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海外の情報

瞑想
Meditation

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英語版最終改訂年月(翻訳時):2016年4月

肝心なことは?

■ 瞑想について

高血圧、特定の精神的疾患、疼痛などのさまざまな疾患に瞑想がどのように有効であるかを調査するために、多くの研究がなされています。また多くの研究により瞑想がどのように作用し、脳にどんな影響をおよぼすのかが明らかになっています。

■ 瞑想の効果について

瞑想することにより血圧の降下、過敏性腸症候群の症状の緩和、不安感、抑うつ感、不眠の改善、急性呼吸器疾患(インフルエンザなど)の発症・期間・重度の改善がある場合があることが、研究により示唆されています。疼痛に対する効果や禁煙治療としての効果に関するエビデンスは、不明確です。

■ 瞑想の安全性について

瞑想は一般的に健康な人にとっては安全であると考えられています。しかし身体的制約のある人には、動きを伴う瞑想は不可能である場合があります。

瞑想とは?

瞑想とは心と体の鍛錬で、その歴史は古く冷静さおよび身体のリラックス感の増大、精神的なバランスの改善、病気の治療、総体的健康の増強のために利用されてきました。心と体の鍛錬は、脳、精神、身体、所作の相互作用に焦点をあてています。

瞑想には多くの種類がありますが、その多くには共通した4つの要素があります。できる限り雑念を払って静かにすること、特定の心地よい姿勢(座位、臥位、歩行またはその他の姿勢)、一点に集中すること(特別に選んだ言葉や語句、物体、呼吸の感覚)、開いた姿勢(判断することなく雑念を自然に去来させること)。

瞑想の効果の科学的根拠

多くの研究で瞑想の疾患への効果を調査しており、高血圧、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎患者の炎症を緩和する可能性があるというエビデンスがあります。不安感や抑うつ感の症状を和らげ、不眠症患者にも効果がある場合があります。

瞑想についてもっと詳しくお知りになりたい方は、以下を参考にしてください。

痛み
  • 瞑想が疼痛を軽減する効果については、研究により結果が異なっています。しかし中には疼痛に反応する脳のある領域を、瞑想が活性化すると示唆する研究もあります。
  • 米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)が助成する小規模な研究(2016年)から、マインドフルネス瞑想は痛みを緩和すること、その際に脳内内因性オピオイド介さないことが判明しました。
    マインドフルネスを、鎮痛薬およびその他の脳内オピオイドを活性化するアプローチと組み合わせることが痛みの軽減に特に有効であることが示唆されます。この研究について詳しくお知りになりたい方は、NCCIHのウェブサイトをご覧ください。
  • NCCIHが助成する他の研究(2016年)では、慢性腰痛を有する20~70歳の成人に、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)、認知行動療法(CBT)、あるいは通常治療が行われました。MBSRとCBTの参加者では同程度の改善が示され、トレーニング終了後の長期間も含め、通常治療を受けた参加者より大きな改善が得られました。
    MBSRおよびCBT群の参加者では、26週目および52週目に、通常治療を受けていた参加者より機能制限および腰痛により大きな改善が得られたことが見出されました。
    MBSRとCBTのアウトカムにおいて有意差はありませんでした。
    この研究について詳しくお知りになりたい方は、NCCIHのウェブサイトをご覧ください。
高血圧の方に
  • 298例の大学生を対象としたNCCIHが助成した試験の結果では、瞑想は高血圧を発症するリスクが高い人の血圧を下げる可能性があることを示唆しています。
  • また瞑想することは精神的苦痛、不安感、抑うつ感、怒り/敵意、対処能力に有効であることも示唆されました。
  • 米国心臓協会(American Heart Association)の文献レビューおよび科学的声明では、超越瞑想(TM)を実施すると血圧が下がるというエビデンスを示唆しています。
    しかしレビューでは、直接比較試験がほとんどないので、TMが血圧降下に他の瞑想より本当に優れているのかどうか確かではないとも示しています。
過敏性腸症候群の方に
  • 米国消化器病学会(American College of Gastroenterology)の2014年報告書によれば、過敏性腸症候群(IBS)向けにマインドフルネス瞑想トレーニングに着目した数少ない研究において、明確な効果は見られませんでした。
    しかしながら、研究の数が限られていたため、IBSが役に立たないとは断言できないとも記述されています。
  • 2011年のNCCIHが助成した75例の女性を対象とした試験の結果から、8週間のマインドフルネス瞑想によりIBSの症状の程度が緩和されることが示唆されています。
  • 2013年のレビューではマインドフルネス瞑想の訓練がIBS患者の疼痛および生活の質(QOL)を改善したが、抑うつ感や不安感は改善されなかったと結論付けています。ただし改善効果はわずかでした。
潰瘍性大腸炎の方に
  • 2014年の予備試験では寛解期の55例の成人患者を2つのグループに分け、8週間の間1グループはマインドフルネスストレス低減法(MBSR)を実践し、もう1グループはプラセボ療法を実践しました。
    6カ月および12カ月後、疾患の経過、炎症マーカー、再燃中の知覚ストレスを除く心理尺度において2グループで有意な差はありませんでした。
    またMBSRは寛解状態にある中等度から重度の患者に役立つ場合があり、ストレスによる再発の発生率を軽減する可能性があると結論付けられています。
不安感、抑うつ感、不眠症のある方に
  • 2014年の文献レビュー(参加者3,515名、47試験)では、マインドフルネス瞑想プログラムが不安感、抑うつ感を改善させる中等度のエビデンスが認められることを示唆しています。しかし薬物乱用や睡眠など、ストレスによって影響を受ける健康関連行動が、瞑想により変化するというエビデンスは認められていません。
  • 2012年に実施された36試験のレビューで、25試験から瞑想群の方で対照群よりも不安症状に対する良好な結果が報告されたことが明らかになりました。
  • またNCCIHが助成した小規模試験では、54名の慢性不眠の成人がそれぞれマインドフルネスストレス低減法(MBSR)、不眠に対象を特化したMBSR(不眠のためのマインドフルネス瞑想を基にした療法またはMBTI)、セルフモニタリング法を学習しました。
    これら両方のマインドフル瞑想プログラムは睡眠に有効で、MBTIではMBSRに比べて不眠の重症度が有意に大幅な改善を示しました。
禁煙を考えておられる方に
  • 2015年の研究レビューによれば、禁煙を対象として行ったマインドフルネスによる13件の介入試験の結果から、タバコへの渇望、禁煙および再発予防において有望な結果が得られたことが明らかになりました。しかしながら、同研究には数多くの限界が存在しました。
  • 2013年のレビューの結果では、瞑想療法が禁煙に有効であることが示唆されていますが、数の限られている現在ある試験結果からは瞑想が有効であると確定するには厳密には不十分であるとしています。
  • 2011年の試験では瞑想トレーニングと標準的な禁煙行動療法を比較しており、瞑想トレーニングを受けた患者で治療直後と17週のフォローアップ後に喫煙率が大幅に減少したことが示されました。
  • 2013年の脳のイメージング研究では、マインドフルな注意(mindful attention)により喫煙への渇望が緩和し、また脳の渇望関連領域の活動を低下させたことが示唆されています。
  • しかし2013年に行われた第2の脳イメージング研究では2週間の瞑想コース(全5時間)がリラクセーショントレーニングと比較して有意に喫煙を減らし、また脳の渇望関連領域の活動を活発にしたことが認められています。
その他
  • 2011年にNCCIHが助成した研究では、8週間のマインドフルネスストレス低減法(MBSR)に参加した279名の成人において、精神面の変化がメンタルヘルスやQOLの改善と関連することが認められました。
  • 2013年に発表された米国胸部専門医学会(American College of Chest Physicians)のガイドラインでは、MBSRや瞑想は肺がん患者のストレス、不安感、疼痛および抑うつ感を軽減し、また気分や自尊心を高める場合があることを示唆しています。
  • 統合腫瘍学会(Society for Integrative Oncology (SIC))は2014年に発表した臨床診療ガイドラインで、乳癌治療の患者のストレス、不安感、抑うつ感、倦怠感を軽減するサポートケアとして瞑想を推奨しています。SICはまた、これらの患者のQOLを改善するために瞑想を利用することも推奨しています。
  • 瞑想を基にしたプログラムは、一般的な閉経後の症状である、ほてりや睡眠障害、気分障害、ストレス、筋肉および関節痛の頻度や程度の軽減に有効である可能性があります。しかし試験デザインの相違により確定した結論は得られていません。
  • 注意欠陥過活動性障害(ADHD)に対する瞑想の効果を検討した試験は非常に少ないので、この障害に対する瞑想の利用をサポートするエビデンスは十分ではありません。
  • 2014年の研究レビューから、瞑想などの心身鍛錬は炎症識別分子を抑制し、免疫系の制御に働くことが示唆されます。
  • 2013年にNCCIHが助成した49例の成人の試験結果では、8週間のマインドフルネス瞑想訓練のほうが、身体活動、食事教育、音楽療法による健康プログラムよりストレス惹起性炎症をより軽減する可能性があることを示唆しています。

瞑想と脳

瞑想が脳や身体を物理的に変化させ、多くの健康上の問題を改善し健康的言動を促進する場合があると示唆する研究もあります。

瞑想と脳に関してさらに詳しく知りたい方に
  • 2012年の研究では、瞑想を行った成人50名と瞑想を行わなかった成人50名で脳画像の比較が行われ、瞑想を長年行っている人は、脳の外層のしわが多いことが示唆されました。このプロセス(「皮質フォールディング」と呼ぶ)は脳の情報処理能力を増進させる可能性があります。
  • 2013年の3件の試験のレビューでは、瞑想が正常な老化により脳におこる変化を遅らせたり、止めたり、逆に若返らせたりする場合があることを示唆しています。
  • 2012年にNCCIHが助成した試験結果では、瞑想は扁桃体(感情処理に関与する脳の一部)の活動に影響を与え、瞑想していない時でも瞑想の種類により異なった影響を扁桃体に与える可能性があることが示唆されています。
  • 瞑想が疼痛を軽減する効果については、研究により結果が異なっています。しかし中には疼痛に反応する脳のある領域を、瞑想が活性化すると示唆する研究もあります。

瞑想の安全性と副作用の科学的根拠

  • 瞑想は一般的に健康な人にとっては安全であると考えられています。
  • 身体的に制約のある人は、ある種の動きの伴う瞑想を行えない場合があります。身体的健康に問題のある人は瞑想を始める前にかかりつけの医療スタッフと話し合い、瞑想インストラクターが病状を把握できるようにしておきましょう。
  • 不安感や抑うつ感などのある種の心理的問題を抱えている人が瞑想により症状が出たり、悪化したりする場合があるという報告はほとんどありません。精神的な健康に問題のある人は瞑想を始める前にかかりつけの医療スタッフと話し合い、瞑想インストラクターが病状を把握できるようにしておきましょう。

NCCIHによる研究助成

NCCIHの支援している瞑想の研究には次のようなものがあります。

  • 線維筋痛症などの慢性的な広範な疼痛を経験している10代
  • 多発性硬化症患者のストレス軽減
  • 外傷後ストレス障害、頭痛、血圧低下

さらに考慮しなければならないこと

  • 通常医療の治療の代わりに瞑想を利用する、または病的疾患について医療機関を受診することを先送りにするために、瞑想を利用しないでください。
  • あなたが検討している瞑想インストラクターの訓練歴や経験について調べましょう。
  • かかりつけの医療スタッフにあなたが行っている療法をすべて話しましょう。健康管理のためにあなたがどんなことをしているのか、すべて話しましょう。そうすることでより良い組織的で安全なケアが受けられます。

さらなる情報

■ NCCIH 情報センター

NCCIH情報センターは、NCCIHに関する情報、および科学論文・医学論文の連邦データベースの公開や検索などの補完・統合療法に関する情報を提供しています。情報センターでは医学的なアドバイス、治療の推奨や施術者の紹介は行いません。

米国内の無料通話:1-888-644-6226
テレタイプライター(TTY、聴覚障害者や難聴の方用):1-866-464-3615
ウェブサイト: nccih.nih.gov
E-mail: info@nccih.nih.gov

■ PubMed®

国立医学図書館(NLM)[米国]のサービスであるPubMed®には、公表文献の情報および(ほとんどの場合)科学・医学雑誌の論文からの短い要約が掲載されています。PubMedの利用に関するNCCIHのガイダンスについては、How To Find Information About Complementary Health Approaches on PubMed を参照してください。

ウェブサイト:www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed

■ NIH Clinical Research Trials and You(NIHクリニカル・リサーチ・トライアル・アンド・ユー)

国立衛生研究所(NIH)[米国]が開設したウェブサイトです。一般の人々に、臨床試験の重要性や、どうすれば臨床試験に参加できるのかを知ってもらうために開設されました。サイトには、臨床試験に関する質問と回答、臨床試験の情報を探す方法(ClinicalTrials.govなどの情報検索サイトやその他の情報源)、臨床試験に参加した人の体験談などが掲載されています。臨床試験は、病気を予防、診断、治療するうえで、よりよい方法を見つけ出すために必要な試験です。

ウェブサイト: www.nih.gov/health/clinicaltrials/

■ Research Portfolio Online Reporting Tools Expenditures & Results (RePORTER)

RePORTERは、研究機関において、政府が助成し現在実施されている科学・医学研究プロジェクトに関する情報のデータベースです。

ウェブサイト: projectreporter.nih.gov/reporter.cfm

参考文献

Sources are drawn from recent reviews on the general topic of meditation in the peer-reviewed medical and scientific literature in English in the PubMed database, selected evidence-based databases, and Federal sources.

謝辞

NCCIHは、このサイト情報2014年版からの更新における技術的な専門知識とレビューに対して次の人に感謝します。
Richard J. Davidson, Ph.D., Vilas Professor, Psychology and Psychiatry, University of Wisconsin-Madison; Jeffrey M. Greeson, Ph.D., M.S., Assistant Professor, Psychiatry and Behavioral Sciences, Duke University Medical Center; Helané Wahbe, N.D., Assistant Professor, Neurology, Oregon Health & Science University; and John Glowa, Ph.D., and John (Jack) Killen, Jr., M.D., NCCIH. また、今回の更新におけるレビューに対して、David Shurtleff, Ph.D., NCCIHにも感謝します。

このサイトの情報は著作権で保護されておらず公開されています。複製も奨励されています。

国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]は、個人の参考情報として、この資料を提供しています。この資料は、あなたのプライマリーヘルスケア提供者(かかりつけ医等)の医学専門知識やアドバイスに代わるものではありません。NCCIHは、治療やケアについて意思決定をする場合は、必ずかかりつけの医療スタッフと相談することをお勧めします。この資料に記載されている特定の製品、サービス、治療法のいずれも、NCCIHが推奨するものではありません。

更新日:2018年3月22日

監訳:大野智、安枝明日香(大阪大学) 翻訳公開日:2017年3月29日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
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