2019年に報告されたレビューでは、喘息の小児を対象にした呼吸法を評価した10件の研究(参加者466名例)が検証されました。呼吸法は、単独で、あるいはヨガの一部として、あるいは他の治療も含む複合的な介入の一部として行われました。データが不十分であり、明確な結論を得ることができませんでした。
- 喘息患者を対象とした呼吸法の研究では、有害作用は報告されていません。
- 脊椎マニピュレーション
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- 喘息に対する脊椎マニピュレーションに関する研究は、ほとんど実施されていません2021年に報告されたレビューでは、このテーマに関する質の高い研究は、軽度から中等度の喘息を持つ小児および青年を対象とした1件のみであり、その研究では、この治療が有用であることは示されませんでした。
- 脊椎マニピュレーションによる一過性の副作用として、疼痛や不快感の増加、こわばり、頭痛などがよく見られます。重篤な副作用はまれです。
さらなる情報については、NCCIHのウェブサイト「脊椎マニピュレーション[英語サイト]」をご覧ください。(eJIM内)
- ヨガ
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- 2016年に報告された、喘息に対するヨガに関する15件の研究(参加者総数1,048例、ほとんどが成人)の評価では、ヨガはおそらく生活の質と喘息症状のわずかな改善につながることが明らかになりましたこれらの研究の多くでは、喘息に対する通常のケアにヨガが追加されました。
- 2020年に報告された、参加者1,230例を含む9件の研究の評価では、喘息の小児や青年を対象としたヨガに関して、ヨガがストレスや不安を軽減し、生活の質や肺機能を改善するのに役立つ可能性かもしれないという予備的なエビデンス(科学的根拠)が示されました。しかし、ヨガのどの要素が、あるいはどの程度のヨガが、ベネフィット(有益性)につながるかは不明です。
- ヨガは、健康な人が有資格者の指導の下で適切に実施する場合、一般的に安全な身体活動だと考えられています。しかし、他の身体活動と同様に、怪我をすることがあります。最も一般的な怪我は、捻挫と挫傷(肉離れ)です。重篤な怪我はまれです。健康状態に問題がある人、高齢者、妊娠中の女性は、一部のヨガのポーズや実践を避けたり、修正(変更)したりする必要があるかもしれません。そういった人は、今かかっている医療機関※やヨガの指導者に相談する必要があります。
栄養学的アプローチ
- ハーブ製品および伝統療法
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- 喘息に対して多くのハーブ製品が研究されていますが、それぞれの製品に関する研究はごくわずかであり、その中には質の低いものもあります。2010年に報告された、さまざまなハーブ製剤に関する26件の研究の評価では、喘息への使用を推奨するのに十分なエビデンスがないことが明らかになりました。
- 2019年に報告された、喘息に対する東アジアの伝統薬を対象とした18件の研究(参加者2,080例)のレビューでは、個々の製品に関するエビデンスがわずかであったため、製品が有用であるかどうかについて結論付けることはできませんでした。
- ハーブには副作用があり、中には重篤になるものもあります。また、一部のハーブは、喘息の治療薬と好ましくない相互作用を引き起こすかもしれません。
さらなる情報については、NCCIHのウェブサイト「一目でわかるハーブ[英語サイト]」をご覧ください。(eJIM内)
- オメガ3脂肪酸(魚油)
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魚油に含まれるようなオメガ3脂肪酸のサプリメントは、抗炎症作用があるため、喘息の予防や治療に役立つかもしれないことが示唆されています。しかし、オメガ3脂肪酸に関する研究は一貫した結果が得られていません。
- 2021年に報告されたレビューでは、喘息患者におけるオメガ3脂肪酸の補給に関する16件の研究(参加者464例)を検証されました。そのうち4件の研究では、肺の炎症のマーカーである呼気一酸化窒素の分画を検証し、オメガ3脂肪酸のサプリメントを摂取した参加者のほうがプラセボを摂取した参加者よりも低いことを明らかにしました。4件の研究では、オメガ3脂肪酸は、喘息症状が運動によって引き起こされる人(運動誘発性気管支収縮と呼ばれる状態)に見られる運動後の肺機能低下を軽減することが報告されました。しかし、オメガ3脂肪酸が肺機能全般や喘息症状に及ぼす影響に関するデータは、結論が出ていません。
- 研究者らは、母親が妊娠中にオメガ3脂肪酸または脂肪分の多い魚を多く摂取することで、その母親の子供の喘息のリスク(危険)が低下するかどうかを検証しました。2020年に報告された4件の研究(参加者1,743例)のレビューでは、3件がオメガ3脂肪酸のサプリメント、1件が脂肪分の多い魚(サーモン)で検証しましたが、子供の喘息や喘鳴の有意な減少は見られませんでした。
- また、乳幼児期や小児期にオメガ3脂肪酸のサプリメントを与えることで、後に喘息を発症するリスク(危険)を低下するかどうかについても検証されています。2015年に報告された、5件の研究(乳幼児と小児の参加者総数2,415例)を評価したところ、喘息の発症に影響はないことがわかりました。
- オメガ3脂肪酸のサプリメントによる副作用は通常軽度で、口の中の不快な味(魚臭い後味)、口臭、消化器症状、頭痛、臭い汗などがあります。オメガ3脂肪酸は、ワルファリン(クマディン)などの抗凝固剤と相互作用するかもしれません。
さらなる情報については、NCCIHのウェブサイト「オメガ3脂肪酸[英語サイト]」をご覧ください。(eJIM内)
- プロバイオティクス
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衛生状態の改善などの環境変化により、幼少期の微生物との接触が減り、それが喘息などのアレルギーに関わる病気の増加につながっているかもしれません。プロバイオティクス(健康にベネフィット(有益性)があるとされる生きた微生物)を妊娠中の女性や乳児に投与し、アレルギーの発症を予防することを目的とした研究が行われています。また、すでに喘息を持っている人に対するプロバイオティクスの有用性も研究されています。
- 2020年に報告された、喘息予防のためにプロバイオティクスを妊娠中の女性および/または乳児に投与した19件の研究(参加者5,157例)のレビューでは、小児の喘息リスク(危険)に対するプロバイオティクスの有意な影響は示されませんでした。これらの研究の解析では、すべてのプロバイオティクスが一緒に検証されたため、データ全体では検出されなかったいくつかの個々の系統のプロバイオティクスが有用性を発揮した可能性があるかどうかは不明である。
- 2018年に報告された、喘息の小児に対するプロバイオティクスに関する11件(参加者910例)のプールデータの評価では、プロバイオティクスの摂取により喘息の症状出現(エピソード)が減少し、アレルギー疾患に関する免疫反応の2つの指標が改善されることがわかりました。しかし、喘息コントロール、喘息症状、肺機能などの指標に有意な改善は見られず、研究の数も質もともに低いものでした。レビューアらは、このエビデンスからは、喘息を持つ小児におけるプロバイオティクスのサプリメントの有益な作用を確認することも除外することもできませんでした。
- プロバイオティクスには、特に健康な人に対しては、明らかに安全に使用されてきた多様な歴史があります。しかし、プロバイオティクスの安全性を詳細に検証した研究はほとんどないため、副作用の頻度と重症度に関する確かな情報が不足しています。プロバイオティクスによる有害作用のリスクは、重篤な病気や免疫力が低下している人ほど大きくなります。
さらなる情報については、NCCIHのウェブサイト「プロバイオティクス[英語サイト]」をご覧ください。(eJIM内)
- セレニウム(セレン)
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- 喘息と食事からのセレニウム摂取量の少なさとの間に関連性があるかもしれないことを示唆するエビデンスがあります。しかし、2007年に英国で報告された質の高い試験(喘息の成人197例がセレニウムのサプリメントまたはプラセボを6カ月間摂取)では、サプリメントの摂取による喘息の症状や肺機能へのベネフィット(有益性)は認められませんでした。英国の人々は、米国を含む他の多くの国々の人々よりも食事からのセレニウム摂取量が少ない傾向にあり、英国でセレニウムの摂取にベネフィット(有益性)がなかったというのは特に興味深いことです。
- セレニウムは過剰に摂取すると、悪心、皮膚の発疹、歯の変色、髪や爪の損失、神経系の問題などの症状を引き起こし、有害となる可能性があります。セレニウムの摂取量が極端に多いと、心臓発作や腎不全などの重篤な症状を引き起こす可能性があります。
さらなる情報については、ダイエタリーサプリメント室(Office of Dietary Supplements)のウェブサイト「セレニウム[英語サイト]」をご覧ください。(eJIM内:一般向け、医療関係者向け)
- ダイズ(大豆)イソフラボン
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- ダイズ(大豆)イソフラボンであるゲニステインの食事からの摂取と喘息の重症度に関連がある可能性が予備調査で示唆されていたため、米国のいくつかの治療センターでは、ダイズ(大豆)イソフラボンのサプリメントが喘息のコントロールを改善できるかどうかが検証されました。コントロール不良な喘息を持つ成人および青年386例を対象としたこの研究では、参加者全員のデータを総合的に検証したところ、サプリメントは肺機能や臨床結果を改善しないことが示されました。しかし、データをさらに解析したところ、喘息の重症度と関連するプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)の高生産に関連する特定の遺伝子型を持つ参加者において、ダイズ(大豆)イソフラボンの使用は喘息の重症化(喘息発作)の回数を有意に減少させることが示されました。
- ダイズ(大豆)イソフラボンは、短期間の使用であれば安全であると考えられます。
- ビタミンC
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- 2013年に報告された、参加者419例を含む11件の研究の評価では、ビタミンCが喘息に役立つかどうかを結論付けるには、質の高い研究が十分に行われていないと結論付けられています。
- ビタミンCを過剰に摂取すると、下痢や悪心、胃痙攣を起こす可能性があります。鉄蓄積症である血色素症(ヘモクロマトーシス)の人は、ビタミンCの大量摂取を避ける必要があります。がんの治療を受けている人やコレステロールを下げる薬を服用している場合は、ビタミンCのサプリメントを摂取する前に、今かかっている医療機関※に相談してください。
さらなる情報については、ダイエタリーサプリメント室(Office of Dietary Supplements)のウェブサイト「ビタミンC[英語サイト]」をご覧ください。(eJIM内:一般向け、医療関係者向け)
- ビタミンD
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- 2019年に報告された、喘息に対するビタミンD補給に関する14件の研究(参加者1,421例)のレビューでは、ビタミンDが、特にビタミンDレベルが低い人の喘息増悪(喘息発作)のリスク(危険)の低減に役立つかもしれないというエビデンスが得られました。この有用性は成人のみで見られました。小児を対象とした喘息増悪への影響を検証した研究は、参加者総数70例となるわずか2件の研究のみでした。2020年に報告された研究では、小児に関する追加のエビデンスが得られています。この研究では、小児192例を含み、全員のビタミンD濃度が低く、ビタミンD補給による重症喘息増悪に対する予防効果は認められませんでした。
- ビタミンDの摂取量が少ない女性は、喘息を発症する子供を出産する可能性が高いという研究結果もあります。妊娠中の女性に高用量のビタミンDのサプリメントを与えることで、子供の喘息のリスク(危険)を減らすことができるかどうかを検証するために、2件の大規模な研究が行われました。
- デンマークで報告された研究では600例以上、米国で報告された研究では800例以上の女性を対象としています。どちらの研究でも、妊娠中の女性は、高用量のビタミンDを投与する群と、妊婦用ビタミン剤に含まれる通常量のビタミンDを投与する群のいずれかに無作為に振り分けられました。
- 生まれた子供たちが3歳になった時点で評価したところ、結論は出ませんでした。どちらの研究でも、母親が高用量のビタミンDを投与された子供では、喘息や再発性喘鳴と診断されることが少なかったが、両群間の差は統計的有意差には至りませんでした。
- 両研究の子供らは、6歳になった時点で再び評価を受けました。その際、高用量のビタミンDを投与された母親の子供と、低用量のビタミンDを投与された子供とでは、喘息の発生に差はありませんでした。
- ビタミンDは過剰に摂取すると有害で、嘔気、嘔吐、筋力低下、錯乱、疼痛、食欲不振、脱水などの症状を引き起こします。
さらなる情報については、ダイエタリーサプリメント室(Office of Dietary Supplements)のウェブサイト「ビタミンD[英語サイト]」をご覧ください。(eJIM内:一般向け、医療関係者向け)
他の補完療法
- ホメオパシー療法
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- 米国食品医薬品局(FDA)は、ホメオパシーと表示された市販の喘息治療薬に頼らないよう消費者に警告しています。これらの製品は、FDAによる安全性と有効性の評価を受けていません。
- ホメオパシーと表示された喘息治療薬は、小売店やインターネットを通じて広く流通しています。これらの製品ラベルに「homeopathic(アメリカ英語)」あるいは「homœopathic(イギリス英語)」(いずれもホメオパシーを意味する)の文字があるかどうか、有効成分が希釈率(LM1、6X、30Cなど)で記載されているかどうかを確認することで、ホメオパシー製品であることを見分けることができます。
さらなる情報については、NCCIHのウェブサイト「ホメオパシー[英語サイト]」をご覧ください。(eJIM内)
さらに考慮しなければならないこと
自分の健康を守るために、自分が行っている補完療法について今かかっている医療機関※に相談しましょう。そうすることで、十分な情報を得た上で意思決定をすることができます。
(※補足:原文では、healthcare provider。米国では主に医療サービス等のヘルスケアを提供している病院/医師を指す。また、健康保険会社や医療プログラムを提供する施設等も含む。)
消費者向け
- 喘息と補完療法について知っておくべき5つのこと
医療関係者向け
関連するファクトシート
さらなる情報
■ NCCIH 情報センター
米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)の情報センターは、NCCIHに関する情報、ならびに連邦政府が管理運営する科学・医学論文データベースから関連する文献や検索・調査などを含む補完・統合医療に関する情報を提供しています。情報センターでは、医学的なアドバイス、治療の推奨、施術者の紹介はおこなっていません。
米国内の無料通話:1-888-644-6226
テレタイプライター(TTY、聴覚障害者や難聴の方用):1-866-464-3615
ウェブサイト:https://nccih.nih.gov/[英語サイト]
E-mail:info@nccih.nih.gov(メール送信用リンク)
■ Know the Science(科学を知ろう)
米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)と米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)は、科学研究の基礎と用語を理解し、自分の健康について十分な情報を得た上で意思決定できるようにするためのツールを提供しています。「Know the Science(科学を知ろう)[英語サイト]」(eJIM内)は、インタラクティブなモジュール、クイズ、ビデオなどのさまざまな教材や、消費者が健康情報を理解できるように設計された連邦政府のリソースから有益なコンテンツへのリンクを提供しています。
■ PubMed®
米国国立医学図書館(National Library of Medicine, PubMed®:NLM)のサービスであるPubMed®には、科学・医学雑誌に掲載された論文の情報(掲載号、出版年月日など)および(ほとんどの場合)その論文の要約が掲載されています。NCCIHによるPubMed使用のガイダンスは、「補完・統合医療に関する情報をPubMed®で検索する方法」をご覧ください。
■ 米国国立心肺血液研究所(National Heart, Lung, and Blood Institute:NHLBI)
NHLBI健康情報センターは、心臓、肺、血液の病気と睡眠障害に関する情報を医療従事者、患者、一般市民に提供し、出版物の注文を受け付けています。
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国立睡眠障害研究センター(National Center on Sleep Disorders Research)
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■ MedlinePlus
健康に関する質問に答えるのに役立つリソースを提供するために、MedlinePlus(米国国立医学図書館のサービス)では、国立衛生研究所をはじめ、他の政府機関や健康関連組織からの信頼できる情報をまとめています。
Information on sleep disorders(睡眠障害に関する情報)[英語サイト]
ウェブサイト:https://www.medlineplus.gov/[英語サイト]
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謝辞
NCCIHは、この出版物の2022年版からの更新における貢献に対して次の人に感謝します。
D. Craig Hopp, Ph.D., Hye-Sook Kim, Ph.D., and David Shurtleff, Ph.D., NCCIH
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更新日:2024年8月9日
監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日
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