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コミュニケーション

背景説明

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英語版最終改訂年月(翻訳時):2012年3月14日

はじめに

患者と医療スタッフは、患者が受けるすべての医療についてオープンに話し合う必要があります。これには補完療法の利用も含まれます。

国立衛生研究所[米国]の国立補完統合衛生センター(NCCIH)[米国]では補完療法の活用について積極的に話し合いの機会を持つよう啓蒙する「Time to Talk(話し合いましょう)」キャンペーンを行っています。NCCIHは合衆国政府の補完療法に関与する主導機関で、医療専門家に役立つ根拠に基づいた情報を提供し、患者がヘルスケアについて判断する手助けをする役割を担っています。

なぜ話し合いが必要なのでしょうか

安全かつ連携のとれたケアを確保するために、話し合いましょう。医療スタッフと患者とでオープンに話し合うことで、患者は全体的に統合された医療を受けられるだけでなく、通常の治療法との相互作用から生じるリスクを最小限にすることができます。受けている補完療法について医療スタッフに伝えることで、患者はより安全で効果的な健康管理が可能となります。医療スタッフが患者に補完療法について尋ねることで、自分がその患者の健康状態を把握しており、健康管理に関する判断をするときの助言をすることが可能であることを患者に理解してもらうことができます。

2007年に行われた米国政府の全国調査では、全成人のうち約40%の人々が何らかの補完療法を利用していると回答しました(参考文献1)。また補完療法を利用しているという回答が最も多かった年齢層は50歳代でした。50歳以上の人々を対象とした2010年の調査では、補完療法を利用したことがあると回答した人のうち、58%が医療スタッフとこの件について話し合ったことがあると述べています(参考文献2)。

補完療法とは、通常医療の領域外の多様な医学/医療体系・施術・製品の総称と定義されています。ハーブ製品、瞑想、カイロプラクティックや鍼治療などの製品や療法があります。

NCCIHとAARPによる調査:2010年にNCCIHと米国退職者協会(AAPR)が協力して、50歳以上の患者と医療スタッフとのコミニューケーションの現状を評価・理解するために消費者電話調査を行いました。この調査は2006年に実施された類似の調査を土台としています。2010年の調査では患者と医療スタッフは補完療法について話し合わないことが多いと確認されました。その主な理由は、医療スタッフに対して、自分が利用している補完療法について話す必要性を患者が認識していないことでした。また患者に対し、補完療法を利用していないかを医療スタッフも聞き取りをしていないことがわかりました。

参考文献1:Barnes PM, Bloom B, Nahin RL. Complementary and Integrative Health use among adults and children: United States, 2007. CDC National Health Statistics Report #12. 2008.
参考文献2:AARP, NCCIH. Complementary and Integrative Health: What People 50 and Older Discuss With Their Health Care Providers. Consumer Survey Report; April 13, 2011.

調査では他に何がわかったのでしょうか?

補完療法の利用

  • 回答者の半数以上(53%)が生涯のどこかの時点で補完療法を使用していたことがあります。

医療スタッフとのコミュニケーション

  • 過去12か月で補完療法を利用したことがある人のうち42%は医療スタッフにその話をしていませんでした。
  • 補完療法について医療スタッフと話し合いをしなかった主な理由は、「聞かれなかったから」(42%)、「話すべきことだと思わなかったから」(30%)でした。これは4年前の調査でも同様でした。
  • 診察において補完療法の話題が出るのは患者からの場合が多かったようです。自分から話題にしたと回答した人は、医療スタッフから質問されたと回答した人の2倍でした。これは2006年の調査でも同様でした。

医療スタッフと話し合った話題

  • 医療スタッフと話し合った話題で一番多かった内容は、次の通りでした。「他の薬や治療との相互作用」(44%)、「補完療法を続けるかどうか」(41%)、「補完療法の効果」(41%)、「適した補完療法は何か」(40%)、「安全性」(38%)

補完療法を利用する理由

  • 補完療法を利用した人の大半は「病気の予防および健康の増進のため」(77%)、あるいは「痛みを減らす、あるいは痛みがある状態を治療するため」(73%)を目的としていました。他に多かった理由は、「患者個人の健康状態の治療のため」(59%)、あるいは「通常の治療を補うため」(53%)でした。

通常医療で処方された医薬品の使用状況

  • ほぼ5人中4人(78%)が1種類以上の処方薬を服用していると回答し、5人に1人(19%)は、服用している薬が5種類以上であると回答しました。

この調査で他に分かったこと

  • 補完療法において最も利用されているものは、「ハーブ製品あるいはサプリメント」(37%)でした。以下、「マッサージ、カイロプラクティック、その他の整体」(22%)、「心身の鍛錬」(9%)、そして「自然療法、鍼灸、ホメオパシー」(5%)と続きました。
  • 補完療法の利用について相談するのは、男性より女性が多い傾向にありました。
  • 補完療法について相談する相手は、医療スタッフの中でも医師が多い傾向にありました。
  • 大学に進学、あるいは卒業した人よりも、高校教育までの人では、補完療法の話し合いを切り出すのは医療スタッフであると回答する割合が多い傾向にありました(35% vs 21%)。
  • 補完療法について情報を得ている先は次の通りです。「家族や友人」(26%)、「医療スタッフ」(21%、かかりつけ医が13%)、「インターネット」(14%)、「雑誌を含む出版物、新聞、本」(13%)、「ラジオやテレビ」(7%)。今回の調査で「インターネット」と回答した割合は2006年の調査時よりも10%から14%に増えています。

話し合いを始めるヒント

患者へのヒント

  • 問診票には、利用したことのある療法や治療の履歴を漏らさず書きましょう。あらかじめリストを作っておきましょう。
  • 医療スタッフにすべての療法や治療について伝えましょう。市販薬や処方薬、サプリメントやハーブ製品ついても伝えましょう。
  • 積極的に話しましょう。補完療法について医療スタッフに尋ねられるまで待つ必要はありません。
  • 新たに補完療法を検討しているのであれば、その安全性や効果、服用している薬との相互作用の可能性(処方薬と市販薬)について医療スタッフに相談しましょう。

医療スタッフへのヒント

  • 患者の問診票に補完療法についての質問を加えてください。
  • 患者が使用しているすべての治療の一覧表(処方薬や市販薬、薬草療法やその他の補完療法など)を作成した上で、持参してもらう指示して下さい。
  • 医療スタッフ全員で、患者との会話を切り出しましょう。

医療スタッフ向け無料キット

医療スタッフは、ポスターや、ヒント集、患者用の携帯カード、その他の補完療法の利用についての話し合いを促進するような情報をまとめた無料のキットを注文できます。無料キットのご注文については1-888-644-6226(NCCIH Clearinghouse)へお問い合わせください。「Time to Talk(話し合いましょう)」の詳細や、補完代替医療の利用についてのNCCIH/AARPレポートの全文を読みたい方は下記のURLをご参照ください。
nccih.nih.gov/timetotalk

■ 国立衛生研究所[米国]のリソース

NCCIHは、個人の参考資料としてこの文書を提供しています。医療専門家や一次診療医(かかりつけ医)のアドバイスに代わるものではありません。治療やケアについて判断する場合は必ず医療スタッフと相談することをお勧めします。ここに記載されている特定の製品やサービス、または治療法のいずれもNCCIHが推奨するものではありません。

監訳:伊藤壽記(大阪大学)、大野智(帝京大学) 翻訳公開日:2014年3月28日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
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