文字サイズ変更
  • 標準
  • 特大

海外の情報

ウコン
Turmeric

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版改訂年月(翻訳時):2020年5月
一般名(英名):
turmeric, turmeric root, Indian saffron
学術名:
Curcuma longa, synonym Curcuma domestica; Curcuma aromatica

背景

  • ウコンは東南アジア原産のショウガ科の植物で、インドを中心とするこれらの地域で商業用に栽培されています。ウコンの地下茎(根茎)は香辛料として料理に使用するほか、伝統医学にも利用されています。
  • 歴史的に、ウコンはアーユルヴェーダなどのインドの伝統医学で用いられてきました。また、中国伝統医学などの東アジアの医療システムでも使用されていました。インドでは、ウコンを皮膚、上気道、関節および消化器系の症状に対して伝統的に使用していました。
  • 現在では、ウコンはサプリメントとして関節炎、消化器障害、呼吸器感染症、アレルギー、肝疾患、うつ病などさまざまな症状・疾患に良いとされています。
  • ウコンは一般的な香辛料で、カレー粉の主成分です。ウコンの主成分はクルクミンで、多くの場合、ウコンの薬効はクルクミノイド(クルクミンとその類縁物質)に由来していると考えられています。ウコンの黄色はクルクミンに由来しています。
  • ウコンサプリメントは乾燥させた地下茎が原料で、多くの場合、複数種類のクルクミノイドを含有しています。ウコンをペースト状にして皮膚症状に使用することもあります。

これまでに解明されていること

  • ウコン由来の物質に関する研究は多くおこなわれてきましたが、健康に対する効果は、依然として明らかではありません。

研究で明らかになったこと

  • ウコンやクルクミンはさまざまな興味深い生物活性を有していますが、クルクミンは不安定(ほかの物質に変化しやすい)であり、経口(口から)摂取時のバイオアベイラビリティー(生物学的利用能)が低い(血液中に到達する量が少ない)ため、研究するのが難しいとされています。さらに、クルクミン製品は、製品により組成が異なっていたり、予測した以上に多くの物質が含まれていたりする可能性があるため、研究結果の解釈や比較が難しいとされています。人に対するウコンとその成分の作用は複雑で十分に解明されていないため、健康上の問題に対してウコンが有益であるかについては明確な結論は出ていません。
  • 米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)は、クルクミノイドが骨組織において骨疾患に作用する物質に変換される可能性、また、どのように変換されるのかを調べる研究を助成しています。

安全性について

  • ウコンや従来から配合されているクルクミン製品を経口(口から)摂取または皮膚に塗布しても、推奨されている量であれば、おそらく安全であると考えられます。
  • バイオアベイラビリティー(生物学的利用能)の高いクルクミン製品の開発が試みられており、既に多くの改良品が市販されています。バイオアベイラビリティー(生物学的利用能)の向上により、望ましい効果だけでなく有害な作用も強まる可能性があります。
  • 妊娠中に食物に含まれる通常量より多い量のウコンを摂取した場合は安全でない可能性があります。授乳中に食物に含まれる通常量よりも多い量のターメリックを摂取した場合の安全性ついてはほとんどわかっていません。

注意事項

  • 自分の健康に責任を持ちましょう。利用している補完療法のすべてをかかりつけの医療スタッフに伝えてください。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

さらなる情報

関連トピック

医療関係者向け情報

このページの情報は役に立ちましたか?

参考文献

  • Dei Cas M, Ghidoni R. Dietary curcumin: correlation between bioavailability and health potential.Nutrients.2019;11(9):2147.
  • Friesen JB, Liu Y, Chen S-N, et al.Selective depletion and enrichment of constituents in “curcumin” and other Curcuma longa preparations.Journal of Natural Products.2019;82(3):621-630.
  • Funk JL. Termeric In:Coates PM, Betz JM, Blackman MR, et al., eds.Encyclopedia of Dietary Supplements, 2nd ed. New York, NY:Informa Healthcare; 2010:754-765.
  • Gescher A. Editorial: curcumin: recent insights, novel developments, new challenges.Molecular Nutrition & Food Research.2013;57(9):1509.
  • Heger M. Don’t discount all curcumin trial data.Nature.2017;543(7643):40.
  • Lopresti AL.The problem of curcumin and its bioavailability: could its gastrointestinal influence contribute to its overall health-enhancing effects?Advances in Nutrition.2018;9(1):41-50.
  • Nelson KM, Dahlin JL, Bisson J, et al.Curcumin may (not) defy science.ACS Medicinal Chemistry Letters.2017;8(5):467-470.
  • Nelson KM, Dahlin JL, Bisson J, et al.The essential medicinal chemistry of curcumin.Journal of Medicinal Chemistry.2017;60(5):1620-1637.
  • Shen L, Ji H-F. The pharmacology of curcumin: is it the degradation products?Trends in Molecular Medicine.2012;18(3):138-144.
  • Sorkin BC, Kuszak AJ, Bloss G, et al.Improving natural product research translation.FASEB Journal.2020;34(1):41-65.
  • Termeric Natural Medicines website.Accessed at naturalmedicines.therapeuticresearch.com on December 27, 2019.[Database subscription].

詳細情報

■ NCCIH 情報センター

NCCIH情報センターは、NCCIHに関する情報、および科学論文・医学論文の連邦データベースの公開や検索などの補完療法に関する情報を提供しています。情報センターでは医学的なアドバイス、治療の推奨や施術者の紹介は行いません。情報センターでは、医学的なアドバイス、治療の推奨、施術者の紹介はおこなっていません。

米国内の無料通話:1-888-644-6226
tty (聴覚障害者や難聴者向け):
1-866-464-3615
Website:https://nccih.nih.gov/(英語サイト)
Email:info@nccih.nih.gov

■ PubMed®

国立医学図書館(NLM)[米国]のサービスであるPubMed®には、科学・医学雑誌に掲載された論文の情報(掲載号、出版年月日など)および(ほとんどの場合)その論文の要約が掲載されています。NCCIHによるPubMed使用のガイダンスは、「How To Find Information About Complementary Health Approaches on PubMed」(英語サイト)をご覧ください。

ウェブサイト:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/(英語サイト)

■ ODS(ダイエタリーサプリメント室)、NIH(米国国立衛生研究所)

ダイエタリーサプリメント室(Office of Dietary Supplements :ODS)は、科学情報の評価、研究支援、研究結果の共有、および啓蒙活動を通して、国民のサプリメントに関する知識や理解が深まるよう努めています。この情報は(「知っておきたいこと:サプリメント」など)、さまざまなサプリメント製品や具体的な成分(ビタミンDやマルチビタミン/ミネラルサプリメントなど)に関するファクトシート、PubMed Dietary Supplement Subset(PubMedでダイエタリーサプリメントに関する論文を自動検索する機能)(英語サイト)などを提供しています。

ウェブサイト:https://ods.od.nih.gov/(英語サイト)
Email:ods@nih.gov

国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]は、個人の参考情報として、この資料を提供しています。この資料は、あなたのプライマリーヘルスケア提供者(かかりつけ医等)の医学専門知識やアドバイスに代わるものではありません。NCCIHは、治療やケアについて意思決定をする場合は、必ずかかりつけの医療スタッフと相談することをお勧めします。この資料に記載されている特定の製品、サービス、治療法のいずれも、NCCIHが推奨するものではありません。

監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

「統合医療」情報発信サイト
医療関係者の方へ 関連コンテンツ

ページトップ
ページトップ