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がん
Cancer
本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。
- がんに対する補完療法
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英語版改訂年月(翻訳時):2022年11月要点は?
補完療法は、がん治療において役割を果たすかもしれませんが、不適切な使い方をすると有害になる可能性があります。安全のために:
- がんに対する医学的治療の代わりとしたり、あるいは治療を遅らせたりするために、実証されていない製品や方法を使用しないでください。
- がんに罹患している場合、治療プログラムに補完療法および関連製品を追加する前に、今かかっている医療機関※に相談してください。
がんに対する補完療法の有用性についてわかっていることは?
- 補完療法には、がんを予防したり、治癒したりする効果が証明されたものはありません。
- 鍼治療、マインドフルネス・ストレス軽減法、ヨガなどの補完療法の中には、がんの症状や治療の副作用を管理するのに役立つものがあるかもしれません。
がんに対する補完療法の安全性についてわかっていることは?
- 催眠療法、マッサージ療法、ヨガなどの心理的・身体的療法は、適切に使用すれば通常安全であるとされています。しかし、これらの療法の中には、がん患者にとって安全なものにするために、特別な注意を払う必要があるかもしれません。
- 補完療法の中には、がんの医学的治療を妨げる可能性のあるものがあります。例えば、いくつかのハーブは、化学療法薬の効果を弱めるかもしれません。
- インターネットを通じて販売されている詐欺的ながんの「治療法」の中には、それ自体が危険なものもあれば、効果的な治療を受ける代わりにそれらを利用することによって害を及ぼすものもあります。
がんについて
がんは、体の一部の細胞が制御不能に増殖し、体の他の部位に転移する病気です。米国では、がんは死因の第2位ですが、早期発見・早期治療の向上により、がん患者の寿命は延びています。米国では、がんと診断された人の3人に2人は、診断後5年以上生きると言われています。
がんに関するさらなる情報については、 米国国立がん研究所(National Cancer Institute:NCI)のウェブサイト(英語サイト)をご覧ください。
補完療法について
補完療法とは、多様な医学・医療システム、施術・療法および各種製品の総称であり、その起源はいずれも主流の医学とは異なるものです。ハーブ系サプリメント、その他のダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)(eJIM内:一般向け・医療関係者向け)、瞑想、脊椎マニピュレーション、鍼治療などの製品や施術・療法が含まれます。
補完療法は、主要な療法の介入(療法の利用方法や提供方法)によって分類することができ、それは次のとおりです。
- 栄養学的アプローチ(例:特別な食事療法、ダイエタリーサプリメント、ハーブ、プロバイオティクス、微生物を利用した治療法など)
- 心理学的アプローチ(例:瞑想、催眠療法、音楽療法、リラクゼーション法など)
- 身体的アプローチ(例:鍼治療、マッサージ、脊椎マニピュレーションなど)
- 心理と身体の組み合わせのアプローチ[心理的・身体的アプローチ](例:ヨガ、太極拳、ダンスセラピー、いろいろなタイプのアートセラピーなど)、または心理と栄養の組み合わせのアプローチ[心理的・栄養学的アプローチ](例:マインドフル・イーティング[マインドフルネスを意識した食事]など)
栄養学的アプローチには、これまで米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)が天然物に分類していたものが含まれ、心理的・身体的なアプローチには、これまで心身療法と呼ばれていたものが含まれます。
ここでは、がんの予防、治療、症状管理のために研究されている補完療法について、その有効性に関する科学的知見や、安全性に関する懸念事項を含めて紹介しています。
補完医療をがん医療に取り入れる
統合腫瘍学会(Society for Integrative Oncology)は、医療従事者が、がん患者のケアに補完療法を取り入れる際に考慮すべきエビデンス(科学的根拠)に基づく診療ガイドラインを公表しています。
このガイドラインでは、補完療法の一部は、従来の治療法に加えて使用することで、症状をコントロールし、患者のウェルビーイング(well-being)を高めるのに役立つ可能性があると述べています。
その一方で、同ガイドラインは、従来のがん治療を遅らせれば、寛解や治癒の可能性が低くなることがあるため、実証されていない方法を従来の治療の代わりに使用すべきではないと警告しています。
がんの症状と治療の副作用に対する補完療法
いくつかの補完療法は、がんの症状や治療の副作用を管理するのに役立つかもしれません。一方、補完療法によっては、従来のがん治療に相互作用を示したり、その他のリスクを有したりするかもしれません。がんと診断された人は補完療法を使用する前に、今かかっている医療機関※に相談することが望ましいです。
心理的・身体的アプローチ
- 鍼治療
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- 複数のエビデンスの評価では、鍼治療はがん患者の治療関連の嘔気や嘔吐の管理に役立つ可能性があると結論づけられています。
- 2020年に報告された14件の研究(参加者920例)の統合解析では、鍼治療とシャム(疑似的)鍼治療を比較した研究、および鍼治療と無治療を比較した研究の両方で、鍼治療はがん性疼痛の有意な軽減と関連していることが明らかになりました。2件の研究では、鎮痛剤に加えて鍼治療や指圧療法を使用することで、がん患者の鎮痛剤の投与量を減らすことができました。
- 2018年に報告された10件の研究(参加者1,327例)のレビューでは、鍼治療はシャム鍼治療や従来のケアよりも、がん関連の倦怠感を緩和するのに役立つかもしれないことが示されています。
- がんによるホットフラッシュ(ほてり)に対する鍼治療の有用性に関する研究は限定的です。
- 鍼師が滅菌鍼を使用して適切な手順で行う限り、鍼治療によって合併症が起こることはまれです。化学療法や放射線療法は免疫系を低下させるため、鍼師が、がん患者を治療する際には、感染のリスクを減らすために、鍼を清潔にする手順を厳格に守ることが特に重要です。
- 催眠療法
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- 催眠療法は、がんそのものやがん治療で行われる処置による疼痛、乳がん患者の嘔気や嘔吐、成人および小児の両方における手術や医療処置の不安や苦痛に役立つかもしれません。また、乳がんの女性のホットフラッシュ(ほてり)にも役立つかもしれません。
- 催眠療法は、訓練を受け、経験を積み、免許を持った医療従事者によって行われる場合には、安全な施術です。
- マッサージ療法
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- マッサージ療法は、アロマセラピー(エッセンシャルオイル[精油]の使用)の有無にかかわらず、がん患者の疼痛や不安などの症状の緩和を試みるために利用されています。しかし、それが有益かどうかについてのエビデンスは限定的です。
- 2021年に報告されたレビューでは、マッサージ療法を含む(しかしこれに限らない)さまざまな手技療法に関する13件の研究(参加者1,100例)を対象とし、疼痛、身体機能、全体的なウェルビーイング(well-being)に対する有益性のエビデンスが示されましたが、倦怠感、悪心、不安、抑うつに対しては示されませんでした。これらの結果は、さまざまな異なる手技療法や評価方法が含まれていること、また、参加人数が少ない研究や質の低い研究があることから、慎重に解釈する必要があります。
- 2016年に報告されたがん患者に対するマッサージに関する19件の研究(参加者1,200例以上)の評価では、マッサージが疼痛や不安に対して役立つかもしれないという複数のエビデンスがありましたが、エビデンスの質は非常に低く、知見も一貫性がありませんでした。
- マッサージセラピストは、がん患者を施術する際に通常おこなう施術法を調整する必要があるかもしれません。例えば、がんやがん治療により敏感になっている部位には、通常よりも少ない圧で行う必要があるかもしれません。
- マインドフルネス・ストレス軽減法
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- 2020年に報告されたレビューでは、さまざまな種類のがん患者を対象とした26件の研究(参加者3,476例)を検証しており、マインドフルネスに基づく介入に参加した人は、そうでない人に比べて不安、抑うつ、倦怠感、ストレスが少なく、生活の質(Quality of Life:QOL)が高いことが示されています。
- マインドフルネスをはじめとする瞑想は、一般的に健康な人にとって安全であると考えられています。しかし、健康状態によっては、安全で快適なものにするために、マインドフルネスなどのやり方を変える必要があるかもしれません。例えば、長時間、じっと座っていられない場合、瞑想のインストラクターは、その必要がないように瞑想方法を変更することが可能です。
- 太極拳と気功
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- 2020年に報告されたレビューでは、乳がんの女性を対象とした太極拳に関する16件の研究(1,268例)を検証しました。太極拳を有酸素運動や認知行動療法などの従来の支持療法に代わるものとして評価した研究もあれば、従来のケアに追加するものとして評価した研究もあります。太極拳は、従来のケアに追加して使用した場合(2件の研究)、倦怠感を改善しましたが、従来のケアの代替として使用した場合(2件の研究)は改善しませんでした。太極拳は、従来の治療への追加(4件の研究)または従来の治療の代替(2件の研究)として使用した場合、全体的なQOLを改善しました。
- 2019年に報告されたレビューでは、さまざまな種類のがん患者に対する気功や太極拳の最近の研究12件(参加者915例)を検証し、倦怠感や睡眠の質の症状に対する好ましい効果が、患者にとって有意義と言えるほど大きなものであることが明らかになりました。
- 太極拳と気功は一般的に安全な療法だと考えられています。
- ヨガ
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- 2020年に報告された乳がんの女性に対するヨガの研究24件(参加者総数1,600例以上)の評価では、ヨガは身体活動を伴わない介入と比較して、がん関連の倦怠感とQOLに軽度から中等度の改善をもたらすと結論づけています。したがって、乳がんの女性にとって、標準的な治療に加えて、支持的な介入となる可能性があります。
- 2021年に報告されたレビューでは、さまざまな種類のがん患者におけるうつ症状に対するヨガに基づく介入の研究26件(参加者1,486例)および不安症状に対するヨガに基づく介入の研究16件(参加者977例)を検証し、介入がどちらの種類の症状にも有用であるというエビデンスが得られました。ほとんどの研究は、乳がんの女性を対象としたものでした。
- ヨガは、健康な人が有資格者の指導の下で適切に実施する場合、一般的に安全な身体活動だと考えられています。しかし、他の身体活動と同様に、怪我をすることがあります。最も一般的な怪我は、捻挫と挫傷(肉離れ)です。重篤な健康被害はまれです。がん患者を対象としたヨガの研究では、有害事象はほとんど軽微なものでした。しかし、がんのような進行性の健康問題を抱えていると、ヨガを行うことのリスクが高まるかもしれません。がんを患っている場合は、今かかっている医療機関※に相談し、ヨガの要素で安全でない可能性のあるものについて確認する必要があります。
栄養学的アプローチ
- ショウガ(Ginger)
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- ショウガは、ダイエタリーサプリメントとしても 販売されているハーブの一種です。2019年に報告された18件の研究(参加者1,600例)の評価では、がん化学療法に伴う悪心にショウガが有用かどうかに関するエビデンスはまちまちであると結論づけられています。ショウガが悪心の抑制に役立つとする研究もありますが、他の研究ではショウガの有用性は確認できませんでした。
- がんと診断された人は、ショウガやその他のダイエタリーサプリメントを摂取する前に、今かかっている医療機関※に相談する必要があります。
がん治療のための補完療法
これまでに、どの補完療法も、がんを治癒させたり、寛解状態にさせたりすることは証明されていません。がんの治療になると言われてきた施術・療法のなかには、従来のがん治療薬の妨げとなったり、その他のリスクにつながったりするものもあるかもしれません。がんと診断された人は補完療法を使用する前に、今かかっている医療機関※に相談する必要があります。
以下では、がん治療薬としてプロモーション(宣伝・販売促進)されているいくつかの製品について説明しています。追加製品の情報は、NCIウェブサイト(英語サイト)をご覧ください。
- ハーブ系サプリメント
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- ハーブ系サプリメントやハーブ由来の物質が、がん治療に役立つ可能性についての研究は初期段階にあり、エビデンスは限定的です。ハーブ系サプリメントには副作用を起こしたり、中には、がん治療に使われる抗癌剤を含む医薬品と有害な相互作用を引き起したりするものもあるかもしれません。
- ビタミン、ミネラル、抗酸化物質のダイエタリーサプリメント
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- がん治療中に抗酸化サプリメントを含むビタミンやミネラルのダイエタリーサプリメントを摂取することによる有用性は、明らかになっていません。これらのサプリメントは、化学療法やその他のがん治療の効果を妨げる可能性があるため、がんの治療を受けている場合は、その使用について今かかっている医療機関※に相談する必要があります。
- Black salves(民間療法のハーブ軟膏)
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- 皮膚がんを含むさまざまな皮膚疾患の自己治療用として、Black salves(民間療法のハーブ軟膏)と呼ばれる製品が販売されています。Black salvesは安全でも有効でもありません。皮膚がんの治療に使用する場合、Black salves製品では、がんをすべて取り除くことができないかもしれず、がんが広がって、より深刻な状態になるかもしれません。また、Black salvesは、がんのある皮膚も健康な皮膚も両方を破壊する可能性があります。瘢痕や組織の損傷を引き起こす可能性があり、時には重篤で醜い痕になることがあります。Black salvesの研究のほとんどはケーススタディであり、十分にコントロールされた臨床試験は実施されていません。
- レトリル(Laetrile)
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- レトリルは、多くの果物の果肉に含まれる天然物質「アミグダリン(amygdalin)」の別名です。2019年に報告されたレトリルに関する研究のレビューでは、がん治療として有効であることを示す臨床的なエビデンスは得られていません。レトリルは毒性を持つ可能性があります。
- 静脈内投与のビタミンC(eJIM内:一般向け・医療関係者向け)
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- がんに対する高濃度ビタミン静脈内投与の有益性に関する研究では、さまざまな結果が得られています。人での研究は限られており、ほとんどのエビデンスは動物や実験室での研究に基づいています。ビタミンCの静脈内投与が腫瘍の増殖や全生存に与える影響については、さまざまなエビデンスがあります。一部の研究では、QOL(Quality of Life、生活の質)の向上やがん治療に関連する毒性の減少が確認されていますが、それらの結果は決定的なものではありません。
- ビタミンCの静脈内投与は一般に忍容性が高く安全であると思われますが、特定の条件(例えば、鉄過剰症、腎疾患)を有する患者は、重篤な毒性を引き起こす危険性が高くなります。
- クルクミン(Curcumin)
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- ウコンに含まれるクルクミンという物質が、がんの発生や進行に影響を与える可能性が研究されています。さまざまな製品や用量で検証されていたり、研究が短期間で少人数しか含まれていなかったりするため、クルクミンを含む製品をがん患者の治療に推奨するには十分なエビデンスは得られていません。
- 口腔粘膜炎や放射線誘発性皮膚炎(放射線治療による粘膜・皮膚トラブル)など、がん治療による副作用の緩和やQOLの向上に対するクルクミンの有用性について研究されています。
がん治療の詐欺に注意
米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)は、ウェブサイトやソーシャルメディア上でプロモーション(宣伝・販売促進)されている詐欺的ながん治療法に注意するよう警告しています。
詐欺的ながん治療には、それ自体が有害なものもあれば、それを試している間に医療を受けるのが遅れてしまったり、詐欺的な製品が実証済みのがん治療の効果を阻害したりするために、間接的に有害となりえるものもあります。
詐欺的ながん治療薬を販売する人は、しばしば 「あらゆる種類のがんを治療する」、「がんを治す」、「がん細胞を選択的に殺す」、「化学療法よりも効果がある 」などと主張して販売しています。
広告で見るような、がん治療を謳うあらゆる製品の使用を検討する場合は、まず今かかっている医療機関※に相談してください。
がん予防のための補完療法
健康的な選択をする(タバコを避け、健康的な体重を維持するなど)、B型肝炎やヒトパピローマウイルス(HPV)の推奨ワクチンを接種する、適切ながんスクリーニング検査を受けるなど、いくつかの方法でがんのリスクを低減することが可能です。また、さまざまな栄養学的アプローチが、がんの予防に役立つかどうかについても研究が行われています。
- ビタミンおよびミネラル系サプリメント
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米国予防医学専門委員会(U.S. Preventive Services Task Force)は、病気を予防するために人々が受けるべき医療の種類について推奨する専門家グループであり、2014年にビタミン・ミネラル系サプリメントとがん予防に関するエビデンスを評価しました。(2021年の報告書の更新が進められており、同じアドバイスがなされると予想されます)。推奨事項には、次のように書かれています。
- がん予防のために ビタミンE(eJIM内:一般向け・医療関係者向け)のサプリメントを摂取するべきではありません。研究により、ビタミンEに効果がないことが示されています。
- がん予防のためにβ-カロテンのサプリメントを摂取するべきではありません。研究により、β-カロテンに効果がないことが示されており、タバコを吸う人など一部の人にとっては、β-カロテンが害となる可能性があります。
- その他のビタミンやミネラルのサプリメント(単独のビタミンやミネラル、 カルシウムとビタミンDのような組み合わせ、 マルチビタミンなど)については、がんの予防に役立つ可能性を判断する十分なエビデンスが得られていません。米国予防医学専門委員会は、これらのサプリメントの使用について、推奨も反対もしていません。
カルシウム(eJIM内:一般向け・医療関係者向け)、ビタミンD(eJIM内:一般向け・医療関係者向け)、 マルチビタミン(eJIM内:一般向け・医療関係者向け)
- 緑茶
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- 人における緑茶とがんの研究からは、一貫した結果は示されません。現時点でのエビデンスでは、緑茶が、がんの予防に役立つと判断することができません。
- 緑茶は、飲料として適量を摂取する分には安全であると考えられています。濃縮された緑茶抽出物(エキス)を摂取した人のうち、ごく少数の人において、肝障害が報告されています。専門家は、緑茶抽出物は食事と一緒に摂ること、肝臓に問題のある人は緑茶抽出物を摂らないこと、腹痛、濃い尿、黄疸(皮膚や目が黄色くなる)などの肝障害の症状が出た場合は使用を中止し、医療機関に相談することを勧めています。
- その他の栄養学的アプローチ
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ニンニク、イチョウ葉、ノニ、ブドウ種子抽出物(エキス)など 、いくつかのダイエタリーサプリメントについて、がん予防効果の可能性が検証されていますが、これらの物質に関するエビデンスはあまりにも限定的であり、結論を出すには至っていません。
研究者らが何年にもわたって人々を追跡調査した2つの大規模な観察研究では、 グルコサミンとコンドロイチンを摂取している人は、大腸がんになる確率が低いという結果が得られています。これらの研究は観察研究であり、サプリメントとプラセボの摂取を無作為に割り当てる試験ではないため、結果はさらなる研究のための手がかりとなるに過ぎず、他の要因が関与している可能性があるため、因果関係を証明することはできません。
米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)のがんに対する補完療法の研究
国立補完統合医療センター(NCCIH)や米国国立がん研究所(National Cancer Institute:NCI)が資金提供している補完療法とがんに関連した進行中の研究では、以下のようなことが検討されています。
- アメリカニンジンの成分であるパナキシノール(panaxynol)が大腸炎を抑制し、それによって大腸がんのリスクを低下させる可能性について
- がんの再発に対する恐怖を軽減するための複合的な心身アプローチの介入の潜在的価値について
- (乳がん治療が原因かもしれない)ホットフラッシュ(ほてり)に対処するための自己催眠療法
- 一部のがん化学療法による副作用で疼痛を伴う末梢神経障害に対するヨガの潜在的価値について
さらに考慮しなければならないこと
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興味のある補完療法製品および施術・療法について情報を集め、今かかっている医療機関※に相談してください。がんと診断された場合、補完療法を始める前に、今かかっている医療機関※に相談することは特に重要です。補完療法をすでに使用している場合、たとえ使っている理由が、がんとは関係ないことであるとしても、それを今かかっている医療機関※に伝えてください。医療機関への質問例:
- この製品または施術・療法について、どのようなベネフィットとリスクがありますか?ベネフィットはリスクを上回っていますか?
- どのような副作用の可能性がありますか?
- このアプローチは、私が受けているがん治療の妨げになりますか?
- 施術者を紹介してもらえますか?
- 安全性と有効性が証明されていない健康製品や施術・療法を、従来のがん治療に置き換えたり、健康上の問題について今かかっている医療機関※への受診を先延ばしする理由として使用したりしないでください。
- 自分の健康を守るために、自分が行っている補完療法について今かかっている医療機関※に相談しましょう。
(※補足:原文では、healthcare provider。米国では主に医療サービス等のヘルスケアを提供している病院/医師を指す。また、健康保険会社や医療プログラムを提供する施設等も含む。)そうすることで、十分な情報を得た上で意思決定をすることができます。
消費者向け
がんに対する補完療法について知っておくべき6つのこと[NCCIH]
医療関係者向け
がんの症状と治療の副作用に対する心身療法:概要[NCCIH]
Cancer - Randomized Controlled Trials(がん– ランダム化比較試験) (PubMed®)(英語サイト)
Cancer - Systematic Reviews/Reviews/Meta-analyses(がん- システマティックレビュー/レビュー/メタアナリシス)(PubMed®)(英語サイト)
研究結果
さらなる情報
■ NCCIH 情報センター
米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)の情報センターは、NCCIHに関する情報、ならびに連邦政府が管理運営する科学・医学論文データベースから関連する文献や検索・調査などを含む補完・統合医療に関する情報を提供しています。情報センターでは、医学的なアドバイス、治療の推奨、施術者の紹介はおこなっていません。
米国内の無料通話:1-888-644-6226
テレタイプライター(TTY、聴覚障害者や難聴の方用):1-866-464-3615
ウェブサイト: https://nccih.nih.gov/(英語サイト)
E-mail:info@nccih.nih.gov(メール送信用リンク)■ 米国国立がん研究所(National Cancer Institute:NCI)
NCIは連邦政府下のがん研究における主導機関です。NCIのがん補完・代替医療部門は補完療法に関する研究におけるNCIの活動の調整及び強化を行っています。
米国内の無料通話:1-800-4-CANCER (1-800-422-6237)
ウェブサイト: https://www.cancer.gov/(英語サイト)
E-mail:cancergovstaff@mail.nih.gov(メール送信用リンク)■ NCI’s Office of Cancer Complementary and Alternative Medicine
NCIのがん補完代替医療部門は、補完療法に関する研究におけるNCIの活動を調整し、強化しています。
がん治療における補完療法の情報:www.cancer.gov/publications/pdq/information-summaries/cam(英語サイト)
ウェブサイト: https://cam.cancer.gov/(英語サイト)■ Know the Science(科学を知ろう):
米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)と米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)は、科学研究の基礎と用語を理解し、自分の健康について十分な情報を得た上で意思決定できるようにするためのツールを提供しています。「Know the Science(科学を知ろう)(英語サイト)」(eJIM内:一般向け・医療関係者向け)は、インタラクティブなモジュール、クイズ、ビデオなどのさまざまな教材や、消費者が健康情報を理解できるように設計された連邦政府のリソースから有益なコンテンツへのリンクを提供しています。
Explaining How Research Works(研究のしくみを知る)(英語サイト) (NIH)
Know the Science: How To Make Sense of a Scientific Journal Article(科学を知ろう:科学雑誌の論文を理解する方法)(英語サイト)(eJIM内:一般向け・医療関係者向け)
Understanding Clinical Studies(臨床試験を理解する)(英語サイト) (NIH)■ PubMed®
米国国立医学図書館(National Library of Medicine, PubMed®:NLM)のサービスであるPubMed®には、科学・医学雑誌に掲載された論文の情報(掲載号、出版年月日など)および(ほとんどの場合)その論文の要約が掲載されています。NCCIHによるPubMed使用のガイダンスは、「補完・統合医療に関する情報をPubMed® で検索する方法」をご覧ください。
■ NIH Clinical Research Trials and You(NIHクリニカル・リサーチ・トライアル・アンド・ユー)
米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)が開設したウェブサイトです。一般の人々に、臨床試験の重要性や、どうすれば臨床試験に参加できるのかを知ってもらうために開設されました。サイトには、臨床試験に関する質問と回答、臨床試験の情報を探す方法(ClinicalTrials.govなどの情報検索サイトやその他の情報源)、臨床試験に参加した人の体験談などが掲載されています。臨床試験は、病気を予防、診断、治療するうえで、よりよい方法を見つけ出すために必要な試験です。
ウェブサイト: http://www.nih.gov/health-information/nih-clinical-research-trials-you(英語サイト)
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謝辞
NCCIHは、この出版物の2021年版からの更新における貢献に対して次の人に感謝します。Jeffrey White, M.D., Oluwadamilola Olaku, M.D., M.P.H., Sophie King, M.S., and Megan Sansevere, M.S., of NCI’s Office of Cancer Complementary and Alternative
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- がんの症状と治療の副作用に対する心理的・身体的な補完療法:概要
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最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版改訂年月(翻訳時):2023年11月がんと診断された人の多くが補完療法を使用しています。多くの研究から得られた知見によると、鍼治療、マインドフルネス・ストレス軽減法、ヨガなどの心理的・身体的な補完療法が、がんの症状や治療の副作用の管理に役立つ可能性があることが示唆されています。
統合腫瘍学会(Society for Integrative Oncology)は、医療従事者ががん患者のケアに補完療法を取り入れる際に考慮すべきエビデンス(科学的根拠)に基づく診療ガイドラインを公表しています。本ガイドラインでは、補完療法の一部は、従来の治療法(標準治療)に加えて使用することで、症状をコントロールし、患者のウェルビーイング(well-being)を高めるのに役立つとしています。その一方で同ガイドラインは、従来のがん治療を遅らせれば、寛解や治癒の可能性が低くなることがあるため、実証されていない方法を従来の治療の代わりに使用すべきではないと警告しています。
ここでは、がんに関連する症状や治療の副作用に対する心理的・身体的な補完療法について、入手可能な研究結果を要約してご紹介します。
科学的観点:
がんの症状と治療の副作用に対する心理的・身体的な補完療法:科学的根拠各種補完療法と現時点での研究の要約
鍼治療
鍼治療は、がんの疼痛を軽減し、がん患者の治療に関連する悪心・嘔吐へ対処し、がんによる倦怠感を和らげるのに役立つ可能性があります。がんに関連したホットフラッシュ(ほてり)に対する鍼治療の効果に関する研究は限定的です。
がんの症状や治療の副作用に対する鍼治療の研究についての詳細はこちら
催眠療法とリラクゼーション法
催眠療法は、がんそのものやがんの治療で行われる処置による疼痛、乳がん患者の悪心・嘔吐、手術や医療処置の不安や苦痛に対して役立つ可能性があります。また、乳がんの女性のホットフラッシュ(ほてり)にも役立つ可能性があります。
リラクゼーション法が治療中のがん患者の不安症状を改善する可能性があるという中等度の質のエビデンスがいくつかあります。さらに、漸進的筋弛緩法を伴う誘導イメージ療法が、がん治療による全身的な疼痛を経験している患者に役立つ可能性があるという、質の低いエビデンスもあります。
がんの症状や治療の副作用に対する鍼治療の研究についての詳細はこちら
マッサージ療法とリフレクソロジー
マッサージ療法は、アロマセラピー(エッセンシャルオイルを使用する)の有無に関わらず、がん患者の疼痛、不安などの症状を緩和するために利用されています。しかし、それが有用であるかどうかについてのエビデンスは限定的です。
リフレクソロジーが、全身療法中の疼痛や、がん治療による化学療法誘発性末梢神経障害に有用であることを示唆する限定的なエビデンスがいくつかあります。
がんの症状や治療の副作用に対するマッサージ療法およびリフレクソロジーの研究についての詳細はこちら
マインドフルネス・ストレス軽減法(Mindfulness-Based Stress Reduction、MBSR)
瞑想トレーニングの一種であるMBSRは、がん患者のストレス、不安、抑うつの対処に役立つ可能性があり、また倦怠感の軽減や生活の質の向上にも役立つ可能性があるとのエビデンスが得られています。
がんの症状や治療の副作用に対するMBSRの研究についての詳細はこちら
太極拳と気功
太極拳は、従来のケアに追加して使用した場合、がん患者の倦怠感を改善する可能性がありますが、従来のケアの代わりとして使用した場合は改善しないという限定的なエビデンスがあります。太極拳や気功は、がん患者の睡眠の質を向上させるのにも役立つ可能性があります。
がんの症状や治療の副作用に対する太極拳や気功の研究についての詳細はこちら
ヨガ
乳がんの女性を対象とした研究では、ヨガは倦怠感や睡眠障害、抑うつや不安、生活の質に適度な改善をもたらす可能性があることが示されています。ほとんどのヨガに関する研究は、乳がんの女性に焦点をあてたもので、他のがん種に対するヨガの研究はあまりわかっていません。
がんの症状や治療の副作用に対するヨガの研究についての詳細はこちら
音楽による介入
音楽による介入が、積極的治療中におけるがん患者の不安症状を改善する可能性があるという、質の低いエビデンスがいくつかあります。さらに、音楽療法が、がんの手術による疼痛を軽減するという質の低いエビデンスもあります。
がんの症状や治療の副作用に対する音楽療法の研究についての詳細はこちら
診療ガイドライン
- Clinical practice guidelines on the evidence-based use of integrative therapies during and after breast cancer treatment (乳癌治療中および治療後の統合医療のエビデンスに基づく使用に関する診療ガイドライン)[英語サイト] (CA:A Cancer Journal for Clinicians)
- Exercise Guidelines for Cancer Survivors(がんサバイバーのための運動指針) [英語サイト] (スポーツと運動の医学と科学)[英語サイト]
- American Cancer Society Guidelines on Nutrition and Physical Activity for Cancer Prevention(アメリカがん協会 がん予防のための栄養と身体活動に関するガイドライン) [英語サイト](CA: A Cancer Journal for Clinicians) [450 KB PDF]
- Evidence-Based Clinical Practice Guidelines for Integrative Oncology(統合腫瘍学のためのエビデンスに基づく診療ガイドライン) Complementary Therapies and Botanicals(補完療法と植物療法)[英語サイト](統合腫瘍学会の学会誌)
科学文献
患者のための情報
NCCIHクリニカルダイジェストは、国立補完統合衛生センター、NIH、DHHSのサービスです。NCCIHクリニカルダイジェストは、月刊の電子ニュースレターで、科学文献検索、NCCIHが出資する試験の要約、患者のためのファクトシートなど、補完療法に関するエビデンスに基づいた情報を提供します。
国立補完統合衛生センターは、厳密な科学に照らし補完療法および関連製品について調査すること、補完療法の研究者をトレーニングすること、一般市民や専門家に信頼できる情報を発信することに力を注いでいます。詳細については、NCCIH情報センター(1-888-644-6226)に無料でお電話いただくか、NCCIHのWebサイト(nccih.nih.gov)をご覧ください。NCCIHは、米国の医学研究に関する連邦政府の中心である米国国立衛生研究所の27の研究所および研究センターのうちの1つです。
- がんの症状と治療の副作用に対する心理的・身体的な補完療法:科学的根拠
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最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版改訂年月(翻訳時):2023年11月診療ガイドライン、科学文献、患者のための情報
がんの症状と治療の副作用に対する心理的・身体的な補完療法:概要
がんと診断された人の多くが補完療法を使用しています。多くの研究から得られた知見によると、鍼治療、マインドフルネス・ストレス軽減法、ヨガなどの心理的・身体的な補完療法が、がんの症状や治療の副作用の管理に役立つ可能性があることが示唆されています。
統合腫瘍学会(Society for Integrative Oncology)は、医療従事者が、がん患者のケアに補完療法を取り入れる際に考慮すべきエビデンス(科学的根拠)に基づく臨床実践ガイドラインを公表しています。本ガイドラインでは、補完療法の一部は、従来の治療法に加えて使用することで、症状をコントロールし、患者のウェルビーイング(well-being)を高めるのに役立つ可能性があると述べています。その一方で同ガイドラインは、従来のがん治療を遅らせれば、寛解や治癒の可能性が低くなることがあるため、実証されていない方法を従来の治療の代わりに使用すべきではないと警告しています。
鍼治療
入手可能なデータによると、鍼治療はがんの疼痛を軽減し、がん患者の治療に関連する悪心・嘔吐へ対処し、がんによる倦怠感を和らげるのに役立つ可能性があると示唆されています。がんに関連したホットフラッシュ(ほてり)に対する鍼治療の効果に関する研究は限定的です。
研究でわかったことは?
多くのランダム化比較試験を対象としたシステマティックレビューを基にした統合腫瘍学会と米国臨床腫瘍学会(American Society for Clinical Oncology)のいくつかの診療ガイドラインや、米国胸部学会(American College of Chest Physicians)のガイドラインでは、鍼治療が、がん関連のいくつかの症状および治療の副作用に対して有効性が証明されていると報告しています。
- 2022年に統合腫瘍学会と米国臨床腫瘍学会は、がん領域における疼痛管理のための統合医療に関する共同ガイドライン[英語サイト]を公表しました。本ガイドラインでは、鍼治療について以下のように推奨しています:
- 乳がんでアロマターゼ阻害剤に関連した関節痛がある患者には鍼治療が提供されるべきである。(タイプ:エビデンス(科学的根拠)に基づく、利益が害を上回る、エビデンスの質は中等度、推奨度は中等度)。
- がんによる一般的な疼痛や筋骨格系の疼痛を感じている患者に鍼治療を提供できる可能性がある(タイプ:エビデンスに基づく、利益が害を上回る、エビデンスの質は中等度、推奨度は中等度)。
- がん治療による化学療法誘発性末梢神経障害を経験している患者に鍼治療を提供できる可能性がある(タイプ:エビデンスに基づく非公式なコンセンサス、有益性が有害性を上回る、エビデンスの質は低い、推奨度は弱い)。
- がんの手術や骨髄生検などのがんに関連する処置を受ける患者に鍼治療や指圧を提供できる可能性がある(タイプ:エビデンスに基づく-非公式なコンセンサス、有益性が有害性を上回る、エビデンスの質は低い、推奨度は弱い)。
- 2023年に統合腫瘍学会と米国臨床腫瘍学会は、成人がん患者における不安と抑うつ症状の統合腫瘍学的ケアに関する共同ガイドライン[英語サイト]を公表しました。本ガイドラインでは、治療後の不安症状を改善するために、乳がん女性に鍼治療を提供することを推奨しています(タイプ:エビデンスに基づく、エビデンスの質は中等度、有益性が有害性を上回る、推奨度は弱い)。
- 2009年に統合腫瘍学会が公表した診療ガイドライン[英語サイト]では、疼痛のコントロールが不十分な場合、他の治療に伴う副作用が大きい場合、化学療法や外科麻酔に伴う悪心・嘔吐のコントロールが不十分な場合、鎮痛薬の量を減らすことが臨床目標となる場合などに、補完療法として鍼治療を推奨しています。倦怠感またはホットフラッシュ(ほてり)など、他の症状に関する鍼治療の有用性は確立されていません。
- 2017年に統合腫瘍学会が公表した乳がん治療中および治療後の統合医療のエビデンスに基づく使用に関するガイドライン[英語サイト]では、化学療法による悪心・嘔吐の軽減に指圧および鍼治療の使用を推奨しています。
- 2017年のJournal of National Cancer Institute[英語サイト]に掲載されたモノグラフの中で、著者らは、化学療法による悪心・嘔吐に鍼治療が有用であるという一般的な共通認識はあるものの、これは主に現在の制吐ガイドラインより前の研究に基づくものであると述べています。鍼治療が、現在の標準的な制吐薬治療以上に有用であるかどうかについては、わかっていません。しかし、2015年に報告された70例を対象としたランダム化比較試験[英語サイト]では、化学療法による遅発性の悪心・嘔吐の予防に、鍼治療がオンダンセトロンと同等に有用であることが示されました。鍼治療群の参加者のほうが、有害事象が少なく生活の質(Quality of Life、QOL)が改善したようにも思われました。
- 2013年に米国胸部学会が公表した肺がん患者のための補完療法・統合医療のガイドライン[英語サイト]では、鍼治療が化学療法または放射線治療による悪心・嘔吐の補助的治療の選択肢となることを提言しています。本ガイドラインでは、鍼治療は、がん関連の疼痛および末梢神経障害において症状のコントロールが不十分な場合にも、補助的治療の選択肢となることを提言しています。
- 2020年に報告されたシステマティックレビュー(参加者1,111例、17件のランダム化比較試験)およびメタアナリシス(参加者920例、14件のランダム化比較試験)[英語サイト]では、鍼治療および/または指圧が、がん疼痛の軽減および鎮痛薬の使用量の減少と有意に関連していることが明らかにされましたが、エビデンスのレベルは中等度でした。レビューアらは、特定の種類のがん性疼痛と鍼治療・指圧の関連を明らかにし、オピオイドの使用を減らし、そうしたエビデンスを臨床ケアに統合するためには、より厳密な試験が必要であると指摘しています。
- 2018年に報告された1,327例が参加した10件の研究のメタアナリシス[英語サイト]では、鍼治療は偽鍼治療や従来のケアよりも、がん関連の倦怠感を軽減するのに役立つ可能性があることが示されました。
- 2017年に報告された乳がん患者844例が参加した13件のランダム化比較試験のシステマティックレビューおよびメタアナリシス[英語サイト]によると、鍼治療は更年期障害の症状を有意に軽減しましたが、ホットフラッシュ(ほてり)には効果がありませんでした。
安全性
鍼師が滅菌鍼を使用して適切な手順で行う限り、鍼治療によって合併症が起こることはまれです。化学療法や放射線療法は免疫系を低下させるため、鍼師が、がん患者を治療する際には、感染のリスクを減らすために、鍼を清潔にする手順を厳格に守ることが特に重要です。
催眠療法とリラクゼーション法
催眠療法は、がんそのものあるいはがんの治療で行われる処置による疼痛、乳がん患者の悪心・嘔吐、手術や医療処置の不安や苦痛に役立つ可能性があります。また、乳がんの女性のホットフラッシュ(ほてり)にも役立つ可能性があります。
リラクゼーション法が治療中のがん患者の不安症状を改善する可能性があるという中等度の質のエビデンスがいくつかあります。さらに、漸進的筋弛緩法を伴う誘導イメージ療法が、がん治療による全身的な疼痛を経験している患者に役立つ可能性があるという、質の低いエビデンスもあります。
研究でわかったことは?
- 2022年に統合腫瘍学会と米国臨床腫瘍学会が公表した、がん領域における疼痛管理のための統合医療に関する共同ガイドライン[英語サイト]によると、がん治療による全般的な疼痛を経験している患者に対して漸進的筋弛緩法を伴う誘導イメージ療法を提供できる可能性があるとしています(タイプ:エビデンスに基づく、有益性と有害性は評価不能、エビデンスの質は低い、推奨度は弱い)。本ガイドラインはまた、がん治療や診断のための検査で疼痛を感じる患者に催眠療法を提供することを推奨しています(タイプ:エビデンスに基づく、有益性が有害性を上回る、エビデンスの質は中等度、推奨度は中等度)。
- 2023年に統合腫瘍学会と米国臨床腫瘍学会が公表した成人がん患者における不安および抑うつ症状に対する統合腫瘍学的ケアに関する共同ガイドライン[英語サイト]によると、積極的治療中における不安症状を改善するために、がん患者に対してリラクゼーション療法を提供できる可能性があるとしています。(タイプ:エビデンスに基づく、エビデンスの質は中等度、有益性が有害性を上回る、推奨度は中等度)。本ガイドラインでは、がんに関連した診断および治療のための処置中における不安症状を改善するために、がん患者に催眠療法を提供することが推奨されています(タイプ:エビデンスに基づく、エビデンスの質は中等度;有益性が有害性を上回る、推奨度は中等度)。
- 2018年に報告されたレビューでは、催眠療法は乳がん患者の悪心・嘔吐の症状の治療、さまざまな状況での疼痛の管理、また外科的・内科的処置に際しての不安のレベルや全体的な苦痛を軽減するのに役立つ可能性があるとしています。
- 2017年に統合腫瘍学会が公表した乳がん治療中および治療後の統合医療のエビデンスに基づく使用に関するガイドライン[英語サイト]では、治療中の倦怠感に対する使用として催眠療法(単一の研究グループによる2つの試験に基づく)を考慮できることを提言しました(グレードC)。これらのガイドラインは、催眠療法が疼痛の治療にも推奨できる可能性も示唆しています(グレードC)。
- 2022年に慢性疼痛を有する成人がんサバイバー109例を対象としたランダム化比較試験[英語サイト]では、記録催眠介入とリラクゼーション介入は、疼痛および疼痛に関連した後遺症である疼痛干渉と不安の軽減に同様に有用であることが明らかになりました。さらに、催眠介入は疲労や睡眠障害も軽減することがわかりました。
安全性
- 催眠療法は、訓練を受け、経験を積み、免許を持った医療従事者によって行われる場合には、安全な施術です。
- リラクゼーション法は、健康な人には一般的に安全と考えられています。ほとんどの研究では、好ましくない副作用の報告はありませんでした。しかし、時折、不安の増大、侵入的思考、コントロールを失う恐怖などの否定的な体験が報告されることがあります。まれですが、特定のリラクゼーション法によって、てんかんや特定の精神疾患をもつ患者、虐待や心的外傷の既往歴がある人において、症状が悪化したりする可能性があるとする報告があります。
マッサージ療法とリフレクソロジー
マッサージ療法は、アロマセラピー(エッセンシャルオイルを使用する)の有無に関わらず、がん患者の疼痛、不安などの症状を緩和するために利用されています。しかし、それが有用であるかどうかについてのエビデンスは限定的です。
リフレクソロジーが、全身療法中の疼痛や、がん治療による化学療法誘発性末梢神経障害に有用であることを示唆する限定的なエビデンスがいくつかあります。
研究でわかったことは?
- 2022年に統合腫瘍学会と米国臨床腫瘍学会は、がん領域における疼痛管理のための統合医療に関する共同ガイドライン[英語サイト]を公表しました。
- 本ガイドラインでは、乳がん治療後に慢性的な疼痛を感じている患者にマッサージを行うことを推奨する(タイプ:エビデンスに基づく、有益性が有害性を上回る、エビデンスの質は低い、推奨度は中等度)。また、本ガイドラインでは、緩和ケアやホスピスケア中に疼痛を感じている患者にマッサージを提供することを推奨する(タイプ:エビデンスに基づく、有益性が有害性を上回る、エビデンスの質は中等度、推奨度は中等度)。
- 本ガイドラインでは、がん治療の全身療法中に疼痛を感じる患者に対して、リフレクソロジーや指圧を行うことを推奨する(タイプ:エビデンスに基づく、有益性が有害性を上回る、エビデンスの質は中等度、推奨度は中等度)。本ガイドラインはまた、がん治療による化学療法誘発性末梢神経障害を経験している患者に対して、リフレクソロジーや指圧を提供することを推奨する(タイプ:エビデンスに基づく、有益性が有害性を上回る、エビデンスの質は低い、推奨度は弱い)。
- 2023年に統合腫瘍学会と米国臨床腫瘍学会が公表した成人がん患者における不安および抑うつ症状に対する統合腫瘍学的ケア関する共同ガイドライン[英語サイト]によると、積極的治療中における不安症状を改善するために、がん患者に対してリフレクソロジーを提供できる可能性があるとしています。(タイプ:エビデンスに基づく、エビデンスの質は低い、有益性が有害性を上回る、推奨度は弱い)。
- 2021年に報告されたマッサージ療法を含むがこれに限らないさまざまな手技療法に関する1,100例の参加者を含む13件の研究のシステマティックレビューおよびメタアナリシス[英語サイト]では、疼痛、身体機能、全体的なウェルビーイング(well-being)に対して有用であるというエビデンスが示されましたが、倦怠感、悪心、不安、抑うつに対しては示されませんでした。これらの結果は、さまざまな異なる手技療法や評価方法が含まれていること、また、参加人数が少ない研究や質の低い研究があることから、慎重に解釈する必要があります。
- 2016年に報告された1,200例以上が参加した19件の研究を対象としたコクランレビュー[英語サイト]では、がん患者の症状緩和のためのマッサージの臨床的有効性に関するエビデンスは不足しているとされました。ほとんどの研究は規模が小さすぎて信頼性が低く、主要なアウトカムは報告されていません。
- 2009年に統合腫瘍学会が公表した診療ガイドライン[英語サイト]では、不安や疼痛を経験している患者に対して、集学的治療の一環として、がん医療の訓練を受けたマッサージの施術者が行うマッサージ療法を検討することを推奨しています。
- 2017年に統合腫瘍学会が公表した乳がん治療中および治療後の統合医療のエビデンスに基づく使用に関するガイドライン[英語サイト]では、積極的治療後の乳がんサバイバーの気分障害を改善するためのマッサージ療法の使用を推奨しました(グレードB)。この推奨は、6件の試験の結果に基づいています。
- 2013年に米国胸部医学会が公表した診療ガイドライン[英語サイト]では、従来の治療では不安や疼痛が十分にコントロールできない肺がん患者に対して、複合的な支持療法プログラムの一環としてマッサージ療法を行うことが提案されています。
安全性
- マッサージの施術者は、がん患者を施術する際に通常おこなう手技を修正する必要があるかもしれません。例えば、がんやがん治療により敏感になっている部位には、通常よりも弱い圧で行わなくてはならない可能性があります。
マインドフルネス・ストレス軽減法
瞑想トレーニングの一種であるマインドフルネス・ストレス軽減法は、がん患者のストレス、不安、抑うつの対処に役立つ可能性があり、また倦怠感の軽減や生活の質の向上にも役立つ可能性があるとのエビデンスが得られています。
研究でわかったことは?
- 2023年に統合腫瘍学会と米国臨床腫瘍学会が公表した成人がん患者における不安および抑うつ症状の統合的腫瘍学的ケアに関する共同ガイドライン[英語サイト]によると、積極的治療中における不安症状を改善するために、がん患者に対してマインドフルネスに基づく介入を提供すべきとしています(タイプ:エビデンスに基づく、エビデンスの質は高い;有益性が有害性を上回る、推奨度は強い)。
- 2020年に報告されたさまざまな種類のがん患者3,476例が参加した26件の研究のシステマティックレビューとメタアナリシス[英語サイト]では、マインドフルネスに基づく介入に参加した人は、参加しなかった人に比べて不安、抑うつ、倦怠感、ストレスが少なく、生活の質が高いことが示されました。
- 2022年に報告された乳がん患者60例を対象としたランダム化比較試験[英語サイト]の結果から、MBSRトレーニングは、化学療法を受けている人の主観的な(客観的ではない)記憶に関連した障害を軽減する可能性が示唆されました。
- 2009年に報告された統合腫瘍学会の診療ガイドライン[英語サイト]では、不安、気分障害、慢性疼痛を軽減し、生活の質を向上させるための集学的治療アプローチの一環として、マインドフルネス・ストレス軽減法などを含む心と体のモダリティ(方法・様式)を推奨しています。
- 2017年に統合腫瘍学会が公表した乳がん治療中および治療後の統合医療のエビデンスに基づく使用に関するガイドライン[英語サイト]では、不安・ストレスの軽減(グレードA)、抑うつ・気分障害の軽減(グレードA)、生活の質の改善(グレードA)のそれぞれに対して瞑想を推奨しています。
安全性
- マインドフルネスをはじめとする瞑想は、一般的に健康な人にとって安全であると考えられています。しかし、健康状態によっては、安全で快適なものにするために、マインドフルネスなどのやり方を修正する必要があるかもしれません。
太極拳と気功
太極拳は、従来のケアに追加して使用した場合、がん患者の倦怠感を改善する可能性がありますが、従来のケアの代わりとして使用した場合は改善しないという限定的なエビデンスがあります。太極拳や気功も、がん患者の睡眠の質を向上させるのに役立つ可能性があります。
研究でわかったことは?
- 2023年に統合腫瘍学会と米国臨床腫瘍学会が公表した成人がん患者における不安と抑うつ症状の統合腫瘍学的ケアに関する共同ガイドライン[英語サイト]によると、治療後の不安症状を改善するために、乳がん女性に対して太極拳および/または気功を提供できる可能性があるとしています(タイプ:エビデンスに基づく、エビデンスの質は中等度、有益性が有害性を上回る、推奨度は弱い)。
- 2020年に報告されたシステマティックレビューとメタアナリシス[英語サイト]では、乳がんの女性における太極拳に関する16件の研究(1,268例)が解析されました。太極拳を有酸素運動や認知行動療法などの従来の支持療法に代わるものとして評価した研究もあれば、従来のケアに追加するものとして評価した研究もあります。太極拳は、従来のケアに追加して使用した場合(2件の研究)、倦怠感を改善しましたが、従来のケアの代替として使用した場合(2件の研究)の改善は認められませんでした。太極拳は、従来の治療への追加(4件の研究)または従来の治療の代替(2件の研究)として使用した場合、全体的な生活の質を改善しました。
- 2019年に報告されたシステマティックレビューとメタアナリシス[英語サイト]では、さまざまな種類のがん患者に対する気功や太極拳の最近の12件の研究(915例)の結果、倦怠感の症状や睡眠の質に対する好ましい効果が、患者にとって有意義であるのに十分な大きさであることがわかりました。
安全性
- 太極拳と気功は一般的に安全な療法だと考えられています。
ヨガ
乳がんの女性を対象とした研究では、ヨガは倦怠感や睡眠障害、抑うつや不安、生活の質に適度な改善をもたらす可能性があることが示されています。ほとんどのヨガに関する研究は、乳がんの女性に焦点をあてたもので、他のがん種に対するヨガの研究はあまりわかっていません。
研究でわかったことは?
- 2022年に統合腫瘍学会と米国臨床腫瘍学会が公表した、がん領域における疼痛管理のための統合医療に関する共同ガイドライン[英語サイト]によると、乳がん患者においてアロマターゼ阻害剤に関連した関節痛を経験している人に対してヨガを提供できる可能性があるとしています(タイプ:エビデンスに基づく、有益性が有害性を上回る、エビデンスの質は低い、推奨度は弱い)。さらに、本ガイドラインでは、乳がんや頭頸部がんの治療後に疼痛を感じる患者にハタ・ヨガを提供することを推奨しています(タイプ:エビデンスに基づく、有益性が有害性を上回る、エビデンスの質は低い、推奨度は弱い)。
- 2023年に統合腫瘍学会と米国臨床腫瘍学会が公表した成人がん患者における不安と抑うつ症状の統合腫瘍学的ケアに関する共同ガイドライン[英語サイト]によると、積極的治療中における不安症状を改善するために、乳がん患者に対してヨガを提供できる可能性があるとしています(タイプ:エビデンスに基づく、エビデンスの質は中等度、有益性が有害性を上回る、推奨度は中等度)。また、その治療後にもヨガを提供できる可能性があるとしています(タイプ:エビデンスに基づく、エビデンスの質は中等度、有益性が有害性を上回る、推奨度は中等度)。
- 2020年に報告された参加者合計1,600例以上の乳がん女性に対するヨガに関する24件の研究のシステマティックレビューとメタアナリシス[英語サイト]では、ヨガは身体活動を伴わない介入と比較して、がん関連の倦怠感と生活の質に小から中等度の改善をもたらすと結論づけています。したがって、乳がんの女性にとって、標準的な治療に加えて、支持的な介入となる可能性があります。
- 2021年に報告されたさまざまな種類のがん患者におけるうつ症状に対するヨガに基づく介入に関する26件の研究(参加者1,486例)と不安症状に対するヨガに基づく介入に関する16件の研究(参加者977例)のシステマティックレビューとメタアナリシス[英語サイト]では、介入がどちらの症状にも有用であるというエビデンスが得られました。ほとんどの研究は、乳がんの女性を対象としたものでした。
- 2013年に米国胸部疾患学会(American College of Chest Physicians)が公表したガイドライン[英語サイト]では、肺がん患者の倦怠感や睡眠障害を軽減し、気分や生活の質を改善するための集学的アプローチの一環として、ヨガが提案されています。
- 2009年に報告された統合腫瘍学会の診療ガイドライン[英語サイト]では、不安、気分障害、慢性的な疼痛を軽減し、生活の質を改善する集学的治療アプローチの一環として、ヨガなどの心身療法を推奨しています。
- 2017年に統合腫瘍学会が公表した乳がん治療中および治療後の統合医療のエビデンスに基づく使用に関するガイドライン[英語サイト]では、乳がん患者の不安軽減(グレードB)、乳がんの女性の気分障害およびうつ症状の改善(グレードB)、乳がん患者の生活の質改善(グレードB)のためにヨガを推奨しています。
- 2017年に報告されたコクランレビュー[英語サイト]では、2166例の乳がん女性を対象とした24件の研究を評価し、無治療と比較した場合には健康に関連した生活の質を改善し、倦怠感および睡眠障害を軽減する支持的介入として、また、心理社会的・教育的介入と比較した場合には抑うつ、不安、倦怠感を軽減する支持的介入として、ヨガの推奨を支持する中等度の質のエビデンスがあると結論付けました。
安全性
- ヨガは、健康な人が有資格者の指導の下で適切に実施する場合、一般的に安全な身体活動だと考えられています。しかし、他の身体活動と同様に、怪我をすることがあります。最も一般的な怪我は、捻挫と挫傷(肉離れ)です。重篤な健康被害はまれです。がん患者を対象としたヨガの研究では、有害事象はほとんど軽微なものでした。しかし、がんのような進行性の健康問題を抱えていると、ヨガを行うことのリスクが高まるかもしれません。
音楽による介入
音楽による介入が、積極的治療中におけるがん患者の不安症状を改善する可能性があるという、質の低いエビデンスがいくつかあります。さらに、音楽療法が、がんの手術による疼痛を軽減するという質の低いエビデンスもあります。
研究でわかったことは?
- 2023年に統合腫瘍学会と米国臨床腫瘍学会が公表した成人がん患者における不安と抑うつ症状の統合腫瘍学的ケアに関する共同ガイドライン[英語サイト]によると、積極的治療中における不安症状を改善するために、がん患者に対して音楽療法または音楽に基づく介入を提供できる可能性があるとしています。(タイプ:エビデンスに基づく、エビデンスの質は低い、有益性が有害性を上回る、推奨度は中等度)。
- 2022年に統合腫瘍学会と米国臨床腫瘍学会が公表した、 がん領域における疼痛管理のための統合医療に関する共同ガイドライン[英語サイト]によると、がん手術による外科的疼痛を経験している患者に対して音楽療法を提供できる可能性があるとしています。(タイプ:エビデンスに基づく、有益性が有害性を上回る、エビデンスの質は低い、推奨度は弱い。)
- 2021年に報告されたコクランレビューでは、合計5,576例が参加した81件の研究を対象とした、標準治療と比較した音楽による介入が、成人がん患者の不安、抑うつ、希望、疼痛、疲労に対して有益な効果をもたらす可能性があることが明らかになりました。レビューに含まれた2つの試験は、音楽を用いた介入が小児がん患者の不安に対して有益な効果をもたらす可能性を示唆していますが、他の転帰に対する音楽の治療効果について結論を出すには、小児患者を対象とした研究が十分ではありませんでした。レビューアらは、ほとんどの試験はバイアスリスクが高く、エビデンスの確実性は低いか非常に低いことを指摘しました。
- 2022年に報告されたシステマティックレビューでは、25件のランダム化比較試験を対象とした音楽療法は(単独療法としても、他の薬理学的および非薬理学的治療法との併用療法としても)、がんの生理学的および心理社会的側面において一般的に有益な効果を有することが明らかになりました。
安全性
- 一般に、音楽を用いた介入に関する研究では、否定的な影響は示されていません。しかし、あまりに大きな音量で音楽を聴くと、騒音性聴力喪失の原因になることがあります。
- また、音楽は強い記憶や感情的な反応を伴うことがあるため、特定の曲や種類の音楽に触れることで苦痛を感じる人もいます。
- 運動や他の種類の動きを伴う音楽を用いた介入は、適切な安全対策が取られないと怪我につながる可能性があります。
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- 2022年に統合腫瘍学会と米国臨床腫瘍学会は、がん領域における疼痛管理のための統合医療に関する共同ガイドライン[英語サイト]を公表しました。本ガイドラインでは、鍼治療について以下のように推奨しています:
更新日:2024年8月9日
監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日
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