海外の情報
フィーバーフュー(ナツシロギク)
Feverfew
本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。
英語版最終アクセス確認日:2022年12月1日
- 一般名(英名):
- feverfew, bachelor’s buttons, featherfew
- 学術名:
- Tanacetum parthenium, Chrysanthemum parthenium, Matricaria parthenium
背景
- フィーバーフュー(ナツシロギク、Feverfew)は、西アジアやバルカン半島が原産ですが、現在では世界中で生育しています。
- フィーバーフューは、発熱、頭痛、関節炎などに効果があるとされ、局所的(皮膚に塗る)には歯痛、防腐剤、殺虫剤などとしてプロモーション(宣伝・販売促進)されています。フィーバーフューは、"中世のアスピリン "や "18世紀のアスピリン "と呼ばれています。
これまでに解明されていること
- フィーバーフューを片頭痛の治療薬として使用することを検討した臨床研究があります。フィーバーフューが他の健康上の問題に及ぼす影響については、エビデンス(科学的根拠)はほとんど、あるいは全く得られませんでした。
研究で明らかになったこと
- 一部の研究では、フィーバーフューが片頭痛の予防に有用である可能性を示唆していますが、結果はまちまちです。また、片頭痛の頻度や、痛み、吐き気・嘔吐、光過敏などの症状を軽減する可能性を示唆する研究結果もあります。
- フィーバーフューが他の症状に有用であるという十分なエビデンスはありません。
安全性について
- フィーバーフューの使用による重篤な副作用は報告されていません。副作用としては、吐き気、消化器系の問題、腹部膨満感などがあります。また、生の葉を噛むと口内炎ができることがあります。
- ブタクサや関連する植物に過敏性のある人は、フィーバーフューにアレルギー反応を起こす可能性があります。
- 子宮収縮に影響を与える可能性があるため、妊娠中はフィーバーフューを摂取しないでください。授乳中のフィーバーフュー摂取の安全性については、ほとんどわかっていません。
- フィーバーフューを局所的に使用すると、皮膚の炎症を引き起こす可能性があります。
注意事項
(※補足:原文では、healthcare provider。米国では主に医療サービス等のヘルスケアを提供している病院/医師を指す。また、健康保険会社や医療プログラムを提供する施設等も含む。)
さらなる情報
関連トピック
関連するファクトシート
参考文献
- Feverfew. Natural Medicines website. Accessed at naturalmedicines.therapeuticresearch.com/ on March 5, 2020. [Database subscription].
- Sun-Edelstein C, Mauskop A. Alternative headache treatments: nutraceuticals, behavioral and physical treatments(英語サイト). Headache. 2011;51(3):469-483.
詳細情報
■ NCCIH 情報センター
米国国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)の情報センターは、NCCIHに関する情報、ならびに連邦政府が管理運営する科学・医学論文データベースから関連する文献や検索・調査などを含む補完・統合医療に関する情報を提供しています。情報センターでは、医学的なアドバイス、治療の推奨、施術者の紹介はおこなっていません。
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■ PubMed®
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ウェブサイト: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/(英語サイト)■ 米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)のダイエタリーサプリメント室(Office of Dietary Supplements:ODS)
ODSは、科学情報の評価、研究支援、研究結果の共有、および啓蒙活動を通して、国民のダイエタリーサプリメントに関する知識や理解が深まるよう努めています。情報源として、出版物(「ダイエタリーサプリメント:知っておきたいこと」など)、さまざまなサプリメント製品や具体的な成分(ビタミンDやマルチビタミン/ミネラルサプリメントなど)に関するファクトシートなどを提供しています。
ウェブサイト:https://ods.od.nih.gov/(英語サイト)
E-mail: ods@nih.gov(メール送信用リンク)
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更新日:2023年2月7日
監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日
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