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海外の情報

肥満(体重管理)
Obesity (Weight Control)

本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。

体重管理
最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版改訂年月(翻訳時):2017年9月

「アメリカでは成人の3分の2以上および小児の3分の1が過体重もしくは肥満です。肥満症もしくは過体重であることは、2型糖尿病、心疾患およびある種のがんなど多くの健康問題のリスクを増加させる可能性があります。妊娠中は、過剰な体重増加があなたや子供に対して短期および長期間の健康問題を引き起こすかもしれません。健康的な体重を達成すること、健康的な食事をとること、体を動かすことは、過体重に起因する疾患の予防に役立つでしょう。

減量に取り組む中で、有害な副作用のおそれがある未確認の サプリメント(“脂肪燃焼剤”もしくは食欲抑制剤として販売されることがある)を始める人もいます。新しい減量プログラムの開始を検討している場合、あなたの体重および健康リスク(危険)を評価し、減量が必要かどうか判断し、効果的な減量プログラムに関して意思決定するのに役立つ情報を提供できるかかりつけの医療スタッフに相談しましょう。

要点は?

アサイーフーディアのような、迅速な減量のために販売される多くのサプリメントは、長期間の体重減少維持には効かず、危険なものもあります。例えば、体重減少サプリメントとして使用される、マオウは、障害もしくは疾患の不当なリスクがあるために禁止されました。

研究者らは、 オメガ3系脂肪酸および魚油、キトサン、甲殻類由来の食物繊維、; 緑茶抽出物、漢方薬、ダイダイ(Citrus aurantium)そしてなどの様々なサプリメントの減量効果についてを検討しました。減量のために有効性を示すことが立証されたものはなく、それらの各々に副作用がありました。

ヨガおよび瞑想、特に味わいながら食事をするなど心身へのアプローチが、他の減量介入を補完するものとして有用である可能性があることを示唆する新たに得られたエビデンスがいくつかあります。

安全性

米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration :FDA)は、心血管系合併症さらには死亡リスクのような重大な健康リスクのため、減量目的に販売された、マオウを含むサプリメントの販売を禁止しました。マオウは麻黄とも呼ばれます。

多くのマオウを含有しないサプリメントが現在販売されていますが、一部の成分の副作用が禁止された製品に似通っています。マオウを含有しないサプリメントには、多量のカフェインや、ガラナのようなカフェインを含有するハーブも含まれるものがあります。その製品は心拍数を上昇させ不整脈を引き起こすおそれがあります。

減量目的で販売された多くのサプリメント(“脂肪燃焼剤”もしくは食欲抑制剤として販売されたものを含む)は、安全性の試験をしていません。

表示されているものが、容器に入っていないかもしれません。ハーブ系を含むサプリメントの分析では、表示と実際の成分に差異がみられることがあります。また、FDAは処方薬成分の混ざった減量用製品を確認しました。

減量を目的としたサプリメントが、時には神経性食思不振症や神経性過食症のような摂食障害のある人に、体重減少もしくは嘔吐誘発の為に誤って使用されます。

減量目的のサプリメントを検討する場合、「天然」が必ずしも「安全」を意味しないことを思い出してください。

瞑想ヨガのような心身療法は、一般的に十分訓練を受けた指導者の指導の下で適切に実施することが、健康な人にとって安全と考えられています。何らかの基礎疾患がある場合、関心のある補完療法について医療スタッフに相談しましょう。

健康的な体重に達し維持する方法とその重要性の詳細については、米国国立心肺血液研究所(National Heart, Lung, and Blood Institute、NHLBI)の「Aim for a Healthy Weight Web site (健康的な体重を目指す)」(英語サイト)のウェブサイトをご覧ください。

追加の安全情報は、NCCIHのウェブサイトの「補完療法および関連製品を安全に使うために」(英語サイト)[eJIMサイト内日本語訳] および「情報に精通した消費者になりましょう」(英語サイト)[eJIMサイト内日本語訳]にあります。

関連するファクトシート

減量
最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版改訂年月(翻訳時):2020年8月17日

健康的な減量とは?

減量を試みる人にとって早く減量したいのはごく自然なことです。しかし時間をかけて着実に減量する(1週間につき約1~2ポンド)人の方が成功するというエビデンスがあります。健康的な減量は、ただ単に「食事」や「プログラム」に関するだけではないのです。日々の食事や運動習慣における長期的変化などの現在のライフスタイルに関係します。

ほぼ毎日の健康的な食事や運動(約60~90分の中程度の運動)により減量に成功すると、長期間その体重を維持できる可能性があります。

減量はたやすいことではありません。それに専念する必要があります。しかしあなたが減量を始める(英語サイト)気があるなら、減量してより健康になる道へと導く段階的な指導書が私たちにはあります。

適度な減量には大きな利益があります

嬉しいことに減量の目標がどれぐらいでも、たとえわずかな減量(体重の5~10%)であっても、血圧、コレステロール値、血糖値等健康上のメリットがあります。

例えば体重が200ポンドであれば、5%の減量で体重は190ポンドになります。この体重はまだ「過体重」又は「肥満体」の範囲内ですが、わずかな減量でも糖尿病に関係する慢性疾患のリスク因子を減らせることができます。

たとえ全体的な目標が大きく思えても、それを最終目的とせず一つの旅としてとらえればいいでしょう。より健康的なライフスタイルが送れるようになる新しい食事と運動の習慣を学ぶのです。これらの習慣により長期間減量を維持できるかもしれません。

健康状態を改善することに加えて、減量を維持することにより別の方面であなたの人生を良くするでしょう。例えば大幅に減量を維持できている人は、身体的健康のみならず活力、身体可動性、普段の心持ち、自信などにも改善があったと報告していることが、National Weight Control Registry(米国が実施する体重コントロール登録)(英語サイト)に登録している人の調査で分かりました。

減量、ボディービル、性機能改善の目的で販売されるサプリメント:概要
最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版改訂年月(翻訳時):2018年1月

貴方は患者に減量、ボディービル、性機能改善のためのサプリメントについて聞かれるかも知れません。スーパーマーケット、薬局、健康食品店、そしてインターネット上で入手可能なこれらの製品の「即効薬」の宣伝文句に患者たちは惹きつけられるでしょうが、ほとんどの製品は安全性や有効性が証明されていません。天然物に対する安全性の懸念には、医薬品相互作用、直接毒性、活性のある医薬品によるサプリメントの汚染の可能性があります。サプリメントに含まれる植物性由来の物質や従来からある物質は安全と見做すことができるという幅広い一般認識が存在していますが、これらの製品が他の薬理学的に活性のある化合物と同じ危険性を有していることは非常にはっきりしています。

科学的根拠 減量、ボディービル、性機能改善の目的で販売されるサプリメント(英語サイト)

サプリメントと最新の研究による要約

  • 減量
    アサイーフーディアのような迅速に減量する目的で販売されるサプリメントの大部分は長期間の体重管理には効果がありませんし、中には重篤な安全上の懸念もあります。緑茶抽出成分、漢方薬、ダイダイ抽出物(エキス)などのさまざまなサプリメントの減量の可能性を研究者達は検討しましたがどれも減量には効果がなく、それぞれには副作用がありました。
  • ボディービル
    ボディービルダーやアスリートの中には筋肉のサイズを大きくし輪郭をはっきりさせるのに役立つサプリメントに専心する人がいます。しかし、サプリメントとして販売される多くのボディービル製品は有害なおそれのある他の成分を含有する事がわかっています。
  • 性機能改善
    補完療法の性機能改善あるいは勃起不全(erectile dysfunction :ED)治療に対しての安全性や有効性は立証されていません。安全性は、EDや性機能改善のために奨励されるサプリメントに関する深刻な問題です。

科学文献

患者のための情報

「デトックス」および「クレンジング」知っておくべきこと
最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版改訂年月(翻訳時):2019年9月

デトックスおよびクレンジングとは?

食事、レジメン、施術によるさまざまな「解毒」は、「デトックス」または「クレンジング」と呼ばれ、毒素の除去、減量、健康促進が示唆されてきました。

「解毒」は一つのプロセスであったり、多数のアプローチであったりします。以下のようなものがあります:

  • 絶食
  • ジュースもしくは他の液体のみを摂取すること
  • 制限した食物を食べること
  • サプリメントもしくは他の商品を使用すること
  • ハーブを使用すること
  • 下剤もしくは浣腸、結腸洗浄療法を用いた腸(下部消化管)クレンジング[腸内洗浄](“腸灌漑”もしくは“コロニクス”とも呼ばれます)。
  • 環境暴露を減らすこと
  • サウナを使用すること

このようなプログラムは、商業的に宣伝されているもの、医療センターで提供されているもの、またはナチュロパシー(自然療法)の一部のものである場合があります。

一部の「解毒」プログラムは、安全ではなく間違って宣伝されている可能性があります。安全性に関する詳細については、以下の「安全性について」の項目をご覧ください。

(米国疾病対策予防管理センターは、身体から有毒金属を除去するための化学的な解毒方法の一種であるキレート療法を一部特定の重篤なケースにおいて推奨しています。このページではこの種の解毒には触れません。)

デトックス」および「クレンジング」について研究でわかっていることは?

人に対する「解毒」プログラムに関する研究はごくわずかしかありません。体重や脂肪の減少、インスリン抵抗性、および血圧に関して有益な結果が得られた研究もありますが、それらの研究自体は質が低く、研究デザインに問題があったり、参加者が少なかったり、またはピアレビュー(品質を確保するための他の専門家による評価)がないものもありました。

2015年のレビューでは、体重管理または体から毒素を除去するための「デトックス」ダイエットの使用を裏づけるための説得力のある研究はなかったと結論づけられました。2017年のレビューでは、ジュースのみの食事と「デトックス」による食事はカロリー摂取量が少ないために初期の減量を可能にしますが、通常の食事を再開すると体重が増加する傾向があることが示されました。「解毒」プログラムの長期的な効果に関する研究はありません。

環境危険物質から自分自身を守りたい、または体重管理をしたい場合は、以下の一般情報をご覧ください。

安全性について

  • デトックスもしくはクレンジング製品を販売するいくつかの企業に対して、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration :FDA)(英語サイト)および 連邦取引委員会(Federal Trade Commission:FTC)(英語サイト)は、これら企業の製品が違法で体に有害な可能性のある物質を含有していたり、重症の疾病を治療できるというような誤った宣伝文句をうたったり、あるいは(腸クレンジング目的の医療機器の場合)未認可の使用目的に販売されていたという理由で取り締まりを行ってきました。
  • 「デトックス」および「クレンジング」で使用されるジュースの中には、有害なバクテリアを死滅させるための低温殺菌やその他の処理方法が行われていないものがあり、病気を引き起こす可能性があります。 特に子供、高齢者および免疫機能の低下した人において重症になることがあります。
  • 一部のジュースは、天然由来の物質であるシュウ酸塩を多く含む食物から作られています。シュウ酸塩を多く含む食物の2つの例は、ほうれん草とビーツです。シュウ酸塩を多く含むジュースを大量に飲むと、腎障害のリスクが高まります。
  • 糖尿病の人は、かかりつけの医療スタッフから勧められた食事計画に従う必要があります。糖尿病の場合、デトックスダイエットを始めるなど食生活を大きく変化させる前に、かかりつけの医療スタッフに相談しましょう。
  • カロリーもしくは摂取する食物の種類を厳しく制限するダイエットは、持続的な減量に至らず、必要なすべての栄養が摂れない可能性もあります。
  • 腸クレンジングは副作用が見られることもあり、その一部は重篤であるおそれがあります。有害な作用は、胃腸疾患、結腸手術、重度の痔核、腎疾患、または心疾患の既往歴がある患者で起こる可能性が高いです。
  • 解毒プログラムは、多くの場合緩下剤が含まれており、脱水や電解質異常をきたすような重症の下痢を引き起こすことがあります。
  • 水とハーブティーを大量に飲み、何日も続けて食事を摂らないと危険な電解質異常を引き起こします。

自分の健康に責任を持ちましょう。「デトックス」や「クレンジング」も含めてあなたが行っているすべての補完療法についてかかりつけの医療スタッフに相談しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

すべての絶食プログラムは「デトックス」および「クレンジング」とみなされますか?

一部の絶食プログラムでは「デトックス」をうたい宣伝されている一方で、断続的断食法(intermittent fasting)および定期的断食法(periodic fasting)などの他の絶食プログラムは、健康増進、疾患予防、老化の改善、そして場合によって減量について研究されています。しかし、それらが人の健康に及ぼす影響について確固たる結論は出ていません。絶食は、頭痛、失神、脱力感、脱水を引き起こすことがあります。

成人の過体重と肥満について理解する:概要

定義づけと事実(英語サイト)

「過体重」および「肥満」という用語は、身長に対して正常または健康であると考えられる体重よりも多いことを指します。過体重または肥満の場合、健康的な体重に達して、それを維持することは長期的な課題になる可能性があります。

体重および健康に影響を与える要因(英語サイト)

体重に影響を与え、過体重や肥満を引き起こす可能性のある要因は多くあります。これらの要因には、減量するのを難しくするものもあれば、減量した体重を戻さないようにするものもあります。過体重や肥満は重大な健康問題を招く可能性があります。

健康的な体重とは(英語サイト)

体格指数( body mass index:BMI)は、健康的な体重、過体重、または肥満かどうかを判断する方法の1つです。あなたの体形が原因でいくつかの健康上の問題が起こることもあります。

健康上のリスク(英語サイト)

過体重や肥満は、特定の健康問題のリスクを高める可能性があり、特定の情緒問題や社会問題に関連している可能性があります。

食事と身体活動(英語サイト)

食生活を変えることは、減量および体重維持するための要となります。減量のため、摂取するカロリーを減らし、摂取するより多くのカロリーを使わなくてはなりません。あなたが実践する食事プランの内容よりも、それを維持していくことのほうが重要かもしれません。

治療(英語サイト)

減量のための一般的な治療は、健康的な食事をとること、運動すること、または、普段の自分の習慣を変えることなどです。極端な肥満であり、それによる健康障害がある場合は、医師に減量手術などほかの手段を薦められることもあります。

臨床試験(英語サイト)

国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases :NIDDK)および米国国立衛生研究所(National Institutes of Health :NIH)のその他の構成機関は、多くの疾患および健康状態に対する研究の実施および支援を行っています。

統計

アメリカでは成人の3人に1人が肥満です。アメリカでは、2歳から19歳までの小児と青年の約6人に1人が肥満です。さらにその成人の3人に1人が過体重と考えられています。最新の統計(英語サイト)をご覧ください。 最新の統計(英語サイト)を参照してください。

姉妹とともに

「Sisters together(姉妹とともに)」(英語サイト)18歳以上の黒人女性がより積極的に活動し、健康的な食事をとることで健康的な体重を維持することを奨励する健康意識の高いプログラムです。

小児および10代の青少年が知っておくべき健康のヒント

成人のための健康のヒント

成人の過体重と肥満について理解する
最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版改訂年月(翻訳時):2018年2月

成人の過体重と肥満の定義と事実

過体重および肥満とは

「過体重」および「肥満」という用語は、身長に対して正常または健康であると考えられる体重よりも多いことを指します。過体重は、ほとんどの場合過剰な体脂肪によるものです。しかし、過体重は余剰の筋肉、骨、または水分が原因の場合もあります。肥満の人は通常体脂肪が過剰です。

体格指数(BMI)は、健康的な体重、過体重、または肥満かどうかを判断する方法の1つです。BMIは、身長に対する体重に基づいた指標です。BMIが大きいほど、過体重や肥満による健康問題のリスクが高くなります。

過体重または肥満の場合、健康的な体重に達して、それを維持することは長期的な課題になる可能性があります。健康的な体重を維持する、またはすでに過体重の場合少なくともこれ以上体重を増やさないことは、特定の健康問題を起こすリスクを下げるのに役立ちます。

アメリカの成人の3人に1人以上が肥満であると考えられています。

過体重および肥満の発生率

アメリカの全国調査によると1,2,3

  • 成人の3人に1人以上が過体重であるとされています
  • 成人の3人に1人以上が肥満であるとされています
  • 成人の3人に2人以上が過体重または肥満であるとされています

アメリカの過体重と肥満に関する詳細な統計については、NIDDKの「Overweight & Obesity Statistics(過体重および肥満の統計)(英語サイト)」をご覧ください。

過体重になりやすい人とは

男性は女性よりも過体重になりやすい傾向にあります。3

肥満になりやすい人とは

アメリカの全国調査によると、一部のグループの人々は肥満になりやすい傾向にあります。2

  • 黒人の成人のうち、100人中48人が肥満であるとされています。
  • ヒスパニック系の成人のうち、100人中42人が肥満であるとされています。
  • 白人の成人のうち、100人中36人が肥満であるとされています。

女性は男性よりも肥満になりやすい傾向にあります。2

肥満になりやすい傾向にある人には多くの要因が関与しており、これらの要因は人々に異なる影響を与える可能性があります。

なぜ太るのでしょうか

体重増加には多くの要因があり、それらは身体がどれだけの重さを蓄えるかに影響を与えます。身体活動や、座ったり寝たりなどの日常生活で消費するよりも多くのカロリーを食物または飲料から摂取すると、身体は余分なカロリーを蓄えます。長期間にわたって、消費するよりも多くのカロリーを摂取し続けると、体重は増加することでしょう。過度の体重増加は、過体重または肥満につながる可能性があります。

減量が必要な人とは

医療スタッフは、肥満の人に減量を勧めます。

過体重で、心疾患(英語サイト)を引き起こすリスクを高める要因が1つ以上ある人のほとんどは、減量する必要があります。このような要因には以下のものがあります。

参考文献

  • [1] Jensen MD, Ryan DH, Apovian CM, et al.2013 AHA/ACC/TOS guideline for the management of overweight and obesity in adults.Circulation.2014;129:S102–S138.
  • [2] Flegal KM, Kruszon-Moran D, Carroll MD, Fryar CD, Ogden CL.Trends in obesity among adults in the United States, 2005 to 2014.JAMA.2016;315(21):2284-2291.
  • [3] Fryar CD, Carroll MD, Ogden CL.Centers for Disease Control and Prevention, National Center for Health Statistics.Health E-Stats.Prevalence of overweight, obesity, and extreme obesity among adults aged 20 and over: United States, 1960–1962 through 2013–2014.https://www.cdc.gov/nchs/data/hestat/obesity_adult_13_14/obesity_adult_13_14.pdf External link(英語サイト) (PDF, 342 KB) .Published July 2016.Accessed October 25, 2017.

体重および健康に影響を与える要因

体重に影響を与え、過体重や肥満(英語サイト)を引き起こす可能性のある要因は多くあります。これらの要因には、減量するのを難しくするものもあれば、減量した体重を戻さないようにするものもあります。

家族歴および遺伝子

  • 過体重や肥満は遺伝する傾向があり、遺伝子(英語サイト)が関与している可能性があることを示唆しています。両親のどちらかまたは両方が過体重または肥満の場合、過体重になる可能性が高くなります。遺伝子は、体内に蓄積する脂肪の量や、余分な脂肪を蓄える部位に影響を与える可能性があります。

人種または民族

  • 一部の人種および少数民族グループは、肥満になりやすい傾向にあります。アメリカ人成人の肥満率は、アフリカ系アメリカ人で最も高く、次にヒスパニック/ラテン系、その次が白人です。これは男性にも女性にも当てはまります。4 アジア系アメリカ人の男性と女性の肥満率(英語サイト)は最も低くなっていますが、 BMIが低い場合でも、腹部(英語サイト)に健康的でない脂肪が多く存在すると、やはり肥満に関連する疾患のリスクはあるのです。5

年齢

多くの人は加齢とともに体重が増えます。BMIが正常な成人は、多くの場合若年成人期に体重が増えはじめ、60〜65歳になるまで増え続けます。さらに、肥満の子供は、成人してからも肥満になりやすい傾向にあります。

性別

アメリカでは、肥満は黒人またはヒスパニック系の男性よりも黒人またはヒスパニック系の女性に多くみられます。性別も、身体が脂肪を蓄える部位に影響を与える場合があります。女性は臀部に脂肪が蓄積する傾向があります。男性は通常腹部に脂肪が蓄積します。特に腹部周辺に過剰な脂肪がある場合、たとえ体重が正常であっても、健康問題のリスクにさらされる可能性があります。

食生活および身体活動習慣

食生活と身体活動習慣は、以下の場合に過体重および肥満になる可能性を高める場合があります。

住む、働く、遊ぶ、そして礼拝する場所

住む場所、働く場所、遊ぶ場所、そして礼拝する場所は、食生活や身体活動習慣、健康的な食物や活動の場へのアクセスに影響を与える可能性があります。 たとえば、食料品店の数が多い地域に住んでいると、質の良い低カロリーの食品を得る機会が増える可能性があります。安全な身体活動ができる多くの緑地がある地域に住んでいると、体をもっと動かそうという気持ちになるかもしれません。 働いたり礼拝したりする場所によっては、不健康で高カロリーの食物を口にしやすくなる可能性もあります。職場や礼拝所にある自動販売機、カフェテリア、または特別なイベントでは、健康的で低カロリーな食事の選択肢がない場合があります。可能な限り、より健康的な選択肢を選び、おやつはパイやケーキの小さな一切れに抑えましょう。

家族の習慣および文化

家族の食生活や生活習慣が、体重や健康に影響を与える可能性があります。家族によっては、脂肪、塩分、および添加糖類の多い食物や飲料を摂ったり、家族の集まりで不健康な食物を大量に食べたりすることがあります。活動する代わりに、テレビを見たり、コンピューターを使ったり、モバイル機器を使用したりする活動的ではない時間を多く費やす家族もいます。

社会的、民族的、宗教的なグループ文化も、食生活や生活習慣が共通しているため、体重と健康に影響を与える可能性があります。一部の文化では、脂肪、塩分、および添加糖類の多い食物や飲料を摂る場合があります。揚げ物などの一部の一般的な食品の調理方法は、高カロリー摂取につながる可能性があります。高カロリーで、脂肪、糖分の多い食物を日常的に摂取すると、時間とともに体重が増加する可能性があります。

睡眠不足

十分な睡眠が取れない人は、より多くのカロリーや間食を摂取する可能性があります。専門家は、18〜64歳の成人は1日7〜9時間、65歳以上の成人は1日7〜8時間睡眠をとることを推奨しています。

そのほかの要因

体重増加を引き起こすそのほかの要因には以下のものがあります。

一部の人の減量を難しくしている要因とは

次に示すように、減量を難しくしている可能性のある要因は多くあります。

参考文献

  • [4] Flegal KM, Kruszon-Moran D, Carroll MD, Fryar CD, Ogden CL.Trends in obesity among adults in the United States, 2005 to 2014.JAMA.2016;315(21):2284-2291.
  • [5] Liu X, Chen Y, Boucher NL, Rothberg AE.Prevalence and change of central obesity among US Asian adults:NHANES 2011–2014.BMC Public Health.2017;17(1):678.
  • [6] St-Onge MP.Sleep-obesity relation: underlying mechanisms and consequences for treatment.Obesity Reviews.2017;18(Suppl 1):34-39.
  • [7] Hirshkowitz M, Whiton K, Albert SA, et al.National Sleep Foundation’s updated sleep duration recommendations: final report.Sleep Health.2015;1(4):233-243.

健康的な体重とは

自分が健康的な体重かどうかを判断する方法とは

体格指数(body mass index :BMI)、ウエストサイズ、ウエスト対ヒップ率を知ることは、健康的な体重かどうかを判断するのに役立ちます。

体格指数(BMI)

BMIは、成人の過体重と肥満の測定とスクリーニングに最もよく使用されるツールです。BMIは、身長に対する体重に基づいた指標です。簡単に BMIを計算できます(英語サイト) NIH external link。

BMIによって、正常または健康的な体重かどうか、過体重または肥満かどうかを判断できます。BMIが大きいほど、2型糖尿病(英語サイト)心疾患(英語サイト)などの健康問題のリスクが高まります。

  • 正常または健康的な体重BMIが18.5〜24.9の人は、正常または健康の範囲内にあります。
  • 過体重BMIが25〜29.9の人は過体重とみなされます。
  • 肥満BMIが30〜39.9の人は肥満と見なされます。
  • 極度の肥満BMIが40以上の人は、極度の肥満とみなされます。

BMIは実際の体脂肪を測定しないため、ボディービルダーのように非常に筋肉質の人は、体脂肪が多くなくてもBMIが高くなる場合があります。また、アジア人の男性や女性、または高齢者など、BMIが低い傾向がある一部のグループでは、過体重でない場合でも体脂肪が多い場合があります。

ウエストサイズ

そのほかの重要な指標はウエストサイズです。ウエスト周りの脂肪が多すぎると、体の他の部位に脂肪があるよりも健康問題(英語サイト)を引き起こす可能性が高くなります。ウエストサイズが35インチ(88.9cm)を超える女性とウエストサイズが40インチ(101.6cm)を超える男性は、肥満に関連する疾患を発症しやすい傾向にあります。

ウエストサイズが88.9cmを超える女性は、肥満に関連する疾患を発症しやすい傾向にあります。

体型は重要なのでしょうか

医師は、体脂肪の量だけでなく、体のどこに脂肪があるかについても懸念します。女性は臀部に脂肪が蓄積する傾向があり、「洋ナシ」型の体型になります。男性は通常腹部(英語サイト)に脂肪が蓄積し、どちらかというと「リンゴ」型の体型になります。もちろん、洋ナシ型の男性もいれば、リンゴ型の女性もいます。

特に腹部に余分な脂肪がある場合、たとえ体重が正常であっても、特定の健康問題のリスクにさらされる可能性があります。リンゴ型の人は、同じ体重の洋ナシ型の人よりも、2型糖尿病、心疾患、または特定の種類のがん(英語サイト)を発症する可能性が高くなります。

医師の助けはいつ求めるべきでしょうか

急激に体重が増えている場合、ウエストサイズが大きい場合、またはBMIが30以上の場合は、医師の助けを求める必要があります。過体重または肥満、および以下の場合にも、医師の助けを求める必要があります。

健康上のリスク

過体重や肥満は、特定の健康問題のリスクを高める可能性があり、特定の情緒問題や社会問題に関連している可能性があります。

過体重や肥満の健康リスクとは

心疾患

心疾患は、心臓に影響を与える可能性のあるさまざまな問題を説明するために使用される用語です。心疾患がある場合、心臓発作、心不全(英語サイト)、心臓突然死、狭心症(英語サイト)、または不整脈を発症する可能性があります。NIH(外部リンク)高血圧、異常な血中脂(英語サイト)質値、および高血糖値は、心疾患のリスクを高める可能性があります。血中脂質には、HDLコレステロール(英語サイト)LDLコレステロール(英語サイト)、およびトリグリセリド(英語サイト)があります。

体重の5〜10%を減量すると、心疾患の発症に関する危険因子が減少する可能性があります。体重が200ポンド(約90.7kg)の場合、わずか約4.5kg減量するということです。減量によって、血圧、コレステロール値、血流が改善する可能性があります。

脳卒中

脳卒中は、脳または首の血管の閉塞または破裂によって、脳への血液供給が突然遮断される疾患です。脳卒中は、脳組織に損傷を与え、話すことや体の一部を動かすことができなくなります。高血圧は、脳卒中の主な原因です。

睡眠時無呼吸

睡眠時無呼吸は、睡眠中に定期的に呼吸が止まるという、よくみられる疾患です。短時間完全に呼吸が止まる場合があります。睡眠時無呼吸は、治療しないと2型糖尿病や心疾患など他の健康問題のリスクを高める可能性があります。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームとは、心疾患、糖尿病、脳卒中に対するリスクのある症状が組み合わさった状態をいいます。これらの症状には以下のものがあります。

  • 高血圧
  • 高血糖値
  • 血中トリグリセリド高値
  • 血中HDLコレステロール(善玉コレステロール)低値
  • ウエスト周りの過剰な脂肪

脂肪肝

脂肪肝とは、肝臓(英語サイト)脂(英語サイト)肪が蓄積した状態をいいます。脂肪肝には、非アルコール性脂肪性肝(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)および非アルコール性脂肪性肝炎(nonalcoholic steatohepatitisNASH)(英語サイト)があります。脂肪肝は、重度の肝損傷、肝硬変(英語サイト)、さらには肝不全に至る可能性があります。

変形性関節症

変形性関節症は、痛み、腫れ、関節の動きの減少を引き起こす、一般的で長期にわたる健康問題です。過体重や肥満になると、関節や軟骨に余分な圧力がかかり、変形性関節症のリスクが高まる可能性があります。

胆嚢疾患

過体重や肥満は、胆石(英語サイト)胆嚢炎(英語サイト)などの胆嚢疾患(英語サイト)のリスクを高める可能性があります。胆汁(英語サイト)を構成する物質のバランスが崩れると胆石を引き起こします。胆汁に含まれるコレステロールが多すぎると、胆石が形成される可能性があります。

特定のがん

がんは関連する疾患の総称です。NIH(外部リンク)あらゆる種類のがんは、体の細胞の一部が絶えず分裂し始め、周辺の組織に広がります。過体重や肥満は、特定の種類のがんを発症するリスクを高める可能性があります。NIH(外部リンク)

腎疾患

腎疾患とは、腎臓が損傷を受けており、本来の働きである血液のろ過ができないことを意味します。肥満は、腎疾患の最も一般的な原因である糖尿病と高血圧のリスクを高めます。糖尿病や高血圧がない場合でも、肥満自体が腎疾患を促進し、進行を早める可能性があります。

妊娠の問題

過体重や肥満は、妊娠中に起こる可能性のある健康問題のリスクを高めます。過体重または肥満の妊娠中の女性は、以下の可能性が高くなります。。

  • 妊娠糖尿病(英語サイト)の発症
  • 妊娠高血圧腎症(妊娠中の高血圧で、未治療のままにすると、母親と胎児に重度の健康問題を引き起こす可能性がある)の発症
  • 帝王切開(英語サイト)が必要となり、その結果、出産後の回復に時間がかかります。NIH(外部リンク)

どのような情緒問題および社会的問題が過体重や肥満に関連しているのでしょうか

過体重や肥満は、うつ病(英語サイト)などのメンタルヘルスの問題に関連しています。過体重や肥満に取り組んでいる人は、医療スタッフを含む他の人からの体重に対する差別や偏見の対象になる場合もあります。これは拒絶、恥、または罪悪感につながり、さらにメンタルヘルスの問題を悪化させる可能性があります。

参考文献

食事と身体活動

減量のための選択肢とは

食生活を変えることは、減量および体重維持するための要となります。減量するには、摂取カロリーを減らし、より多くのカロリーを消費する必要があります。これは、多くの人にとって長期間行うのが難しい可能性があります。最近の研究では、食事計画に従うことは、従う食事計画の種類よりも、減量および体重維持するためにより重要であることが示されています。

健康的な食事計画に従う

食物と飲料の選択肢はすべて重要です。健康的な食事を摂ることは、年齢、体重、代謝(英語サイト)、食物の好み、食品へのアクセス、文化、伝統、性別、そして生涯を通じた個人的な決断など、多くの要因によって形作られる道のりです。健康的な食事計画には以下が含まれます。

  • さまざまな野菜、果物、そして玄米、オート麦、全粒粉パンなどの全粒穀物
  • 牛乳、ヨーグルト、チーズなどの無脂肪または低脂肪乳製品、および大豆飲料などと同等の製品
  • 魚介類、赤身の肉と鶏肉、卵、マメ科植物(豆とエンドウ)、ナッツ、種子、大豆製品などのさまざまなタンパク質食物
  • オリーブオイル、キャノーラオイルなどのオイルや、ナッツ、オリーブ、アボカドに含まれる脂質

健康的な食事計画には以下も含まれます。

健康的な食事計画や自分に適した食物や飲料の量についての詳細は、ChooseMyPlate.gov(英語サイト)をご覧ください。

健康的な食物計画には、さまざまな健康的で栄養価の高い食品が含まれます。

定期的な身体活動をする

The Physical Activity Guidelines for Americans, 2nd edition(アメリカ人のための身体活動ガイドライン、第2版)(英語サイト)(PDF、14.2 MB)では、定期的な身体活動を、早歩き(英語サイト)などの中等度の有酸素運動を少なくとも1週間に150分と定義しています。中等度の有酸素運動により、心拍が速くなり、息苦しくなりますが、過労や興奮ではありません。このような種類の身体活動は、ほとんどの人にとって安全です。

身体障害のある人は、車椅子のエアロビクスやバスケットボールなどの特定の活動もできます。あなたの能力でうまく行える可能性のある身体活動の種類について医師に相談してください。

心疾患(英語サイト)高血圧(英語サイト)糖尿病(英語サイト)などの健康状態がある場合は、定期的な身体活動を始める前に医師に相談してください。医師は、あなたの生活習慣、興味、スキルに合った身体活動の種類と量を評価することができます。

「Tips to Help You Get Active(活動的になるためのヒント)」(英語サイト)をご覧ください。

健康的な体重を維持するにはどうすればよいのでしょうか。

最近の研究によって、減量した後に減量した体重を維持するのが難しいのには多くの理由があることがわかりました。減量の間代謝が低下することに加えて、新たな軽い体重の体には、カロリーを減らす必要があります。ホルモン(英語サイト)やそのほかの要因も体重の再増加を促進する傾向があります。長期間減量を続けている人は、食事量を注意深く追跡し、多くの身体活動を行うための報告が必要です。健康的な体重に達した人の中には、減量を続けるのが難しい人もいます。

体重を追跡する

定期的に体重測定をしてください。体重を記録することで、減量した体重を維持し、体重が戻らないようにします。

健康的な食事計画を守る

健康的な食物選びを続け、健康的な食事計画に従うことを生涯の習慣にしてください。食事計画を続けやすいように、好みのもので楽しめる健康的な食物の選択肢を見つけてください。

健康的な体重を維持するために、健康的な食物選びを続けてください。

定期的な身体活動を続ける

定期的な身体活動は、減量した体重が元に戻らないようにするのに役立ちます。体重が元に戻るのを防ぐため、少なくとも1週間に300分の中等度の身体活動をすることを目指します。定期的な身体活動を生涯の習慣にしましょう。

減量維持プログラムに参加しましょう

過体重または肥満で減量した場合は、減量した体重を維持するためのプログラムに参加するよう医師からアドバイスされる場合があります。このプログラムは、健康的な食事と定期的な身体活動計画を守り、進捗を追跡するのに役立ちます。

参考文献

[9] U.S. Department of Health and Human Services, Office of Disease Prevention and Health Promotion.Physical Activity Guidelines for Americans, 2nd edition.Washington, DC:U.S. Department of Health and Human Services; 2018.https://health.gov/paguidelines/second-edition/(英語サイト) External link.Updated January 14, 2019.Accessed January 14, 2019.

治療

過体重や肥満に対する一般的な治療法には、健康的な食事による減量、身体活動を増やすこと、そしてそのほかの日常的な習慣を変えることなどがあります。体重管理プログラムは、一部の人に対して、減量し、また減量した体重が元に戻らないようにするのに役立ちます。肥満の人の中には、健康を改善するのに十分な減量ができない人や、体重が元に戻らないようにすることができない人がいます。そのような場合、医師は減量薬、減量装置、または減量手術などの他の治療の追加を検討する可能性があります。

専門家は、治療の最初の6カ月間で、体重の5〜10パーセント減量することを推奨しています。体重が約90.7kgの場合、わずか約4.5kg減量することを意味します。体重の5~10パーセント減量すると

健康的な食事計画と定期的な身体活動

多くの場合、摂取カロリー(英語サイト)を減らす健康的な食事計画(英語サイト)に従うことは、過体重や肥満の治療を試みる際の最初のステップです。

過体重や肥満の人は、健康的な食事計画を開始するときに定期的な身体活動を開始する必要もあります。活動的であることは、カロリーの消費に役立つ可能性があります。定期的な身体活動は、健康的な体重を維持するのに役立つ可能性があります。

減量する、または減量した体重を維持するための健康的な食事(英語サイト)と身体活動についての詳細はこちら。

定期的な身体活動は、健康的な食事と組み合わせると、減量し、健康的な体重を維持するのに役立ちます。

習慣を変える

食生活、身体活動習慣および生活習慣を変えることは困難ですが、計画、努力、定期的なサポート、忍耐力があれば、減量し健康を改善することができる可能性があります。次に挙げるヒントは、減量し、定期的な身体活動を行い、長期にわたって健康を改善する方法について考えるのに役立ちます。

  • 失敗することを念頭に置いておいてください。それは普通のことです。家族や職場の集まりでの食べすぎのように、失敗した後は、気を取り直すようにして、できるだけ早く健康的な食事計画に戻ることに重点を置いてください。ダイニングルームやキッチンテーブルに座っているときだけ食べるようにしてください。職場では、おやつが食べられる場所を避けてください。食事、身体活動、および体重を追跡するのに役立つBood Weight Planner(英語サイト)などのオンラインでの食物または身体活動追跡装置を使用して、進捗を追跡します。これらのツールは、継続し、モチベーションを維持するのに役立ちます。
  • 目標を設定する。特定の目標を設定することは、順調に進めるのに役立ちます。「もっと積極的に」よりも、仕事の15〜30分前、または月曜日と金曜日の昼食時に歩くことを目標にします。月曜日に歩けなかった場合は、火曜日にもう一度歩いてください。
  • サポートを求める。家族、友人、または医療専門家に助けや励ましをお願いしてください。対面やメール、テキストメッセージ、または電話で話すことでサポートを受けることができます。サポートグループに参加することもできます。特別に訓練された医療専門家が、あなたの生活習慣を変えるお手伝いをします。

体重管理プログラム

正式な体重管理プログラムの恩恵を受けているひともいます。体重管理プログラムでは、訓練を受けた体重管理の専門家が専用の大まかな計画を立て、計画の実行を支援します。計画には、低カロリーの食事、身体活動の増加、および習慣を変えるのを手助けしそれを継続する方法などが盛り込まれます。個人またはグループのセッションにおいて、オンサイト(つまり対面)で専門家と連携できます。専門家は、計画を支援するために、電話またはインターネットで定期的に連絡をとる場合があります。スマートフォン、歩数計、加速度計などの機器によって、計画をどの程度守れているかを追跡できます。

オンラインの体重管理プログラム(英語サイト)または商業的な減量プログラムの利益を受ける人もいます。

減量薬

健康的な食生活や身体活動習慣が十分でない場合に、医師は過体重や肥満を治療する薬(英語サイト)を処方することがあります。

減量薬を服用しながら、健康的な食事計画を守り、定期的な身体活動を続けなければなりません。

減量に役立つと謳った薬草療法やサプリメント(英語サイト)の広告を目にすることもあるでしょう。しかし、このような宣伝文句の多くは真実ではありません。このようなサプリメントの一部は、重篤な副作用がある可能性さえあるのです。減量をしようとして市販の薬草剤やサプリメントを服用する前に、医師に相談してください。

減量装置

減量できなかった場合、または他の治療で減量した体重が元に戻るのを防ぐことができなかった場合、医師は減量装置(英語サイト)を検討する場合があります。減量装置は最近承認されたばかりのため、安全性と有効性に関する長期的なデータはありません。減量装置には以下のものがあります

  • 電気刺激システム。電気刺激システムは、腹腔鏡手術(英語サイト)で外科医が腹部(英語サイト)に留置した装置を使用します。外部リンク(NIH)この装置によって、胃と脳の間の神経活動をブロックします。
  • 胃バルーンシステム。胃バルーンシステムの場合には、医師が口に挿入するチューブを通して胃に1つまたは2つのバルーンを留置します。バルーンを胃の中に入れ、外科医がそれらを塩水で満たすと胃のスペースを占めるため、満腹感が得られます。
  • 胃内容排出システム。胃内容排出システムでは、食事の後に胃から食物の一部を排出するためにポンプを使用します。この装置には、胃の内側から腹部の外側に通じるチューブが含まれています。食事の約20〜30分後に、ポンプを使用して、食物を胃からチューブを通してトイレに排出します。
  • 減量手術。減量手術(英語サイト)には、消化器系(英語サイト)を変化させることで減量に役立つ数種類の手術が含まれます。極度の肥満であったり、健康を改善するための減量が十分にできなかったり、他の治療で減量した体重が元に戻らないようにすることができなかったりした場合には、減量手術が選択肢となる場合があります。肥満に関連する2型糖尿病(英語サイト)睡眠時無呼吸(英語サイト)などの重篤な健康問題がある場合、肥満の程度が軽い場合でも減量手術が選択肢になる可能性があります。減量手術は、肥満に関連する多くの疾患、特に2型糖尿病を改善することができます。

特別食

  • カロリー制限食
    医師は、女性の場合は1日あたり1,200〜1,500キロカロリー、男性の場合は1日あたり1,500〜1,800キロカロリーなどの低カロリー食を推奨する場合があります。カロリーレベルは、体重と身体活動のレベルによります。さまざまな健康的な食物を用いた低カロリー食によって、健康を維持するために必要な栄養素が得られます。
  • 間欠的な絶食
    間欠的な絶食は、減量と健康上の利益のための戦略として注目を集めている、食物摂取を減らすもう一つの方法です。隔日の絶食は、間欠的な絶食の一種で、「絶食日」(0カロリー~カロリー必要量の4分の1を摂取)と「摂食日」、または無制限の食事の日で構成されます。減量に対する戦略としての間欠的な絶食の研究は、ごくわずかしか行われていません。長期的な体重維持のための間欠的な絶食についての安全性と有効性に関する長期的なデータはありません。

参考文献

  • [10] Jensen MD, Ryan DH, Apovian CM, et al.2013 AHA/ACC/TOS guideline for the management of overweight and obesity in adults.Circulation.2014;129:S102–S138.

臨床試験

国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases :NIDDK)および米国国立衛生研究所(National Institutes of Health :NIH)のそのほかの構成機関は、多くの疾患および健康状態に対する研究の実施および支援を行っています。

過体重および肥満に対する臨床試験とは

臨床試験は臨床研究の一部であり、すべての医学の進歩の中心にあります。臨床試験では、病気を予防、発見、治療するための新しい方法が検討されています。肥満の発症および治療における食習慣の役割に関する研究、新しい行動、薬物療法、装置、外科的アプローチ、そして肥満を発症する理由または治療に反応する理由についてさらに知ることができるそのほかの研究分野などの、過体重および肥満について理解を深めるための研究が行われています。例えば、以下の臨床試験が行われています。

  • 特定の医薬品や食事の種類に反応する可能性のある患者を特定する
  • 腸内細菌が過体重または肥満になるリスクにどのように影響するかについて知る
  • 代謝が肥満および関連する健康状態にどのように影響するかについて研究する
  • 妊娠中の母親の体重増加が、その後の母親の健康と胎児の健康にどのように影響するかについて調査する
  • 身体活動によって体重と健康全般を改善し維持する方法について知る

また臨床試験は、慢性疾患患者の生活の質の改善など、治療のそのほかの側面について検討するためにも使用されます。自分に適した臨床試験を探す。(英語サイト)外部リンク(NIH)

NIDDK所長のDr. Griffin P. Rodgersが臨床試験に参加することの重要性について説明している動画をご覧ください。

過体重および肥満に対する臨床試験で開始しているもの

NIHまたはそのほかの政府機関が資金提供しており、現在開始していて参加者募集中の、過体重および肥満の治療または管理に焦点を当てた臨床試験については、「www.ClinicalTrials.gov」(英語サイト)でご覧ください。外部リンク(NIH)これは臨床試験について収集したリストですが、過体重や肥満に関するより多くの臨床試験を見つけるために検索を拡大または縮小することができます。

過体重と肥満について研究によって分かったこと

NIDDKは、過体重と肥満についてさらに理解するため、多くの研究プロジェクトをサポートしています。以下はその例です。

  • Look AHEAD(プロジェクト名)。Action for Health in Diabetes Trial(プロジェクト名)。この研究では、2型糖尿病患者が健康的な食事と定期的な身体活動のプログラムによって減量し、減量した体重を維持できることが示されています。この研究ではまた、減量によって身体の可動性や生活の質の向上などのさらなる健康上の利益が得られることが示されています。この試験は、2型糖尿病の高齢者を対象とした健康的な食事と身体活動プログラムによる減量の長期的な結果を研究するために延長されています。
  • The Longitudinal Assessment of Bariatric Surgeryでは、参加施設のうちの1カ所で減量手術を受けた2,400人を超える極度の肥満の参加者を追跡しました。外部リンク(NIH)参加者は最長7年間追跡されました。全体として、減量手術は安全であり、2型糖尿病や高血圧など肥満に関連する多くの疾患に好影響を与え、減量した体重を長期間良好に維持できました。しかし、胃バイパス手術を受けた参加者のアルコール使用障害のリスク増加など、いくつかのリスクが特定されました。
「痩せる」という広告の真実

痩せたいですか?この動画でダイエット製品の広告の真実を知ってください。「食事制限しなくても痩せる」「運動しなくても痩せる」、「誰にでも効果がある」という文句は嘘です。

動画:「ダイエット製品の真実

写本:
A: ジェーン今日もステキ!
B: ありがとう運動と健康な食事で頑張っているわ。必要でしょ。
A: わかるわー私はネットで見つけた薬を試しみる
B: ダイエットピル?本気?
A: なぜだめなの?みんな勧めているわ。医者も利用者も報道記事も。
B: 見せて。キャロル これはフェイクよ。
A: フェイク?どうして?
B: 私も試したけど効果なし
B: 医者は雇われた俳優で記事は広告記事だったの
A: でもお試しは無料だし私には効くかもしれないわ
B: 私が お試しに登録したら毎月商品が届いてカード請求が続いたの
A: ひどい…!
B: 最悪よ。しかも効き目ゼロ
A: 無数のダイエット製品はどれも効かないの??
B: 魔法の薬なんてモノはないのよ
A: 健康な食事と運動あるのみね
B: その通り。摂取カロリーを減らして動けば痩せられるわ。来週 一緒に走りましょう。
A: ええ、楽しそう
B: メールするわ
安全で成功する減量プログラムの選択
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英語版改訂年月(翻訳時):2017年7月

減量する必要があると思いますか。減量プログラムを試してみようと考えていましたか。

あなたは一人ではありません。アメリカの成人の70%以上が過体重過多または肥満(英語サイト)であり、その多くはさまざまな種類の減量プログラムを通じて余剰な体重を減らそうとしています。このようなプログラムの多くは、雑誌、新聞に加えてラジオ、テレビ、インターネットで宣伝されています。しかしそれらは安全でしょうか。効果があるでしょうか。

ここでは、安全に減量し、ゆっくり時間をかけて維持するのに役立つプログラムを選択するためのヒントを紹介します。また、体重について医療スタッフに相談する方法も分かります。

かかりつけの医療専門家は、正常な体重に達して維持するために生活習慣を変えるお手伝いができるかもしれません。しかし、生活習慣の変更に問題が生じた場合、またはこのような変更が正常な体重に達して維持するのに十分でない場合は、減量プログラムまたはその他の種類の治療(英語サイト)を検討することをお勧めします。

まず始めに行うこととは

重要な第一歩として、体重について医療スタッフに相談しましょう。外来診療では、医療スタッフのほうから健康的な食事、身体活動、体重などの問題について切り出さないこともあります。自分でこれら問題について切り出す必要があるかもしれません。自分の体重について話すことに不安を感じる場合は、受診する前に質問を用意し、心配事について相談する練習をしてください。健康を改善するために医療スタッフと協力することを目指しましょう。

重要な第一歩として、体重について医療スタッフに相談しましょう。

受診の準備をする

医療スタッフと話す前に、次の疑問について考えてください。

  • より健康になり、正常な体重に達するためにどのように食生活を変えればよいのか。
  • より健康になり、正常な体重に達するために自分自身に必要と考える身体活動の量と種類は何か。
  • 栄養や減量の専門家に相談したり、減量プログラムに参加したりすることでベネフィット(有益性)を得ることができるか。

さらに次のことを準備しおくことで医療スタッフと話しやすくなるでしょう。

  • 事前にすべての質問を書き留めておく
  • 服用しているすべての医薬品とサプリメントについて、書き出すか、そのものを持参する
  • 減量のために過去に試したことがあるダイエットやプログラムの種類を書き出す
  • 質問を読んでメモを取るために、ペンと紙、スマートフォン、またはその他のモバイル機器を持参する

診察の間、医療スタッフは次のことをします

  • あなたが抱える医学的な問題点や服用している医薬品について検討し、それらがあなたの体重に影響あるいは減量の妨げになっていないかを調べます
  • あなたの食生活、飲酒習慣、運動習慣について相談しましょう
  • 体格指数(body mass index:BMI)(英語サイト)を確認し、過体重か肥満かを調べます

過体重のBMIは25.0〜29.9です。肥満のBMIは30.0以上であり、極度の肥満のBMIは40.0以上です。このオンラインツール(英語サイト)または図表(英語サイト)を使用して、BMIを調べることができます。

医療スタッフに減量するように言われた場合、減量プログラム、栄養士、または減量の専門家を紹介してもらいましょう。自分で減量プログラムを選択する場合、特に健康上の問題がある場合は、申し込む前にプログラムについて医療スタッフに相談しましょう。

医療スタッフが言ったことを理解できない場合や、追加の情報が必要な場合は質問してください。

医療スタッフに尋ねる質問

医療スタッフに次の質問をしましょう。

  • 私にとっての正常な体重またはBMIはどのくらいですか。
  • 減量することで、特定の健康上の問題だけでなく全身の健康状態も改善しますか。
  • 私が抱える疾患や服用している医薬品が、体重増加を引き起こしたり減量を難しくしたりしている可能性はありませんか。
  • 健康状態を理由に、行ってはならない身体活動の種類や量はありますか?
  • 試すまたは避けたほうがいい食事方法はありますか?

減量プログラムに求めること

長期にわたって正常な体重に達し、それを維持するには、食べるものだけでなく、健康全般と生活習慣に重点を置かなければなりません。成功する減量プログラムとは、安全に減量し、毎日続けることができ、その後維持することができるような、健康的な行動を促進するものでなければなりません。

安全で成功する減量プログラムには、次の内容が盛り込まれている必要があります。

  • 健康的な食習慣や身体活動習慣を身に付け、継続する方法を知ることができる、生活習慣カウンセリングとも呼ばれる行動療法(たとえば、食事や活動の記録、日記をつける)。
  • 十分な睡眠の確保、ストレスの管理、減量薬の利点と欠点に関する情報
  • 対面、電話、オンライン、またはこれらの方法を組み合わせ、フィードバック、モニタリング、およびサポートをプログラムの期間中継続して行うこと
  • 緩やかで着実な減量目標(通常は1週間に1〜2ポンド(1キロ前後)(ただし、プログラムの開始時に減量スピードは速くなる場合があります))
  • 目標設定、食事の記録やカウンセリングサポートを続けるなどのセルフチェックを含む、減量を続けるための計画

最も成功する減量プログラムでは、6カ月以上にわたって14セッション以上の行動療法を、訓練を受けたスタッフが主導して行います。2

一部の商業的な減量プログラムには、安全で成功する減量プログラムのためのこれらすべての要素が組み込まれています。試してみたいと考えているプログラムのこれらの特徴を確認してください。

このようなダイエットは、人によっては急激な減量(たとえば、1カ月に15ポンド[約6.8キロ])を可能にするかもしれませんが、長期間減量を維持することは難しいかもしれません。また、このようなダイエットには健康リスクもあります。最も一般的なのは胆石です。3

過体重または肥満の人に対し、専門家は、6カ月以内で開始時の体重の5~10%の減量を目標に始めることを推奨しています。2 体重が200ポンド(約90.7キロ)の場合、6カ月で10ポンド(開始体重の5%)から20ポンド(開始体重の10%)の減量になります。

生活習慣を変更することは容易ではありませんが、諦めずに健康的な習慣を身につけることは数週間または数カ月後に、減量を続けるのに役立つ可能性があります。健康増進のために習慣を変える方法(英語サイト)についてご覧ください。

減量プログラムがオンラインで提供されている場合

現在、多くの減量プログラムが、部分的または完全にオンラインおよびモバイル機器用のアプリを使って提供されています。研究者らは、これらのプログラムが単独または対面でのプログラムとの併用で、特に長期的に、どの程度うまく機能するかを研究しています。しかし、専門家は、このような減量プログラムには以下の内容を組み込むべきであると提言しています。

  • 体系化、毎週のレッスン、オンラインまたはポッドキャストによる提供、個人の目標設定
  • 目標を達成するための有資格スタッフによるサポート
  • 携帯電話、アクティビティカウンター、オンライン日記などのツールを使用し、健康的な食事や身体活動などの生活習慣の変更に関する進捗状況を追跡する計画
  • 定期的な目標のフィードバック、進捗、そしてカウンセラーから提供される結果を電子メール、電話、またはテキストメッセージでやり取りする
  • 掲示板、チャットルーム、またはオンライン会議を介したグループによる社会的支援のオプション

プログラムがオンラインであるか対面であるかに関係なく、参加を決定する前に、できるだけ多くの予備知識を得ておく必要があります。

現在、多くの減量プログラムがオンラインおよびモバイル機器用アプリを使って提供されています。

避けるべき減量プログラム

以下のような約束をする減量プログラムは避けましょう。

  • 食事制限や運動をせずに減量します。
  • 好きな食べ物を好きなだけ食べながら減量します。
  • 30日間で30ポンド(約13.6キロ))減らします。
  • あなたの体の特定の気になる部分を減量します。

その他の注意すべき警告サインには以下のものがあります

  • 重要な情報を見逃しやすい非常に細かい文字、アスタリスク、および脚注。
  • あまりにも出来すぎているビフォーアフターの写真
  • 架空の個人の推薦

減量プログラムについての虚偽の主張や詐欺として、連邦取引委員会に報告できます。(英語サイト)

減量プログラムについてするべき質問とは

減量プログラムのスタッフは、プログラムの特徴、安全性、費用、および結果に関する質問に答えられなければなりません。興味のあるプログラムが、正常な体重に達して維持することに対して何が有効なのかということに関する既存の研究に基づいているかを確認します。

商業的な減量プログラムに対して最初に尋ねるべき非常に重要な質問は、「あなたの会社はプログラムの安全性と有効性について論文審査のある科学雑誌に報告書を公表していますか」です。

答えが「はい」の場合、その報告書のコピーまたは入手方法を尋ねます。答えが「いいえ」の場合、そのプログラムは評価が難しく、そのような情報を公開しているプログラムと比べて好ましい選択肢ではないかもしれません。結果について疑問がある場合は、報告書についてかかりつけの医療スタッフに相談しましょう。

その他に以下の質問をしてもよいでしょう。

プログラムの内容について。

  • 食事
    • 特定の食事計画に従う必要がありますか。
    • 毎日の食事を記録した方が良いですか。
    • 特別な食事やサプリメントを購入する必要がありますか。その場合、日ごとまたは週ごとの費用はいくらですか。
    • 継続可能で健康的な食事計画を提案してもらえますか。
    • 特別食が必要な場合、好き嫌いや食物アレルギーの有無に合わせて変更できますか。
  • 身体活動
    • 身体活動計画が組み込まれていますか。
    • より体を動かし、モチベーションを維持するのに役立つ方法で行いますか。
  • カウンセリング
    • 健康的な習慣を身につけて継続するために、1対1またはグループでのカウンセリングを行いますか。
    • 障害を乗り越えて順調に進むために、訓練を受けたコーチまたはカウンセラーがいますか。
  • 体重維持
    • 減量を維持するのに役立つ計画がありますか。
    • このプログラムには何が組み込まれていますか。継続的なカウンセリングサポートはありますか。
  • その他の特徴
    • 実際の減量プログラムの期間はどのくらいですか。
    • 減量維持プログラムの期間はどのくらいですか。
    • 何らかの薬を服用する必要がありますか。
    • 必要に応じて、医師または資格を持った医療スタッフに相談することができますか。
    • 生活習慣、仕事のスケジュール、文化的ニーズに合わせてプログラムを変更できますか。
    • ストレスや社会生活での食事、十分な睡眠の確保、仕事のスケジュールの変更、モチベーションの欠如、怪我や病気などの問題に対処するのに役立ちますか。
    • 対面で行われますか。オンラインによるものはありますか。

スタッフにはどのような教育やトレーニングがあるのか。

これらの質問は、急激な減量(1週間に3ポンド[約1.3キロ]以上を数週間)を勧める医学的に管理されたプログラムを検討している場合に特に重要です。

  • 医師またはその他の資格を持った医療スタッフがプログラムを運営または監督していますか。
  • このプログラムには、栄養、身体活動、行動の変化、および減量の専門家がいますか。
  • スタッフにはどのような種類の認定、教育、経験、およびトレーニングがありますか。平均して、スタッフの多くはどのくらいの期間このプログラムに従事していますか。

プログラムまたは製品のリスクについて。

  • このプログラムは、健康上の問題を引き起こしたり、何らかの害を及ぼしたりする可能性がありますか。
  • このプログラムに参加している間、安全を確保するための継続的な情報提供とフォローアップはありますか。
  • このプログラムの医師またはスタッフは、たとえば、このプログラムが進行中の医学的問題にどのように影響を及ぼすかについて対処するために、必要に応じてかかりつけの医療スタッフと協力しますか。

プログラムの費用について

  • プログラムの最初から最後までの総費用はいくらですか。
  • 会費や以下に挙げる費用など、その合計に含まれていない費用はありますか。
    • 週ごとの訪問
    • 食物、食事の置き換え、サプリメントまたはその他の製品
    • 医学的検査
    • カウンセリングセッション
    • 減量維持のためのフォローアップ

プログラムによって通常どのような成果が得られるのか。

  • 平均的な人でどのくらい減量できますか。
  • 平均的な人でどのくらいの期間減量を維持できますか。
  • これらのプログラムの結果に関する書面情報はありますか。
  • プログラムの結果は論文審査のある科学雑誌に公表されていますか。

減量するための支援がさらに必要な場合

減量プログラムだけでは正常な体重に達するのに不十分な場合は、その他の種類の減量治療について医療スタッフに相談してください。過体重や肥満を治療するための処方薬と、健康的な生活習慣の変化とを組み合わせることで、正常な体重に達するのに役立つ可能性があります。極度の肥満を抱える一部の人にとっては、減量手術が選択肢になる可能性があります。

参考文献

臨床試験

国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)および米国国立衛生研究所(NIH)のその他の構成機関は、多くの疾患および健康状態に対する研究の実施および支援を行っています。

臨床試験とは何か、またそれが自分に適しているか。

臨床試験は臨床研究の一部であり、すべての医学の進歩の中心にあります。臨床試験では、病気を予防、発見、治療する新しい方法が検討されています。また臨床試験は、慢性疾患患者の生活の質の改善など、診療のその他の側面について検討するためにも使用されます。臨床試験が自分に適しているかどうかを確認してください。

開始している臨床試験について

現在開始していて募集中の臨床試験については、www.ClinicalTrials.gov(英語サイト)をご覧ください。

もっと身体を動かしましょう

しっかり身体を動かしてカロリー制限をすれば、徐々に体重を落としていくことができるでしょう。

体重管理に必要な運動量は人によりかなり違いますが、早歩きなどの中程度の運動を週に150分から300分(2時間半から5時間)することにより多くの人が体重を維持できます。

大幅に減量したい人(体重の5%以上)や減量した状態を維持したい人は週に300分以上の中程度の運動をする必要があるかもしれません。

勧告に関してもっと詳しく知りたい方は、2008 Physical Activity Guidelines for Americans’(アメリカ人に対する運動のガイドライン(2008年版)(英語サイト)をご覧下さい。または「NHLBIの病気疾患指標」(英語サイト)の運動に関する概況報告書をご覧下さい。

奇跡的な減量ができると宣伝している製品に注意

「今年は痩せるわよ。」

あなたがもしこのようなことを元日に今年の目標として掲げているなら、気をつけて下さい。多くのいわゆる「奇跡的な」減量サプリメントや減量食品(お茶やコーヒーなど)にはそんな効果はありません。それどころか深刻な害を及ぼすかもしれない、と米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration :FDA)の規制当局は言っています。サプリメントとして市販されている何百もの製品には実際表示されていない有効成分(薬物がある特定の疾患に対し有効であるようにする成分)が含まれており、それらの成分は処方薬、販売されていない薬に含まれる危険な成分または人で十分に研究されていない化合物に含まれている、ということが分かっています。

「製品に表示されていない薬物や含有物が含まれている場合、その安全性は非常に疑わしいです。」とFDAの薬物評価事務局取締役代理で医学博士のジェームズ・P・スミス氏(James P. Smith)は言っています。

汚染された製品

例えば、FDAは減量製品が処方薬の成分であるシブトラミンに汚染されていることを突き止めました。シブトラミンは、心臓障害や脳卒中を引き起こすという理由で2010年10月に販売中止になったメリディア(Meridia)と言うFDA承認薬に含まれていました。

「また、サプリメントとして販売されている減量製品で、承認済みのけいれんや血圧の薬、抗うつ薬に含まれる有効成分などが非表示で含まれている危険な調合薬を含むものがあることも分かりました。」とFDAの上級監督官長のジェイソン・ハンバート(Jason Humbert)氏は述べています。つい最近、うつ病やその他の症状の治療処方薬として販売されているプロザック(Prozac)の有効成分であるフルオキセチンが、販売されている多くのサプリメントに含まれていることがFDAにより判明しました。重大な副作用を起こす可能性があり、医療従事者の監督の下でしか使用が許可されない強力な利尿薬トリアムテレンを含むものもありました。

これらの汚染製品の多くは輸入され、オンラインで販売され、ソーシャルメディアで過大に販売促進されています。中には店頭に並ぶものもあります。

もしあなたが蜂花粉やガルシニアなどの「天然」サプリメントをとろうと考えているなら、これらの製品の中には処方薬に含まれる有効成分が非表示で含まれているものがあるとFDAが明らかにしたのを知っておくべきです。

「減量するための唯一の無理のない方法は、摂取カロリー以上のカロリーを消費することです。」と医学博士のジェームズ・P・スミス氏は言います。つまりバランスの良い食事と運動をすることです。

FDAはサプリメントを承認していません

連邦食品・医薬品・化粧品法(1994年の栄養補助食品健康教育法の改正版)の下では、サプリメント業者は製品の販売に先立ってFDAの承認を得る必要はありません。製品の安全性を保証するのは業者の責任で、また製品に対する主張は全て本当のことです。

店頭に置いてあるからそのサプリメントが安全というわけではないのです、とハンバート氏は言います。FDAには減量製品の使用により血圧上昇、動悸(心臓の鼓動が激しい)、脳卒中、けいれん、死亡などが起きたという報告が数多く届いています。FDAは安全性が疑われる場合調査に乗り出し、許可が下りればこれらの製品を市場から除外する手続きを取らなければなりません。

2014年には30を超える公示を公表し、7つの汚染された減量製品を回収しました。FDAはまた警告文を出し、製品を押収し、これらの不法ダイエット製品の販売責任者を刑事告訴しました。オンラインで汚染された減量製品のリスト(英語サイト)も公表しています。

  • 長期間体重管理をする人のためにFDAは、Belviq、Qysmia、Contraveなどの処方薬を承認しましたが、これらの製品は18歳以上で以下の条件を満たす人が対象になっています。
  • ボディマスインデックス(BMI、体脂肪の標準評価基準)が30以上(肥満と考えられる)

BMIが27以上(過体重と考えられる)で過体重による健康障害が1つ以上ある、

また体重コントロールのキャンペーンに参加するつもりなら、先ずはかかりつけの医療従事者に相談するべきです、とスミス氏は言っています。

危険サインを知ること

汚染製品を疑わせる危険サインと思われるものを探してみましょう。例えば:

  • すぐに効果があることを約束しているもの。例えば「1週間で10ポンド減量」
  • 「保証付き」とか「飛躍的科学的進歩」などの言葉を使っているもの
  • 外国語で販売されているもの
  • 大量の電子メールで販売されているもの
  • FDA承認薬の代替ハーブ製品として又は処方薬と同様の効果があるとして販売されているもの

消費者へのアドバイス

サプリメントとして販売されている製品を使っている又は使うことを考えている人に対するFDAの一般的なアドバイス:

  • いつもの食事に加えて必要かもしれない栄養について、かかりつけの医療従事者か登録栄養士と一緒にチェックして下さい。
  • あまりにも良すぎないか自問して下さい。
  • 製品の宣伝文句が誇張されてないか又は非現実的でないか気をつけて下さい。
  • 「即効性があり、よく効く」とか「とても安全」などの極端な宣伝文句に気をつけて下さい。
  • 信じられないぐらい効果があるとか使用後の結果についてなどの顧客の声」に基づく裏付けのない情報は信じないで下さい。

オンラインで販売されているサプリメント製品が汚染されている可能性があると思われる場合、FDAはその情報をオンラインで報告するように促しています。また、サプリメントの使用に関連すると思われる病気や怪我があった場合は、あなたまたはかかりつけの医療スタッフは、1-800-FDA-1088に電話するか、オンラインでFDAにアクセスすることによりを報告することができます。

全身冷却療法(Whole Body Cryotherapy:WBC)根拠のない、リスクを伴う「クール」なトレンド

あなたの関節リウマチは再燃していませんか? お近くのジムのトレーナーが、安全で簡単な治療法を教えてくれます。全身冷却療法(WBC)と呼ばれる、冷凍タンクでの三分間のセッションです。トレーナーによると、WBCは、アイスバスやパックよりも関節リウマチの痛みを止めるのに役立つだけでなく、セッションを数回受ければうつ病と体重の減少にも役立つと約束しています。

ちょっと待ってください。

問題は、このいわゆる「治療」がこれらの作用があるかいずれも実証されていないことです。

多くのスパや健康センターが反対の主張をしていますが、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)では、WBCがアルツハイマー、線維筋痛、片頭痛、関節リウマチ、多発性硬化症、ストレス、不安慢性疼痛などの疾患や病状を有効的に治療するというエビデンスは認めていません。

「冷却療法スパの多くの宣伝に見られる謳い文句の健康ベネフィット(利点)により、消費者は、FDAがWBC装置を病状の治療に安全で効果があるとして認可や承認したと誤解する可能性があります」と、FDA医療機器・放射線保健センターの医療担当者であるAron Yustein氏(MD)は述べています。「それは事実ではありません。」

実際には、これらの主張を支持して当局によって認可または承認されたWBC装置は1つもありません。

それにもかかわらず、「全身冷却療法」という言葉をインターネットでちょっと検索すると、以下のような多くの深刻な病気や状態に対してWBCを称賛するウェブサイトがたくさん見つかります。

  • 喘息
  • アルツハイマー病
  • 不安
  • 慢性疼痛
  • うつ状態
  • 線維筋痛症
  • 不眠症
  • 片頭痛
  • 多発性硬化症
  • 変形性膝関節症
  • 関節リウマチ
  • 減量

WBC装置や装置を動かす設備の販売者は、WBCは血液循環を改善し、代謝を高め、運動後の回復と痛みを改善し、関節や体の疼痛を軽減すると主張することがあります。

「冷却療法の消費者からの関心の高まりを受けて、この件に関してFDAは入手可能な医学文献を非公式にレビューしました。」とYustein氏は述べています。「宣伝されている病状を治療する上で、WBCの安全性や有効性に関するエビデンスはほとんど見つかりませんでした。」

全身冷却療法とは?

簡単に言えば、冷却療法は治療を目的とした身体の「極度の冷却」です。冷却療法には、腰など体の局部にアイスパックなどの製品を使用する方法があります。冷却療法は、華氏-200度~-300度(-128.89℃~-184.44℃)の極低温に達する蒸気に体をさらすことになります。WBC治療を選択した人は、比較的狭い空間に大抵2~4分の間、以下のいずれかの方法で装置の中に入ります。

  • 1人ずつ、最上部に開口部がある個人用サイズの缶のような囲いの中に立ちます。頭部は室温で装置の上に出したまま、胴体と足は装置の中で極寒温度にさらされます。
  • 数人ずつ、完全に密閉された部屋に2~4分間座わるか立ちます。頭部を含む全身が液体窒素によって発生する超低温にさらされます一部の冷却療法装置は、回路内の空気を冷却することによって動作します。

2~4分間これらの部屋にいると、生理学的には何が起こるのでしょうか?このような低温は血圧、心拍数、代謝にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

「全くわかりません」と、FDAの科学審査官Anna Ghambaryan氏(M.D., Ph.D)は言っています。「現時点では、これらの質問に答えるのに役立つ公開情報は不十分です。」

しかし、冷却療法の治癒効果はまだ確認されていないものの、潜在的なリスク(危険)は一目瞭然だと指摘しています。

「潜在的な危険には窒息が含まれますが、冷却に液体窒素が使用される場合は特に危険です」とGhambaryan氏は述べています。密閉された部屋に窒素蒸気を加えると、部屋の酸素量が低下し、低酸素症、つまり酸素不足になり、使用者が意識を失う可能性があります。さらに、体験者は極度の温度のために、凍傷、火傷、眼の損傷のリスク(危険)にさらされます。

まずは医師に相談しましょう

WBCを試してみることにしたら、FDAが特定の病状の治療に対しWBC装置を認可や承認を一切していないことを知っておいてください。

FDAはまた、WBC治療を(特に安全性と有効性が確立された治療選択肢の代わりに)選択した患者が、病状の改善不足や悪化を経験するかもしれないと懸念しています。

Yustein氏は、WBCを使う前に医師と相談するのが賢明だと述べています。

米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)は、個人の参考情報として、この資料を提供しています。この資料は、あなたが今かかっている医療機関の医療従事者の医学専門知識やアドバイスに代わるものではありません。NCCIHは、治療やケアについてあらゆる意思決定をする際、今かかっている医療機関に相談することをお勧めします。この資料に記載されている特定の製品、サービス、治療法のいずれも、NCCIHが推奨するものではありません。
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監訳:大野智、佐々木淳一、北島慎太郎、富塚啓貴(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
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