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海外の情報

葉酸塩
Folate

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英語版最終改訂年月(翻訳時):2013年4月23日

葉酸塩とは?その働きは?

葉酸塩は、多くの食品中に天然に存在するビタミンBです。葉酸塩のうちの1つの種類は、葉酸という名称で、サプリメントと栄養強化食品に用いられています。

酸塩は、DNAと他の遺伝学的物質を合成するために私達の体には必要不可欠です。また、葉酸塩は体内の細胞分裂のためにも必要です。

葉酸塩の必要摂取量は?

葉酸塩の必要摂取量は、年齢によって異なります。下表に1日の平均摂取推奨量を、葉酸の推奨食事許容量(DFEs)としてマイクログラム(mcg)で示します。

妊娠の可能性がある10歳代の女子を含むすべての女性は、食品から天然の形で摂取する葉酸塩に加えて、サプリメントや栄養強化食品、あるいはそれらを併用して、毎日400mcgの葉酸を摂取することが推奨されます。

ライフステージ 摂取推奨量
生後6カ月 65 mcg DFE
幼児7-12カ月 80 mcg DFE
小児1-3歳 150 mcg DFE
小児4-8歳 200 mcg DFE
小児9-13歳 300 mcg DFE
10歳代14-18歳 400 mcg DFE
成人19-50歳 400 mcg DFE
成人51-70歳 400 mcg DFE
成人71歳以上 400 mcg DFE
妊娠している女性(10歳代も含む) 600 mcg DFE
授乳中の女性(10歳代も含む) 500 mcg DFE

どのような食品から葉酸を摂取できますか?

葉酸塩は多くの食品中に天然に存在し、食品会社は、例えば、パン、シリアル、パスタのような他の食品に葉酸を添加しています。以下のような様々な種類の食品を食べることで、推奨量の葉酸塩を摂取することができます。

  • 野菜(特にグリーンアスパラガス、芽キャベツ、そしてホウレンソウやからし菜などの緑黄色野菜)。
  • 果物とフルーツジュース(特にオレンジとオレンジジュース)。
  • ナッツ、インゲン豆、エンドウ豆(ピーナッツ、ササゲ、赤インゲン豆など)。
  • 穀物(全粒穀物;栄養強化コーンフレーク;パン、ベーグル、コーンミール、パスタのような栄養強化した小麦粉製品;および米など)。
  • 葉酸は穀物を含む製品の多くに添加されています。葉酸が食品に添加されているか確認するには、その製品の表示を確認してください。

牛レバーは、葉酸塩だけでなく、コレステロールも多く含むので、摂取量を制限する必要があります。食用肉、鶏肉、シーフード、卵、乳製品のような他の動物性食品には葉酸塩は少量しか含まれていません。

どんな葉酸サプリメントが市販されていますか?

葉酸は、マルチビタミン剤や妊婦用ビタミン剤として市販されています。また、ビタミンB複合体サプリメントや葉酸のみ含有するサプリメントとして市販されています。

充分に葉酸塩は摂取できていますか?

米国人の多くは充分に葉酸塩を摂取しています。しかし、特定の集団では他と比べて充分に葉酸塩を摂取できていない可能性があります:

  • 10代女子および14~30歳の女性(特に妊娠前または妊娠中)。
  • ヒスパニック系以外の黒人女性。
  • 栄養吸収が低下する疾患(セリアック病や炎症性腸疾患)を有する人々。
  • アルコール依存症の人。

充分に葉酸塩を摂らなかったらどうなりますか?

米国において葉酸塩欠乏症は稀ですが、一部の人々は充分な葉酸塩を摂取できていません。葉酸塩をほとんど摂取していないと巨大赤芽球性貧血を発症する恐れがあり、虚弱、倦怠感、注意力散漫、イライラ、頭痛、動悸、息切れなどを引き起こすことがあります。葉酸塩欠乏症は、舌や口腔内の潰瘍のみならず、肌や髪や指爪の変色も引き起こすこともあります。

充分な葉酸塩を摂取していない女性は、二分脊椎のような神経管欠損のある赤ちゃんを出産するリスクがあります。また、葉酸塩欠乏症は、早産や低体重児出産の可能性をも高めることがあります。

葉酸塩が健康に及ぼす影響にはどのようなものがありますか?

葉酸塩が健康にどのような影響を与えるのかを解明するための研究が行われています。以下は、研究成果の例です。

神経管欠損
妊娠前や妊娠早期に定期的に葉酸を摂取することで、生まれてくる赤ちゃんの神経管欠損の発症を防ぐことができます。 しかし妊娠全体の約半数は、予定外の妊娠です。そのため妊娠の可能性がある10代女子を含むすべての女性は、食品から天然の形で摂取する葉酸塩に加えて、サプリメントや栄養強化食品、あるいはそれらを組み合わせて、毎日400mcgの葉酸を摂取することが推奨されています。
1998年以降、米国食品医薬品局(FDA)は食品会社に対して、米国で販売される栄養を強化したパン、シリアル、小麦粉、コーンミール、パスタ、米およびその他の穀物製品に葉酸を加えるよう要請してきました。多くの米国国民はこれらを主食としているので、葉酸摂取量が上がり、1998年以降、神経管欠損のある赤ちゃんの出生数が減りました。
早産、先天性心疾患およびその他の出生時欠損
葉酸は、赤ちゃんの早産の発生リスクを低下させ、先天性心疾患のような出生時欠損を防ぐ可能性があります。しかし、葉酸がこれら疾患の発生リスクにどのように影響するのかを解明するためには、今後も研究を続ける必要があります。
がん
食品に天然の形で含まれる葉酸塩は、種々の形態のがんの発生リスクを低下させる可能性があります。しかし、葉酸塩の摂取量と摂取のタイミングによって、効果が異なる可能性があります。がんになる前に適量の葉酸を摂取することは、がんの発症リスクを低下させる可能性がありますが、がん(特に結腸・直腸癌)を発症した後に高用量の葉酸を摂取することは、がんの進行を早める恐れがあります。
上記の理由で、特に結腸・直腸腺腫の病歴のある人は(時にがんに変化することがあるので)、高用量(安全な上限値1000mcgを超える用量)の葉酸サプリメントを服用する時は、充分に注意する必要があります。 食事中の葉酸塩と葉酸サプリメントが、がん発症リスクにどのような役割を果たすのかを解明するためには、今後も研究を続ける必要があります。
心疾患と脳卒中
一部の研究者らは、葉酸およびその他のビタミンB群が血中のアミノ酸であるホモシステインのレベルを下げることによって、心疾患の発症リスクを低下させる可能性があると考えていました。
しかし、葉酸サプリメント服用によって血液中のホモシステインのレベルが下がりますが、心疾患の発生リスクは低下しません。 また一方で、一部の研究によると葉酸とその他のビタミンB群の併用が脳卒中の予防に有用であることが確認されています。
認知症、認知機能、アルツハイマー病
葉酸サプリメントにその他のビタミンB群を併用してもしなくても認知機能が改善することはないようですが、このテーマについては、今後も研究を続ける必要があります。
うつ病
葉酸塩の血中濃度が低いと、うつ病を発症する可能性が高く、また、抗うつ剤による治療効果が葉酸塩のレベルが正常な人と同様には現れにくい恐れがあります。
葉酸サプリメントの摂取によって、抗うつ剤がより有効になる可能性があります。しかし葉酸サプリメントの摂取は、葉酸塩のレベルが正常な人と葉酸塩欠乏症の人との両方に効果があるかは、明らかではありません。うつ病における葉酸塩の役割について、そして葉酸サプリメントを標準的な治療と併用した場合に有益かどうか知るために、今後も研究を続ける必要があります。

葉酸塩が害を及ぼす可能性はないのですか?

食品中に天然に存在する葉酸塩には害はありません。しかし、サプリメント中や栄養強化食品中の葉酸は、医療スタッフの指示がない限り、安全な上限値を超えて摂取すべきではありません。

高用量の葉酸を摂取することによって、ビタミンB12欠乏症が見落とされる恐れがあります。葉酸は貧血を改善しますが、ビタミンB12不足が引き起こす神経損傷は改善しません。これにより脳や脊髄や神経に永久的な障害を引き起こす恐れがあります。高用量の葉酸を摂取することは、結腸・直腸癌や人によってはその他のがんについても発生リスクを上げる可能性も考えられます。

葉酸の安全な上限値は下表の通りです。

年齢 安全な上限値
生後6カ月 設定数値なし
幼児7-12カ月 設定数値なし
小児1-3歳 300 mcg
小児4-8歳 400 mcg
小児9-13歳 600 mcg
10歳代14-18歳 800 mcg
成人 1,000 mcg

知っておくべき葉酸塩の相互作用はありますか?

葉酸サプリメントは医薬品と相互作用を起こす可能性があります。その例は以下の通りです:

  • 葉酸は、がん治療薬であるメトトレキサート(Rheumatrex®, Trexall®)と併用すると、メトトレキサートの効果を減弱する可能性があります。
  • 抗てんかん薬であるフェニトイン(Dilantin®)、カルバマゼピン(Carbatrol®, Tegretol®, Equetro®, Epitol®)とバルプロ酸(Depacon®)を服用すると、葉酸塩の血中濃度が低下する可能性があります。 更に、葉酸サプリメントを摂取することで、上記抗てんかん薬の血中濃度が低下する可能性があります。
  • 潰瘍性大腸炎の治療薬であるスルファサラジン(Azulfidine®)を服用すると、葉酸塩を吸収する能力が低下し、葉酸塩欠乏症が生じる恐れがあります。

あなたが服用しているすべてのサプリメントおよび医薬品について、担当の医師、薬剤師、その他の医療スタッフに話してください。利用しているサプリメントが、処方薬または市販薬と相互作用あるいは阻害を起こす可能性はないのか、あるいはそれらの医薬品が、体内での栄養素の吸収、利用、分解の過程において阻害する可能性がないのかについて教えてくれるでしょう。

葉酸塩と健康的は食事摂取方法

米国連邦政府が発行する「アメリカ人のための食生活の指針(Dietary Guidelines for Americans)」では、「栄養は主として食物から摂取すべきです。食物には、健康によいとされるビタミン、ミネラル、食物繊維やその他の成分が含まれています。サプリメントは、特定の状況下で特定のビタミンやミネラルの摂取量を増加させるのには役立つかもしれません」と述べています。健康的な食事に関する詳細な情報は、「アメリカ人のための食生活指針」と米国農務省の食事の指針システム、「MyPlate(私の食事)」を確認してください。

葉酸塩に関する詳しい情報を得たい時は?

【免責事項】

ダイエタリーサプリメント室が作成したこのファクトシートは、情報を提供するものであり、医師のアドバイスの代わりになるものではありません。サプリメントに関する興味・関心、疑問、利用法、何があなたの健康全般のために最善かについて尋ねたい場合は、医療スタッフ(医師、管理栄養士、薬剤師など)に相談することをお勧めします。この文書内で言及している個別の商品名は、その製品を推奨しているものではありません。

監訳:伊藤壽記(大阪大学)、大野智(帝京大学) 翻訳公開日:2014年3月28日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
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