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ホメオパシー
Homeopathy

(注)日本学術会議(平成22年8月24日)において、「ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されている」との会長談話が出されている。
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英語版改訂年月(翻訳時):2018年7月

ホメオパシー医療としても知られるホメオパシーは200年以上前にドイツで確立された代替医療体系です。このファクトシートではホメオパシーの総括とさらなる情報源を提供しています。

要点は?

ホメオパシーについて解明されていること

  • 多くの研究がさまざまな症状に対するホメオパシー製品を評価していますが、安全性についての調査はあまりありません。

ホメオパシーの有効性についてわかっていることは?

  • 特定の症状に対する有効な治療法として、ホメオパシーを支持するエビデンスはほとんどありません。

ホメオパシーの安全性について

  • ホメオパシーとして表示する製品の中には、相当量の活性成分を含み、副作用や薬物相互作用を引き起こす可能性があります。

ホメオパシーとは?

ホメオパシー医療としても知られるホメオパシーは200年以上前にドイツで確立された医療体系です。異なる2つの理論を基にしています。

  • 一つは「類似したものは類似したものを治す(同種の法則)」で、ある物質を健康な人に投与すると起こる症状に関して、その症状がある人にその物質を投与すると治るという考えです。
  • もう一つは「超微量の法則」という考えで、薬剤が微量であるほど、その有効性が高くなるという考えです。多くのホメオパシー製品は、元の物質の分子が残らないほど非常に希釈されています。

ホメオパシー製品には、植物(赤タマネギ、アルニカ[山岳地帯の薬草]、ツタウルシ、ベラドンナ、イラクサ)、鉱物(ヒ素など)、動物(蜂を丸ごと潰したものなど)があります。ホメオパシー製品は、砂糖玉にしたものを舌下に置いて服用します。他には、軟膏、ゲル、点滴、クリーム、タブレット錠などの形状があります。治療は人それぞれに「個別化」または最適化されています。同じ症状のある人たちが、異なる治療を受けることはよくあります。

アメリカの使用状況

2012年に行われた、米国人による補完療法の利用に関する広範囲な調査を含む米国国民健康調査(National Health Interview Survey:NHIS)によると、推定500万人の成人と100万人の子供がその前年にホメオパシーを利用しました。2012年の調査では、1.8%の子供がホメオパシーを利用しましたが、わずか0.2%の子供がホメオパシーの施術者を受診したことが報告されています。2016年に行われたこの調査のデータ分析は、ホメオパシー製品を利用したほとんどの成人が、風邪や筋骨格痛に対し自己処方したことを示唆しています。

2016年に米国連邦取引委員会(U.S. Federal Trade Commission:FTC)は、市販のホメオパシー薬の有効性と安全性の表示について、同様の表示をする他の製品と同じ基準を設けることを発表しました。さらに、製品が特定の症状を治療することができるという表示など、企業は健康関連の表示に対してFTCの要求に適う信頼できる科学的根拠(エビデンス)を持たなければならないと述べました。

2017年12月、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)は、ホメオパシー製品に対し、新しい、リスクに基づいた法を提案しました。提案された法は、最も高いリスクの可能性がある下記の製品に対して、より注意深い監視を求めるものです。

  • 安全性の懸念が報告されている製品
  • 経口(口から)摂取でない製品や皮膚に塗布しない製品
  • 身体の弱い人々向けの製品
  • 品質、力価、純度の法的基準を満たしていない製品
  • 深刻で命を脅かす病気や症状の予防、または治療のために使用される製品

科学的観点から見たホメオパシーの有効性

2015年に行われたオーストラリア政府の国民健康医学研究評議会(National Health and Medical Research Council)によるエビデンスの包括的評価では、ホメオパシーが多くの症状に効果的であるという信頼できるエビデンスはないと結論付けました。

ホメオパシーは物議を醸す話題です。ホメオパシーの主要な概念の多くは、基本的な科学的概念と一致しません。例えば、活性成分をほとんど、または全く含まない製品にどのような効果があるのかを科学的な観点から説明することはできません。そうなると、そのような製品の厳密な臨床研究には大きな課題が生まれます。例えば研究者は、非常に希薄な混合物の中に、ラベルに表示されているものが含まれていることを立証できません。 また、体内に入った非常に希薄な混合物の効果を示す客観的な測定ですら行えません。

他の研究課題は、ホメオパシー治療が非常に個別化されており、ホメオパシーの施術者の標準となる処方基準がないことです。数百の異なるホメオパシー療法があり、数千の症状に対してさまざまに異なる希釈で処方されています。

ホメオパシー予防接種を支持するエビデンスはありません

一部のホメオパシー製品(「ノソード」または「ホメオパシー予防接種」と呼ばれます)は、従来の予防接種の代替として奨励する人もいますが、米国疾病対策センター(U.S. Centers for Disease Control and Prevention)は、そのような主張を裏付ける信頼のおける科学的根拠(エビデンス)はないと述べています。国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)は、予防接種/ワクチン接種に関して、疾病対策センターの推奨事項を支持しています。ワクチンについてもっと知りたい方は、www.vaccines.gov.(英語サイト)をご覧ください。

科学的観点から見たホメオパシーの安全性および副作用

  • 多くのホメオパシー製品は高度に希釈されていますが、ホメオパシーとして販売または表示される製品の中には、そうでないものもあります。それらには、相当量の活性成分を含む可能性があり、副作用や薬物相互作用を引き起こす可能性があります。この種のホメオパシー製品において健康への悪影響が報告されています。
  • 2012年の症例報告と症例集積のシステマティックレビューでは、特定のホメオパシー製品(水銀や鉄などの重金属を高度に希釈していない製品など)を使用したり、有用な通常医療の代わりに効果のないホメオパシー治療を用いたりすると、副作用が生じる可能性があり、中には深刻なものもあると結論付けました。
  • 液体タイプのホメオパシー製品にはアルコールが含まれていることがあります。FDAは、通常の医薬品よりもこれらの製品のアルコール値が高いことを認めています。
  • ホメオパシーの施術者は、患者の中に「ホメオパシー的悪化」(ホメオパシーの処方を受けた後に既存の症状が一時的に悪化すること)を経験する人がいることを想定しています。臨床研究では、この反応に対する多くのエビデンスは認められていません。ホメオパシー的悪化に関する研究はほとんどありません。症状の変化については、常にかかりつけの医療スタッフに相談しましょう。
  • FDAは、ホメオパシーと表示されたさまざまな製品について消費者に警告をしています。例えば2017年には、一部の歯の生え始めの痛みを抑える錠剤に過剰量の有毒物質ベラドンナが含まれていることを消費者に警告しました。 2015年には、FDAによる安全性と有効性が評価されていないため、ホメオパシーと表示された市販の喘息を抑える製品に頼らないよう警告しました。
ホメオパシー製品の規制
ホメオパシー治療薬は連邦食品・医薬品・化粧品法(FDCA)に医薬品として管理対象に指定されていますが、現在の方針ではFDAはホメオパシー治療薬の安全性と有効性を評価していません。ホメオパシー薬のFDAの実施方針はFDAのコンプライアンス・ポリシー・ガイドの論文「Conditions Under Which Homeopathic Drugs May be Marketed」(CPG 7132.15)で述べられています。
一定の条件を満たしているホメオパシー治療薬はFDAの事前承認がなくても販売することができます。例えば、ホメオパシー治療薬に含まれる活性成分は、米国ホメオパシー薬局方(HPUS)に記載されているものでなければいけません。HPUSにはホメオパシー製品に合法的に含まれている可能性のある活性成分とその成分の力価基準、品質基準、純度基準が記載されています。さらに少なくとも一つの適応症(当該医薬品の有効性が確かめられた疾患)、成分一覧、活性成分の希釈回数、用法が、製品のラベル、外装、添付文書に明記されている必要があることをFDAは要求しています。がんのような重度の疾患治療を目的とする場合は、処方箋が必要になります。風邪頭痛などの自然治癒可能な軽度の体調不良の治療を目的としたものに限り、処方箋なしで販売することができます。
資格
アメリカにおけるホメオパシーの実施を規制する法律は州ごとに異なります。医師開業免許もしくはその他の医療専門的職業の免許を有する個人は通常ホメオパシー療法を合法的に実施することができます。一部の州では、免許をもたない専門家がホメオパシー療法を実施することもあります。
アリゾナ州、コネチカット州、ネバダ州にのみ医師(医学博士)と整骨医(整骨医学博士)のためのホメオパシーライセンス委員会があります。アリゾナ州とネバダ州はまた、ホメオパシーアシスタントにライセンスを発行し、ホメオパシー専門医の監督下でホメオパシー療法を実施する許可を与えています。一部の州ではカイロプラクティック、自然療法、理学療法にホメオパシー療法が含まれています。

さらに考慮しなければならないこと

  • 通常の治療の代わりにホメオパシーを利用する、医療機関の受診を先延ばしにするためにホメオパシーを利用するといったことはしないでください。
  • ホメオパシー治療薬の使用を検討中の場合は、かかりつけの医療スタッフを受診する際にその治療薬をお持ちください。医療スタッフはその製品が副作用や薬物相互作用を起こすリスクがあるかどうかを見極める手助けすることができるかもしれません。
  • 小児も大人も推奨されている従来の予防接種スケジュールに従いましょう。ホメオパシー製品を従来の予防接種の代用にするのはやめましょう。
  • 妊娠中あるいは授乳中の母親、または小児へのホメオパシーの利用を検討している場合は、それぞれの医療スタッフに相談しましょう。
  • 自分の健康に責任を持ちましょう。あなたが行っている全ての補完療法についてかかりつけの医療スタッフに相談しましょう。それによって連携のとれた安全な治療が受けられるでしょう。

さらなる情報

■ NCCIH 情報センター

NCCIH情報センターは、NCCIHに関する情報、および科学論文・医学論文の連邦データベースの公開や検索などの補完療法に関する情報を提供しています。情報センターでは医学的なアドバイス、治療の推奨や施術者の紹介は行いません。

米国内の無料通話:1-888-644-6226
テレタイプライター(TTY、聴覚障害者や難聴の方用):1-866-464-3615
ウェブサイト: nccih.nih.gov(英語サイト)
E-mail:info@nccih.nih.gov(メール送信用リンク)

■ PubMed®

国立医学図書館(NLM)[米国]のサービスであるPubMed®には、公表文献の情報および(ほとんどの場合)科学・医学雑誌の論文からの短い要約が掲載されています。NCCIHによるPubMed使用のガイダンスは、How To Find Information About Complementary Health Approaches on PubMed(PubMedで補完療法情報を探す)(英語サイト)をご覧ください。

ウェブサイト:www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed(英語サイト)

■ 米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)

FDAは食物、医薬品、サプリメント、医療機器、および化粧品などの数多くの製品の安全性を監督します。サプリメントについてのウェブページはこちら

米国内の無料通話:1-888-463-6332
ウェブサイト:www.fda.gov(英語サイト)

■ 米国連邦公正取引委員会(Federal Trade Commission:FTC)

FTCとは公正な取引を監督・監視する連邦政府の機関です。その仕事の重要な分野は、広告の規制です(処方薬と医療機器を除く)。

米国内の無料通話:1-877-382-4357
ウェブサイト: www.ftc.gov(英語サイト)

■ NIH Clinical Research Trials and You(NIHクリニカル・リサーチ・トライアル・アンド・ユー)

国立衛生研究所(NIH)[米国]が開設したウェブサイトです。一般の人々に、臨床試験の重要性や、どうすれば臨床試験に参加できるのかを知ってもらうために開設されました。サイトには、臨床試験に関する質問と回答、臨床試験の情報を探す方法(ClinicalTrials.govなどの情報検索サイトやその他の情報源)、臨床試験に参加した人の体験談などが掲載されています。臨床試験は、病気を予防、診断、治療するうえで、よりよい方法を見つけ出すために必要な試験です。

ウェブサイト:www.nih.gov/health/clinicaltrials/(英語サイト)

■ Research Portfolio Online Reporting Tools Expenditures & Results (RePORTER)

RePORTERは、研究機関において、政府が助成し現在実施されている科学・医学研究プロジェクトに関する情報のデータベースです。

ウェブサイト:projectreporter.nih.gov/reporter.cfm(英語サイト)

■ MedlinePlus

健康に関する質問に答えるリソースを提供するため、MedlinePlus(米国国立医学図書館のサービス)が国立衛生研究所および他の政府機関と健康関連団体からの信頼できる情報をまとめています。

ウェブサイト:www.medlineplus.gov(英語サイト)

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参考文献

謝辞

NCCIHは、この出版物の2018年版からの更新における貢献に対して次の人に感謝します。
David Shurtleff, Ph.D., NCCIH

このサイトの情報は著作権で保護されておらず公開されています。複製も奨励されています。

国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]は、個人の参考情報として、この資料を提供しています。この資料は、あなたのプライマリーヘルスケア提供者(かかりつけ医等)の医学専門知識やアドバイスに代わるものではありません。NCCIHは、治療やケアについて意思決定をする場合は、必ずかかりつけの医療スタッフと相談することをお勧めします。この資料に記載されている特定の製品、サービス、治療法のいずれも、NCCIHが推奨するものではありません。

監訳:大野智、富塚啓貴(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
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